<J1:鹿島1-3浦和>◇第5節◇7日◇カシマ
浦和は最強の“アミーゴコンビ”の得点で、鹿島に逆転勝利を挙げた。アウェー鹿島戦での勝利は、07年4月29日(1-0)以来。前半2分に失点したが、その1分後、MF柏木陽介(24)からのパスをMFマルシオ・リシャルデス(30)が右足で今季初ゴールを決め、すぐに同点。さらに同5分、柏木とMF阿部のパス交換で中央を崩し、最後はFWポポ(33)が決めた。同25分にはPKで追加点を奪い、鹿島を突き放した。
少年時代からの友人が同じ試合でゴールを決めた。マルシオとポポは、ブラジルのサンパウロ州アンドラジーナ出身。幼なじみで3歳差の2人はストリートサッカーでボールを蹴る仲間だった。マルシオが「(当時からは)想像できない。遊びでサッカーをしていた友人と、地球の裏側に来て、プロとして同じチームで同じ日にゴールを決められるなんて」と話せば、ポポも「マルシオとは、サッカーで通じ合っている。友情の中で結果が出せてうれしい」と笑顔を見せた。
今季から加入してきたポポに、マルシオはチームメートの紹介やプレーの特徴を教えるなど、2人の絆はさらに深まった。ポポは「全面的にサポートしてくれている。環境に慣れるための大きな存在」と感謝していた。2人のホットラインで、浦和に勝利をもたらす。【保坂恭子】
◆2度目の珍事
鹿島-浦和戦は開始わずか5分で3ゴールが生まれた。J1リーグ戦で開始5分以内に3得点は、96年5月4日の市原(現千葉)-鹿島戦以来、16年ぶり2度目。96年の試合は前半1分に市原がMFハシェックのゴールで先制したが、その1分後に鹿島がFW黒崎のゴールで同点に追いつくと、同5分にはMFレオナルドが決めて逆転。その後に市原が2点を挙げて3-2で逆転勝ちした。