- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会) >
- 第24回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会 議事録
第24回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会 議事録
健康局 健康課予防接種室
日時
場所
労働委員会会館 講堂(7階)
議題
(2)2020/21シーズンのインフルエンザワクチンの供給について
(3)B型肝炎ワクチンの供給について
(4)その他
議事
○賀登室長補佐 定刻より少し早いですが、皆さんおそろいですので、第24回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会を開催いたします。
本日の議事は公開ですけれども、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々は御協力をお願いいたします。また、傍聴の方は傍聴の際の留意事項の遵守をお願いいたします。なお、会議冒頭の頭撮りを除きまして写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので御留意いただきますようお願いします。
本日は、新型コロナウイルス感染症における今般の状況等を勘案しまして、一部の先生にはWeb会議で御参加いただくことになりました。初めての試みですので少し御迷惑をおかけすること、不手際があるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
まず、Web会議を開催するに当たり、会議の進め方の御連絡をさせていただきます。Web会議で入っておられる先生方は、向こうの画面におられます。ここにおられる先生以外の5名の先生方に来ていただいております。発言される前、ここの委員の先生方はお互いに顔が見えるので分かるのですが、Webの先生方が分からない可能性が高いので、お名前を言っていただき、座長に御指名いただいてから御発言をお願いします。スカイプを使っていますので時間のラグがあります。その点についても御配慮をお願いします。もし会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルがありましたら、Webの先生方にはあらかじめお伝えしています電話番号にお電話をお願いします。何とかカバーするバックアップを取っていますので、よろしくお願いします。
開会に先立ちまして、人事異動の御紹介をさせていただく必要があるのですが、局長等が公務でまだ到着していませんので、先に先生方の出席状況について御報告させていただきます。本日は10名の委員の先生方全員に御出席いただいております。野口先生、信澤先生、福島先生、細矢先生、山口先生はWeb会議にて御参加いただいています。
厚生科学審議会の規定により、定足数を満たしておりますので、本日の会議が成立しましたことを御報告申し上げます。カメラ撮りはここまでとさせていただきます。これ以降は写真撮影、ビデオ撮影等はできませんので、よろしくお願いいたします。
○稲角室長補佐 恐縮ですが、先に配布資料について確認させていただきます。今日はペーパーレスでの開催ということでタブレットがお手元にございますので、そちらを御確認ください。タブレットには、番号01の「第24回研究開発及び生産・流通部会議事次第及び委員名簿」がございまして、01~09まで入っていますが、もし不足がございましたら事務局まで御連絡を頂ければと思います。
次に、審議参加の取扱いについて御報告いたします。本日御出席いただきました委員、参考人からは、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づきまして、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受取り状況や、申請資料への関与状況について御申告を頂いております。各委員、各参考人に申告いただきました内容につきましては、タブレットの資料番号09を御確認ください。本日の議事内容において、個別に調査審議される品目はございませんので、議事への不参加に該当する方はいらっしゃいません。以上です。
○賀登室長補佐 それでは、人事異動の御紹介をさせていただきます。事務局側に8月11日付で健康局長が宮嵜から正林に交代となっております。また、8月7日付で健康課長が神ノ田から鷲見に交代となっております。まず、健康局長より御挨拶申し上げます。
○正林健康局長 皆さん、こんにちは。聞こえていますでしょうか。先々週ですけれども、健康局長を拝命しました正林です。御存じの方も数多くいらっしゃいますが、平成25年当時、正に予防接種法改定のときは結核感染症課長でありましたし、今回の予防接種・ワクチン分科会であるとか、当部会の設置に当時関わりました。その後、健康課長として予防接種行政も担当していましたので、ちょうど2年前まで正に先生方と一緒にやらせていただき、今回、2年ぶりに再び戻ってまいりました。今度は局長という立場ですが、引き続き、予防接種は特別な思い入れがありますし、正に2009年、10年当時、ワクチンギャップがものすごく叫ばれた時期でありましたが、自分が担当している間に、当時、7つあったワクチンのギャップについて、6つについては定期接種に入れることができました。予防接種というのは公衆衛生施策の最も重要な部分だと思っています。バックグラウンドは医師ですが、何が専門ですかと聞かれたら、私は公衆衛生ですといつも答えています。公衆衛生を専門とする人間として、この予防接種行政というのはとても大事な行政ですので、局長にもなりましたから、これからも引き続き、一生懸命仕事をしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
○鷲見健康課長 新しく、8月7日付けで健康課長に着任いたしました鷲見でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○稲角室長補佐 頭撮りは、ここまでとさせてください。
○伊藤部会長 暑い中、皆さん、お集まりいただきましてありがとうございます。Web会議は人と顔を合わせて表情が読み取れないので物が言いにくいのですが、今回、Webで御参加されている先生方、少し御不便かもしれませんけれども、活発な御議論、御発言をいただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。最初の議題ですが、議題1「ワクチンの安定供給にかかる制度見直しについて」、まず事務局から説明をお願いします。
○賀登室長補佐 事務局です。資料1-1を御覧ください。ワクチンの安定供給にかかる制度見直しについてです。予防接種法改正に向けた5年後見直しの議論の中で、基本方針部会等でも御議論いただいていましたが、このテーマに関することについては、本部会でこれまで長く検討されていたことですので、こちらでも御議論をということで昨年12月25日にも同じテーマで御議論いただきました。その後、4月に持回り審議をさせていただきましたけれども、後ほど紹介します国家検定に関する省令改正等について、ステップを進むということで御了承いただきながら今に至っております。
資料の1枚目を御覧ください。これまで、多々、ワクチンの欠品問題等について熊本地震の辺りから起きていたわけですが、安定供給を維持することを目指すときに、どういった観点が考えられるかということで、事務局として目指す姿の概要を簡単に書いています。必ずしも全てのワクチンに当てはまるわけではございませんけれども、こういった概念ということを簡単に模式化したものです。
現状としましては、在庫量が大体2か月分ぐらいあって、生産量と使用量がイコールであれば在庫量は変わらないのですが、例えば何らかのトラブルが生じて生産量の減少が起こった場合に在庫量が目減りしていき、それが尽きたときにはワクチン不足が生じてしまうことになります。もちろん、トラブルが発生してから増産に向けてメーカーさんは着手されるわけですが、ワクチンの特性上、リードタイムが長いということですので、その供給の回復が行われるまでの間、どうしてもワクチン不足期間が生じてしまう。この黄色の期間が問題になってしまうと考えています。
これを解決するために、大きく2つの観点があろうかと思います。1つ目は、在庫量を積み増しておいて、トラブルがあっても、欠品になるまでの期間をなるべく長くとるという考え方と、トラブルが発生してから供給再開するまでのリードタイムを短くして、そこの部分を早くすることによって欠品の期間を短くする。その2つの合わせ技によってリスクが低減され、あわよくば欠品が回避されることを狙っていけたらと考えています。
そういった御指摘を前回の議論でも頂きましたけれども、それをするため具体的にまずリードタイム短縮の観点でいくと、2ページ目のスライドになります。後ほど江野室長のほうからも御紹介させていただきますが、国家検定制度運用の見直しをやっていただきました。この点については省令改正をして、役所的には大きな改正でしたけれども、そういった改正に加えて、運用の見直しも併せて実施していますので御紹介させていただきます。左上にございます自家試験・国家検定の試験項目の見直し、こちらは厚生労働省告示でいろいろ決まっていることですけれども、今年の5月に異常毒性否定試験を省略できる規定を設けるなど、これは季節性インフルエンザワクチンにも影響があることですが、そういった見直しを行っていただきました。
また、その上の右に移っていただき、運用の見直しの1つですが、国家検定の結果が郵送のみで対応していたのを、第一報は電子メールを使うということで、数日から1週間程度という期間ですけれども、短縮を図ることが実現しています。また、自家試験と国家検定の運用の見直しにより、並行検定が可能となり、これが2020年6月に施行されました。省令改正によりまして封印や国家検定の合格年月日の所の印字を廃止することで、最終製品化を国家検定や自家試験の間に行うことができるように、それぞれ1個1個の項目を順繰りに行うのではなく、3つの作業を並行して行うことができるようになりました。
その結果が、2ページの下の所の見直し後という所です。有効期間の設定が、原則は製造日ですが、ものによっては国家検定の合格年月日というのがあります。その2種類で少し効果は違うのですが、製造日起算のものであれば紫の所にありますように、自家試験・国家検定・最終製品化を並行して行うので、これまでに比べると大分期間短縮が図れたと考えています。
3ページ目に移っていただき、話題性の高い季節性インフルエンザワクチンの供給量です。去年は比較的問題が大きく起こらなかった年だったと認識しています。それが灰色の実線で書いているグラフです。こちらと紫の実線が今年の供給量です。絶対量としても去年より今年のほうが上ですし、供給開始の前倒しというところも去年より良い成績になっていますので、より混乱が起こりにくい状況になったと思います。制度の見直しがなかった場合には紫の点線となり、絶対量は多いですが、スタートの部分は去年とあまり変わらないことになります。制度の見直しを速やかに実現したことにより、少し供給開始当初から改善効果がございました。
4ページ目のスライドに移ります。今の国家検定の見直しの効果が、どのワクチンにも概ね適用されることを簡単に模式化しています。少し細かいですが、定期接種で使うワクチンがこのぐらいあり、有効期間は短いものだと1年、長いもので4年程度という幅です。有効期間の起算日は製造日起算と検定合格日起算とあり、検定合格日起算は今回の見直しの効果が少し薄れるような構造になっていますが、備考欄に書いていますように、今後、メーカーさんのほうから起算日を変更するという方向で検討いただいている状況ですので、これらが変わったときには、また効果がより一段と強まることが予想されます。
併せて、運用で見直していただいた並行検定の実施についてはマルとバツとなっていて、部分的に見直していただいているわけですが、例えば一番上のDPT-IPVですと130日という期間が同時並行に動くことになりますので、単純にこの部分が見直されると約4か月早くなる試算も可能かと思っています。こういった効果が見込まれますというところがリードタイムの短縮に関する説明です。
次に、5ページ目に移っていただき、そのリードタイムの短縮を踏まえた流通備蓄量(流通在庫量)の増大について、御提案させていただきたいと思っています。これは現状を模式化した図ですが、充填日を起算日として使用期限が18か月のワクチンを仮に置いてみました。8か月目ぐらいまで自家試験・国家検定・最終製品化ということで、ワクチン工場で時間を使用していることになります。その後、流通備蓄(流通在庫)として約2か月間あって、それ以降、医療期間に納入され接種していき、使用期限までに使うという流れになろうかと思います。これまでの御審議の中で、ワクチンの安定供給の体制強化を図るためには、この青色の部分の流通備蓄量(流通在庫量)を増やしたら、体制強化につながるのではないかという御指摘を頂いていましたが、一方で、この緑の部分が短くなってしまいますと、医療機関やメーカー、卸の廃棄リスクが増大してしまうことがあり、一長一短の関係になりますので、非常に悩ましかった点です。
今回、リードタイムの短縮を考えると赤色の部分が少し短くなるということで、仮に8か月でなく6か月と置いています。そうすると、それだけを行うと緑の部分が長くなり、医療機関や卸やメーカーの廃棄リスクは確かに減少するのですが、なかなか体制強化につながらない点がございます。そこで、その2つのものを合わせて赤色が短くなった分、青色を長くしてやると、備蓄量の増大による体制強化を図れる一方で、医療機関やメーカー、卸における廃棄リスクは上がらない。今と変わらないということが実現します。そういったことから、ポジティブな点だけ取ることができる提案が可能だと考えています。
6ページ目に移りますが、備蓄に関するワクチン業界のこれまでの御要望を簡単にまとめてみました。主に国家備蓄という名目で6か月程度やることで、ワクチンの安定供給に対する体制強化が図れるのではないかという御要望を頂いていたところです。
それらを踏まえて7ページ目ですが、流通備蓄量(流通在庫量)の増大ということで、こちらで描いているイメージの出来上がり像として御説明させていただきます。現状、備蓄量は2か月を中心として、黒の実線が実際の備蓄量をイメージしていますが、3か月分ぐらいあったものが徐々に売れていき、1か月分ぐらいになる製造量が7月に出荷され、また3か月分に戻りというジグザグを繰り返すわけですけれども、何らかのトラブルが起こったときに、この紫の1か月を切ってしまうと、そこはトラブルが発生する状況に陥ってしまいやすい環境だと認識しています。それを、真ん中の図のように4か月分という在庫量を中心にしながら出荷と製造を繰り返していただくと、何かトラブルがあったとしても3か月、2か月というところの部分が緩衝作用になり、トラブル回避ができると思っています。
例えば2か月を過ぎたときには、これまでも取り組んでいる買占め防止策等はやる必要があると思いますが、もし何もなかったときには現状の2か月分を中心とした製造・出荷と、4か月を中心とした製造・出荷はトータル量として変わらないということですので、大きな経済的ダメージはあまりないと考えています。
一番下の欄は例外的な対応を少し考えていますけれども、先ほど御紹介した並行検定を平時からできるようになったものと、そうでないものがございます。そうでないものは、逆に言うと非常時には並行検定を行うことで出荷を前倒しする切札が残されている状況ですので、そういったものについては3か月分を中心に製造と出荷のバランスをとっていただき、もし2か月分を切りそうなことがあれば通常の買占め防止等の対策とともに、並行検定を行うことで応急処置することにより、何とかリスクの軽減が可能かと思います。そういった全体像をイメージしながら、体制強化の制度見直しを行うことを事務局として提案させていただきます。
続いて、国家検定に関する制度についてです。
○江野監視指導・麻薬対策課監視指導室長 医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課の江野でございます。本日は資料1-2に基づき、国家検定に関する薬機法の省令改正の概要について御説明します。こちらの資料につきましては前回の生産・流通部会でお示ししているものですが、御説明をさせていただく機会がありませんでしたので、本日、改めて説明させていただければと思っています。
1ページ目、2.にあります改正内容です。ポイントは2つございまして、検定期間中の製品の封及び解封の規定を廃止すること。それから、検定合格日の表示の規定を廃止することが改正点になります。2ページ目のイメージ図を御覧いただければと思います。上段の変更前と変更後で出荷の期間が前倒しされています。ポイントは上段にございます包装・合格表示という所が、まるまる前倒しできますということになります。これが最初に申し上げた検定期間中の封です。薬事監視員が製品に対して封を施しますと、その間、メーカーは、いわゆる包装の準備あるいは表示の準備をすることができないといったことがございました。こちらを廃止することによって、国立感染症研究所で行っている国家検定中に様々な準備をすることができるということが1点です。それから、合格年月日の表示ですが、これは、いわゆる合格年月日と消費期限という2つの日付の表示がございました。これが紛らわしいという点と、合格表示について、合格が確定してから合格年月日が決まるということになると、こちらの準備に若干時間が掛かるということです。このため、合格済みである旨を表示するという改正をさせていただき、この包装・表示に関する準備が一度で終わるといった形の改正をしています。
1ページ目ですが、今後の予定ということで、これは3月30日の会合の資料ですが、最終的にはパブリックコメントをさせていただき、6月30日にこちらの省令について公布・施行しています。
その他、業界の皆様方とも引き続き、これ以外の見直し事項についても議論させていただく予定になっています。コロナの関係がございますので、なかなかフェイス・トゥ・フェイスで会合が開催しにくいという状況にありますが、国立感染症研究所の先生方と業界の皆様方との打合せの機会を設定させていただきながら、引き続き、必要な点について検討を進めてまいりたいと思っています。以上です。
○伊藤部会長 ありがとうございました。続いて、参考人の方から参考資料の御説明をお願いいたします。
○福島参考人 製薬協の福島と申します。本日、ワクチン4団体の代表として私が業界の見解ということで述べさせていただきます。1つ目は国家検定制度の見直し、これは制度そのものは先ほど説明があったとおりですが、昨年末の部会で、ワクチン4団体から要望した国家検定の運用に係る見直しについて、遅滞なく省令改正等の対応が実現したことにつきましては、関係者の尽力に感謝するとともに、国家検定合格後速やかな製品供給が可能になったことは、ワクチンの安定供給に努める我々製造販売業社としても大変歓迎しております。
国家検定制度の見直しによって、先ほども説明がありましたとおり、リードタイムの短縮につながることが期待されておりますし、短縮期間はワクチン、それから個社ごとに異なりますけれども、季節性インフルエンザワクチンを除く定期接種のワクチンについては、月単位での期間の短縮が可能と考えています。これは平時からの並行検定の実現で約1~4か月、さらに封印解除の廃止等の合理化で約1~4週間程度の短縮ということになります。さらに、国家検定制度の見直しで、今後、安定供給により一層貢献できるように、関係機関と引き続き協議していきたいと考えています。
この省令改正に伴って、リードタイムの短縮とセットで行う在庫量の積み増しについては、正しく安定供給の体制強化につながり、厚労省の提案に対する我々業界からの意見としては季節性インフルエンザワクチンは除きますが、定期接種で用いるワクチンの流通在庫量(流通備蓄量)については、現状ではおおよそ2か月分、今後、厚労省の御提案のとおり平時からの並行検定が実現するワクチンについては約4か月分、それ以外のワクチンは約3か月分ということです。
ここで念のために申し添えますと、流通在庫量(流通備蓄量)とは、メーカー在庫、販社在庫、および卸在庫を合計した数量(在庫量)です。速やかに包装可能な品目に限るものの、メーカー在庫には国家検定合格済みであって出荷前の一部未包装の物も含んでいます。流通在庫量を確保できない事情がもしある場合には、個別ワクチンの状況に応じた現実的な対応が取れるように、協議が必要であろうと考えています。
供給不安を引き起こす原因は、御存じのように複数ございます。在庫量の積み増しでは対応し切れないケースも想定されます。安定供給の継続的な実現のためには、個別ワクチンごとにその根本原因を特定しながら、一義的には各社で改善を継続するものと考えていますが、個社での対応では困難な原因については、安定供給に資する対応策を関係者間で総合的に議論していくべきではないか。今後とも国、医療機関、卸、メーカーといった主要な関係者間で、協調的かつ継続的に検討していきたいと考えています。以上です。
○伊藤部会長 昨年の12月25日に御説明いただいたことが、流通備蓄が4か月に伸びたというのは、大変喜ばしい限りだと思います。まず皆さんからの御質問を受けていただいて、最後に取りまとめをさせていただければと思います。どなたか御意見、御質問はございますか。Webの先生方はいかがでしょうか。クリアな話なので、余り質問も出ないかと思いますが。
○山口委員 よろしいでしょうか。
○伊藤部会長 どうぞ。
○山口委員 確認させていただければと思っております。最初の1-1のスライドの4ページ目に、幾つか右端の「備考」の所に、「有効期間の延長と起算日の変更」というように記載されているのですが、有効期間の延長というのは、もともと有効期間というのは実保存条件、実期間での設定がされているというか、そのデータはお持ちなので、今、例えば検定合格日から起算する場合には、そこの間の部分を差し引いて有効期間が設定されてきたということなのかと思っております。
したがって、有効期間そのもの、このデータそのものは更に更新するわけではなくて、製造後の実データに基づいた期間については起算を変更すれば、その間からの有効期間というように設定できるという理解でよろしいでしょうか。
もう1つは並行検定をすることによって、この有効期間、要するに検定の期間での見越していた期間を短くできるので、実際に市場での有効期間の設定が長くできるという、この2つについて確認だけです。よろしくお願いします。
○福島参考人 御理解のとおりです。
○伊藤部会長 山口先生、よろしいでしょうか。山口先生の御意見のとおりだということです。
○山口委員 実際に新しくデータを継ぎ足して有効期間がどうのこうのという話ではなくて、起算日とか、そういうことで有効期間が少し短めに市場でなっているのは、こういう改正によって、実質市場での有効期間が長くなるというように考えてよろしいですねということです。
○福島参考人 そのとおりでございます。
○賀登室長補佐 少し補足させていただきます。メーカー各社によって、各品目なり承認内容によって様々なことはあるかもしれませんが、先生が先ほどおっしゃっていた有効期間の話は、製造日、充填してから使用できるまでという間のものについて、その時間をどう使うかということです。自家試験が終わってから国家検定というような時間を使っている間も一定の時間は過ぎますし、2つのことを並行してやっても、それよりも短い時間で済むということですので、相対的に医療機関で使用できる期間というものも長くなってくるかと考えております。
○伊藤部会長 坂元先生、どうぞ。
○坂元委員 川崎市の坂元でございます。今般、このような制度改革、予防接種の接種主体の自治体としても、非常に感謝している次第です。予防接種を市民の方に供給するときに、安定供給を最大限にするという形が一番ですので、こういう形で、できるだけ販売までのリードタイムを短くしていただければ、その分、流通在庫、医療機関の幅が増えるという形で、非常に歓迎申し上げます。
更に欲を言えば、この自家試験、国家検定、最終製品化、ここの部分について、改革はこれで終わりではないという点は、自治体としても関心を持っているところですので、是非、今後もこういうような安定供給に向けた制度改革をよろしくお願いいたします。
○伊藤部会長 釜萢先生、どうぞ。
○釜萢委員 この問題は、これまでずっと懸案で、この部会でも繰り返し議論をしてきて、こういう方向に行けばいいなというように皆さんが考えておられた方向に、かなり進んだなと思って話を伺っておりました。事務局の積極的な取組と、メーカーの皆さんの御協力、御努力の賜物だと思って、感謝をしている次第です。
先ほど福島参考人から御指摘がありましたけれども、今日の参考資料08に書いてありますように、最後の所ですが、なかなか個社で、1つの会社だけの対応では困難な原因について、安定供給に資する対応策を関係者間で総合的に議論すべき、今後とも、国、医療機関、卸メーカーといった主要な関係者間で、協調的かつ継続的に検討していきたいという話のとおりで、私は全く賛成です。その1つのワクチンをどのようなメーカーが、例えば何社で供給しているとか、それぞれのワクチンで事情が違います。ですから、それらのことも踏まえて、必要なワクチンがみんな安定して供給されるということが大変望ましいわけでして、それはワクチンの種類によっても製造過程が異なることから、状況は異なってまいります。
ですから、それらも含めて、今後ともこの問題に対する取組ということは、是非必要でありまして、メーカーの皆様にもお願いと、また事務局がしっかりその辺りを整理して、前に進めていっていただきたいというお願いも含めて、発言をさせていただきました。どうもありがとうございました。
○伊藤部会長 ほかにどなたか御意見などはございますか。松本参考人、どうぞ。
○松本参考人 欧州製薬団体連合会の松本でございます。今の坂元先生、釜萢先生の御発言を聞いて、すごくメーカーとして責任を感じる次第です。先ほど釜萢先生から、ワクチンそれぞれによっていろいろあるということで、実は我々外資は輸入ワクチンを取り扱っております。輸入ワクチンの場合は、注文から供給するまで1年から1年半かかります。ですので、既に3か月から4か月、最低レベルで、今まで運営してきております。ここが国内製造メーカーと違うところです。
そうなると、今回、国家検定のリードタイムは短くなります。実は注文の時期を延ばせたりするのですが、今回は事務局とよく話し合いまして、そういうことをするのではなくて、我々として、そこの余剰が出てきたら余剰の出た分は積み増しをして、しっかりと安定供給に輸入ワクチンのほうも協力したいということで、欧州製薬団体及び米国製薬団体、PhRMAの方々も御同意いただいていますので、鋭意努力いたしたいと思っています。
○伊藤部会長 皆さんの御尽力、製薬企業の方々に加えて、規制当局、特に医薬局の方々の迅速な対応のお陰で、このような形になったのは大変喜ばしいことだと思います。海外の流通在庫が6か月、日本が2か月、この差をどうするのだという話をずっと言い続けていたのが、コストが一番かからない形で、安定供給と言う保険を掛けていただけたということに、大変感謝申し上げます。
ただ、この話は医療現場の方々に誤解を受けるといけないので、水を注すような言い方をして大変申し訳ないのですが、医療現場に届くワクチンは、消費期限が長い物が行くというわけではないことについては、十分御理解を頂きたい。製薬企業とか卸の流通在庫の部分を積み増すのだ、将来の安定供給に向けての方策であるということを、御理解いただきたいと思います。誤解されて、消費期限が長いのが来るのではなかったのかと医療現場で思われるといけないので、そうではないということは確認させていただきたいと思います。
ほかに、どなたか御意見はございますか。よろしいでしょうか。このスキームは流通在庫の問題だけではなくて、次のインフルエンザワクチンの供給についても効いてきたと思っておりますが、2020年、2021年のインフルエンザワクチンの供給について御説明を頂きたいと思います。資料2について、事務局から説明をお願いいたします。
○賀登室長補佐 制度の見直しについての今後の流れだけ御説明させていただいてもよろしいでしょうか。
○伊藤部会長 どうぞ。
○賀登室長補佐 今回、本日の議論の中で、流通備蓄量(流通在庫量)の増大等の方針についても一定の合意形成ができたと思いますが、この後の流れとしては、一旦、基本方針部会に議論の結果をお返しして、その後にいろいろな通知の発出というような手はずで進めたいと思いますが、そのような進め方でよろしいでしょうか。
○伊藤部会長 手順に従っていただければと思います。それでよろしいですよね。よろしくお願いいたします。
○稲角室長補佐 続きまして、議題2に進めさせていただきます。資料2を御覧ください。お手元のファイルですと05のファイルです。「2020/21シーズンのインフルエンザワクチンの供給について」ということで、1と書いてあるスライドから御説明させていただきます。例年、インフルエンザワクチンの供給について、この部会で報告させていただきまして、それに伴う安定供給上の対応について御議論いただいているところです。今年度については、1のスライドの一番右側にあるとおり、約3,178万本が供給される見込みということで、企業の方々から御連絡を頂いております。この供給量については、4価ワクチンに変更された平成27年度以降で最大の供給量となる見込みで、昨年の使用量と比較しますと、約12%ほど多い数字となっております。
スライド2を御覧ください。先ほど資料1でも提示させていただきましたが、少し年度の古い部分も含めて、週ごとの供給の推移を示しております。今年は制度改正もございましたので、10月の第1週から、昨年度に比べても多い量が供給される予定です。
3枚目のスライドを御覧ください。それに伴って、今シーズンの対応です。上段にある今シーズンのインフルエンザワクチンの供給については、先ほど申し上げたことをまとめたものです。次に、今シーズンの対応の(案)という所です。1つ目の○にありますが、今シーズンは例年より多い供給量が確保されているところですが、インフルエンザワクチンの予防の啓発が重要ということで、ワクチンの需要が高まる可能性が考えられます。このため、ワクチンの効率的な使用に係る取組として、次の対応を取ってはどうかということで御提案させていただきます。
昨年度に引き続きまして、同様の取組をさせていただきたいということで、(1)効率的な使用等について、引き続き医療現場の方々に働き掛けを行うこととさせていただきたいと思っております。具体的な昨年の取組ですが、13歳以上の方は原則1回注射としていただくことや、必要量に見合う量のワクチンを御購入いただくことなどを御提言いただいて、それについて通知という形で、各都道府県を通じて関係者にお知らせさせていただいているところです。
また、(2)効率的なワクチンの使用に資する取組を具体的に例示して呼びかけてはどうかというように考えております。例として記載しておりますが、基本的に複数回投与できるバイアルを使用する場合は、新型コロナウイルス感染症対策として、医療機関で時間的・空間的分離が行われている場合は、ワクチン接種を行う時間帯を決めていただいて、そこで集中的に接種を行っていただいて、1つのバイアルから複数回接種できるような形で御対応いただくということを例示として挙げることを考えています。
3つ目の○です。別途、インフルエンザ重症化予防の効果が大きい集団等に対して優先的な呼びかけなども検討中とありまして、ここ数日、報道等でもいろいろと出ておりますが、26日に厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会と感染症部会の合同部会で検討させていただいております。そちらの議論を紹介させていただきたいので、スライド7を御覧ください。こちらが26日に提示させていただきました資料です。
2.から御覧ください。優先的な接種対象者ということで、予防接種法に基づく定期接種対象者というのは、これまでもエビデンスがある重症化を一定程度低減させるというエビデンスがあるということで定期接種となっておりますが、それに加えて、今月の3日に出ている日本感染症学会の提言で、インフルエンザのワクチン接種が特に強く推奨されている方々ということで記載いただいている、②の医療従事者・65歳未満の基礎疾患を有する方、妊婦、乳幼児から小学校低学年(2年生)の方について、接種の機会を逸することがないように接種の呼びかけをしてはどうか。このような形で提案させていただきまして、更に3.の所の呼びかけについてですが、定期接種対象者の方々には10月の前半から接種を開始していただいて、それ以外の方、2.の所の②の方々も含めまして、それ以外の方は10月後半まで接種をお待ちいただくよう、国民に呼びかけるということ。また、10月後半からは感染症学会の提言を踏まえまして、先ほどの②の集団の方々で、接種を希望される方ですが、接種を呼びかけることを提案させていただきました。
また、この表にはございませんが、それ以外の方、若い方も含めまして、10月後半以降は特に呼びかけ等は行いませんが、接種を断るものではございませんので、当然接種していただけるということですが、希望される方に対して接種の機会を逸することがないように呼びかけるという形での提案をさせていただきました。
その結果、いろいろと御意見を頂きまして、国民の方々にちゃんとコミュニケーションを取っていただいて、誤解がないような形で御協力をお願いすべきだという御意見等を頂きましたが、方針については、おおむね賛同いただいている状況です。
戻っていただいて、資料の3枚目のスライドを御覧ください。今シーズンの対応の(案)です。2つ目の○の部分で、「以下の対応を取ることとしてはどうか」という部分につきまして、先生方の御意見を頂きたいと思っております。また、③については紹介させていただきましたが、このような形で、二本立てで対応していきたいと考えております。資料の説明は以上です。
○伊藤部会長 一昨日の基本方針部会で、この議論を聞いていらっしゃる委員の方も多くいらっしゃいますが、まずは御質問、御意見などを頂きたいと思います。坂元先生、どうぞ。
○坂元委員 川崎市の坂元です。季節性インフルエンザの予防接種に関しては、25日に厚労大臣が記者会見の中で高齢者への接種について言っており、それがかなり大きく取り上げられております。今後こういう呼びかけをやったらどうかという提案だということですが、大臣の発言を聞くと、もうすでにしっかりと呼びかけているので、ちょっと今更という感覚でもあります。我々、地方自治体、市町村としては、結構これが話題になっていて、今後どうするのかということです。呼びかけというのは、例えば65歳以上の高齢者は、大体の市町村はほとんどB類という形で補助を出して、接種を受けてもらっているという形ですが、特に普段は積極的には呼びかけていないのですが、補助をしているという形では一種の呼びかけになるのかなとも思います。ところが、市町村の中には、ここに書いてある②に該当する、例えば子供、基礎疾患のある方、そういう人たちにも補助を出そうという自治体が出てきております。
ここで1つの問題は、補助を出すことは、それぞれの自治体のお考えがあるので全く問題はないのですが、それを同時に10月1日に、どこの自治体もそのように高齢者以外にも補助をやってしまうと、この供給カーブから見ると、最初のほうの立ち上げは、うまくいっても1,500万本程度ですので、そうすると大混乱が起きるということです。そこは単に65歳以上の高齢者にちゃんと打ってくださいと呼びかけるだけではなく、それ以外への補助を出すことで混乱が起こらないようにしていただきたいというメッセージを同時にしっかりと出す必要があるのではないかと思います。例えば10月1日から、高齢者以外の補助を考えられている自治体があれば、それをもう後にずらしていただきたいとか、分散させるような呼びかけをしっかりとやっていただきたいと思います。
予防接種の基本方針部会と感染症の合同部会のときに、正林局長から、最後のほうになると結果的には足りているのだとの話がありました。最初のときには品不足感が起こるけれども、結果としては足りている。最初のところの品不足の混乱を回避するためには、分散させるメッセージというのも、しっかりと出す必要があるのではないかと思っております。
○伊藤部会長 釜萢先生、どうぞ。
○釜萢委員 先日の基本方針部会でも発言をいたしましたが、今日の資料の7ページに、②として優先的な接種対象者をしっかり明示したというのは、これまでになかったことで、これは新型コロナウイルスの感染も踏まえての日本感染症学会の提言を踏まえてということになるわけですが、医療現場においては、9月からワクチンの準備を始めて、10月から接種を始めますと、いろいろ接種の予約が入ってきます。特に今シーズンは突然医療機関に飛び込むということでなく、きちんと時間をお約束して、一般の診療あるいは発熱の診療と時間的・空間的に分離して、予防接種を行うという体制が求められておりますので、その辺りのところも踏まえると、予約をしっかり取ることが必要になってきます。
そこで、ここに書かれている②の優先的な接種対象者のアナウンスはしっかりされた上で、予約等に関して、それぞれの医療機関の予約の体制とか事情もありますので、対象者でないと接種ができないというように、余り厳密に運用されると現場が混乱すると、先ほど坂元委員が言われたように、現場の混乱になる場合もありますので、この方針をしっかり踏まえた上で、それぞれの医療機関が適切に予約等の対応に当たるという、少し柔軟な対応ができるようにしておくほうがよいのではないかと感じていまして、最終的に、せっかく手に入った貴重なワクチンが余ることなく、より多くの国民にしっかり接種されるということが一番大事でありますので、そのために運用は柔軟性をもってやると。方針はしっかりと国民に伝えるということが必要ではないかと感じております。
○稲角室長補佐 御意見ありがとうございます。坂元先生から頂いた御意見ですが、周知については国からも何らかのアクションを起こす予定ですので、26日にも御意見を頂きましたが、受け止めて対応はさせていただきます。
また、釜萢先生から御意見を頂きまして、方針は明確に運用は柔軟にという点です。先ほど説明の中でも申し上げましたが、ここにない方々が受けられないわけではない、どちらかと言うと御自身の判断に基づいて、受けられる方は受けていただきたいと考えておりますので、この点も含めて対応させていただきたいと思います。
○伊藤部会長 ワクチンが足りないというと、この部会に話が飛んできてしまいますので、できるだけそういう事態にならないように、円滑に運用ができるように、基本方針部会で最終的にお決めになると理解をしますが、こちらからも要望が出せればと思います。
一昨日も発言はさせていただきましたが、マスコミも含めてですが、どこかが「足りない足りない」と言うと、一気にパニック状態になって、トイレットペーパーなどと同じような状況になるので、そこら辺に関しては、マスコミの方にもお願いしたいのは、状況がきちんと確認されてから、そういった報道をしていただきたいと思いますし、もし不足したときには、日本医師会が、どの地区で本当にワクチンが足りないのかということはシステムとして把握されていますので、そういった客観的な情報に基づいて報道なり情報提供をしていただけるようにお願いしたいと思います。あと、医療現場から聞いている限りにおいては、自分の取引先の卸業者が、足りないとか入らないという話を迂闊に言うと、後で話が大きくなって大変ということも聞いておりますので、業界団体としても発言とか情報提供の仕方については十分にお気を付けいただいて、混乱に拍車を掛けることのないようにしていただければと思います。
あと、坂元先生が話をされていたと思うのですが、COVID-19への対応も含めて、自治体によってはインフルエンザのワクチンに対して手厚い保障をされる所もあると伺っています。実は身内も、10月になったらすぐにワクチンを打ちに行かなければと言うので、駄目だからという話もしたのですが、優先的に打つ方と、もう少しお待ちいただける方に関しては、自主的にお待ちいただく区別をして、供給不安をなくしていただきたいと思います。自分の意見も含めてですが、お話をさせていただきました。ほかにどなたか、御意見はございますか。
とにかく足りなくならないような工夫を、基本方針部会も含めて考えて、国民の皆さんには理解していただいて、円滑な運用ができるといいと思います。今年は医薬局の見直しも含めて、10月の段階では過去になく多い流通在庫があると理解していますので、うまくいってよかったねという話になればいいと思っていますので、よろしくお願いいたします。ほかはよろしいでしょうか。
続きまして、議題3の「B型肝炎ワクチンの供給について」、説明を頂きたいと思いますが、事務局からお願いいたします。
○稲角室長補佐 事務局でございます。資料3を御覧ください。お手元ですと06のファイルになります。こちらがB型肝炎ワクチンの供給に関する資料となっております。いきなり恐縮でございますけれども、資料をおめくりいただきまして、PDFの4枚目を御覧ください。今年の4月2日に出しております事務連絡のほうから簡単に御説明をさせていただきます。前回も持ち回りで提案をさせていただいているものでございますけれども、状況といたしましては、B型肝炎ワクチンのうち、ヘプタバックスのほうが欠品していたということで御報告させていただきました。その後、今年4月の段階でこの事務連絡の頭書きの2つ目の段落、「現在」という所からですけれども、ヘプタバックスにつきましては、0.25mLシリンジ製剤が今年の7月末に供給再開の見込みとなりましたという形で提示をさせていただいております。今はもう8月でございますけれども、実際7月の後半に供給再開がされ、それにつきまして事務連絡を出させていただきましたので、その事務連絡になります。
資料お戻りいただきまして、1ページ目から御覧ください。2段落目になりますけれども、今般ヘプタバックスにつきまして、令和2年7月17日が供給再開されましたというお知らせをさせていただいております。再開がされましたけれども、2枚目の表を御覧ください。令和2年7月時点という所で、B型肝炎ワクチンの供給実績と見込みを記載させていただいておりますけれども、4月の時点の供給見込みと比べていただきますと、1月から6月までの0.5mLのバイアル製剤の出荷量が少なく見えるという形になっております。しかし、本文にも書いてございますとおり、供給実績が112万本程度にとどまったというだけでして、残りの分は流通在庫という形になっております。ですので、今年250万本供給されるというのは変わっておりませんので、特にいきなり需要が増えない限り欠品はないという形で考えておりますけれども、欠品が起こらないような形で対応していただきたいと思っておりますので、できるだけ2回使用できる場合は2回使用していただきたいというお願いは、引き続きさせていただいているところでございます。以上、資料の説明を終わらせていただきます。
○伊藤部会長 今、御説明いただいた内容について、御意見とか御質問とかございますか。無事に供給ができるようになりましたということですので、そういう意味では、問題は少ない御報告かという気もしますが、大丈夫でしょうか。じゃ、石井先生。
○石井委員 これに関しましては、定期接種というか、小児用のことだと思うのですけれども、一般向けに回る分、特に医療関係者向けのB型肝炎ワクチンの接種については、MSD社はシリンジで0.5は出ないということで、KMBのみとなると思うのですが、そちらについては特に問題はございませんでしょうか。
○稲角室長補佐 成人向けのほうにつきましても、流通している製剤を使用していただく形になろうと思いますけれども、特に問題があるというわけではございません。
○伊藤部会長 ほかに大丈夫ですか。それでは「その他」のほうに入らせていただいてよろしいでしょうか。それでは、説明をお願いいたします。
○稲角室長補佐 事務局でございます。議題「その他」という所でございます。この部会は生産・流通部会でございますけれども、その前に研究開発というのも付いてございますので、コロナワクチンの研究開発の状況について簡単に御紹介をさせていただきたいと思います。資料4を御覧ください。お手元のファイル07です。1枚目のスライドから御説明をさせていただきます。新型コロナウイルスワクチンの早期実用化に向けた厚労省の取組みということでして、ワクチン開発「加速並行プラン」と書いてある中の、研究から始まって薬事承認、生産体制に進むという、おおまかな流れを記載しているものでございます。このうち研究の部分につきましては第一次補正と第二次補正の予算の中で研究費の支援を行ってございます。第一次補正で100億円、第二次補正で500億円と記憶をしておりますけれども、このような研究費の支援を行うとともに、生産体制につきましても第二次補正で基金の設置を行いまして対応しているところでございます。
このような形で生産体制の部分につきまして、通常であればある程度ものになるというめどが立ってから生産設備の整備をされるという状況かと承知をしておりますけれども、今回は承認されるのを待っておりますと時間が掛かってしまいますので、その設備につきまして、なるべく早い段階から整備していただけるように、基金の中から必要なお金を出して、設備を整備していただくような形を取っているということです。
具体的に2ページ目になりますけれども、ワクチン生産体制等緊急整備事業という中で、どの会社が採択されているかを示している図でございますけれども、国内では新型コロナウイルスワクチンを初めとしたバイオ医薬品の大規模な生産体制を早く構築していただき、なるべく国内で早期に供給できるように促すというものです。下の表にございます6事業者の事業を採択いたしまして、それぞれ既に手続を進めているところでございます。ワクチンのタイプもございますけれども、これまでにないウイルスベクターとかDNA、mRNAも含めましていろいろと選んで実現可能性等含めまして採択をさせていただいているところでございます。
3、4枚目がコロナワクチンの研究開発の状況で、3ページ目が国内開発品のものでございます。この5品目はAMEDから早い段階で研究費の交付を受けていらっしゃる候補品目で、それぞれ5品目のうち1品目だけ③番の品目がもう既に臨床試験が始まっているという状況で、それ以外は目標の欄、右から2つ目の列のとおり最短で今年度内に臨床試験が始められたらという状況と伺っております。
また生産体制の見通しというところですけれども、①~④の品目につきましては先ほど申し上げました生産体制等整備事業の補助も受けているものになります。
4枚目は海外の品目でございます。ファイザー社、アストラゼネカ社のワクチンにつきましては、生産・供給見通しという一番右の欄の国内というところにございますとおり、それぞれ1.2億回分を供給するというような基本合意を既に結んでいることを公表しております。また、進捗状況の所ですけれども、A、B、Cの品目につきましてはそれぞれ2/3相試験、3相試験が近々始まったというような状況ということで、開発のフェーズとしてはかなり進んでいるものになってございます。
またBの品目、アストラゼネカ社のものにつきましては、国内の部分の2段落目になりますけれども、国内でも原薬製造される形の提供を行うですとか、充填も国内4社と提携ということですので、先ほど2枚目のスライドにもございました生産体制等緊急整備事業での補助も行っているという状況でございます。
D、E、Fはその他の品目という形で記載をしてございますけれども、ある程度の情報があるものについて記載をさせていただいております。資料の説明としては以上でございます。
○伊藤部会長 今一番ホットなところなので、御質問が多いのではないかと思うのですけれども、皆さんいかがでございましょう。坂元先生。
○坂元委員 このワクチンは来年の早ければ春過ぎぐらいに、我が国でも供給されるのかなという、報道も流れていますけれど、この部会で議論することではないと思うのですが、国民全員に打つという手前、それを実際に行うというのは相当至難なことで、既に新型インフルエンザのワクチン接種に対して、そういう国民全員に打つシナリオというのはそれぞれ自治体の考えて計画を作ってあるのですが、今回そのときはどっちかというと新型インフルエンザは起こらないかもしれないという中での訓練とか、若干緊張感に欠ける部分もあったのですが、コロナの接種はこれはもう目の前にきており、恐らく今から1年以内には接種が開始される公算がかなり大きいというときに、しっかりした接種スケジュールとか、そういうものを作っていかなければいけないということです。そういう議論というのは、厚労省的にはいつぐらいから始める予定なのでしょうか。もちろん自治体が接種主体になると思うので、自治体を巻き込んだ議論というのは具体的にもう始まっているのか、具体的にどのようにやるのか、もしお分かりになればお教えいただければと思います。
○稲角室長補佐 事務局からでございます。坂元先生御意見ありがとうございます。まず、国民全員に打つというのは現状、非常に難しいということで、日本の予防接種行政は基本的に希望される方という形になりますけれども、準備はするという点で、接種体制の準備は必要と考えております。ちょうど今、鋭意検討中で、我々も大分検討しているところでございまして、具体的に、これから1年以内に接種ができるようになるかも含めて、将来のことで分からないことではございますけれども、準備だけは今進めているというところでございます。なるべく早くいろいろ議論できるような準備をさせていただいておりますけれども、ちょっとまだ具体的にいつということは申し上げられない状況でございます。
○賀登室長補佐 少し補足させていただきます。事務局でございます。新型インフルエンザのときもそうだと思いますけれども、関係者が多くおられまして、市町村や医療機関、メーカーの方も含めていろいろな関係者がおられる中で、それを限られた時間の中、大量の方に接種体制を構築するというのはすごく難しいことですし、また地域ごとに事情が様々ありますので、そういったところの違いも含めて実現できるというところをどうやって作り上げていくかというところ、これからの大きな課題だというように認識しております。その際にはよく自治体のほうとコミュニケーションを取らせていただくとともに、なるべく早い段階での情報発信というのが望まれているという点、よく認識しておりますので、今後検討していきたいと思います。ありがとうございます。
○伊藤部会長 釜萢先生どうぞ。
○釜萢委員 新型コロナウイルス対策の分科会の構成員でありますので、その分科会における議論をちょっと申し上げたいと思いますが、構成員の中ではこの新型コロナウイルスのワクチンは、現時点でどのようなものがどういうふうに手に入るかというのは全く分からないわけです。そのワクチンが効果としてどういう効果が期待できるのか、そして副反応がなく、安心して接種できるものかどうかということも全く分からない段階なので、本来であればそれらのことがもっと詳らかになってから議論がしっかりできるのではないかという思いがあるのですけれども、一方で、海外からの買い付け、あるいは国内における生産の拡大ということを考えるときに、国の方針で国民のためにワクチンをしっかり確保するということについては、是非そのように国にお願いをしようということで意見が集約されています。
また、特に海外からのワクチンを購入するに当たっては、もし副反応等が生じた場合の健康被害に対する補償も、国がある程度そこをカバーをしないと手に入らないというような事情も、場合によっては生じることについては、国の判断で適切に対応してほしいというようなことも申し上げているところです。
しかし一方で、ワクチンについては全く分からないわけですね。数社のワクチンを仮に入手できたとして、それらが同等のもので効果も同じで、副反応も同じでというものであればいいのですけれど、なかなかそこはそうはいかないだろうと思います。そのときに、それをどういうふうに、どの優先順位でどうやるかというようなことは全く現時点では判断ができないということでありますので、この生産・流通部会でも、今後もこのワクチン、特に新型コロナワクチンがどういうふうに手に入ってどうなるかというようなことについては、しっかりここでもやらなきゃいけないだろうと思っております。けれども、分科会としては今そういう状況の中で、国に対して国民のためにしっかりと確保していただきたいということと、それから重ねてやはりこの新型コロナのワクチンというのは全世界の方々がなるべく等しく接種できるような体制で、自国民だけ買ってくればいいというものでは決してなく、全世界でなるべく多くの方に接種できるような体制の中で、国民に対しても接種ができるようにしていただきたいというようなことを発言をしている次第であります。
○伊藤部会長 ありがとうございます。外資系の企業の方で自分のところでワクチンを開発をされている方がいらっしゃるかと思いますが、情報をリークしたというと怒られるのですけれど、話せる範囲で、お話を頂けると有り難いのですけれど。
○藤本参考人 私、今日は協会の代表で参加しておりますので、個社の話はできないところですけれども、外資系企業におきましても、日本の国民を新型コロナから他の外国に遅れることなく、仮に外資の新型コロナウイルスのワクチンが成功した場合には、日本人にも供給できるように鋭意努力しているところでございます。
○松本参考人 先生、1つだけすみません。欧州製薬団体のEFPIAの松本でございます。ウイルスの開発というよりも、今はEFPIAの中で考えていますのは、新型コロナワクチンが来年出てくる前に、よりもっと一般の予防接種を正しく多くの人に理解してもらうキャンペーンを欧州製薬団体連合会、あるいは製薬協さんを含め、一緒にやっていこうかなと思っていまして、そこだと思うのですね。ワクチンはどうしても副反応もありますし、それをちゃんと理解してもらって、そのときに入っていかないといけないかなと、すみません、EFPIAでは考えております。
○伊藤部会長 ありがとうございます。今回のCOVID-19に関しては、余りその情報が精査されない中でも、早く早くという形で情報が出てきていて、何が正しいのか、なかなか読みにくいところがあって、そういう意味で公的なこういった会議で適切な情報を提供して、公開していただくのがやはりいいのではないか。だから個別の情報に惑わされることなく適切な情報を国として発信ができる、国の責任で情報発信をするというのは大変重たいことだと思っていますので、お願いではありますが、特に生産・流通部会ですので、最新のものに関してお伝えいただければと思います。生産・流通部会として、新規のワクチンでここ1年でこんなにいろいろな技術というか情報が進んできたことはないと思っておりますので、これを情報としてまとめて皆さん国民の皆さんに発信できるような機会があるといいと、部会長というよりは個人として思います。先生方、いかがですか、大丈夫ですか。はい、よろしくお願いします。
○合田委員 ここはいわゆる先進国の話が出ていますけれども、ロシアとか中国とかで成功していますよね、ある意味では。その辺のところの情報って、どういうワクチンを作っているかというのは情報はあるのですか。
○稲角室長補佐 事務局でございます。ロシアと中国のワクチンが報道ベースでは接種が始まったとかいう報道も伺っているところでございますけれども、具体的な情報がなかなかなく、ロシアのワクチンはウイルスベクターワクチンだという話もなんですけれども、逆にどれぐらいの有効性があったとか、どういった副反応があったかと、具体的な情報がありません。ここに挙げております会社さんであればなるべく早い段階で出せる情報は出して、論文として公表されているのかなという印象を持っておりますけれども、ロシアや中国のワクチンについては、ちょっとまだ何とも申し上げにくいという状況でございます。
○伊藤部会長 まあ、事務局として大変だと思うのですけれど、やはり国として情報発信をする、厚生労働省の名前で発信ができるというのは大変重たいと思いますので、正確な情報をできるだけ多く集めていただいて発信していただけると大変有り難いと思っております。よろしいでしょうか。はい、信澤先生どうぞ。
○信澤委員 コロナワクチン、輸入ワクチンの場合の検定というのは一応行うことにはなっているのでしょうか。
また、いろいろな種類のワクチンが作られていると思うのですけれども、それぞれに対する検定の準備というのはかなり大変だと思うのですけれど、その辺もし情報が共有できるようでしたら教えていただければと思います。
○伊藤部会長 事務局どうぞ。
○稲角室長補佐 事務局でございます。その点も含めまして、まだ試験項目とかがなかなかまだ定まっていないところがございますので、細かい御相談できてないところではございますけれども、枠組みとしてその検定があるという状況は変わってないかと思いますので、そこも含めて今後検討させていただきたいと考えております。
○伊藤部会長 信澤先生、それでよろしゅうございますか。
○信澤委員 はい、ありがとうございます。
○伊藤部会長 ほかには大丈夫ですか。新型コロナのワクチンは本当に有効かというのと、それからADEと言われている抗体依存性感染増強みたいな、ワクチンを打つほうがかえって害になるというのが、デングだとか他のワクチンでもみられていますので、ワクチンができればそれで安心という話ではないので、そういった情報提供も含めてよろしくお願いいたします。2時間、時間を取っていたのですけれど、意外とあっさり終わってしまっていますが、皆さんほかに御意見とかございますか。大丈夫でしょうか。それでは、事務局にお返しをいたします。
○稲角室長補佐 本日は長時間にわたりまして御議論いただきましてどうもありがとうございました。次回の開催につきましては追って御連絡をさせていただきます。事務局からは以上でございます。
○合田委員 次回、いつ頃とか、大体。
○賀登室長補佐 去年であれば12月頃、その前の年であれば春ぐらいということでございました。
○伊藤部会長 ありがとうございました。今日は、この生産・流通部会としては一番いい話だったので、余り議論として盛り上がりませんでした。コロナについては、ここが関与するのかしないのか分からない部分はございますが、私どもはワクチンの生産・流通に関して専門的な知恵は持っているつもりでおりますので、情報を頂いて、さらに情報発信する機会をいただければと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今日はどうも暑い中、お集まりいただきましてありがとうございました。