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「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」に堀川理万子さん「海のアトリエ」 絵本が初受賞

(ひだりから)受賞した堀川理万子さんと選者の江國香織さん(C)大久保惠造

(ひだりから)受賞した堀川理万子さんと選者の江國香織さん(C)大久保惠造

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 堀川理万子さんの絵本「海のアトリエ」が、今年の「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」に選ばれた。10月26日に授賞式が行われ、賞状や副賞の100万円などが贈られた。

Bunkamura館内では原画の水彩画を展示してる

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 東急文化村が主催する同賞は、1990(平成2)年に創設。前年の7月1日~当年の7月31日に出版された単行本や雑誌などに発表された日本語の文学作品を対象に、毎年代わる1人の選考委員が受賞作を決定しているのが特徴。31回目となる今年は、江國香織さんが選考委員を務めた。

 「海のアトリエ」は、海辺のアトリエに暮らす絵描きと過ごした夏の日の思い出を描いた物語。受賞した堀川さんは、東京都生まれ、東京芸術大学大学院美術研究科修了。画家として絵画作品による個展を定期的に開きながら、絵本作家、イラストレーターとしても作品を発表している。堀川さん自身賞を受賞するのは初めてといい、絵本が同賞を受賞することも初めてとなった。

 堀川さんは、選評で江國さんが「絵本はもちろん文学である。文章がついているからではない。絵本においては、絵が言葉だから」(原文ママ)と書いたことに触れ、「絵本の絵を見るということを超えて、まさに絵本の絵を読むということをしてくださった。そのことが本当にありがたくうれしい」と喜びを表現し、「自分の創作の仕事をなるべく長く続けていけることが一番だと思ってやってきたが、このように栄えある大きな賞をいただき、やはりとてもうれしい。大きな励ましをいただいたと感謝している」と続けた。

 江國さんは、選考に当たり小説や絵本、エッセー、写真集など「無秩序に本を読んだ」と振り返り、「その中でどうしてもこれだろうと思った」と言う。同作を「文字だけで書いたら長い小説になるだろうと思う内容」と言い、「本当に美しい絵本で、とても風通しが良い。誰もを受け入れる、誰もがすぐにそこに入れる世界ではあるが、とてもデリケートな構造になっている」と評価。「多分読んだ方皆がそう思うと思うが、自分だけのものにしておきたいような絵本。そこにこそ文学性があると思って選んだが、とてもプライベートな部分に訴えてくるので、本当は内緒にしておきたかった、ちょっと残念な気持ちもある」と話し、「多くの人が自分だけだと思ってこの本を所有したらいいな」と話した。

 Bunkamuraのエントランスウオールなど館内3カ所では11月4日まで、同作の水彩原画を展示している。

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