「炭火焼肉たむら」の経営がガチでやばいらしい。このままでは春には潰れるらしい。
昨年5月に米・ロサンゼルスに移住したタレント、たむらけんじ(51)が、経営する焼肉店を立て直すために11月中旬に無期限で帰国した。
コロナ禍からの売り上げの戻りが戻らず、そこへ原材料、人件費、光熱費の高騰、借金の返済がのしかかり、経営が傾き始めた。助けを求めたのは元雨上がり決死隊の宮迫博之(54)。東京・渋谷の焼肉店「牛宮城」をオープンさせ、バイアウト(株式売却による経営権譲渡)まで達成した〝成功者〟だ。
その2人が23日、兵庫県尼崎市のショッピングセンター「グンゼタウンセンターつかしん」でトークショーを行った。冒頭からたむけんが宮迫に「きょうは『俺がアメトーーク!作った』とか言うのやめてくださいね」といじると、宮迫は「みなさん、僕に粗品とか渡さないでくださいね。ドキッとしちゃうから」と自虐で絶好調。約30分間の爆笑ステージはさすがだった。
宮迫はトークショー後のビラ配りまで参加。たむけんには「牛宮城」に関わったそれぞれの分野のプロを紹介したが、交通費まで無償で請け負っているという。後輩のためにここまでする理由を聞かれると「30年以上の付き合いで弟分なので。そんなに深い感情はないというか、『そら助けるやろ』っていう。世間のイメージはないかもしれないですけど、そういう男なんで。そこは強く書いてください」とサラリと言ってのけた。たむけんも「まさか、ここまでして頂けるとは思っていなかったです。ご紹介していただけるだけかなと思っていたんですけど」と言っていたが、これが普通の感覚だろう。
2019年の闇営業問題の際に、ダウンタウンの松本人志(61)がXに投稿した「後輩芸人達は不安よな。松本 動きます。」や、極楽とんぼの山本圭壱(56)を不祥事以降も支え続けた「軍団山本」など、昔からお世話になったからという理由だけで、困った仲間を何が何でも助けるという熱い絆は、芸人特有に思う。人気商売の芸能界の中で「勝ち組」だけがもてはやされ、「負け組」になった途端に人が離れていく。寂しいがこれが人間の本性のようにも思う。たむけん自身も、お笑いを続けられなくなった後輩芸人を自分の会社で雇うなど、兄貴肌発揮している。
私も今月3日に吉本新喜劇の脚本を初めて担当させていただいた。プロの興行であり、遊びじゃない。お客さまに楽しんでいただけるか不安な日々を送っていたが、ある日、私のスマホに着信が。間寛平GM(75)からだった。「困ったら何でも言いや。みんなで助けるから、心配せんでええ」。100人を超える座員のほかに、こんなど素人の作家にまで気を配る師匠。優しさの一言では言い表せないこれが芸人特有の愛なのだろう。(渡辺洋次)