国立国会図書館は17日、新しい検索サービスのプロトタイプシステムとなる「国立国会図書館サーチ(開発版)」を公開した。2012年1月の本格稼働を目指し、開発段階のシステムを試行的に公開したもの。 34個のデータベースから収集した約5,500万件の文献情報等が検索可能。また、9個のデータベースを横断検索する。検索対象は、国立国会図書館、都道府県立図書館、科学技術振興機構、国立情報学研究所、国立公文書館、国立美術館や、民間電子書籍サイト等の、蔵書・出版目録、デジタル資料、レファレンス事例等の計43個のデータベースとなる。複数の機関で所蔵している同一の資料はまとめて表示され、可能な限り入手手段も案内される。ISBNがある資料の場合は、カーリルで近くの図書館における所蔵を検索し、Amazon等のオンライン書店、Googleブック検索等へもナビゲートする。全文テキスト化された資料に関しては、書誌情報だけでなく、本文の全文検索にも対応する。 機能面では、自然文検索、あいまい検索、類義語・同義語検索等を用いた検索支援が可能なほか、「日本語←→中国語」「日本語←→英語」の翻訳検索・翻訳表示に対応する。たとえば、「経済学を学びたい」といった自然文を入力して検索を行うこともできる。資料種別、所蔵館等からの絞り込み検索にも対応する。さらにAPIを使って、国立国会図書館サーチが保有するデータをダウンロードし、そのデータを用いて新しいWebサービスを行うこともできる。今後APIについては、ユーザ評価の対象とし、一般ユーザや専門家からの意見を踏まえ、変更を加えていく予定。