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第30回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会 議事録

健康局予防接種担当参事官室

日時

令和4年8月31日(水) 13:00~15:00

場所

Web会議
中央合同庁舎5号館 専用第21会議室
(東京都千代田区霞ヶ関1-2-2)

議題

(1)2022/23シーズンのインフルエンザワクチンの供給等について
(2)その他

議事

 

○萩森予防接種担当参事官室室長補佐 それでは定刻になりましたので、ただいまより、第30回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会を開催いたします。本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。
 本日の議事は公開です。議事の様子はYouTubeで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。なお、事務局で用意しているYouTube撮影用以外のカメラ撮りは、議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。また、傍聴の方は、「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので御留意ください。
 本日は新型コロナウイルス感染症における今般の状況等を勘案し、一部Web会議で開催することとなりました。まず、Web会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡いたします。御発言をされる場合は、まずお名前おっしゃっていただき、部会長から御指名されてから御発言をお願いします。なお、Web会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。会議の途中で長時間音声が聞えない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、委員の出欠状況について御報告いたします。現在、委員10名のうち9名に御参加いただいておりますので、厚生科学審議会の規定により定足数を満たしておりますので、本日の会議が成立したことを御報告いたします。
申し訳ありませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。なお、これ以降は写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので御留意ください。
 それでは、議事に先立ちまして、資料の確認をさせていただきます。本部会の資料は、あらかじめ送付させていただいた電子ファイル及びお手元のタブレット端末で閲覧する方式で実施いたします。資料番号01の議事次第及び委員名簿~資料番号06の利益相反関係書類を御用意しております。資料の不足等、御不明な点がございましたら事務局員にお申し出ください。
 それでは、これからの進行は伊藤部会長にお願いいたします。
○伊藤部会長 皆様、御出席いただきありがとうございます。本日はよろしくお願い申し上げます。前回、Webの調子が悪くて釜萢先生に怒られたのですが、今回は大丈夫でしょうか。皆さん、大丈夫ですか。
○釜萢委員 大丈夫です。よく聞こえております。
○伊藤部会長 ありがとうございます。それでは、事務局から審議参加に係る遵守事項などについて報告をお願いいたします。
○萩森予防接種担当参事官室室長補佐 審議参加の取扱いについて、御報告いたします。本日、御出席いただきました委員から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受取り状況、申請資料への関与について御申告をいただきました。各委員からの申告内容については、資料06の利益相反関係書類を御確認いただければと思います。
 本日の議事内容において、個別に調査審議される品目はございませんので、議事への不参加に該当する方はおりません。以上でございます。
○伊藤部会長 それでは、早速議事に入ります。最初の議題は、「2022/23シーズンのインフルエンザワクチンの供給等について」です。暑い時期ですが、毎年恒例のインフルエンザワクチン供給の時期になってまいりましたので、まず事務局から説明をお願いいたします。
○稲角ワクチン開発専門官 事務局でございます。資料1の2枚目を御覧ください。インフルエンザワクチンの供給量の年次推移についてお示ししたグラフでございます。今年度のワクチンの供給量につきましては、記録がある中でという留保は付けておりますけれども、過去最大の3,521万本程度は出荷となる見込みでございます。成人で申し上げますと、これの倍になりますので大体7,000万回分になりまして、かなりの量になります。メーカーさんのほうが頑張っていただき、これだけ過去最大の量になっている状況でございます。一昨年、かなり製造効率がよかった年に比べますと、今年は製造効率はそこよりは低いのですが、国内でインフルエンザワクチンを製造されている4社のうち1社におきまして製造ラインを増強したということがございましたので、それも相まって、過去最高の製造量になっているものと見込んでおります。
 続きまして、3枚目のスライドを御覧ください。インフルエンザワクチンの累積供給量を週次でお示ししたものでございます。1点注釈ですが、供給量はいずれも週の表示が記載されておりますが、金曜日時点のものを示しておりますので、例えば9月は金曜日が5回ございますので、9月5週と書いておりますのは9月30日時点の供給量を示したものになっております。それを御覧いただきますと、接種が始まるぐらいの時期には大体1,670万本ぐらいのワクチンを供給できる状況になっており、一昨年と同様にかなり早い時期に多くのワクチンが出荷される見込みとなっております。
 続きまして、4枚目のスライドを御覧ください。上の箱は、今申し上げた2枚のスライドについて簡単にまとめたものでございます。今年度は、厚労省からも働きかけをしましたし、メーカーさんも頑張っていただき、ワクチンにつきましては過去最高の量が供給される見込みであること。また2点目につきましては、ワクチンの供給量は週ごとに見ますとかなり早いということで、高齢者の方の人口が大体3,600万人から3,700万人ぐらいいらっしゃいますが、その9割の方が1回接種できる量が、接種開始ぐらいの時期にもう供給可能になっている状況でございます。
 続きまして、下の今シーズンの対応の部分でございます。今シーズンは記録が残る中で、過去最高の供給量が確保できましたが、南半球のオーストラリアでは例年よりも数箇月早くインフルエンザの流行が確認されたことや、コロナウイルス感染症とインフルエンザは基本的に高熱を発したりしますので、そういうことで臨床現場に医療負荷を余り与えないようにということで、ワクチンの接種が推奨されるような状況にあろうかと思います。そういうことがありますので、ワクチンの需要が高まる状況が考えられると思っております。
現状、南半球のインフルエンザの流行につきまして、特にオーストラリアをここで記載しましたが、今ぐらいがちょうど南半球、オーストラリアで流行がピークというのが例年の状況ですが、既にピークが終わったような推移を示していると聞いております。ワクチンの供給という観点から見ますと、やはり早い時期に皆さん対策をされますと、ワクチンの出荷が完了していない時期に皆さんがワクチンを接種したいという御希望が出てくると思います。
 2点目ですが、そういうことを考えますと、やはりワクチンの使用につきましては効率的な使用をお願いしたいと考えておりまして、この点について御意見を頂きたいと考えております。
 3点目ですが、「インフルエンザの重症化予防の効果が大きい集団におけるワクチンの接種機会確保に関する方策等も検討中」と記載しましたが、これにつきましては、詳細は下の矢羽に書いておりますが、ほかの部会と感染症対策という観点で議論をする予定ではございます。一昨年には高齢者への早期の接種を呼びかけたりしましたが、別にもそういったことができるかできないかということを考えたいなと思っております。詳細は追ってとなりますので、現時点ではこれぐらいといたします。以上になります。
 また追加ですが、新型コロナワクチンとの関係で申し上げますと、インフルエンザワクチンとの接種間隔がこれまで規定として存在していたものが、その規定が撤廃されましたので、秋からインフルエンザワクチンを接種するときに同時接種、インフルエンザワクチンとコロナワクチンの間は13日空けなければいけないということありません。事務局からの説明は以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございます。今、事務局から説明があり、来シーズンのインフルエンザワクチンについては、例年にも増して比較的順調に供給ができそうとの説明がありましたが、今までの説明の中で、疑問点や御質問はありますか。細矢先生、どうぞ。
○細矢委員 細矢ですが、2枚目の供給量と使用量の所を見ると、やはり平成27年までは供給量が多くて、使用量が減っていって少なかったのですが、平成28年から令和3年にかけて見ると、使用量と供給量というのはかなり近接しているように見えるのです。そうすると、やはり供給量が少なかったために、使用量のほうも制限されたというように見えなくもないかなと思います。今年は、確かに3,500万本ということで数は多いのですが、本当に今年足りなくならないかどうかというところは見ておく必要があるのではないかと思います。今年の3月の研究開発部会の中で、民間の情報を利用して供給量と使用量のバランスを地域ごとに見るという話があったかと思うのですが、今年度、そういった対策が取られるかどうかというのをお聞きいたします。
○伊藤部会長 御坂元先生と福島先生から質問をお受けした上で、事務局のから御回答を頂きましょうか。坂元先生、どうぞ。
○坂元委員 川崎市の坂元です。御説明をどうもありがとうございました。今年の供給が3,500万本超えという形で、市町村としては非常に心強い限りです。しかし、細矢先生がおっしゃった懸念というのは、なぜかと言うと、1つはコロナワクチンとの同時接種が可能になったという形で、恐らく、もう聞こえてくるのですが、診療所の先生方は、コロナワクチンを申し込まれた方には大体インフルエンザを勧めるだろうということです。つまり同時に打てるようにというのが多分ニュースで流れになるだろうということです。またこれも聞こえてくるのは、オーストラリア、南半球の大流行を踏まえて、2年間免疫がない等々を考えることと、あと、コロナと症状が非常に似ているということで、市町村の中には高齢者のワクチン補助を無料化しようという動きが結構あるということです。もしかすると、すごく多い供給量ですが、想像以上に需要が伸びるのではないかなということが想定されますので、その辺りの対策をしっかり立てていく必要があるだろうというように考えております。以上です。
○伊藤部会長 福島先生、どうぞ。
○福島委員 御説明ありがとうございました。まず、スライドの4ページ目の今シーズンの対応(案)という所についてお尋ねされていたと思います。私は、ここに記載されている医療現場への働きかけ等の案に異存はありません。まずそれを申し上げます。あと、ほかの先生もおっしゃっているように、今シーズンは過去最高の供給量ということで、これは非常に喜ばしいことと思いますし、1つのファクターとして、製造設備が増設されたということで、こちらも大変心強いことです。一方、昨年かなり製造や供給量が落ち込んだ理由として、製造過程に問題があったのではなく、全世界的に、コロナワクチンの製造で必要となるフィルター等の小さい消耗品が争奪戦になっているということもお聞きしていました。今シーズンといいますか、今年に入ってからはそのような状況は改善されているのかどうかということをお聞きしたいと思います。以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございます。細矢先生からは、来シーズンは増えてはいるけれども、今までは逆に供給が悪かった分だけ使用量が減っていたという、供給と実際の使用量との関係もあるので、それについては調査してどうだったのかということ。坂元先生のからは、同時接種をするときに、地方自治体が、あわせて無料化するので需要が増えるのではないか、それについての対策はどうするのか。3番目に、福島先生からは、去年はフィルターなどの不足があったということなので、今年はどうだったのかということについて。3つの質問があったと思いますが、事務局のほうで、回答ができれば。
○稲角ワクチン開発専門官 細矢先生から頂いた御質問の部分です。資料1のスライド2枚目を御覧いただき、御質問を頂きました。この部分について、特に近年は供給量と使用量が近接していて、当然ですが供給量を超える使用量というのはあり得ませんので、本当にちゃんと足りていたのか、需要がどうなのかということを想定できるのかという御質問を頂きました。過去には、インフルエンザワクチンの需給予測というのをやっていたこともあるのですが、一度、平成23年以降にワクチンの供給量と使用量の間にかなりギャップができ、結構余裕ができたということもあって、一時期そういうことをやらなくなったということはあります。それ以降、平成27年から、ワクチンがこれまで3価だったものが4価に変わりましたので、やはり製造のほうに結構負荷が掛かっておりまして、ちょっと製造量が下がってしまった時期があります。その時期はワクチンの使用量というのは余り変わらない状況だったのですが、特に新型コロナウイルス感染症がはやった令和2年といった時期になると、やはりワクチンの需要が伸びてきている、ワクチンへの関心も高まってきているという状況かと思います。
現状、メーカーさんのほうからすると、一応、普通は需要に大きな変動はないので、過去の需要を見て、それで大きく変わらないような形で安定供給できるような形で準備をしているというのが一般的な状況かと思いますが、今回の新型コロナウイルス感染症の発生に伴い、需要が一気に伸びるといった特殊要因がある場合は、結構、需要予測というのは大変難しくなるというような状況かと思っております。ですので、なるべく我々のほうもメーカーさんと協力をして、たくさん作ってほしいとか、実際たくさん作っていただくといった状況になっておりますが、それは、こういったときに、真に必要な方に届くような方法をどうするかといったことをちょっと考えているような状況でございまして、正直なことを申し上げると、現時点で、いろいろな不確定な要因、特に過去のデータが参考にならないような状況が続いておりますので、ちょっと需要の予測というのは正直難しい状況です。また、今年3月の部会で紹介をさせていただいた供給量をみえる化するような形の部分については、ちょっといろいろ何かできないかということで、当然、幾ばくかの費用は必要になりますので、それ次第ということになってしまうのですが、できるようになった段階で、また考えたいというのが正直なところです。
 続いて、坂元先生からの御質問ですが、需要が伸びることについての何らかの対策ということです。正直なことを言うと、接種を希望される方皆さんに旬のタイムリーに接種ができるというのが、正直、一番望ましい姿であるということは理解しているのですが、スライド3枚目にありますが、今年はワクチンが3,500万本出荷されますといっても、10月の最初には、半分以下の1,670万本ぐらいしか出ませんということになりますので、例えば、この時期に一気に4,000万人の方が希望されても打てないというようなことになります。ですので、こういった形で、どれぐらいの時期にどれぐらいのワクチンが来る見込みですということを、ちゃんとコミュニケーションをしていって、情報を周知していくということが重要かと考えております。そういう形で対応させていただきたいというのがお答えになります。
 福島先生から頂いた御質問で、フィルター等の不足というのは解消されたのかという点ですが、メーカーさんのほうからは、結構、品薄感はあるのですが、今年のインフルエンザワクチンについては製造に支障があるような状況はなかったというように聞いております。以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございました。ほかに、御質問などはありますか、大丈夫ですか。今年は比較的、今シーズンは大丈夫だということだというように思うのですが、資料4ページの今シーズンの対応(案)の2点目にあるとおり、ワクチンの効率的な使用などについて、医療現場への働きかけを行うということに関して、昨年度と同様という方針で進めさせていただきたいとの事務局案ですが、それはよろしいですか。特に釜萢先生のところが一番大きなキーマンだというように思っているのですが、日本医師会としては、それでよろしいですか。
○釜萢委員 ありがとうございます。これはこの方針のとおりでよいと思います。是非、そのように。また私どもからも周知を図りたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 あとは、もう1点ですが、3つ目のポツの所についてどうするかは、伊藤先生の下で一応皆さんの意見をまとめたらどうかなと私は思います。以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございます。これは基本的に、基本方針部会や感染症部会のほうでの議論を踏まえてということを考えていらっしゃるのでしょうか。それとも、この部会として、やはりこういう接種機会、集団接種の機会などを設けるべきだという提言をすべきだというように、事務局案としてはどちらでお考えですか。
○稲角ワクチン開発専門官 事務局です。この点については、基本的には基本方針部会と感染症部会のほうで議論をさせていただきたいと考えております。理由としては、予防接種法上、このインフルエンザワクチンについてはB類疾病ということですので、接種勧奨も努力義務もかかっていないという状況なので、その中で何ができるかということはあろうかと思います。そういう状況ですので、ちょっとその中で、感染症対策の全般としてできること又は予防接種法の枠内でできることというのはあると思いますので、発想としては切り分けをしたいというのは本心ではあります。
 一方で、御専門の先生がそろっている場ではございますので、もし、対策として、何かこういうことがあったほうがいいのではないかという御意見を頂けるのであれば、それをもって次の部会での議論にいかしたいという気持ちでおりますので、もし御意見があれば、頂けると有り難いと思っております。
○伊藤部会長 事務局からは、こういった話でしたが、こちらのほうで、基本方針部会に対して何らかのアドバイスがあれば、ということだったというように認識をしております。釜萢先生、どうぞ。
○釜萢委員 ありがとうございます。今、稲角さんからも説明がありましたように、それぞれの部会の役割も踏まえてということでありますが、私の意見としては、まず、重症化予防の効果が大きい方を優先して接種するから、それ以外の人は待ってくれというような形の対応はなかなか難しいし、場合によっては反対意見も出るのではないかというように思います。したがって、希望する方は、きちっと予約を取って粛々と接種を進めていくのがよい。一方で、重症化予防の効果から、是非接種が必要だと思われる対象者は、なるべく早く接種をしてほしいというようなアナウンスをすることは意味があるのではないかと思っています。
 したがって、結論としては、年齢を区切って、この時期はどの人しかやらないというようなやり方は取らずに、重症化の可能性がある方々に接種をお勧めするという対応が望ましいのではないかと考えております。以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございます。では、坂元先生、どうぞ。
○坂元委員 今の釜萢先生の御発言は確かにそのとおりだと思います。皆さんそれぞれ事情があるので、なかなか重症化や高齢者優先というのは言いにくい部分があります。ただ、今回、コロナとの同時接種が可能になっているので、もしかすると、今、報道だけのニュースなのですが、そのオミクロン対応型のワクチンが前倒しされる可能性とかがあります。現在、6割ぐらいの高齢者が4回目接種を受けている段階で、例えば、まだ4回目を受けていない高齢者や、もしかするとオミクロン対応型ワクチンを受けていく高齢者に対して、むしろ、ある意味では同時接種を推奨していくという1つのやり方をしてもいいのではないかなと思います。そうすると、診療所の先生方も、別々に来られるよりは、一緒に来て、問診内容もそんなに大きくは違わないと思いますし、非常に効率的にできるのではないかという意味です。これはそれ以外の人に打っちゃいけないということではないですが、そこにちょっとポイントを置いた作戦なんかを展開すると、コロナワクチンの接種促進にもなるし、高齢者のインフルエンザの接種の促進にもなるので、そういう考え方をむしろ積極的に採用していったらいかがかというように思います。以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございます。ほかに何か御意見などはありますか。皆さんから頂いている御意見、この部会としては、基本的には希望者の方々に粛々として打っていく、今回はワクチンの不足を予測していないので、そういう対応が今年はできるようになりましたということを一言御報告ができるのかなと思いますが。一方で、同時接種なども含めて、考えられるのではないかという意見があったということを、基本方針部会の議論の中でお伝えいただいて、参考意見として出ていけばそれでいいのかなというように思うのですが、そういうことでよろしいですか。この部会で決めるというよりも、この部会でも、ワクチンの供給状態を鑑みても、粛々とワクチンを希望者に打てる状況にはなっているという判断を、生産・流通部会としてはしているということをお伝えするということでよろしいですか。信澤先生の手が挙がっています。
○信澤委員 ちょっと確認をさせていただきたいのですが、私も、今、坂元先生がおっしゃった御意見に賛成なのですが、オミクロン対応の2価のワクチンが前倒しで9月から打てるようになるかもしれないということで、2価のコロナワクチンとインフルエンザのワクチンを同時接種しても、一応大丈夫ということにはなっているのですよねと、ちょっと確認をさせていただきたかったのです。
○伊藤部会長 事務局から御回答いただけますか。
○稲角ワクチン開発専門官 事務局です。信澤先生の御理解のとおりです。コロナワクチンが2価に変わっても、インフルエンザワクチンの同時接種は可能というように、今のところ考えているところです。
○信澤委員 ありがとうございます。
○伊藤部会長 よろしいでしょうか。これで、一応、この委員会としての意見をまとめて、必要な対応を取っていただく。基本方針部会でも同様の話がでると思いますが、多分、私も基本方針部会に出ますので、この生産・流通部会としての意見をお伝えするつもりでおりますので、どうぞうよろしくお願いいたします。
 次の議題に移ります。議題(2)その他についてですが、事務局からよろしくお願いいたします。
○柴辻企画管理調整官 それでは、事務局から資料2を使って御報告をいたします。こちらは、前回7月6日の部会で具体的に御説明ができていなかった内容も含めまして、AMEDのSCARDAにおける重点感染症関係の公募の動きをまとめたものです。資料の2ページ目です。①として、SCARDAのほうで発足と同時に「ワクチン・新規モダリティ研究開発事業」を立ち上げまして、まず新たなコロナウイルス感染症に対象を限定した公募を開始しておりました。こちらは、内閣府の医薬品開発協議会という会議体において実施について了承を得て始められたものです。前回の部会では、採択結果は資料で御用意しておりませんでしたので、簡単ですが、公表情報からまとめております。本事業は、その性格から常時公募となっておりますが、そのうち、3月の公募開始から4月28日までに応募があった5課題について、AMEDで評価を実施し、今回ここに挙げている2課題が採択されたというものです。2課題とも、現行の国産コロナワクチンの開発支援事業で採択をされて開発を進めている企業によるものです。
 1課題目の、VLP Therapeutics Japan社の「レプリコンプラットフォームテクノロジーを用いた今後出現する株を含めたユニバーサルコロナワクチン開発」についてですが、こちらは、中身としては、コロナウイルスの変異予測を行って、変異Sタンパクの受容体結合領域を予測した上で、同社が現在開発を進めているレプリコン型のメッセンジャーRNAワクチンの技術を用いて、T細胞のエピトープとなり得る比較的保存される領域のタンパクを発現させるというコンセプトで開発を進める、ユニバーサルタイプのワクチンの開発課題ということです。
 それから、2課題目の、塩野義製薬の「ユニバーサルサルベコウイルスワクチンの研究開発」については、今回のSARS-CoV-2、あるいは過去のSARSコロナウイルスを含むサルベコウイルス亜属全般に交差性のある抗体を選択的に誘導するユニバーサル抗原を創製することを目標とする、こちらはモダリティとしては遺伝子組換えタンパクワクチンの開発課題です。
また、その下の②ですが、こちらは、前回の本部会でワクチン開発を支援する重点感染症が選定されたことを受けて、公募要領を改訂していただいて、現在、公募が開始されておりますので、その情報となります。
 3ページは、公募要領の抜粋から、第3章の3.1に記載のある、選定した重点感染症の部分を抜き出しております。このように3.1の下段にありますとおり、こういう形で公募要領が改訂されて、公募が開始されている状況です。こちらも常時公募となっておりますが、こちらの重点感染症に対する感染症ワクチンの開発に関しては、公募の次回の選定スケジュールを目標とする場合には、本年の9月30日までに提出されたものが1回目の選定のスケジュールに乗ってくるということで聞いております。
 参考資料ですが、前回の部会での検討結果を内閣府の医薬品開発協議会に報告した際の資料を、参考資料として付けております。この際は、内閣府から強い要請がありまして、各々の感染症が、カテゴリーの1)~4)のどのカテゴリーに合致するのかを示してくれという要請を頂いたので、それを示したというものですので、こちらも併せて御紹介をさせていただきました。資料の説明は以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございます。前回、SCARDAの状況について報告をしてくださいということをお願いして合って、今回、こういった形で示してもらったと思います。当初、頂いた資料ではタイトルだけでよく分からなかったので、詳細について説明をしてくださいというお願いをしておきましたので、こういった形で説明がありました。本当は、ポンチ絵で説明してほしいと言っていたのですが、該当するポンチ絵がない、すぐ手に入らないということでした。できれば、もう少し一般の方々にも分かりやすい資料にするほうがいいのではないかと思います。本来、この場で提示をするのか、AMEDが提示してくれるほうがいいのだろうと思いますが、やはり私たちとしてはワクチン開発についての情報公開のいい場所だと思っていますので、引き続きお願いをしていきたいと思っています。
今後、常時公募ということですので、刻一刻と変わりがあると思いますので、それについてはこの部会に報告をお願いしたいと思っています。これは、政府に、こういった形で参考資料として報告したということですが、御質問とかございますか。大丈夫ですか。情報提供ということで、こちらからの御意見はないと思っておりますが。
 では、「その他」のほかのことについて、事務局からお願いします。B型肝炎ワクチン、お願いします。
○稲角ワクチン開発専門官 参考資料1を御覧ください。先週、こちらからお出ししました、供給に関する事務連絡について御説明いたします。まず現状ですが、B型肝炎ワクチンについては、KMバイオロジクス社とMSD社の2社が供給をしておりまして、それぞれ0.25mLと0.5mLの製剤を供給しております。一昨年、MSD社のワクチンのほうが一時期供給が止まっていたのですが、現状、それは復帰している状況です。一方で、止まっている間に、製造効率の観点から、KMバイオロジクス社の0.5mL製剤をたくさん製造してもらいまして、それを、0.5mLを使用する成人の方の接種ですとか、0.25mLしか使用しない小児の定期接種にも活用いただいているところです。小児のときは、できるだけ、1バイアルから2回抜いて使うようにお願いをしておりました。
 MSD社のほうは供給が復活しまして、一定期間たっていたのですが、なかなかKMバイオロジクス社の0.5mL製剤の需要が減らない状況でしたので、事務連絡の1.に書いておりますが、今年の6月1日から0.5mL製剤の限定出荷を行い、出荷調整を行っていたという状況です。これが行われましたので、小児の定期接種の需要とかが、結構、0.25mL製剤のほう、2社の製剤に移るかと思っておりましたら、ちょっと想定と思わなかった方向に動いております。具体的には、KMバイオロジクス社の0.25mL製剤の需要が高まった一方、想定よりもMSD社の0.25mL製剤の需要が高まらなかったので、KMバイオロジクス社が、結局、0.25mL製剤についても先週から出荷調整を行っている状況です。
2枚目の表にありますが、0.25mL製剤、こちらが小児の定期接種に利用する製剤ですが、本年度は大体230万本ぐらいの供給ができるという状況でして、現在の出生数を考えますと、基本的には、0.25mL製剤だけで小児の定期接種はある程度賄える状況かと思っております。
 そういう状況ですので、2.に書いてありますが、安定供給対策として、特に②ですが、小児の定期接種にはできるだけ0.25mL製剤を使っていただくよう現場にはお願いをしている状況です。そのような形で、供給についてお知らせをする事務連絡を発出させていただきましたので、御報告をさせていただきます。事務局からは以上です。
○伊藤部会長 B型肝炎ワクチンの供給状態が、0.25mLの小児の製剤が、少なくとも現行の接種には足りるところまで今のところ戻っているという話ですが、釜萢先生とか細矢先生とか、小児科医として大丈夫でしょうか。
○釜萢委員 釜萢です。先にすみません。医療現場から、私自身の……も含めて、何とか対応できているという認識でおりまして、今日、お示しいただいた情報をしっかり発出しながら、混乱がないように対応してまいりたいと思います。ありがとうございます。それほどすごく、このことで医療現場が困っているという状況ではないと認識をしています。
○伊藤部会長 ありがとうございます。
○細矢委員 細矢ですが、よろしいでしょうか。
○伊藤部会長 はい。
○細矢委員 やはり、一度、メーカーを変えてしまう、卸から変えてしまったりすると、なかなかまた元に戻すというのは難しい状況があるのではないかと心配しています。その辺をうまく調整すれば、この問題はそれほど大きな問題にならなくて済むのではないかと思いますので、何かそういった方策があれば、御検討いただければと思います。
○伊藤部会長 事務局から何かありますか。
○稲角ワクチン開発専門官 事務局です。釜萢先生、細矢先生、どうもありがとうございました。大きな混乱はないということで釜萢先生から頂きました。また、細矢先生からは、一度メーカーを変えると大変になるということでコメントを頂きましたが、現状、本当は皆さんできるだけ同じメーカーさんのものを使いたいというのはあると思いますが、正直、ある程度、互換性ということではないですが、変えて使えるということもありますので、こちらとしては、なるべく、あるワクチンをうまく使って接種を進めていただきたいというのが正直なところです。以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございます。それ以外のことについて、この件についても含めて、皆さんから御意見とか御質問とかございますか。大丈夫ですか。
1点、私から。これは事務局にお願いをしたのですが、私とか坂元先生とか釜萢先生は、ほかの分科会とかにも所属をしていただいているので、比較的新型コロナのことに関しては身近に知ってはいるのですが、コロナワクチンの、いわゆる流通とか生産量とかの話について、この生産・流通部会に出てきていないというのを多少気にしております。この部会の役割というのは、やはり国民の皆さんに対して情報を公開する場所だと思っていますので、そういう意味で、今、コロナワクチンの供給に関しては、どちらかというと政治的なというか外交的な問題のほうが多いので、この委員会としての意見を言って、それで決めるという話にならないのは十分承知はするのですが、少なくとも、どんな状況だったのかぐらいかは報告してほしいということは、事務局にはお願いをしておりますが、これが私の独断の判断なのか、それとも、皆さんの御意見としてどのようにお感じになられているのかを教えていただけると有り難いと思っているのですが、いかがでしょうか。資料もなく急に提案をしていつも申し訳ないなと思っているのですが。釜萢先生、ありがとうございます。
○釜萢委員 すみません、私から申し上げることは、このコロナのワクチンの流通については、なかなか国としてすぐに公表できない内容も含まれていると承知をしております。その中で、やはり実際に配布がどのように行われて、そして、実際の接種がどうなのかというのを、ある時点で振り返ることは可能だと思うので、今後、また新たなタイプのワクチンを用意しなければならないということも踏まえて、過去の状況について、まずはしっかり検証するというところを当部会が担う、そして、その上で、今後についての予測を可能な限りやっていくという役割を担うべきだと思いますので、伊藤部会長の御指摘は正にそのとおりだと思い、賛同申し上げます。以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございます。ほかの皆さん方はいかがでしょうか。では、信澤先生と坂元先生、お願いいただきます。では信澤先生から。
○信澤委員 私も伊藤先生の御提案には賛成です。ただ、釜萢先生もおっしゃっていたように、政治的な面というのがもちろんあって、公開できないということはあるのかもしれませんが、みんなが殺到したり、あるいはもう余っているのかと思ったりという変な誤解というか、間違った情報が一人歩きするようなことは避けたほうがいいような気がしています。海外では、どれぐらいこういう情報というのは一般の人々に公開されているのかとか、そこら辺の情報はあるのでしょうか。
○伊藤部会長 坂元先生、お願いします。
○坂元委員 伊藤先生のおっしゃっていることはもっともだと思います。この基本方針部会だけの参加者もいらっしゃいますので、例えば、今回、インフルエンザの話が出るならば、当然、今、コロナワクチンの接種の開始について、いつか分からないですが、オミクロン対応型のワクチンが出るというので、少なくても、ちょっと決まったこととか、そういうことぐらいはレジュメみたいなのを資料のどこかに付けていただけると、この部会だけの参加者が状況が分かると思います。例えば、先ほど信澤先生から同時接種の話も出たのですが、確かに分科会のほうではそういう話をしているけれども、基本方針部会の先生方はご存じない方もいらっしゃいますので、そういう関連情報を、この基本方針部会だけで話す内容でなくて、今、こういう段階でこういう話になっていますみたいなのを、どこかで、簡単でいいですから、レジュメみたいなのを資料で一緒に出すかすれば、つまり前もってそういう資料を頂ければ、先生方の共通の認識というものができるのではないかと思いますので、その辺の工夫ができましたら、よろしくお願いしたいと思います。以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございます。信澤先生から御質問があったのですが、海外では、こういう供給状態とかは公開されている代物なのですか。何か皆さんご存じなのか、ちょっと急に質問をしていますので分かるかどうか分かりませんが、いかがですか。稲角さんは分かりますか。
○稲角ワクチン開発専門官 よろしいですか。基本的に、まず、信澤先生から頂きました、海外でこういう供給の情報はどのぐらい公表されているのかという点ですが、すみません、今、ちょっと現状、把握をしていないのが正直なところです。
○伊藤部会長 こういった提案というのは、かなり政治的な話なのか。福島先生、どうぞ。
○福島委員 海外で、供給量等の予測のような、そういう情報はどこまで公開されているかということについてなのですが、私が、数年前に、インフルエンザワクチン株選定に係る基礎資料として、各メーカーさん、あるいは感染研の先生方にヒアリングさせていただいた範囲内では、日本ほどには、きっちり供給予測をして積極的に公開することはないようでした。外資系のメーカーさんの職員の方に聞いても、「すごくきっちりされていますね」というような御意見を頂きました。ということで、かなり自由な市場と言いますか、マーケティングとしては、競争的なのですが自由で、余りそこは縛りがないのかなと思います。あと、私は分科会のメンバーでもあるのですが、伊藤先生がおっしゃることはもちろん正論なのですが、分科会においても、コロナワクチンがいつ、どういうタイミングで、どれぐらい供給されて、今、どれぐらい流通しているかという情報は、そこまで詳しく出てきていないのではないかと思うのですが、その点に関してはいかがでしょうか。
○伊藤部会長 何か、すみません、私が踏み込みすぎている雰囲気が出てきてしまいましたが、少なくとも副反応検討部会では、接種本数が1か月ごとに毎回出ていますので、どれぐらいの方が接種をしたというデータはあります。供給に関しては、何万本供給契約をしましたという話は出ているので、そことの差分はわかるので、実際これで供給不安が起きているかどうかというのは、副反応検討部会の資料をみていると、少なくとも理解はできるというほうが正しくて、先ほど分科会と言ったのが間違いだったのかもしれません。それは訂正させていただきます。ただ、海外でもそれほど公開がされていないということですので、それほど詳らかに何本単位でとか、どれぐらい供給してというところまでは要求するものではないのですが、ただ、コロナワクチンに関しても、流通も含めてきちんと考えるというか、情報公開をする場所としてこの部会を考えていただきたいというのが提案の趣旨ではありました。坂元先生、どうぞ。
○坂元委員 私も時たま見ているのですが、CDCの所で、メーカーごとのワクチンのdozeのallocationという形で、簡単な公開は出て、これは本当の数字かどうか分からないのですが、そういうサイトがCDCの中にあるので。ただ、日本ほど、先ほど福島先生が言ったように、真面目にやっているかどうかというのは別として、大体のトレンドは、このCDCので読み取れるかもしれないと思います。以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございます。ほかに何か御意見とかございますか。一応、提案はさせていただきましたので、きっと事務局が考えてくれるだろうと思いますので、分かる範囲で、この生産・流通部会でもやはりそういう問題意識を持っているということについて、意見出しをさせていただいたということにさせていただきますが、それでよろしいでしょうか。ありがとうございます。皆さん首肯していただけていますので、事務局にはお考えいただくということにさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
 本日の議事は以上ですが、事務局からよろしくお願いします。
○萩森予防接種担当参事官室室長補佐 本日も様々な御意見を頂きまして、ありがとうございました。次回の開催については追って御連絡させていただきますので、引き続き御協力のほどよろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございました。それでは、本日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会を終了いたします。本日はどうもありがとうございました。