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「やるならわれわれと同じやり方でやって」 一帯一路、JBIC総裁に聞く

 □国際協力銀行(JBIC)総裁・前田匡史さんに聞く

 --日米豪の政府系金融機関でインド太平洋地域のインフラ開発を支えるべく覚書を結んだ。中国の巨大経済圏構想『一帯一路』を封じ込める狙いか

 「封じ込めるという言葉はあまり適切ではない。米国と豪州という価値観を共有する民主主義国家で『自由で開かれたインド太平洋構想』を作った。一帯一路を否定するわけではないが、やるならわれわれと同じやり方でやってほしい。豪州はパプアニューギニアやバヌアツなど、自分たちの“裏庭”である南太平洋に中国がインフラ開発で進出してきたことに強い警戒感を抱いている」

 --同じやり方とは

 「安倍晋三首相が中国に提示した5条件だ。具体的には(1)透明性(2)開放性(3)プロジェクトに経済的な意味があること(4)相手国の債務の持続性(5)法の支配。国際協力銀行が一帯一路を推進する中国の国家開発銀行と10月に2度目の覚書を結んだ際も5条件を示した。国家開発銀は何もコメントせず全部のんだ。自分たちのやり方が国際社会に受け入れられていないとある程度理解している」

 --5条件の目的は

 「中国に『国際社会が受け入れられるような正しいやり方でやってくださいよ』ということだ。中国は国際基準のことをインターナショナル・スタンダーズと複数形で表現しようとするが、そうではない。あくまでザ・グローバル・スタンダードだと口を酸っぱくして言っている。日本は欧米流の国際ルールを支える立場にあるし、そうでないやり方をもってこられると国益にならない」

 --『一帯一路』の狙いは

 「個人的見解だが、物流の確保と影響圏の拡大だ。マラッカ海峡などのチョークポイント(戦略的に重要な海上水路)を通らずにインド洋やアフリカ、アラビア半島に影響力を行使しようとしている」

【プロフィル】前田匡史

 まえだ・ただし 東大卒。1982年4月、日本輸出入銀行(現・国際協力銀行)入行。専務取締役(インフラ・環境ファイナンス部門長)、副総裁を経て今年6月から現職。兵庫県出身。

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