年の瀬の大掃除に、自然素材の洗剤を使った「ナチュラルクリーニング」を取り入れてみては。環境や肌に優しい上、手間がかからず、物価高の折、経済的でもある。汚れの性質を理解し、化学の原理に従って落とす掃除術を専門家に教わった。 (有賀博幸)
「台所用、浴室用、トイレ用、床用などと場所別、用途別に何本も洗剤をそろえなくても、汚れの性質が同じだったら一つの洗剤で落とせます」。そう話すのは、ナチュラルクリーニング講師で「ナチュラルおそうじ大全」(主婦の友社)などの著書がある本橋ひろえさん=写真。大学で化学を専攻し、化学製品メーカーに勤めた経験を基に、合成洗剤を使わないナチュラルクリーニングの普及に努めている。
◆中和反応を利用
ほこりやちりなど掃除機や水拭きで済む汚れを除き、洗剤を必要とする汚れは、酸性とアルカリ性、中性に分類される。本橋さんは掃除の際、汚れをこの性質ごとに見分け、その上で適した洗剤を「化学的に」選ぶようアドバイスする。酸性の汚れはアルカリ性の洗剤、アルカリ性の汚れには酸性の洗剤を組み合わせることで「汚れが中和されて緩み、するっと落ちる」と言う=イラスト。
洗剤として用いるのは、重曹▽過炭酸ナトリウム▽せっけん=以上アルカリ性▽クエン酸=酸性▽アルコール=中性の五つ。いずれも自然界にある素材で分解が早く、環境への負荷が小さい。各汚れに適する洗剤と使い方は-。
【酸性の汚れ】油汚れ、皮脂汚れをはじめ家の中の汚れの8割以上を占める。1%の重曹水(40度の湯2...
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