僕のキャリアは今の会社で3社目なんですけど、どれもカラーがかなり違う会社です。
全部食品メーカーなんですが、1社目と2社目は売上1,000億を超えるいわゆる『大企業』
1社目は準大手の中堅企業でしたけど、2社はリアル大企業で学閥もガッチガチ。
東大多すぎワロタw状態です。
今の会社は知名度はある(と思う)のですが、資本金はこの2社より格段に低く、売上も1,000億に届きません。従業員も3ケタの『中小企業』です。
その会社で今は主任という職位になり、様々な仕事をするようになりました。
本職とズレた仕事も、色々降ってくるんですが、
今日*1、上司から、
『新卒の書類選考と1次面接を手伝ってくれ』
というお達しが。
僕出張&研修帰りで色々仕事溜まってるんですけどー!
どうやら新卒採用の書類選考が始まってるらしい。
面接は初夏らしいけど、『若手枠』の面接官が欲しいとのこと。
商品開発に企画、生産管理に…採用活動…
ホントになんでもアリかいな。
と、まぁ初めて就活で選ぶ側の立場になった僕ですが、色々と考えさせられることになりました…。
今回のテーマは、新卒採用の『学歴逆差別』について。
中小企業の採用では高学歴が損することもある?
そんな採用活動のお話を書いてみます。
書類選考の実態
まず、前の会社で人事部の人と飲んだ時のことを思い出しました。
前の会社でも面接官(若手枠)をやったことがあるので、その縁で。
彼の話によると、
『数万通のエントリーシート全部に目を通すのは無理です。』
とのこと。
『食品』『分析』『微生物』『衛生』あたりをキーワードに3割くらいまで絞るとのこと。
これは1社目でも同じ方法でした。当時の上司談。
エントリーシートが集まったら、最初に何かをキーワードにしてソートし、該当しない候補者を足切りする。
これは新卒の書類選考ではわりとメジャーな方法だと思います。
キーワードは『学歴』だったり『英語』『体育会』『専攻』など、会社や職種によって変わると思いますけど。
エントリーシートを全部注視してたら、それだけで1週間1ヶ月…
正直、採用活動以外の仕事も沢山あるので、『効率的』に進めざるを得ないんですよね。
選考基準はどうしよう
ここから今の会社の話に戻ります。
実は先日ちょうど研修施設に1週間缶詰にされ、管理職育成研修という名の監獄でお務めをしてきました。
ありがたいお話を聞いたり、グループワークをしたり…。
その中には採用活動の話もありましたが…
(研修直後に実務って早くないか?)
…さて、僕が担当するのは『技術系』の採用枠。
書類選考の一部を担当します。
たぶん僕の部下になる人。
うーむ…どうやって選べばいいのか…
とりあえず選考にケチつけられたら嫌なので、上司に、
『とりあえず、『研究内容』で判断すべきですか?』
と確認してみたのですが…
『任せる。』
とのこと。
任せるっつってもなぁ…
僕と趣味が合いそうな人*2を優先的に採用しても良いんだろうか…
『でも東大卒とか内定出してもまず来ないからなぁ…』
おや?
聞くところによると、中小企業の我々がまず考慮すべきは『辞退率』とのこと。
『来そうな人をまず選んで』
うーむ、辞退率か…
そういえば、1社目でも同じことを聞きました。
当時は、
- 旧帝大、特に東大や京大は、内定出しても辞退率が高いから、志望理由が明確じゃない限り優遇しない。
- 下の方の学歴フィルターは特に無し。優秀そうなのは無名大学でもピックアップする。
- 勤務地周辺の地方国公立は辞退率が低いから優先的に
でした。
こう見ると、今の上司の悩みに通ずる部分はあるのかもしれません。
ただ、1つ引っかかることがありまして…
『でも、ウチの会社、普通に東大卒いますけど。』
『それは中途だから。中途はそもそも入社する気がなきゃまず受けてこないだろ。』
『(なるほどね)』って思いました。
確かに弊社の旧帝卒って中途しかいねーわ。
辞退率か…
確かに僕らのような中小企業にとっては痛い所です…。
新卒採用のコストとリスク
新卒1人当たりの採用コストは?
新卒のコストについて色々ググってみたんですけど、だいたい『50万円/人』ってのが相場みたい。
新卒を募集して採用するまでのコストね。
ちなみに弊社はもうちょい高いんだって。
募集人数が少ないけど、広告費とかは大企業と同じくらいかかるから…とのこと。
世知辛いな!
新卒時代を思い返すと
偶然か、単に僕のESの質が悪かったのか知らないんですが…
僕も『大企業』と『外資』の書類選考の通過率は高かったのですが、中小企業はめっちゃ落とされたんですよ。
研究室の同期も、当時同じようなことを言ってました。
『俺、外資しか通らんのやけど!!!』
これにはちょっと笑った。
ちなみに彼はTOEIC900オーバーの帰国子女。
旧帝院卒で元体育会野球部で海外の学会発表経験者という『履歴書による殴り合い』では最強の大学院生でした。
結局、彼はそのまんま新卒でデケー外資に就職できたんで良かったですけど。
こういうのを『学歴の逆差別』とも言うらしい…
中小企業の内定は持ち駒? 保険?
僕は新卒時代は『超大手』は狙ってなかったんです。
手広く仕事をしたかったし、大企業の仕事(技術系)は『特化』なイメージがあったので。
ただ周囲には、中小企業の内定を、
大企業に祈られた時の保険
と考えていた学生が多かったのも事実。
僕は東大じゃないですが、かなり就職実績の良い大学だったので。
『大手ビール』
『大手製薬』
『大手化粧品』
これらの研究職にたどり着いた多くの先輩達を見て、欲が出る気持ちはよーくわかる…。
中小企業ほど『辞退』が痛い!!
うーん、耳が痛いぜ…
前の会社は研究職だけで10人以上採用してたんですが、弊社は新卒採用全部合わせても数人だけ。
正直、我々のような中小企業だと、1人辞退されると死活問題なんですわ。
企業は、今後のプロジェクトや、現在の年齢層を考慮して、過不足ない人数を確実に採用する必要があります。
会社の規模が小さい分、工数というか、社員の必要数は把握しやすいと思いますが、何人も採用する余裕はありません。
なので、内定を出した1人に辞退されると、その年の採用活動、採用コストが全て無駄になることもあります。
だーかーら、
- 辞退の確率が低そうな…
- 明確で会社に合った志望理由を書いており…
- 入社してまもなく『他にやりたいことが…』とか言いださそうな…
- でもできるだけ優秀な…
そんな学生をピックアップしないといけないのです。
一番痛いのは内定辞退より、入社してすぐ辞められることなんだけど。
となると、やっぱ確率論的に『旧帝大』や『一橋、東工大』『早慶』は、
『(…大丈夫かなぁ…)』
って話になってしまう。応募者は結構いるんだけどね。
だって大企業受かりそうだし。そっち行きそうだし。
ジレンマすなぁ…
まとめ
逆差別はあれど、結局、新卒は『学歴』で選んじゃうっていう良くある話でした。
『確率』『効率』『コスト』
この辺を考え出すと、一般的な企業では『学歴』という”わかりやすい”指標で選びがち。
ちなみに僕の新卒時代は『就職氷河期』
大企業の募集人数は絞られ、中小企業には『どうせ来ないでしょ』という目で見られ…
あぁ、思い出したくない…(吐)
さて、逆差別も含めた、日系企業の新卒採用における『学歴至上主義』はいつまで続くのか。
そして、駆け出し主任は、今度は駆け出し採用担当に…
どうなることやら。
コメント
なるほどと、読ませていただきました。
僕も中小企業入社1年目ですが面接をし始める立場になったので、凄く共感します。
僕の部下を募集した際はたまたま、良い人が見つかったから良かったものの
他の部署では、辞退の続出。マジかと思いました(⌒-⌒; )
引き続き読ませていただきますね!
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