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x86サーバがクラウドの万能細胞になる。サーバもストレージもルータ/スイッチも、x86サーバだけで実現。クリエーションライン、ジェミナイモバイル、ミドクラの3社が提携

2011年12月6日

一般にクラウドを構築するためには、データセンター内にサーバとストレージ、そしてそれらをつなぐスイッチやルータ、ファイアウォールやロードバランサーといったネットワーク機器などが必要となります。通常はストレージにはストレージ製品を、ネットワーク機器にはそれぞれ専用の機器を用いますが、これらのすべてをx86サーバとソフトウェアだけで実現すべく、国内3社が事業提携を発表しました

ジェミナイ・モバイル・テクノロジーズ、ミドクラとクラウド事業において提携 « Creationline

ジェミナイ・モバイル・テクノロジーズが提供する「Cloudian」は、x86サーバのクラスタを用いてクラウドストレージ機能を実現するソフトウェア。内部でNoSQLのCassandraを用い、分散ストレージによる高信頼を実現しつつ、AmazonクラウドのS3互換APIを提供します。

ミドクラが提供する「MidoNet」はネットワーク仮想化機能を備え、x86サーバでスイッチやルータ、ファイアウォール、ロードバランサなどさまざまなネットワーク機器の機能を実現します。

ネットワーク機器としての性能も「仮想的/ロジックでパケットハンドリングする為のオーバーヘッドは無視できる程度で、基本的には必要とするスループットは必要な数のノードをスケールアウトすることで帯域を確保し対処できる」(ミドクラ 中島健ジェネラルマネージャ)とのことですが、今後は大規模なケースでの実証をさらに行っていくとしています。

クリエーションラインが提供するクラウド基盤管理ソフトウェアが、これらストレージ機能とネットワーク機能をサーバ仮想化などを組み合わせて全体を管理することになります。クリエーションラインはすでにCloudStackやOpenStackなどに対応したクラウド基盤管理ソフトの実績を持ち、クラウドの実装や導入の支援、サービスや事業分野に合わせたクラウドプラットフォームの構築や提供を行うとしています。

x86サーバがクラウドの万能細胞になるか

いままでの「サーバが必要になれば物理的なサーバを増やし、ストレージが必要になれば物理的なストレージを追加する」という物理的なコンピュータリソースでシステムが構成される時代から、コンピュータリソースの調達は「必要なときに必要なリソースを仮想化によってすぐに調達する」という方向に向かっていると考えられています。

このとき、あらゆる機能へと分化することのできる基本的な物理リソース、いわばコンピュータの万能細胞になるのと見られているのが汎用のx86サーバです。もしもこれが実現すれば、クラウドの構築はずっとシンプルかつ容易で迅速、低コストなものへと大きく変わっていくことでしょう。

3社の提携は、このx86サーバを万能細胞としたクラウド構築を一挙に実現してしまおうという大いなる野望を秘めていると同時に、従来のクラウド構築を大きく変える可能性を持っている点で注目に値します。

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Junichi Niino(jniino)
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