施設紹介
国立映画アーカイブの前身である国立近代美術館(1967年以降は東京国立近代美術館)の映画事業(フィルム・ライブラリー)は、旧日活本社ビルを改装工事し、1952年に誕生しました。機能拡充のため、東京国立近代美術館フィルムセンターとして同地に開館したのが1970年。1995年には、芦原義信氏の設計により現在の国立映画アーカイブ 京橋本館が完成しました。その後の活動を経て、2018(平成30)年、独立行政法人国立美術館の6番目の館として設立に至りました。
1F エントランス
総合受付のあるエントランス。上映が始まるまでの時間をゆったりと座ってお待ちいただくことができます。
2F 長瀬記念ホール OZU | B1F 小ホール
館内には2つの上映ホールが設置されており、監督・俳優・製作国・ジャンル・時代など、さまざまなテーマにあわせた特集上映を行っています。上映プログラムには芸術的・映画史的に重要な作品だけでなく、時事的・文化史的に貴重な映画や、発掘・復元された作品なども含まれています。フィルム・ライブラリー時代も含め、当館で2017年12月までに上映した作品は、1万作品以上になります。
開催中及び今後の上映・展示スケジュールはこちらをご覧ください。
ホール概要
長瀬記念ホール OZU
座席数 | 310 |
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床面積 | 306㎡ |
スクリーン(布地) | 4.60m×9.70m |
スタンダード(1:1.37) | 4.00m×5.50m |
ヨーロピアン・ビスタ(1:1.66) | 4.00m×6.64m |
アメリカン・ビスタ(1:1.85) | 4.00m×7.40m |
シネマスコープ(1:2.35) | 4.00m×9.40m |
映写機 | Kinoton FP75ES(70mm/35mm兼用2台) Kinoton FP38E(16mm専用にカスタマイズしたもの2台) NEC製NC3240S 4Kプロジェクター |
映写距離 | 23.00m |
音響 | フィルム:ドルビーデジタルサラウンドEX(6.1ch) デジタル:7.1ch |
小ホール
座席数 | 151 |
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床面積 | 190㎡ |
スクリーン(布地) | 3.30m×8.70m |
スタンダード(1:1.37) | 3.00m×4.11m |
ヨーロピアン・ビスタ(1:1.66) | 3.00m×4.98m |
アメリカン・ビスタ(1:1.85) | 3.00m×5.55m |
シネマスコープ(1:2.35) | 3.00m×7.05m |
映写機 | Kinoton FP38E(35mm/16mm兼用2台) NEC製NC3200S 2Kプロジェクター |
映写距離 | 16.60m |
音響 | フィルム:ドルビーデジタルサラウンドEX(6.1ch) デジタル:7.1ch |
4F 図書室
所蔵する4万8千冊以上の映画図書のうち、和・洋書の単行本、国内外の映画祭カタログ、また国内外の主要な映画雑誌も公開しており、閲覧室で読むことができます。なお、和書の単行本の所蔵については、明治以降日本で刊行された映画図書の約7割に相当します。複写サービスを行っているほか、検索用端末では研究者向けの電子ジャーナルも公開しています。新刊の映画図書コーナーでは、最新の映画関連図書をいつでもチェックすることができます。
図書室の詳細はこちらをご覧ください。
7F 展示室
7階の展示室では、映画のポスター、写真から映画機材、映画人の遺品まで、映画関連資料を用いた展覧会を開催しています。常設展では当館の貴重な所蔵資料によって日本映画の豊かな歴史を紹介、企画展ではさまざまな切り口から映画文化を発信し、関連のトークイベントなども開催しています。常設展で月に一度開催しているギャラリートークについてはこちらをご覧ください。
開催中及び今後の上映・展示スケジュールはこちらをご覧ください。
神奈川県相模原市のキャンプ淵野辺跡地に位置する相模原分館では、映画フィルム及び映画関連資料を、24時間空調システムによる管理のもと、適切な温湿度環境で安全に保護するとともに、映画フィルムの検査やデータの採取、出入庫作業等を行っています。
※公開スペースはありません
映画保存棟Ⅰ
昭和61(1986)年に竣工した映画保存棟Ⅰは、最大約22万缶の映画フィルムが収集可能で、フィルム缶を1缶ずつ格納する可動棚で保管しています。また映写ホールでは、検査用の業務試写に加え、地域との連携事業等を行っています。
映画保存棟Ⅱ
平成23(2011)年には映画保存棟Ⅱが竣工され、さらに約26万6千缶の映画フィルムの収蔵が可能となりました。また、映画関連資料を適切な温湿度環境で保管する専用の資料室もできました。
すべての映画保存庫に施されているビネガー・シンドローム対策に加え、空気の対流が起こりにくいソックフィルターの導入や施設内での効率的な導線の設計により、グレードアップした映画保存施設を実現しました。
映画保存棟Ⅲ
平成26(2014)年に竣工した映画保存棟Ⅲ(重要文化財映画フィルム保存庫)は、別名の通り、重要文化財に指定された映画フィルム等を安全に保護し、劣化の進行を抑制しながら長期に亘って保管することを目的とした施設です。これまで重要文化財に指定されたフィルムは、いずれもニトロセルロースをベースとしたナイトレート(可燃性)フィルムで、現在の消防法では第5類1種危険物に指定されています。保存棟Ⅲは、これらを永く安全に保管する施設として建設されました。
各棟概要
相模原分館
敷地面積 | 14,997m2 | ||
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建築面積 | 2,731m2 | ||
映画保存棟Ⅰ | 1,504m2 | ||
映画保存棟Ⅱ | 1,090m2 | ||
映画保存棟Ⅲ | 137m2 | ||
建築延面積 | 9,576m2 | ||
映画保存棟Ⅰ | 4,510m2 | ||
映画保存棟Ⅱ | 4,927m2 | ||
映画保存棟Ⅲ | 139m2 |
保存棟Ⅰ
階別面積 | ||
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1階 | 1,477m2 | |
2階 | 296m2 | |
地下1階 | 1,369m2 | |
地下2階 | 1,369m2 | |
用途別面積 | ||
映画フィルム保存庫(18室) | 2,885m2 | |
映写ホール(200席) | 526m2 | |
事務室・映画フィルム検査室 | 692m2 | |
その他 | 407m2 | |
建物仕様 | ||
構造 | 鉄筋コンクリート造 地下2階 地上2階建 | |
外壁 | 外装用磁器質施釉タイル山型 | |
フィルム収納能力 | 約22万缶 | |
設計 | 芦原建築設計研究所(1986年竣工) | |
設計監理 | 建設省関東地方建築、芦原建築設計研究所 | |
温湿度 | ||
地下1階 映画フィルム保存庫 | 温度10℃(±2℃) 湿度40%RH(±5%RH) | |
地下2階 映画フィルム保存庫 | 温度5℃(±2℃) 湿度40%RH(±5%RH) |
保存棟Ⅱ
階別面積 | ||
---|---|---|
1階 | 995m2 | |
2階 | 363m2 | |
地下1階 | 1,792m2 | |
地下2階 | 1,777m2 | |
用途別面積 | ||
映画フィルム保存庫(18室) | 2,144m2 | |
映画文献資料室(2室) | 158m2 | |
映画技術資料室 | 174m2 | |
事務室・映画フィルム検査室 | 100m2 | |
その他 | 2,352m2 | |
建物仕様 | ||
構造 | 鉄筋コンクリート造 地下2階 地上2階建 | |
外壁 | 外断熱レンガ積 | |
フィルム収納能力 | 約26万6千缶 | |
設計 | 安井建築設計事務所(2011年竣工) | |
設計監理 | 建設省関東地方建築、芦原建築設計研究所 | |
温湿度 | ||
1階 映画文献資料室 映画技術資料室 | 温度21℃(±2℃) 湿度50%RH(±5%RH) | |
地下1階 映画フィルム保存庫 | 温度2~10℃(±2℃) 湿度35%RH(±5%RH) | |
地下2階 映画フィルム保存庫 | 温度2~10℃(±2℃) 湿度35%RH(±5%RH) |
保存棟Ⅲ
階別面積 | ||
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1階 | 9132m2 | |
PH階 | 7m2 | |
用途別面積 | ||
映画フィルム保存庫(3室) | 45m2 | |
その他 | 94m2 | |
建物仕様 | ||
構造 | 鉄筋コンクリート造 地上1階建 | |
外壁 | 外断熱乾式タイル張 | |
フィルム収納能力 | 1,152缶 | |
設計 | 安井建築設計事務所(2014年竣工) | |
設計監理 | 東京国立近代美術館、安井建築設計事務所 | |
温湿度 | ||
1階 映画フィルム保存庫 | 温度2℃(±2℃) 湿度35%RH(±5%RH) | |
1階 ならし室 | 温度5~15℃(±2℃) 湿度35%RH(±5%RH) | |
1階 前室 | 温度26度(±2℃) 湿度50%RH(±5%RH) |