有明抄
初夢
2日夜のこと。何かいいコラムのネタはないかとパソコンに向かっていると、背中の後ろで誰かの気配がした。
人生も歩数計
作家の池井戸潤さんの『俺たちの箱根駅伝』は大会記録に残らない「関東学生連合」の選手たちが主人公。
あなたの10大ニュースは?
今年、禁煙に成功した知人がいる。6月にコロナに感染。治った時、全くたばこを吸う気にならなかったと話す。「けがの功名」なのか「災い転じて福となす」なのか。
佐賀新聞社元論説委員長・大隈知彦さん 有明抄(知)に思い出話添えて 書籍出版
元佐賀新聞社論説委員長の大隈知彦さん(60)=小城市=が、これまで執筆した1面コラムをまとめた書籍『手すさみの記 有明抄(知)の余滴』を出版した。思い出話も添え、「有明抄」99編を掲載している。
時事詠この1年
〈この数はいずこの死者かウクライナ、パレスチナガザ、雪の降る能登〉東京都・溝口すすむさん。元日の大地震に始まった一年。
9連休の裏側で
暦の関係できのうが仕事納め、きょうから9連休という人もいるだろう。一方で、休みを返上する人もいる。全国大会に出場する部活動の指導者はその一人。きのう開幕した全国高校ラグビー大会では佐賀工業が初戦を突破した。
賢者の贈り物
あすはクリスマスというのに財布には1ドル87セントしか入っていなかった。愛する夫にプレゼントを贈りたいと決心した妻は、亜麻色の長い髪をかつら屋に20ドルで売った。
地球の未来、車の未来
地球の歴史を1年に凝縮したらどうなるか。地球が誕生した46億年前を1月1日午前0時きっかりとすると、最初の生物が海に現れるのは5月。
飲み会は「110」で
今年も残すところあと8日。年内の仕事にめどが立ち、今夜あたりから「さあ飲み納めだ」「クリスマスの前祝いだ」などと都合のいい理由をつけ、街に繰り出す人も多いかもしれない◆コロナが5類に移行して2年目の冬。
光を。もっと光を
人が臨終に発した言葉で、広く知られているのは、文豪ゲーテの「光を。もっと光を」ではなかろうか。生と死を分かつのは「光」の存在なのだろう◆それを裏付けるような研究結果を豪英米の国際研究グループが発表した。
持ち帰り
猫の好物といえば「お魚」である。ただ、これは日本に限っての話。インドの猫はカレー好きで、イタリアの猫はスパゲティに目がないらしい。
年とともに
毎年この時季になると、サラリーマン川柳の秀句を思い出す。〈こりゃ誰だこの歌なんだ大みそか〉。紅白歌合戦…若いころはあんなに楽しんで見ていたのに。新語・流行語大賞も、こりゃ何だという言葉ばかり。
常備薬・劇薬・麻薬
薬にもいろいろある。『こころの処方箋』を著したのは、臨床心理学者で文化庁長官も務めた河合隼雄さん(1928~2007年)。
二つの訃報
小学生の頃、お兄さん、お姉さんのような憧れの存在だったアイドルが中学、高校になると急に年齢が近くなった。近藤真彦さんや薬師丸ひろ子さんは同学年。
違和感を大事に
小学校の時、分数の割り算すぐできた? 名作アニメ『おもひでぽろぽろ』にこんなセリフがある。「分数の割り算がすんなりできた人は、その後の人生もすんなりいくらしいのよ」◆分数を分数で割る。
開戦の日に
作家田辺聖子さんは昭和3(1928)年、大阪の写真館に生まれた。小学4年の時、日中戦争が始まると家業は大忙し。出征する男たちが最後になるかもしれない一枚を残したからである◆戦争は長期化し、先行きが見えない。
桃山三都展
作家の門井慶喜さんの『なぜ秀吉は』は、豊臣秀吉の朝鮮出兵を巡る歴史小説。この中に「秀吉にとって大坂城、聚楽第(じゅらくだい)につづく三度目の首都建設」という一文が出てくる◆「三度目の首都」。
ライトアップ
東京タワーのライトアップが始まったのは1989年の元日。照明デザイナーの石井幹子(もとこ)さんが手がけた。当時の日本には街灯やネオンサインなどの照明しかなく、夜になると街は暗く沈んだ。
贖罪の意味
作家の薬丸岳さんの小説『告解』は、飲酒運転でひき逃げ死亡事故を起こした大学生を主人公に、贖罪(しょくざい)の意味を問いかける。大切な人が突然亡くなる交通死亡事故は「さよなら」のない別れを迫る。
海が沈黙する前に
悠然と泳ぎ回る魚たちを見終えて最後に足を止める。鹿児島市のかごしま水族館に、ちょっと風変わりな展示がある。
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