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第30回厚生科学審議会臨床研究部会 議事録
医政局研究開発振興課
日時
場所
議事
- 議事内容
○医政局研究開発振興課治験推進室長補佐 それでは、皆様おそろいになられましたので、ただいまから「第30回厚生科学審議会臨床研究部会」を開催いたします。本日は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点からWebで開催いたします。会議全体でのお願いとなりますが、Webで参加されております委員の皆様におかれましては、御発言される前に、システムの機能から参加者リストを表示していただき、「手を挙げる」ボタンをクリックしてください。部会長の指名を受けてから、マイクのミュートを解除して御発言いただくようお願いいたします。また、御発言終了後はマイクをミュートにするとともに、「手を挙げる」ボタンを再度クリックして手を下げた状態にしてくださいますようお願いいたします。会議中に接続トラブル等が発生しましたら、事前にお送りしたWeb会議のマニュアルに記載されている連絡先に御連絡ください。
本日は部会の定数14名に対しまして、12名の委員の皆様に御出席いただいておりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。
続きまして、本日の会議資料についてですが、会場参加の委員の皆様におかれましては、お手元のタブレットを操作して御覧いただくようお願いいたします。Webで参加されている委員の皆様におかれましては、事前に送付しております資料、あるいはWeb上で資料を投影いたしますので御覧ください。資料は資料1~3、参考資料1-1、1-2、2-1、2-2、3-1~3-3、及び資料4となっております。お手元の資料に不足等ございましたら、事務局宛てにお申し付けください。円滑な議事進行のため、撮影はここまでとさせていただきますので、御協力をお願いします。以後の進行につきましては、楠岡部会長にお願いいたします。
○楠岡部会長 おはようございます。楠岡です。それでは、新年度第1回目の臨床研究部会となりますが、昨年度からの引き続きということでよろしくお願いいたします。まず、議題1)は「臨床研究法に関する検討について」です。事務局より資料1の説明をお願いいたします。「革新的な医薬品等の研究開発の推進」と「研究の信頼性確保」の2つに分かれておりますので、それぞれに分けて説明と議論を進めたいと思います。よろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 それでは、資料1-1「臨床研究法施行5年後の見直しに係る検討の取りまとめ(案)」の御説明をさせていただきます。今回の「とりまとめ(案)」ですが、12月に取りまとめを頂いた「中間報告とりまとめ」に追記をする形で記載をしております。
次のページに目次がありますが、先ほど申し上げましたように、これまでの議論の順番に沿って、それぞれの項目に「中間報告とりまとめ」以降の議論を追記する形で整理をさせていただきました。それでは順に御説明させていただきます。
まず、Ⅰ「はじめに」です。今申し上げましたように、取りまとめを行った後の方向性について整理をしたということが書かれております。
更に進んでいただいて、3ページ、Ⅲ 各検討項目についてです。革新的な医薬品等の研究開発の推進、1.臨床研究実施体制の国際整合性の中で、研究全体の責任主体の概念についてということで御議論を頂きました。
1ページ進んでいただきまして、青字で追記部分をお示ししております。「中間とりまとめ後の議論」と「今後の対応の方向性」ということで分けて書いておりますが、中身については、ほぼ同様の内容を記載しいております。今後の対応の方向性のほうで説明をさせていただきます。1つ目として、国際整合性の観点も踏まえ、特に多施設で実施される試験において、統一的な運用体制が確保されるように、この実施体制について「研究の計画・運営の責任を負うべき者」と「研究の実施に責任を有する者」、これは各施設で試験を実施していただく方となりますが、役割や機能を整理した上で、研究ごとに研究の実施を統一的に管理する「研究の計画・運営の責任を負うべき者」を設定することとすべきというようにまとめました。
2つ目として、企業が実施をされる試験の取扱いについて、これまでは再審査、再評価が終わった後の試験について企業は実施できないという形になっておりましたが、これについては2行目からにありますように、臨床研究法の対象とはせず、薬機法下で別途適切な基準に準拠して実施することができるよう、必要な見直しを行うべきであるとさせていただきました。
続きまして、その次のページの(2)特定臨床研究で得られた情報の薬事申請における利活用についてですが、これも次のページに追記しております。こちらにつきましては、医薬・生活衛生局のほうで既に一部、取組を進めております。1つ目になりますが、特定臨床研究で得られた試験成績を利用し、実際に薬事申請に至った事例をもとに、適切な信頼性確保を講じる上での留意点・考え方を一例として、この3月31日に事務連絡として示しております。さらに、今後の方向性について、今回は一例ということで示したところではありますが、今後一般的な要件、留意点を取りまとめて公表に向けた検討を進めるべきであるということで、実際に特別研究などを活用して、こういった取りまとめを進めると聞いております。
続きまして(3)いわゆる観察研究に関する臨床研究法の適用範囲についてです。臨床研究法の臨床研究の定義ということになります。ページを進めていただき、青字の所に、中間とりまとめ後の議論、及び今後の対応の方向性の議論があります。これもほぼ同じ内容が書いてありますので、今後の対応の方向性のほうで御紹介させていただきます。1つ目として、法の対象となる臨床研究の範囲ということで、これが観察研究の取り扱いになります。まず臨床研究の範囲として、もともと介入のある、いわゆるClinical Trial、研究計画に従って研究対象者に対し、医薬品等を使用する研究というものが入ります。そして、観察研究の中でも特に一部のものということで、適切な医療として医薬品等を使用するものであって、研究対象者への通常の医療と大きく異なる傷害・負担が大きい検査等を研究目的で診療に追加して行う研究が入ります。様々御議論を頂きましたが、通常その方に対して実施される医療と大きく異なるということ、その内容が傷害・負担が大きい研究が追加されるものに限っては追加を行うという形で必要な見直しを行うべきであるとさせていただきました。
また、2つ目として、傷害・負担が大きい検査の事例や基準を示すべきであり、引き続き、考え方の検討を進すめるべきであるとさせていただいており、以前も少し事例などを御紹介させていただきましたが、引き続きお示ししてまいりたいと思います。
続きまして、(4)疾病等報告の取扱いについてです。中間とりまとめ後の議論と今後の対応の方向性がありますが、これも今後の対応の方向性のほうで御紹介をさせていただきます。疾病等の報告については大きく2つの論点がありました。まず、多施設で実施する場合に、それぞれで発生した疾病等報告の取扱いが各医療機関に任されていたという点と、報告期日についての2点がありました。最初に、報告の主体に関してですが、先ほど研究の実施体制の所でお示ししましたとおり、「試験の計画・運営の責任を負うべき者」というのを、試験の体制の中に位置付けることになりますので、有害事象に係る情報についても、この者に一元的に集約し、因果関係について一律に判断できるよう、必要な見直しを行うべきとさせていただきました。
続きまして、報告の期日に関してです。特に、既知の重篤な疾病等の報告期日について議論がありました。これにつきましては、1つ目にありますように、未承認・適応外の医薬品等の臨床研究については、その疾病等の発生ごとに、原則30日以内にCRBに報告をしていただくということにいたしました。ただし、研究体制の中で、試験の実施体制とは独立した形で効果安全性評価委員会が設置されて、そこが適切なインターバルで評価を行っている場合については、定期報告として差し支えないという取扱いにさせていただきます。また同じく、既知の重篤な疾病の中で、既承認の医薬品等の臨床研究において、定期報告はおおむね1年に1回という扱いとさせていただきました。
続きまして、2.研究の法への該当性の明確化です。(1)適応外使用に関する取扱いになります。これも中間とりまとめ後の議論と今後の対応の方向性を示させていただいておりますが、こちらにつきましては中間とりまとめのほうで御紹介をさせていただきます。こういったものの取扱いについては、臨床研究部会の下に専門委員会を設置して、そこで検討するべきということで取りまとめをさせていただきました。なお、そこで検討する際の視点としては幾つか、適切なデザインに基づく安全性情報とか、ガイドラインの存在、また低リスクであるというような視点をお示しさせていただきましたが、今後事例を検討する中で、視点の整理は引き続き実施させていただくということにさせていただきました。
続きまして、(2)医療機器の取扱いです。次のページですが、医療機器については、特別研究事業において、実際に臨床研究法の適用があるかどうかという辺りの迷われた事例の収集を行いました。こういった中でIRBやCRBで医療機器に関する情報がなかなかない中で、現場の先生方も含めて判断にお困りであるというような状況も見えてきたところです。一方で、回答数が限られているということもあり、これをもって制度そのものを変えるというところまでは至らないものの、今後は情報を収集しながら、まずは事業の形で支援をしていきたいということになりました。
今後の対応の方向性としては、1つ目、医療機器を用いた研究に関して法への該当性等を相談できるよう、相談窓口の設置を進すめるべきである。2つ目、該当性に迷った事例の収集を行って、随時事例集を更新していく。3つ目、関係学会等の協力を得て、関係する方々、CRB、倫理審査委員会、工学部の研究者などを含めて、広く現在、整理をされた内容について周知をしていくべきであるというような形でまとめさせていただきました。
続きまして、3.手続の合理化です。(1)届出・変更手続の合理化、届出のオンライン化については、中間とりまとめの段階で、既に結論を頂戴しておりましたので、対応状況ということで御報告になります。昨年度末に省令の改正、通知の発出などをいたしまして、併せてjRCTの改修も実施させていただきました。この結果、4月1日以降、特定臨床研究の実施計画の国の届出は、紙での郵送が不要になりまして、オンライン化、jRCTへの登録、それに引き続く手続をもって届出をしたというような形にさせていただきました。
2つ目にありますように、変更手続についても、軽微な変更に該当する事項を追加するとともに届出事項からは外して、jRCTへの掲載のみとする事項も整理させていただきました。併せて、これも年度末に省令の改正通知を発出させていただきまして、4月1日から施行させていただいております。
(2)利益相反の申告の手続の適正化ついてです。今後の対応の方向性というところになりますが、特に医療機関における事実確認が困難であるという御指摘を頂いております。この点に関しては、COIの管理が必ずしも臨床研究法における特定臨床研究だけではないというお話もありましたので、国内の医学系研究に関するCOIの一元的な管理ができるようなデータベースを構築することが望ましい。また、こういったものの取組に着手することが期待されるとまとめさせていただきました。まずは、ここまで御説明をさせていただきました。
○楠岡部会長 ありがとうございました。それでは、議論を進めていくに当たりまして、1.から順番に進めていきたいと存じます。まず、3ページの1.臨床研究実施体制の国際整合性ですが、この部分に関しまして御意見がありましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。山口委員、お願いいたします。
○山口委員 ありがとうございます。文言についてですが、下に振られているページ数で7ページの所です。「法の対象となる臨床研究については」ということで、4の中間とりまとめ後の議論の所に書いてある「あらかじめ作成した」という所と、「個々の研究対象者の」に分けて書かれていると、そんなに気にならなかったのですが、5の今後の対応の方向性のところで、この2つのことが併記されると、日本語として読んでいて分かりにくいなと思いました。例えば、「法の対象となる臨床研究の範囲は、研究計画に従って研究対象者に対し、医薬品等を使用する研究」と、ここはいいのですが、その後の「適切な医療として医薬品等を使用するものであって」と書いてあるのが、併記されていると分かりにくくなるので、「医薬品等を使用するものの中でも、研究対象者への通常の医療と大きく異なる」としたほうが、意味が分かりやすいのではないかと、読んでいて思いましたけれども、いかがでしょうか。そこだけです。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。御指摘のように修正をさせていただきます。あと先生から御指摘いただいたように、これは中間とりまとめのように大きく2つの試験を言っていますので、確認の上、差し支えなければ中間とりまとめと同じような形で、2つあることが分かりやすい形に、中身は変えませんけれども、表記の仕方としてはそのような形にさせていただければと思います。
○楠岡部会長 山口委員、よろしいでしょうか。
○山口委員 ありがとうございます。そのようにお願いしたいと思います。
○楠岡部会長 引き続き、北海道大学の佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤(典)委員 佐藤です。よろしくお願いします。ひょっとすると前回の議論で解決済みで、私の考えが受け入れられなくて蒸し返しみたいな言い方になったら申し訳ないですが、(3)のいわゆる観察研究に関する臨床研究法の適用範囲についてです。前回、私から、せっかく法を改正するのであれば臨床研究法の対象を、現状の医薬品の評価から観察研究という定義がやや曖昧で漠然としたものを除外して、そこから更に侵襲的なものとか検査が多いものをまたピックアップするという手法ではなく、臨床研究法をもともと介入研究であるという形で定義し、そこで足りないもの、例えば侵襲性の強いものを拾い上げるという形のほうが、法としてはすっきりするのではないかということを意見として述べさせていただきました。前回か前々回か忘れましたが、堀田班のほうから、国際性のところの詳細な報告を頂いていて、アメリカ型の介入とEU型の介入の定義が違っているところでしたけれども、それをもって対象という形にしている。そのときは、日本の考え方はEU型に近いかもしれませんねという議論もあったかと思います。
私としては、5年に1回の大きな改正議論をしている中ですから、根本的な有り様として日本の臨床研究法というのは介入研究、介入試験が対象です、Clinical Trialが対象ですと。それ以外のところで足りないものについては付加するとか減らすとか、プラスマイナスという考え方でもいいのではないかと述べさせていただきました。これは私の中では100パーセント否定されたと思っていなかったので、この先、もう少し議論があるのかなと思ったのですが、これを見る限り全くそういう話が出てきていませんので、恐らく今後そういうことが議論されることは、このままでいくとなくなるのではないかと思ったものですから、その点、私の勘違いで私の考えが皆さんの一致で既に否定されたものだということであれば、あえて蒸し返すことはいたしませんけれども、まだ議論の余地があるのであれば、そういうところを見えるようにしていただきたいと思ったところです。私の意見は以上です。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 佐藤先生、ありがとうございます。すみません、私どもの理解不足があったかもしれませんけれども、恐らく物理的に申し上げると、先生がおっしゃっているお話と、私どもが書いたものの実態的な中身は変わらないのではないかと思っております。ただ、そこに至るアプローチとして佐藤先生からおっしゃっていただいたのは、まず介入研究を主眼として置きつつ、付随的にごく一部の観察研究が付け加わるというような言い方になるかと思います。そこの書き方というかアプローチの仕方の部分は、実は法律をどういうふうな構造で書くかという辺りにもかかってくるところで、最終的な着地点としては御指摘のようなところに合致していると思うのですが、そこに至るまでのアプローチの記載の仕方について、少し先生のお考えと違うところがあったかもしれないと伺いましたが、そのような理解でよろしいでしょうか。
○佐藤(典)委員 そのようには読めなかったものですから、確認させていただいたということです。基本的に法律ですから、ここは国際整合性という大きなカテゴリーの中でもありますし、せっかく前回、堀田班から詳細な報告を頂いて、それについて私も理解が深まりましたし、この部会としても深まったところがあると思いますから、室長がおっしゃったようなことで今後も議論していただけるということであれば、この文章の中でちょっと読めなかったので微妙なところがあるかもしれませんが、今回の議論で議事録も残ると思いますので、そういうことであれば、私としては、これからもまた議論を続けさせていただくということで理解いたします。以上です。
○楠岡部会長 今の佐藤委員の御指摘の点はずっと議論になっているところで、そもそも臨床研究に関する倫理指針を作ったときからの話です。法律の名前が、英語ではAct of Clinical Trialになっていながら、日本語は臨床研究になっている。それから、臨床研究の法における定義が、医薬品等を使ったものの有効性、安全性を確認する研究が全部該当するとなると、当然、観察研究も入ってくるとか、その辺りは整理しきれていないところがあります。ただ、この臨床研究法だけでなく、かなり広い範囲でほかの分野にも関わるところがありますので、今の佐藤先生の御指摘の点は、今後とも留意点として議論は続けていきたいと思いますが、なかなか今すぐの対応は困難であるということで、引き続き議論として続けていきたいと整理させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。よろしいですか。では、花井委員、お願いいたします。
○花井委員 ありがとうございます。下のページ番号4ページで、PDF番号6ページの一番下の所、いわゆる「薬機法下で」という所ですけれども、この件につきましては、今まで臨床研究法と薬機法との関係で、医師主導治験がその隙間に入っていますが、今回、こういうスキームができたということはいいのですが、つまり整理上は、スポンサーというか、「研究の計画・運営の責任を負うべき者」の所の議論でこう書かれていますけれども、企業がこの研究計画・運営の責任を負うべき者の場合という理解でいいのかどうか。
例えば、責任を負うべき者が学会で、医師主導治験でもないんだけど公知を目指すためにエビデンスを蓄積しようという学会のやっている研究で、お金はメーカーが出しているという場合があると思います。そうすると、メーカー出資で割り付けを行っていれば普通は臨床研究法の所掌になるのだろうけれども、こういう場合はどっちにいくかみたいな整理をどのようにされようとしているのかについて、もうちょっと踏み込んだ説明を頂けますでしょうか。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。5の今後の対応の方向性の2つ目の所にもう少し加えたほうがいいと思っていまして、今、御指摘があったように、ここで薬機法の対象になるのは、あくまで企業の責任のもとで実施するものということになりますので、今、花井先生から御指摘いただいたように、学会が主体となって、もちろん資金的な援助を企業から受けるとしても、あくまで実施の主体が学会であれば、それは臨床研究法のほうで特定臨床研究として実施いただくことになります。これまでは再審査再評価が終わった後に、企業がスポンサーとして試験を実施する枠組みが日本にないというか、できないような形になっていましたので、今後は薬機法のほうでやっていただけるという枠組みを作りましたが、もちろん、そういった時期に学会なりアカデミアのほうで試験を計画されることはございますので、それは引き続き特定臨床研究として取り扱わせていただきます。
○花井委員 明解になりました。了解です。ということは、スポンサーが企業の場合という限定が付いていることが、分かりやすく書かれていればいいということですね。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 はい。5のほうに追記をさせていただければと思います。大変失礼いたしました。
○花井委員 ありがとうございます。
○楠岡部会長 ありがとうございます。他にございますか。よろしいでしょうか。私のほうから1点、今、花井委員からも指摘がありました薬機法での新しい体制というところで、薬機法の改正となりますと臨床研究部会の範疇外となってしまい、また、体制等がばらばらになってしまう可能性があります。実施主体は同じでありながら規制が異なることで混乱のもとになるということがありますので、薬機法の改正の進捗状況とか方向性につきましては、是非、臨床研究部会のほうにも報告いただき、我々のほうでコメントできる範囲においては是非コメントさせていただきたいと、これは事務局へのお願いです。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 承知いたしました。医薬局のほうと連携して、こちらの部会にも御報告したいと思います。
○楠岡部会長 ほかにございますか。よろしいでしょうか。それでは、2.の所に移りたいと思います。10ページからの研究の法への該当性の明確化の所ですが、これに関しまして御意見があればお願いしたいと思います。
○楠岡部会長 よろしいでしょうか。それでは、後ほどお気付きの点があればお願いいたします。
では、12ページの3.手続の合理化のパートに関しまして御意見はございますか。よろしいでしょうか。それでは、研究の信頼性確保のほうに移りたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 研究の信頼性確保について御説明させていただきます。1.透明性の確保については先ほど御説明した再掲になりますので、その次の(2)研究資金等の提供に関する情報公表の範囲についてです。今後の方向性として、費目の付け替えの可能性が否定できない情報提供関連費及び接遇費に関しては、企業ごとに年間総額の公表を法令で義務付けるべきであるとさせていただきました。
続きまして、(3)重大な不適合の取扱いについてです。こちらも報告になりますけれども、重大な不適合の発生をしたときの公表につきましては、先ほど御紹介した3月末の通知の中で記載させていただきました。
次に、2.研究の質の確保に関してです。まず、(1)臨床研究審査委員会の認定要件についてです。御報告になりますけれども、中間とりまとめのほうで御議論いただいた認定更新の要件につきまして、3月末の省令改正で反映させていただきました。また、更新要件を満たさないCRBの廃止に関する取扱いについては、これまで種々、事務連絡を出させていただいていましたが、一旦これを廃止した上で、改めて更新に関する考え方ということで事務連絡の発出をさせていただいたところです。こちらにつきましては御報告ということになります。
まとめになりますが、Ⅳ「おわりに」ということで青字の部分です。議論のとりまとめ、それから、これは部会のほうから私どものほうに頂戴する文書ということで着実に実施すべきということを書かせていただきました。最後に、この部会の中でも何回か御指摘いただいていたかと思いますが、規制は適切なものであるべきですが、そういった規制に十分に対応しながら研究が推進できるように、そもそも研究支援の取組を進めるべきであるという御意見も頂戴していましたので、追記させていただいております。事務局からは以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございました。ただいまの御説明で、まず17ページ、1.透明性の確保の部分に関して御意見があればお願いいたします。近藤委員、お願いいたします。
○近藤委員 ありがとうございます。方向性について異論はないのですが、記載内容で、「意見は一致した」と書かれている部分と、「概ね意見は一致した」という形で微妙に書かれている部分がありましたので、1点、1.の所についてコメントさせていただければと思います。
今回、焦点となっている費目の付け替えが行われている可能性の有無を確認できるような状態にするという対応については、私ども製薬協に加盟の会社は、既に公表していますので、十分に対応は可能だというような形で私どもは考えています。そういうことで反対はしておりません。ただ、情報提供関連費とか接遇費については、臨床研究の不正につながる蓋然性は低いために、施行当時も公表対象としていなかったという考え方があったかと思います。この考え方について私どもは、今までの状況を鑑みますと変わっていないと考えています。また、通常は企業ガバナンスによって付け替えはできない状態にあるということがありますので、施行当時の考え方が今現在も生きていると、私ども製薬協のほうは考えているということで御理解いただければと思います。以上、コメントです。
○楠岡部会長 ありがとうございました。
○医政局経済課 事務局から失礼いたします。医政局経済課でございます。近藤委員、ありがとうございます。中間とりまとめ後の議論の1.に意見は一致したと書かせていただいていますが、前回、御議論いただいた際に、情報提供関連費・接遇費の年間総額の公表を法令で義務付けるという方向性につきましては、おおむね御了解いただいたということで、そこにつきまして意見は一致したと書かせていただいているところですが、御意見を踏まえまして、意見はおおむね一致したというような形に修正させていただこうと考えています。一部、内部で確認させていただきたいと考えていますが、そのような方向で考えています。以上です。
○楠岡部会長 近藤委員、よろしいでしょうか。
○近藤委員 ありがとうございます。
○楠岡部会長 それでは、藤原委員、お願いいたします。
○藤原委員 臨床研究法はこれでしっかりしてきていると思いますし、製薬協さんはもともとすごくしっかりしていますけれども、医機連さんとか他の業界の方々がこれに本当に付いてこられるかどうかというのは、経済課とか研発課できちんとウォッチしておいていただきたいなと思います。
それから、ほかの臨床研究との整合性というのが将来的にはきちんと見ておいてほしいなと思って、一言、コメントですけれども、再生医療の会社とか、あるいは健康食品の会社、その辺りの、こういうCOIの透明性というのは、どういうふうに臨床研究法と整合性を取られるおつもりなのでしょうか。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。それぞれの法令に基づくところではございますけれども、特に再生法などは同じ私どもの課で見ているところもございますので、その辺はお互いに連絡をよく取り合いながらと考えています。それから、先ほど御紹介させていただいたCOIのデータベースに関しては、先ほども御紹介しましたけれども、部会の中でも御指摘として臨床研究法に限るべきではないというお話を頂戴していますので、私どもとしても関連する様々な指針なり法令を持っている所と御相談して進めながら、あと、医学会などにもお話させていただいて、広く皆様にお使いいただけるプラットフォームを作れればということで取組を進めていければと考えています。
○藤原委員 ありがとうございます。それに関連してもう1つだけ、今、思いついたのですが、COIの開示は薬機法では非常に甘く書いてあって、課長通知やGCPの運用の事務連か何かのほうにだけ、COIについては治験審査委員会からの要望があれば検討するという程度で、臨床研究法とは格段に緩い記載に薬機法はなっています。薬機法はもともと企業がやっているから、というのがはっきりしているのだと思いますけれども、薬機法に再審査期間が過ぎた後の製販後の臨床試験を移していくと、その辺り、COIの管理がまた甘くなるのではないかということを危惧するのですが、薬機法の改正のときにそういうのをきちんと打ち出していただくとか、あるいは事務連絡等でCOIはちゃんと見てくださいねというのをもう少し明示しないと、緩いほうにいきますので御配慮いただいて、今回、医薬局のほうにちゃんと言っておいていただければと思います。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。製販後の話は、先ほどの繰り返しになりますが、企業がおやりになるものは薬機法側にいきますけれども、学会、アカデミア、研究者がおやりになるものは引き続き臨床研究法のほうの規制に入りますので、ここで研究費の支援などがあれば、もちろん、その中でやっていただくことになりますけれども、改めて先生から御指摘いただきましたそれぞれの立て付けについては医薬局のほうにもお伝えして、必要な対応があれば対応いただくということでお伝えしたいと思います。ありがとうございます。
○楠岡部会長 引き続き、医師会の渡辺委員、お願いいたします。
○渡辺委員 私もこの本文に関しては特に異論はないです。また、近藤委員の御発言に反対するものではないのですが、一般社会としては、特定の研究者に多額の接遇費を支払われるということが生じた場合に、客観的に見ると品目の付け替えとはまた別の意味で、ちゃんと研究が行われるのかという疑義が生じる可能性は十分あると思いますから、そういう姿勢で、是非、対処していただきたいと思います。品目の付け替えが行われるようなものでないから、いいではないかというような発想ではなく、研究者と企業というものは、ある程度独立した形であるべきだということを了承していただきたいと思います。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかに御意見、ございますか。よろしいでしょうか。先ほどの藤原委員からの御指摘ですが、製薬協の場合に関しては製薬に関わるほとんどの会社が全部加盟している状況で、その中での自主規制と言っても非常に効果が大きいところがあるかと思います。しかし、それ以外の再生医療とか健康食品、それからプログラム医療機器などになってきますと、どちらかというと、ベンチャー的なところがあったり、業界団体があったとしてもまだ十分熟成しているような形態にもなっていないということで、業界のほうに働きかけをするにしてもなかなか難しいところがあるかと思います。そういうようなところがまだ十分達成できていないことを念頭に置いて、COIの管理に関しても、そういうところはどうするかを今後、検討していく必要はあると思っています。そうなってきますと最終的には、Sunshine Actのような形で、要するに提供した側に報告義務を負わせるだけでなく、もらった側にも報告義務を負わせる形にせざるを得ないことになりかねませんというか、ならざるを得なくなって、そうしますと、かなり大きな話になってきます。この辺りは引き続き、研究面以外のところも含めての検討が必要かと思いますので、これはまた、ここだけの話ではなく大きな話になると思いますので、厚生労働省全体で御検討、あるいは他の省庁とも連絡を取り合って御検討を是非お願いしたいと思います。
ほかに御意見はございますか。よろしいでしょうか。そうしましたら、透明性の確保に関しましては以上といたしまして、次に、2.研究の質の確保の所です。これに関しまして御意見はございますか。藤原委員、お願いいたします。
○藤原委員 ここで私が一番気になるのは、臨床研究審査委員会のクオリティのばらつきがひどいので、今後、ちゃんと審査をしている所に絞っていくという第1段階の議論がこれまでされて、ある程度絞られるような規定に、通知とかでなったと思いますが、この4月にその規定を変えた以降、ちゃんと選別が進んでいるか。審査もしていないような所がずっと継続していることはないようにしてほしいので、年度内か年中の四半期を過ぎて夏ぐらいにでも、前回の規定の中で生きていたCRBがどのぐらい減ったのかというようなリストを見せていただきたいと思います。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。ここの部分ですけれども、3年間の期間の中で実施することになりますので、少し細かく経過措置の期間を置いています。その辺も含めて、御指摘のように実際に、この年度の中でどういう形になっているかというのは、今年度のみならず、定期的にお示しさせていただきたいと思います。
○藤原委員 ありがとうございます。皆さんがおっしゃったのは、もっと本当は高いハードルにしなければいけないのに、今回、経過措置だからと言って真ん中ぐらいにしているので、3年間待ってからやると、また次、だらだらとなりますので、早目に早目に、厳しくしたほうがいいかどうかというのは、委員の中でもコンセンサスを持っておいたほうがいいので、期中であっても是非、どんどん経過の流れの御報告をお願いしたいと思います。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 承知いたしました。ありがとうございます。
○楠岡部会長 それでは、花井委員、よろしくお願いいたします。
○花井委員 ありがとうございます。先ほどの藤原委員の御発言とも関連するのかもしれませんが、CRBの質の問題というのがあって、今までというか、私ども素人の理解であれば逆に臨床研究はICH-GCPに近づけばよくなるんだみたいな、そういうICH-GCP信仰みたいなのがあったのですが、現実には倫理面と患者への同意の面で、先ほどCOIの面もおっしゃっていましたけれども、CRBとIRBの質というか、そういうのがどうなっているのかは気になるところです。だから今回、薬機との連携というのがまた強まるようなので、IRBの質の部分の低いところはこっちに上げて、お互い、低いところは持ち上げるみたいな薬事との調整みたいなのがあってもいいかなと思いました。それが1点目です。
もう1点は、さっきCOIのところで発言しようかどうか迷ったのですが、結局、現状、いろいろ研究者が責任ありますよと言っても、管理が大変で、事実上は難しいから、最終的には部会長がおっしゃったように、法律でSunshine Actのようなものを作らなければいけないと究極的に言っていますけれども、一義的には、COI管理については研究計画において、CRBはそれが適切かどうかを調べるわけだから、ゆくゆくは全て公開していけばそれは解消するみたいな書きぶりに全体としてなっている印象があります。前にも発言しましたが、現状のCRBにおけるCOIの部分、研究計画の部分の評価というのがちゃんとできているかどうかというのは、引き続き調べてほしいと発言しましたが、最後のとりまとめにその件は載っていないので、載せろという感じではないですけど、その辺のところをもう一度、明確にしておいてほしいと思いました。以上、2点です。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。まず1点目、御指摘のようにIRBも特に法律が違うから見るものが違うということではなく、被験者保護なり適切な試験のために見るべきものは同じだと思います。恐らく臨床研究法のCRBが、より厳しいというか、そういうふうになっているのは、国への届出がないわけではないですが、PMDAのような形で治験が管理されているのに比べると、地方厚生局のほうに届出をする形になっている部分もあろうかと思います。御指摘ようにIRBについても、もちろん質の均質性なり質の向上の必要性はあると思いますので、医薬局にも話をしつつ、また、私どもも治験の推進という観点で関わらせていただいていますので、そういった観点からの取組を進めてまいりたいと思います。また、この部会で具体的な御相談なども、特に治験の推進という観点からできればと思っていますので、お願いいたします。
また、COIの部分ですけれども、先生に御相談してワンフレーズ報告書に付け加えさせていただければと思いますので、その辺りは事務局で案を作り、追って調整させていただくことでよろしいでしょうか。大事な御指摘かと思いますので、是非、1行加えたいと思います。
○花井委員 ありがとうございます。
○楠岡部会長 ほかにございますか。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 少し補足をさせていただきます。今、CRBの質のお話がございました。今、事業としてテストランという形になりますけれども、模擬審査、ピアレビューという形で中身の質の評価、実際にやっているものがどうかというところを評価する取組を進めています。模擬審査というのは、架空の、ほぼ実態に似せたプロトコルを実際に審査していただいて、その議事録なり経過を頂戴し、同じプロトコルを複数の所に評価していただきますので、それぞれの実際の実施状況なり議事の回し方がよかったかどうかというのを、議事録などを見ながら評価しフィードバックすることになります。
ピアレビューにつきましては、複数のCRBの中で、それぞれ審査意見業務に参加するなり、記録を見せていただいてお互いに意見を交換するという取組を進めさせていただいています。今後、これを広く展開するために、実施に当たってどのような課題があるかということを、今、事業として検討させていただいますが、こういった中身についても、まとまりましたら部会のほうに御紹介して、例えばそういうものを3年間に1回、経験してもらうことを条件に入れるとか、様々な方法があるかと思いますので、この点については引き続き御相談をさせていただければと思います。
○楠岡部会長 藤原委員、どうぞ。
○藤原委員 その際に、是非、行っていただきたい点があってコメントしたいと思います。たくさんの審査をしている所に、更にそういう審査の質の向上のためにモデル事業に参画させると、負荷が掛かるばかりで、やっていられないと思うので、審査件数が少ない所、例えば今回の基準で当落線上にあった所、そういう小さなIRBのほうに、CRBのほうを、そういう研究班のモデル事業の対象にしていただけませんか。そうでないと裾野がいつまでたっても広がらないので。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 施設の選定に当たっての参考とさせていただきます。ありがとうございます。
○楠岡部会長 ほかにございますか。そうしましたら、最後の「おわりに」も含めて全体を通して何か御意見はございますか。山口委員、どうぞ。
○山口委員 ありがとうございます。「おわりに」の所ですが、今回の見直しで課題が全て解決したわけではなくて、今後、継続して検討が必要なこと、例えば佐藤委員から御指摘があったように、介入や観察研究の所も、今後、まだ議論を続けていくというお話でもありましたし、COIのデータベースもまだ設置する方向というところで止まっていると思います。さらには、定期的に見直しが必要なCRBの開催件数、新規の件数ということも、先ほど藤原委員からお話がございましたが、これは確か中間とりまとめのときに、最低でもここということで、さらに上を目指していくという方向だったと思います。今後、まだ継続的に検討が必要なことや定期的な見直しが必要なことがあるということを、「おわりに」の中に、1つの項目として入れる必要があるのではないかと思いましたので、その辺り、御検討いただければと思いますが、事務局としてはいかがでしょうか。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。御指摘のように今回、一応、一通りのとりまとめとさせていただきますけれども、これで全てが解決ということではございませんので、今、御指摘いただいた点を書かせていただきたいと思います。また、文言については調整をさせていただきます。
○山口委員 是非、よろしくお願いいたします。
○楠岡部会長 ほかに御意見はございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、今、いろいろ頂きました御意見につきまして事務局のほうで整理させていただき、個別に御指摘いただいた委員のほうにフィードバックをある程度した上で、最終的な内容に関しましては座長預かりということにさせていただきますが、よろしいですか。
ありがとうございます。それでは、今の御意見を反映したものとしてまとめていきたいと思います。後日、まとめたものを委員の皆様と共有するとともに、厚生労働省のホームページに公開する予定でございます。
続きまして、議題2)「臨床研究中核病院の業務報告について」に移りたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課治験推進室長補佐 それでは、臨床研究中核病院の業務報告をさせていただきます。資料2を御覧ください。全14の中核病院から、令和2年度の業務報告が提出されています。事務局で確認させていただき、実施体制、設備要件、人員要件については、全ての中核病院で要件を満たしておりました。実績に関しては、後ほど御説明させていただく慶應義塾大学病院に関して、治験、臨床研究の件数を満たしていませんでしたが、ほかの13の中核病院については、実績の要件も満たしています。
また、6ページ以降ですが、各中核病院における医療法上の特定臨床研究に関する不適正事案をお示ししています。資料2のそれぞれの病院の資料の末尾に掲載しています。内容としては、利益相反審査委員会への確認漏れ、被験者情報登録の遅延、口頭による治験継続の意思確認の遅延などがありましたが、故意や重過失の報告はなく、重大な健康被害等につながった事例もありませんでした。
次に、昨年3月の本部会で御審議いただいた大阪大学医学部附属病院の「JANP study」に係る対応について御報告させていただきます。参考資料2-2をお願いいたします。本件については、参考資料2-2にあるとおり、2.の所ですが、当時、提示された対応方策の実施状況について、この業務報告中でフォローすることとされていました。資料2の108ページ以降をお願いいたします。今般の是正措置については、1研究活動により得られたデータの共有、保存に関する組織としての体制整備、2研究倫理に関する教育、指導の徹底、3共同研究実施機関における適正な臨床研究実施支援体制の強化、4開発戦略に対応したデータ収集の指導と確認、5呼吸器外科教室の適正な臨床研究実施支援体制の構築、6特定不正行為に関する大阪大学、医学系研究科・医学部附属病院の情報共有体制の構築という6つの形で、当時、提示された方策に対応していることを確認いたしました。来年度以降に関しては、事務局で業務報告書の確認を行い、問題がある場合は御報告申し上げる形を取りたいと考えています。
続いて、慶應病院の実績の充足状況について御説明いたします。資料3の別添を御覧ください。臨床研究中核病院の承認条件のうち、実績要件の治験、臨床研究に関しては、3年間の合計でカウントしており、医師主導治験8件、若しくは医師主導治験4件かつ臨床研究40件を求めています。令和2年度については、慶應病院は医師主導が4件、臨床研究が23件であり、要件は満たしていませんでした。なお、速報値ではありますが、令和3年度は医師主導治験が6件実施され、3年のトータルが8件であり、要件は満たすことが予測されております。
次ページ以降ですが、今回、要件を満たさなかった理由に関しては、コロナ蔓延により、医療体制の逼迫や医師・研究者も新たな治験への取組が制限されていることが要因の1つと報告されています。さらに、院内で患者のCOVID-19陽性に伴って病棟の閉鎖が発生し、治験制限などの対応がとられたことも挙げられています。
改善のための対策についてですが、慶應病院では治験をより活性化するために、2019年より5か年計画を設けていました。人材育成、体制強化を行っており、今後も着実に行っていくとの報告です。また、医師主導治験シーズ調査を開始しています。医師主導治験の候補となるシーズを、より早い段階で可視化することで、コンスタントな医師主導治験の実施を実現していくことを報告しています。また、審査費用の軽減等、研究者の負担軽減のための方策を検討していくと報告しています。
再度、資料3の1ページを御覧ください。もともと「2019年版とりまとめ」でも御議論いただいたように、個別の臨床研究中核病院に関して、業務報告書において提出された内容が承認要件を満たさない場合の対応としては、改善計画を取りまとめて社会保障審議会医療分科会に報告することとしていました。参考資料3-3をお願いいたします。一方で、令和元年度及び2年度業務報告に係る方針でお示ししているように、コロナ感染拡大の影響も考慮して、実態に応じて柔軟に判断するという方針も頂いています。しかし、具体的にどのように対応するかについては、まだ十分な議論ができていませんでした。
再度、資料3をお願いいたします。医療分科会への報告を検討するに当たっての視点として、逸脱した項目数や逸脱の程度、逸脱の継続年数、発生した事案の重大性等が考えられるかと思います。今回、慶應病院の要件未達成の項目は1件であり、令和3年度は要件を満たす見込みであること、重過失等、悪意のあるものではないことを考慮し、どのような形で分科会に報告するべきかについて御議論いただければと思います。さらに、参考資料3-2でお示ししている「臨床研究中核病院に係る継続的な取組みの評価」に規定された臨床研究部会から社会保障審議会医療分科会における報告の運用について、どのような観点や程度をもって対応すべきかについても御議論ください。
○楠岡部会長 ただいまの事務局からの御説明で、まずは臨床研究部会から医療分科会に報告する事案の程度、それに照らし合わせて、今回の慶應病院での条件を満たしていない部分に関する取扱いについて御議論を頂きたいと思います。両者は非常に絡み合っているところですので、どちらかについて御意見があれば述べていただければと思います。御意見がある方は、挙手をよろしくお願いいたします。では、渡辺委員、どうぞ。
○渡辺委員 慶應大学病院の事案に関して、ちょっと意見を述べたいと思います。事務局は、今年度は医師主導治験8件になって条件を満たすからいいのではないかということなのですが、クライテリアを満たさなかった理由付けに関して、1つは、コロナの感染がというようなことを書かれておられて、なおかつ、病棟が閉鎖されたからということですけれども、コロナの感染は全国で起きているわけですので、この慶應大学病院だけが困ったわけではないと思います。それから、登録数というのは、コロナに感染して病棟を閉鎖する前からの3年間をカウントされるものだと思うので、この要件を満たさなかった背景には、ほかに理由はないのかと、つい思ってしまうところがあります。
今年度は条件を満たすから何とかしようかということに反対しているわけではなくて、達成しなかった理由に対しての説明は納得がいきにくいというところがありますので、そういう意味でいうと、何か誠意を持って回答してくれていないような気がしたものですので、やはり何らかの対応をしていただきたいなという気がしないでもないです。若しくは、未達成の理由をもう一度確認していただければと思います。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございました。ほかに御意見はございますか。がんセンター東の佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤(暁)委員 以前も一遍申し上げたのですが、実績報告書、様式7だと思いますけれども、これに書かれる不適切事案についてです。我々書いているほうも、どこまで書いたらいいのかと。今回も、ざっと拝見して、精査はできていないのですが、病院によって書いていることの粒度とか重大さは、もちろん絶対書かなければならない所は書かなければならなくてとは思うのですが、それ以外のどこまで書くのかというところが結構ばらばらになっているかなと思います。できれば次回からでも、今年度の報告書からでも結構ですので、どういったことから記載すればいいかということを少し明確にしていただけると、臨床研究中核病院側としてはやりやすいかなと思います。
もう一点だけ補足です。渡辺委員が今おっしゃった点に関しては、我々の事情で、中核病院側として御紹介すると、病棟がというのももちろんありますし、臨床研究の開始自体が、例えば治験薬の製造のサプライチェーンが断絶するとか、製薬会社も治験薬を出すときにディシジョンがかなり遅れるとか、あとは、病棟が閉鎖されてコロナ対応しているときに医師主導治験を開始するというのは、病棟のリソースはかなり増えます。そういったことで、ここではないですが、ほかの所では一時的だろうと思いますけれども、医師主導治験を一律中止したという病院も聞いたりしています。理由として適切かどうかというのはまた別の話だと思いますが、影響がないわけではもちろんないかなとは思ったりもします。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございました。まず、前半について事務局からお願いいたします。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 様式7の部分にどこまで書くのかということについては、確かに規定ではなかなか読み込めない部分があったかと思います。今回、昨年度から、こういう形で部会にお示しすることで、改めて差分が見えてきたところもあるかと思います。ここの部分については、もちろん日本をリードする中核病院なので、事案の整理はきちんとできているという前提の下で書いていただいていると思っておりますが、いずれにしても、その後の対応も多少ばらついているようなところもありそうですので、一度こちらでも、できるだけ整理してみたいと思います。臨床研究の中核病院の先生方は御覧になっていると思いますが、それぞれの対応の状況などをよく見ていただくということも必要かと思っておりますので、また追って、いろいろ御相談したいと思います。よろしくお願いいたします。
○楠岡部会長 後半の部分に関しては、いかがでしょうか。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 それから、慶應病院の点について、ありがとうございます。理由については、確かにコロナのことだけが書いてある部分がありますが、もう少し背景も含めて、今日、御指摘いただいた点がどういう形で御説明できるかということは、慶應病院にフィードバックして、追加の御説明があれば追記していただきたいと思います。私どもも、これについては事実として満たしていなかったので、何らかの形で分科会には報告が必要と考えております。一方で、部会で改善計画を作らせて、それを確認していくという手続について、今回のようなものも含めるのか、あるいはもう少し重めのものからするのか。特に今回気にしたのは、コロナのお話があって、臨床研究部会の中でも、そこは実態を踏まえてというような整理がある中で、確かにほとんどの病院は達成していたという状況も含めると、今回コロナの取扱いをどのように考えて、もともと「2019年版とりまとめ」で御指摘いただいた手続をどう進めていくのか、この辺りについて忌憚のない御意見を頂戴できればと思います。
○楠岡部会長 ほかにいかがでしょうか。東大の渡部委員、お願いいたします。
○渡部委員 今回、慶應病院は要件を満たさなかったということで、このレターが出てきましたが、恐らく他の中核病院も要件を満たすために、かなり苦労はしているのではないかなと思っております。要件を満たすために、医師主導治験を駆け込みで年度内に治験届けを出すとか、そういうことがあると本末転倒かと思いますので、満たさなかった場合でも適切に対応していればいいのではないかとか、そういった議論にするといいのかなと思っております。
あと、令和2年の報告ということで、実際には令和3年のデータとかもあるのではないかと思うのですが、来年の報告のときに、また要件を満たさない可能性がある施設があるのかないのかとか、もし、そういった情報を入手されていたら教えていただきたいので、よろしくお願いいたします。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 事実関係ですが、令和3年速報値では、今のところ満たさないというような御連絡は頂いておりません。最終的には報告書を私どもで精査させていただいたときに、定義に合わないものがカウントされているという可能性はゼロではありませんが、速報の段階では、落ちているということは特になさそうです。
○渡部委員 ありがとうございます。
○楠岡部会長 山口委員、どうぞ。
○山口委員 発言をどうしようかと迷っていたのですが、慶應に関しては、幾つか内部のことを知る委員を務めており、特に2020年のコロナの最初のときに、クラスターが起こったりとか、研修医の問題があったりして、かなり内部の動きを厳しく制限したということがあったと理解しております。ただ、渡辺委員もおっしゃっているように、ほかの大学でもコロナの対応をしていたことは確かなので、何か特殊な事情、ほかの大学とは異なるような制限された事情があるのかどうかということも、再度聞いていただいたほうがいいのではないかなと思います。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかに御意見はございますか。各委員の御意見を伺いますと、医師会の渡辺委員から御指摘がありましたように、コロナというだけで引っくるめてというわけにはなかなかいかないというところで、例えば今回、令和2年度では足りなかったけれども、3年度ではキャッチアップができているという場合、本来2年度中にスタートできるはずだったものが、佐藤委員からの御指摘のように、治験薬等の製造が間に合わないとか、その他の理由によって3年度にずれ込んでしまったようなものとかというように、少し個別の事情をきっちり説明いただいて、委員の方々が十分納得いくものであれば、問題がないというわけではないですけれども理解はできる。ただ、余りにもほかのことが要因であって、コロナも関係したけれども、それ以外の病院の体制上の問題等があるのであれば、それも含めて改善計画にきっちり書いていただく必要があるかと思います。その辺のところは慶應大学に指摘して、しっかり対応していただきたいと思っております。
ほかに御意見はいかがでしょうか。そうしましたら、今の御意見をまとめますと、まずは臨床研究中核病院の要件に対して、令和2年度において足りないところがあったということを踏まえて、医療分科会にはこの状況に関して報告を行うということ。それから多分、医療分科会でも慶應大学に、事情等について問合せると思いますが、こちらの臨床研究部会においても今申し上げたように、単にコロナだったからという引っくるめた理由ではなく、個別の状況に関して少し御説明いただく。当然のことながら、それに対する改善案をお示しいただく。我々のほうに出されたものに関しては、多分、医療分科会にも提出されることだと思いますので、そういうような形で今後進めていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
それから、今後、同一のようなものに関しても、原則、要件が欠けた場合に関しては、その事情をお聞きした上で我々の判断として、例えばこれはひどすぎるので医療分科会でもしっかり議論してほしいという話なのか、あるいは、これはやむを得ない事情があるので医療分科会においても、その辺を斟酌してもらいたいというか、臨床研究部会としてのある程度の意見を付けた上で、医療分科会に提出するということ。そして、内容に関しては何か一律に基準を決めて判断するというのは、なかなか難しいと思いますので、原則、医療分科会に報告する中で、今申し上げたように多少意見を付けてということで考えたいと思いますが。山口委員、どうぞ。
○山口委員 今の部会長の御意見に賛成で、事務局から基準をというような御提案があったのですが、状況や内容によって基準というのは簡単に作れるものではないのではないかと思っていました。そんなに数多く頻発することでもないと思いますので、やはり出てきた事案ごとに、この部会で検討して考えていくという方向性のほうがいいのではないかなと思います。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかに御意見はいかがでしょうか。医療分科会のほうは、必ずしも臨床研究等に関してよく御存じの委員ばかりというわけではありませんので、臨床研究部会の意見をかなり参考にされるところはあるかと思います。それを踏まえて、これは一度、事務局で意見の案を作っていただいて、また委員の方々の御意見を求めたいと思います。これは持ち回りという形で進めさせていただきたいと思いますが、それでよろしいですか。それでは、今申し上げたような形で、医療分科会へ報告してまいりたいと思います。
それから、佐藤委員から御報告がありました不適合の事案に関して、確かに各中核病院の報告の粒度がまちまちで、逸脱程度のことをきっちり報告されている所もあれば、逸脱も報告されているのですが不適合事案と余り区別されずに同じように報告されていて、中核病院側では個々にどのようにとらえているのかというのがはっきりしないような点も見受けられます。非常に多かったのが、責任医師とか分担医師でない方が同意を取られた案件です。それに対しての事後の対応も、これはCRBが判断したということになりますが、その対応も少し分かれています。また、個別のものを全部上げておられる所もあれば、類似事案が何件あったというように、まとめた形で報告されている所もあって、かなりまちまちの形になっているかと思います。これは今、佐藤委員からも御指摘がありましたように、まずは中核病院で一度見ていただいて、今後それぞれの病院でどういう形での報告にするかということを考えていただくと同時に、余りにもばらばらな形ですと今後、整理が必要になるかもしれませんので、この辺りは事務局でも見ていっていただきたいと思っております。
中核病院側から、お二人の佐藤委員、渡部委員、その辺りはいかがでしょうか。
○佐藤(典)委員 北大の佐藤です。
○楠岡部会長 佐藤委員、どうぞ。
○佐藤(典)委員 今、楠岡部会長がおっしゃったとおりの考え方でよろしいのではないかと思っています。我々も解釈をして、北大は逸脱のものに関しては、狭い意味の不適合とは違うという扱い方で行っておりますので、ひょっとすると他の病院よりも報告数が少ないということはあるかもしれません。ただ、把握はしておりますので、全体として、こういうものを報告すべきだという形で示していただければ、あるいは、中核病院同士で、何か横の連携でそういうことが達成できるのであればいいのではないかなと思っています。もし機会があれば、厚労省からの指導でも結構ですが、横連携で皆さんと御一緒に考える機会があれば、それはそれでいいかなと考えているところです。私からは以上です。
○楠岡部会長 がんセンター東の佐藤委員はいかがでしょうか。
○佐藤(暁)委員 今、北大の佐藤先生がおっしゃられたこととほとんど変わらないのですが、多分、細かい所までというのは日々、我々も治験の委員会とか、ほかの委員会でトラッキングして修正していくといった手続はされています。ただ、こういったところで議論するのに関しては、やはりある程度重大なものに限ってやったほうが、例えば我々の所で何百と出ている細かい逸脱のようなものを上げても、見るほうも見られないと思いますし、日々の改善は各病院でやって、それに関してはサイトビジット等もされていますので、その中で適切に運用されているかというのを体制として見ていただいて、大きな問題に関してはこういうところに上げていくといった形の粒度でやっていただくのがいいのかなと思います。どこら辺以上はこういうところに出していかなければならないのかというのは、基準などがあれば我々も参考にできるかなと思っているところです。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございました。渡部委員、どうぞ。
○渡部委員 当院の場合も全てを上げているわけではなく、軽微なものは上げていません。院内での基準に基づいて報告させていただいているのですが、その基準が恐らく施設ごとに異なっていますと、やはり第三者が見たときに、その辺の判断ができなくなってしまいますので、是非、統一した基準をお示ししていただけると大変有り難いかなと思っております。よろしくお願いいたします。
○楠岡部会長 ありがとうございました。この中核病院の業務報告全般について、ほかに何か御意見、御質問はございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは次に、事務局から参考資料2-1、令和3年度臨床研究中核病院概要についての説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課治験推進室長補佐 昨年度も御紹介いたしました臨床研究中核病院の概要について、本年度版を共有させていただきます。参考資料2-1の1ページを御覧ください。全病院について簡単ではありますが、御紹介させていただきます。
まず、北海道大学病院を御紹介いたします。病院の特徴は、全診療科を網羅した総合的診療体制であることです。4ページですが、薬事承認等に結び付いた事例としては、医工連携のアプローチによって開発された生体適合を考慮したインプラントとして、脊柱変性症に対する変形CVSスパイナルシステムが挙げられております。
東北大学病院です。病院の特性は、がんゲノム・個別化医療、スマートホスピタルです。8ページです。薬事承認に結び付いた事例としては、原発性アルドステロン症に対する副腎焼灼装置の開発があります。
次に、国立がん研究センター東病院です。革新的がん医療技術の実用化研究、革新的TR研究が病院の特徴です。12ページ、薬事承認等に結び付いた事例としては、臨床ゲノムデータプラットフォームとして、希少サブタイプ新薬11剤が承認取得されております。
続いて、千葉大学医学部附属病院です。病院の特徴は、がん、難治性疾患に対する先進医療です。16ページです。重症川崎病患児を対象としたシクロスポリンの効果追加で薬事承認を取得されております。
次に、順天堂大学医学部附属順天堂医院です。病院の特徴は、難病医療、がん医療、外科手術です。20ページ、薬事承認に結び付いた事例としては、単回使用医療機器の「再製造」を行い、再び使用できるようにした医療機器として、再製造フロートロンACS900が挙げられております。
次は、東京大学医学部附属病院です。がん、精神・神経疾患、感染症、医療機器開発等が病院の特徴として挙げられております。24ページ、薬事承認等に結び付いた事例としては、多系統萎縮症に対して、還元型ユビキノールの医師主導治験を完遂しています。
慶應義塾大学病院は、がん、免疫疾患、再生医療等での先進的な研究の展開、専門的医療の提供、多層的な産学官の連携が特徴として挙げられております。28ページ、薬事承認等に結び付いた事例としては、トシリズマブの成人発症スティル病における適応拡大承認が挙げられております。
国立がんセンター中央病院は、がん診療に特化しているという特徴があります。32ページ、薬事承認に結び付いた事例としては、切除不能胸腺癌を対象とした医師主導治験の結果を基に、レンバチニブの適応拡大が承認されています。
名古屋大学医学部附属病院は、がん・神経・小児・再生医療を特徴としています。36ページ、薬事承認等に結び付いた事例としては、男性腹圧性尿失禁に対する脂肪組織分離キット・セルーションセルセラピーキットSUIが挙げられております。
京都大学医学部附属病院としては、再生医療及びiPS創薬研究の国際的拠点であることが特徴です。40ページ、注射用のメトレレプチンなどが薬事承認に結び付いた事例として挙げられています。
大阪大学医学部附属病院は、がん・難病などを含めた様々な疾患の専門領域に加えて、「AIホスピタル」など未来を担う医療にも取り組んでいます。44ページ、薬事承認等に結び付いた例としては、重症心不全に対する自己骨格筋芽細胞シートの移植治療として、Heart Sheetが挙げられています。
神戸大学医学附属病院は、地域の中核を為す特定機能病院・高度急性期病院です。48ページ、薬事承認等に結び付いた事例としては、『腎悪性腫瘍手術』に対するda Vinciサージカルシステム(DVSS)の保険収載が認められました。
岡山大学病院は、再生医療等製品、医療機器の開発、口腔外科、歯科領域のシーズ開発等を特徴とする病院です。52ページ、薬事承認等に結び付いた事例としては、疼痛管理用マイクロポンプ・エイミーPCAの開発が挙げられています。
九州大学病院は、がんゲノム医療中核拠点病院、小児がん拠点病院として特徴があります。57ページ、薬事承認等に結び付いた事例としては、新型コロナウイルス感染症として、「SGNP PCR検出キット」が挙げられています。これらの資料については、厚労省のホームページにも審議会資料として掲載させていただき、各中核病院の取組を広く知っていただくためのツールとして活用したいと考えております。以上です。
○楠岡部会長 ただいまの事務局からの説明について、御質問、御議論をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。藤原委員、どうぞ。
○藤原委員 御説明ありがとうございます。拠点の支援を活用して薬事承認等に結び付いた事例という所で、今年だけのものを報告するのかと思ったら、何年も前のものから、だらだらと羅列していて、毎年1回こういうのを作らせるのであれば、1年だけのものだけ載せてもらえばいいのと、「薬事承認等」という「等」を付けるのではなくて、薬事承認だけに限定して、前のページに先進医療の話もありますし、それであれば患者申出療養も作ればいいと思うのです。来年からは、もう少しスリム化、明確化してやっていただければなと思いました。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。初めての試みというところですが、御指摘を踏まえてスリムアップして、的を得た資料にしていきたいと思います。ありがとうございます。
○楠岡部会長 藤原委員が指摘されるように、橋渡し研究支援なのか臨床研究中核病院の支援なのか、少し曖昧なところもありますし、開発の時期から見ると、明らかに臨床研究中核病院になる前の承認とかもありますので、その辺は、今の藤原委員の御指摘のとおり、少し整理していきたいと考えます。よろしくお願いいたします。ほかにございますか。近藤委員、どうぞ。
○近藤委員 このような取組というのは非常にすばらしいことだと思います。データというか、情報をきちんと広く伝えていかれることが非常に役立つと思いますので、そうなりますと、データの内容というのも充実させていかないといけないかと思います。例えば、人数の所をFTEで換算されている所や人頭で換算されている所など、施設によって異なる部分というのがあるかと思いますので、見せ方とか誰に向けて発信していくのかということを考慮して資料を作って、充実化させていくと非常にすばらしい資料になっていくのではないかなと思いましたので、コメントまでです。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございました。ほかに御意見はございますか。花井委員、どうぞ。
○花井委員 今、藤原委員からも話があったのですが、患者申出療養というのをやはり挙げておいたほうがいいかなと思います。これは、制度自体が先進医療とどう違うのだというような議論もあったとは思うのですが、結構やっているという所があるとすれば、患者側からの窓口があって、それの支援という話と、いわゆる先進医療であれば、医師発でそういう相談があるのだと思うのですけれども、それが分かるように、つまり臨中が一般の患者さんに開かれている窓口が、どのように整備されているかというのが分かるような資料だといいかなと思いました。その一例として患者申出療養があるのかなとも思いました。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかにございますか。よろしいでしょうか。もし、またお気付きの点がございましたら、後ほど事務局へ御連絡をお願いしたいと思います。事務局においては、今回頂きました意見を整理して、来年度以降の取りまとめに反映させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、次の議題の「その他」ですが、事務局から何かございますか。
○医政局研究開発振興課治験推進室長補佐 今回は特にございません。次回の開催については、改めて御連絡申し上げます。事務局からは以上です。
○楠岡部会長 それでは、本日の臨床研究部会は、これにて終了させていただきたいと思います。先ほどの1番目の議題でありました「検討のとりまとめ」に関しては、改めて修正の上、座長のほうで最終的に決定させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。本日は、どうもありがとうございました。これにて閉会させていただきます。