神戸の吉田孝行監督(47)が、日本人監督として初となるリーグ3連覇の偉業を狙う。
22年途中に3度目の神戸監督に就任した吉田監督は、強度の高い戦いを浸透させて、昨季リーグ連覇と天皇杯優勝を達成。アジア王者をも目標にする。
今季は新たな称号もつかむ。07~09年の鹿島オリベイラ監督以来2人目のV3監督に挑戦するシーズンとなる。これまでの日本人では松木安太郎、岡田武史、森保一、鬼木達の2連覇が最高。達成すれば単独で記録を更新することになる。
3連覇へのポイントとなるのは、いかに選手層を厚くできるか。主力組で臨んだ11日のアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)上海海港戦では4-0と快勝したが、控え主体とした8日の富士フイルム・スーパー杯の広島戦では、神戸らしい強度を出せなかった。0-2で敗戦し、明らかな戦力差を露呈した状況に、指揮官は「2チーム作れないと過密日程は乗り切れない。目標を達成するためにも必要」と、昨季同様のレベルまで引き上げる必要性を口にした。
求められるのは、MF山口やDF初瀬らが抜けた穴を埋める選手の成長だ。吉田監督は「すぐにうまくなるわけでも、強度が高くなるわけでもない」としながらも23年のMF扇原、24年のMF鍬先の名を挙げ、シーズン中にフィットする選手の育成に自信を見せる。「誰が何と言おうと、僕は僕のサッカーで勝つ」と確固たる信念と明確な基準を持つ男は、可能性を秘めた選手らとともに、名将への道を突き進む。【永田淳】