龍王
『剪燈新話』巻1「水宮慶会録」 元の至正4年(1344)、広東省の人・善文は、広利王(南海の龍王)に招かれて龍宮へ赴いた。広利王は「新しい宮殿を構えたので、棟上げ式の祝詞の文章を草していただきたい」と請い、善文はその場で一気に見事な文章を書き上げる。東西北の三海の龍王・従者たち・蛟龍・鯨・魚・貝・舞姫・童子などが集(つど)って祝宴が催され、善文は多くの礼物を得て帰った。
『剪燈新話』巻4「龍堂霊会録」 元の元統年間(1333~34)、詩人の聞子述が、呉江の龍王堂に詩を献じた。龍王はこれを喜び、聞子述を水晶宮の酒宴に招く(*→〔目〕2a)。そこには相客として、千数百年以前の人物である越の范相国・呉の伍子胥などがおり、皆で詩を吟じ合った。暁方に宴が果て、龍王は夜光の珠を聞子述に贈り、龍王堂まで送り帰してくれた。
『チャンさんと龍宮女房』(中国の昔話) 龍王の5番目の王子が金色の鯉になって遊泳中に、漁師のリーさんに釣り上げられた。リーさんは鯉を料理しようとするが、義兄弟のチャンさんが鯉を憐れんで、水に放してやる。父の龍王は、お礼にチャンさんを龍宮へ招き、ご馳走でもてなす。番犬の3匹のチンのうち、いちばんチビの犬を土産にもらって帰るが、チビは犬の毛皮を脱ぐと、美しい娘になった(娘は龍王の3番目の王女だった)。チャンさんと娘は夫婦になり、幸せに暮らした。
★2.龍王との争い。
『封神演義』第12回 東海の水晶宮に住む龍王・敖光(ごうこう)の第三太子及び臣下巡海夜叉が、ナタ(ナタク)によって殺された(*→〔成長〕1a)。敖光は怒って、天帝へ訴え出ようとする。ナタは天宮の宝徳門で待ちかまえ、敖光と闘う。敖光は人間の形をしているが、もともと龍だから、脇の下に鱗がある。ナタはその鱗を剥がそうとするので、敖光は痛みに堪えかねて降参する。
龍王と同じ種類の言葉
Weblioに収録されているすべての辞書から龍王を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
- >> 「龍王」を含む用語の索引
- 龍王のページへのリンク