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薬事審議会血液事業部会令和6年度第1回献血推進調査会議事録
日時
令和6年7月1日(月)14:00~16:00
開催形式
Web併用
出席者
出席委員(12名):五十音順、敬称略 ◎座長 ○座長代理
- 石田 明○
- 大久保 英彦
- 喜多村 祐里
- 柑本 美和
- 近藤 諒汰朗
- 佐々木 司◎
- 武田 飛呂城
- 田中 里沙
- 人見 嘉哲
- 松本 剛史
- 宮川 政昭
- 渡部 るみ子
参考人:敬称略
- 田中 純子:(広島大学大学院医系科学研究科教授)
日本赤十字社:敬称略
- 早坂 勤(日本赤十字社血液事業本部経営企画部次長)
- 中村 篤典(日本赤十字社血液事業本部経営企画部献血推進課長)
事務局:
- 岩崎 容子(血液対策課長)
- 金子 健太郎(血液対策課長補佐)
- 源 周治(血液対策課長補佐)
議題
1. 令和5年度実績報告について
2. 中期目標「献血推進2025」の延長について
3. 47 都道府県協議会調査報告
4. その他
2. 中期目標「献血推進2025」の延長について
3. 47 都道府県協議会調査報告
4. その他
配布資料
資料ページをご参照ください。
議事
- 議事内容
○金子血液対策課長補佐 それでは定刻となりましたので、ただいまより「薬事審議会血液事業部会令和6年度第1回献血推進調査会」をWeb併用の形式で開催いたします。本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いします。本日はお忙しい中御参集いただき、誠にありがとうございます。この度、御参加いただく方の利便性等の観点から、Web併用での審議とさせていただきます。
はじめに、今般、委員の退任がありまして、根岸久美子委員、林美紗委員が御退任されることになりましたので御報告いたします。次に、委員の就任があり、大久保英彦委員が根岸前委員の後任として御就任されることになりましたので、御紹介いたします。また、全国学生献血推進実行委員会全国委員長の近藤諒汰朗委員が林前委員の任期による交代に伴う後任として御就任されましたので、御紹介いたします。大久保委員、近藤委員より、一言、御挨拶いただければと思います。
○大久保委員 ただいま御紹介いただきました、ライオンズクラブ国際協会330-A地区東京地区で、献血・献眼・献腎・骨髄移植委員会の委員長を拝命しております大久保英彦と申します。所属のクラブは東京白門ライオンズクラブと申しまして、中央大学のOB会のような組織でございます。
少し宣伝させていただきますと、東京地区のライオンズクラブは約180ありまして、約6,000名のメンバーがおります。献血には昔からクラブとしても非常に力を入れておりまして、約半数のクラブ、昨年度で93クラブが活動しておりまして、1万8,000人が献血の協力をしておりました。我々の白門ライオンズクラブにつきましては、中央大学で年間大体12回ぐらい献血会を行っておりまして、ちょうど我々のクラブに学生支部がありまして、40名ほどの学生がおります。あと、赤十字の学生奉仕団の皆さんと一緒に、毎回、献血活動をさせていただいております。ライオンズクラブとしましても、学校献血を特に強調して協力してまいりたいと考えておりますので、先生の皆様、よろしくお願いいたします。
○金子血液対策課長補佐 よろしくお願いいたします。では次に、近藤委員、御挨拶をよろしくお願いいたします。
○近藤委員 御紹介にあずかりました全国学生献血推進実行委員会の近藤と申します。ふだんは若年層の方々に献血を広めるために活動をしております。こういう場に慣れておらず、とても緊張しておりますが、若輩ながらに頑張りますので、よろしくお願いいたします。
○金子血液対策課長補佐 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。本日の会議における委員の出席についてです。委員12名全員の出席をいただいていることを報告いたします。また、本日は、日本赤十字社血液事業本部より早坂経営企画部次長、中村経営企画部献血推進課長に御出席いただいております。また、議題2に関しまして、参考人としまして、広島大学理事・副学長/疫学&データ解析新領域プロジェクト研究センター長の田中純子先生にも御出席をいただいております。
また、事務局におきまして、今年の4月に人事異動がありましたので御報告いたします。血液対策課長の山本圭子の異動に伴いまして、岩崎容子が着任しましたので御紹介いたします。
○岩崎血液対策課長 4月より血液対策課長を拝命いたしました岩崎と申します。前職は3月まで自治医大のほうにおりました。久しぶりの厚生労働省で、まだ慣れないことがたくさんあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
○金子血液対策課長補佐 また、血液対策課課長補佐の仲島昌司の異動に伴いまして、私、金子健太郎が着任いたしました。よろしくお願いいたします。同じく、血液対策課課長補佐の源周治です。
○源血液対策課長補佐 よろしくお願いいたします。
○金子血液対策課長補佐 次に、全ての委員の皆様より、薬事審議会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。委員の皆様には、会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いします。お手元のタブレット上に、01の議事次第から17の参考資料7までのPDFファイルが表示されているか御確認をお願いいたします。ファイルが表示されていない場合や不足がある場合には、お近くの職員にお声掛けをお願いします。よろしいでしょうか。
では、まもなく議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまででお願いします。それでは、以降の進行を佐々木座長にお願いいたします。
○佐々木座長 それでは、事務局から審議の進行方法の説明をお願いいたします。
○金子血液対策課長補佐 本日はWeb併用での審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、今回、委員の交代もありましたことから、改めて審議の進行方法について御説明をさせていただきます。
審議中に御意見や御質問をされたい委員におかれましては、まず、御自身のお名前と発言したい旨を御発言いただきますようお願いいたします。その後、佐々木座長から順に発言者を御指名いただきます。御発言いただく際は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、御発言をお願いします。また、ノイズを減らすため、御発言が終わりましたらマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。なお、発言者が多くなり、音声のみでの判別が難しいほど混雑した場合には、一度皆様の発言を控えていただき、発言されたい委員につきましてはチャットにその旨のメッセージを記入していただくよう、事務局又は座長からお願いする場合があります。その場合には、記入されたメッセージに応じて座長より発言者を御指名いただきます。
○佐々木座長 ただいまの説明について、御意見、御質問があればお願いいたします。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、議事に入りたいと思います。
その前に少しお詫びなのですが、私、多少咽頭炎で声が余り出ないものですから、お聞き苦しいことがあると思いますが、御容赦いただければと思います。
では、はじめに、議題1「令和5年度実績報告について」です。資料1-1について日本赤十字社から、資料1-2、資料1-3について事務局から、続けて説明をお願いいたします。
○日本赤十字社血液事業本部中村献血推進課長 日本赤十字社の中村です。どうぞよろしくお願いいたします。資料1-1「令和5年度供給・献血実績等について」御説明をさせていただきます。2ページを御覧ください。今回、こちらの4つの内容について御説明をさせていただきます。3ページを御覧ください。はじめに、供給実績です。記載のある棒グラフについては、各年度における計画と実績を表記しております。右上の、令和5年度の全体の供給実績は、令和4年度実績に対して1.1%増の約1,743万本でした。赤血球製剤については0.3%増加の652.5万本、血漿製剤については1.8%増の212万6,000本、血小板製剤については1.5%増の878万1,000本という結果です。
4ページを御覧ください。こちらは赤血球製剤の在庫推移をグラフで表したものです。6万6,000単位の所に青い線で水平に線を引いておりますが、こちらが適正在庫です。令和5年度の在庫推移が赤の折れ線グラフでお示ししています。御覧のとおり、年間を通して適正在庫よりも少し上のほうで推移をしており、安定供給を維持できた形となっております。
5ページを御覧ください。こちらは献血実績です。一番右側のグラフで、総献血者数は、令和4年度とほぼ横ばいですが、500万9,000人の献血者の方に御協力いただいております。令和4年度の実績と比較して、内訳としては、400mL献血、200mL献血の全血献血の方が2万人程度増加しまして、逆に血漿成分献血の方が2万人程度減少といった形で、ほぼ横ばいといった実績でした。
6ページを御覧ください。こちらは年代別の献血状況です。左側が16~19歳までの10代の各年齢の令和4年度と令和5年度の実績を比較した棒グラフです。こちらのグラフにおいて、どの年齢もおおむね若干減少という状況です。右側の20代以上のグラフですが、こちらは20代、30代、40代が減少、50代以上は増加といった結果でした。
7ページを御覧ください。こちらは延べ献血者の総数と年代別献血者をお示ししております。棒グラフは献血者総数、折れ線グラフはそれぞれの年代別の献血者の実績を表しております。10代の赤の折れ線グラフでお示しした部分ですが、令和5年度を御覧いただきますと、全体で21万1,322人の御協力をいただいており、昨年度よりも若干減少をしている状況です。また、50代以上の緑の折れ線グラフですが、こちらは増加が続いている結果となっています。
8ページを御覧ください。こちらは年齢別の献血可能人口と、人口に対して献血した割合を示す「献血率」をお示ししたものです。令和4年度と令和5年度の比較として、棒グラフについては人口です。折れ線グラフについては献血率を示しております。赤の折れ線グラフが令和5年度の実績です。18歳までは昨年度とほとんど同じような傾向ですが、19歳~50歳までについては前年度を下回っています。それ以上の年齢においては前年度を上回っているという推移です。
9ページを御覧ください。こちらは初回献血者の推移です。初回献血者の総数を棒グラフ、年代別初回献血者が折れ線グラフとなっています。赤の折れ線グラフが10代ですが、一番右側の令和5年度については、10万9,960名と、前年度から282名の減少ということで、0.3%の微減という状況です。
10ページを御覧ください。こちらは都道府県別の10代の献血者数を表した表です。左から採血計画数、献血者数、令和4年度の献血者数、計画の達成率、前年度比を表しております。右側の最下段の、赤字で示している令和4年度の実績との比較では、5,780名の減少という状況でした。また合計の欄の左から4番目の採血計画の達成率では81.4%、前年度比は97.3%という状況でした。
11ページを御覧ください。こちらは、同じく都道府県別の20代の献血者数です。一番右側の最下段で、前年度との比較で2万1,571名の減少、計画比では84.5%、前年度比でも96.9%という結果でした。
12ページを御覧ください。こちらは30代の献血者数の結果です。同じく右側最下段で、2万1,895名の減少、計画比では80.6%、前年度比でも97.1%といった結果でした。
13ページを御覧ください。ここから令和5年度における献血血液の確保に係る各種施策を御紹介させていただきます。(1)広報展開についてです。令和5年9月~令和6年4月までとなりますが、『つなげ、その「ち」から』プロジェクトをスタートさせました。主に10代から30代の若年層世代に向けて広報展開に取り組んでおります。メインキャラクターとして芦田愛菜さんを起用いたしまして、ポスター、TVCMといった部分で展開を進めてまいりました。また、令和6年1月~2月は、例年同様に「はたちの献血」キャンペーンとして、新たにCMとポスターを作成して展開を図っております。
14ページを御覧ください。こちらは人気TVアニメとのタイアップの展開です。昨年度は『SPY×FAMILY』というアニメと展開を図っております。アニメとのコラボについては、特定の層の献血者のニーズに合った記念品の場合、それを目的に来場される献血者は少なくなく、当該記念品の配布期間に一時的に献血協力が増加するという傾向があります。そのため、献血血液の確保が厳しくなる時期に合わせて、戦略的にこのような形で記念品の配布を行っております。
15ページを御覧ください。若年層に有効であると思われる「TikTok」の展開です。インフルエンサーに協力いただき、「放課後献血いってみた」動画を展開しております。資料に記載しております再生回数のとおり、非常に多くの方にリーチしていただいております。「いいね」の数も3万~5万ほど付いております。左下に映像に対するコメントがありますが、このようにライトな感覚で献血を話題に取り上げていただいており、まずは献血を知っていただくという意味でも非常に効果があったのではないかと考えております。
16ページを御覧ください。血液センターが学校等において使用している献血セミナーの資材として、若年層の献血に対する不安を一つ一つ解消してもらえるような構成のスライド資料を統一的に作り、展開しております。
17ページを御覧ください。また昨年度においては、厚生労働省と文部科学省の協力の下、小学生に向けた献血教育冊子を配布させていただきました。体のしくみ、健康、並びに他者への思いやり、こういったことの理解につながる時期に読んでいただき、まずは献血を知っていただくことを目的に作成をして展開を図っております。こちらは今年度以降も継続してまいりたいと考えております。
18ページを御覧ください。献血Web会員サービス「ラブラッド」の展開です。これまでも御紹介させていただいておりますが、予約機能、御来場前の献血の問診回答が可能になる事前問診回答機能などが搭載されており、献血者の利便性の向上を図るとともに、必要血液量の計画的かつ安定的確保につなげております。「ラブラッド」の会員と、「ラブラッド」を活用した献血予約の推進状況ですが、表にあります通り、令和5年度段階で「ラブラッド」の会員数は376万人です。また、予約率についても、それぞれの採血種別において年々増加している状況です。
19ページを御覧ください。こちらは総献血者数に占めるラブラッド会員の割合です。令和5年度においては、延べ500万9,000人の献血者数でしたが、そのうちラブラッド会員については398万人と、約8割の方がラブラッド会員でした。
20ページを御覧ください。次に、企業・団体に向けた取組です。まず企業献血の現状について簡単に御説明させていただきます。左側のグラフについては、移動採血、いわゆる献血バスでの献血に御協力いただいた会社員の献血者数を、令和元年度~令和5年度までお示しをしています。移動採血における会社員の献血者については、企業等の集団献血における献血協力が主となります。しかしながら、コロナ禍となる令和2年度に大きく献血者が減少しており、その後、増加傾向にありますが、令和元年度程度までにはまだ戻っていないということが見ていただけるかと思います。テレワークの定着ということだけが要因ではないとは思いますが、企業での集団献血がコロナ前に比べて減っているという現状があります。一方、右側のグラフは固定施設、いわゆる献血ルームで御協力いただいた会社員の献血者数を示しております。固定施設での会社員献血者については、献血ルーム等において主に個人単位で献血協力に訪れていただく方を指します。こちらは固定施設での献血者が単純に増えたというよりも、コロナ禍で企業や学校といった会場で移動採血の受入れが困難となった結果、必要な血液を確保するために国民に対して現状を広く周知するとともに、過去の献血協力者に協力依頼を強化しまして、固定施設に御来場いただいた結果です。固定施設で協力をお願いせざるを得なくなったという状況を表していると取っていただければと思います。
21ページを御覧ください。このような状況下において、集団献血に御協力いただきにくい企業に対して行った施策です。勤務スタイルに適応した献血推進のための仕組みを構築しております。こちらは、これまでも本調査会で御紹介させていただいておりますが、具体的には、企業様に団体コードといった番号を発行しまして、そのコードをお持ちいただいた上で、協力しやすい献血会場に足を運んでいただき、献血協力していただくことで企業の実績としてカウントするという仕組みです。
22ページを御覧ください。また、このような状況を各経済団体にも御理解いただけるように働きかけを行っております。昨年度は12月に日本経済団体連合会の幹事会で日本赤十字社理事のほうから講演をさせていただき、会員企業に現状をお伝えする機会を頂いております。このように企業への働きかけを強化しております。
23ページを御覧ください。企業・団体に、更に献血に御参画いただくために、献血サポーター制度も見直しを図っていくこととしています。この献血サポーター制度は平成20年度から運用を開始していますが、サポーターとして登録していただいている企業にも、どのようなコンテンツがあれば企業として献血への協力意義を享受いただけるかをヒアリングするなどして、見直しを図っていきたいと考えております。
24ページを御覧ください。まとめです。令和5年度においては、輸血用血液製剤及び原料血漿を滞りなく安定供給させていただくことができました。献血Web会員サービス「ラブラッド」では、引き続き献血予約を推進することで献血会場の混雑回避及び献血者の待ち時間を解消する等、安全性並びに利便性を高め、献血に御協力いただける機会の増加を図ってまいりたいと思っております。
企業におけるテレワーク等が定着したことにより、企業献血協力がコロナ禍前には戻らない状況ですので、企業・団体にとっての献血協力意義の明確化を更に図ってまいりたいと思っております。
将来の献血基盤となる若年層については、小学校から大学生への教育・啓発を、厚生労働省をはじめ、国・行政との連携を密にして、積極的な展開を図ってまいりたいと考えております。以上、令和5年度供給・採血実績の御説明とさせていただきます。
○金子血液対策課長補佐 続きまして、事務局のほうから、厚生労働省の取組について、資料1-2、1-3について御説明させていただきます。
まず、資料1-2を御覧ください。「献血推進の施策について」になります。1.普及啓発です。(1)若年層に対する普及啓発として、マル1~マル4まで、それぞれ、中学生、高校生、大学生等、主に10代、20代を対象とした普及啓発の説明となっております。
まず、マル1中学生への普及啓発として、令和5年度も、10,616校に対してポスターを3.2万枚配布しています。
次に、マル2高校生への普及啓発としては、副読本(けんけつ HOP STEP JUMP)を配布しております。令和4年度の配布部数は減ってしまいましたか、令和5年度は少し増えた状況になっております。中学生用ポスター、高校生の副読本ともに、配布希望調査を行いまして必要部数を配布しています。また、高等学校等における献血に触れあう機会の一環として、日本赤十字社が実施している学校献血や献血セミナーを積極的に受け入れてもらえるように、高等学校等の関係者に協力を依頼しています。これにつきましては、参考資料2の1、2ページ目に詳細なデータがあります。後ほど御確認いただければと思いますが、新型コロナの感染拡大で学校献血や献血セミナーの参加者数が大きく落ち込みましたが、令和4年度、5年度と、少しずつ盛り返している状況です。ただ、高校生の献血協力者は全体としては減ってきていますので、高校生向けの啓発の在り方を考えていかなければと思っています。
次に、マル3大学生等への普及啓発として、令和5年度は5,186校にポスターを2.3万部配布しました。なお、昨年度の部会や調査会で、宮川先生から、将来の医療の担い手になるような学生への周知も必要との貴重な御意見を頂きましたので、現在、文部科学省と相談しながら、医療系の学部等に対して御協力をお願いする準備を進めています。こちらは次回以降の調査会で御報告させていただきます。
マル4主に10代、20代の若年層を対象とした普及啓発としては、1~2月に「はたちの献血」キャンペーンの広報用ポスターを配布しました。ポスターや副読本については、4ページ目に参考として添付しております。
続いて、2ページ目になりますが、(2)その他の普及啓発です。マル1「愛の血液助け合い運動」(毎年7月)のポスターを、令和6年度は3.8万枚配布しています。イの献血運動推進全国大会の開催について、昨年は千葉県で開催し、今年は7月18日に岐阜県で開催する予定です。マル2テレビ、ラジオ、新聞等を積極的に活用した普及啓発として、令和5年度も政府広報オンライン、ラジオ、インターネットテキスト広告など、同様のものを実施しました。
次に、2.若年層の献血者数の増加に向けた取組です。平成29年度から、日本赤十字社や都道府県と協力の上で、減少傾向にある10代から30代の年代別の目標値を設定しています。10代、20代、30代ともに、対令和4年度の実績比では97%前後、令和5年度の目標に対する達成率は80~85%程度の実績となっております。令和4年度は10代の献血者数が少し増えましたが、令和5年度はまた少し減ってしまった状況です。
続きまして、資料1-3の「令和5年度の献血実績と今後の方向性について」です。1.令和5年度の実績と評価ですが、こちらは資料1-1で、日本赤十字社のほうから説明いただいた内容をなぞった形になりますが、1つ目の○として、令和5年度の延べ献血者数は、対前年度とほぼ同数の500.9万人、献血率は6.2%でした。課題とされている10代~30代の若年層の献血者数については、対前年度約4.9万人減少、3%の減少となりました。2つ目の○です。令和5年度も全体としては多くの方に御協力を頂きまして、輸血用血液製剤や原料血漿の安定供給に必要な血液量を確保することができております。3つ目の○ですが、若年層の献血者数については、ホームページやWeb会員サービスを用いた献血の協力依頼に加え、アニメやSNSを活用した広報により、10代を中心に下げ止まりつつありますが、5年度はまた少し献血者数が減ってしまいましたので、今後も有効な取組や働きかけを模索し続けることといたします。
2ページ目です。2.令和7年度献血推進計画策定にあたっての方向性(案)です。昨年に引き続き、今年も「骨太の方針2024」において、「小中学校段階での献血推進活動など献血への理解を深める」という文章が記載されました。2年続けて「骨太の方針」に記載されましたので、この方針に沿った内容を盛り込む必要があると考えています。具体的には、以下のマル1~マル3の項目を重点的に推進したいと考えております。
マル110代につきましては、5行目の「また、」以降になりますが、「骨太の方針」の記載内容を踏まえて、高校生以上の若年層への取組に加えて、献血可能年齢前の小中学生への普及啓発も進めていきたいと考えています。小学生に対しては、御紹介のありましたとおり、今年の2月に日本赤十字社の方から冊子を作成して全国の小学校に配布していただきました。一方で、厚生労働省の方では、参考資料3で添付しておりますが、「献血血液の確保対策事業」として2,000万円の予算が認められております。この中で、中学生向けの啓発資材の作成・配布や、中高校生による普及啓発活動の体験発表会などを今年度から来年度にかけて行う予定で、現在準備を進めています。
マル2 20代・30代については、基本的には昨年と同様の内容ですが、学校を卒業されて以降の方々が、仕事や家事等で忙しい中で少しでも献血する機会を確保できるように、献血ルーム等の利便性を高めるとともに、繰り返して献血に御協力いただけるような取組について、引き続き考えてまいります。
マル3ですが、今年4月に改正された血液法の基本方針にも記載いたしましたが、ポストコロナにおいて、「ライフスタイルの多様化に対応するための取組を検討」と記載しました。基本方針にもありますように、献血ルームでの献血可能時間の延長とか、リモートワークが進む中で、企業や団体による献血協力をどう進めていくかなどについて、計画に盛り込んで考えていきたいと思います。御説明は以上になります。
○佐々木座長 ただいまの日本赤十字社からの説明と、事務局からの説明について、御意見、御質問があればお願いいたします。渡部委員お願いします。
○渡部委員 栃木県の大田原高校からまいりました、渡部と申します。よろしくお願いいたします。今いろいろお話を伺い、若年層の献血とか、高校生の献血ということで、いろいろお話を伺っているところですが、本校においても、男子校なのですが、以前に友寄さんに来ていただいてセミナーをしていただき、かなり学校を挙げて献血に協力をさせていただいています。ただ、年々生徒数が減っており、子供の数が減っているということだとは思いますが、セミナーをしていただいた時期720名いた全校生徒が、今は600名を切るような状況になっていて、人数で出されてしまうと、どうしても減っているような感じにはなってしまいますが、本校においても人数は減っていて、採血の人数も減ってはいるものの、パーセンテージにすると頑張っているのではというところです。
あと、今、高校のほうで、私のほうでも総合的な探究の時間という授業があり、その中で若年層に対する献血をいかに推進したらいいのかというテーマで取り組みまして、栃木県の献血ルームに行くなど、実は今度7月16日に献血が実施されるのですが、それに向けて生徒は、なぜ献血をしないのか、献血をしてどうでした等、1年生から2年生になるところだったのですが、自ら献血を経験して、針が怖いとかいろいろな意見に対して、自分たちで説明ができるようにということで、実施をしているところです。
小学校、中学校にパンフレットを配布していただいて、今後そういう子供たちが高校に進学してきたときに、献血に対して抵抗感がなくなるのではという楽しみもあり、是非、校内で生徒自らが、ほかの生徒に対して、献血を推進できるような体制をお話していただき、総合的な探究の時間というのは授業の一環ですので、その中で取り組むことは可能だと思うので、それを学校側に、このような形で実施していただけないかということで提案をしていただくと、よろしいのではという思いはしています。
また、本校は男子校ですので、前回も献血を希望してできなかったのは私だけというぐらい、100%の採血ができるような状況になっていて、とても献血に対して積極的ですし、健康な体を持っている生徒たちではありますが、実は栃木県もルームが宇都宮にしかなく、本校は県北になるので、ルームに行くまでに電車賃を掛けて行かなければいけない、それから受付時間も短いです。それと近隣の市役所やスーパーなどで献血を実施しているのですが、4時に受付が終了してしまう。ですから献血をしたいと思っても、受付時間に間に合わないということで、せっかく経験をしているところなのですが、学校献血の1年間に2回しか実施できないということで、少し残念だなと思っています。
ですので、献血ルームを増やしていただくとか、献血の受付時間をそういう施設とかで実施のときにも延長して、高校生が下校時に献血をできるような環境を作っていただけると、もう少し生徒の中に献血が浸透していくのではという気持ちがありますので、是非御検討をお願いします。以上になります。
○日本赤十字社血液事業本部中村献血推進課長 ありがとうございます。大田原高校様のほうで、皆様が協力的であるということで、非常にうれしく思う次第です。今御指摘いただいた部分についてですが、献血ルームについてはどうしても、ある程度採血者数が見込めるということを考慮する必要がございまして、県庁所在地に1か所だけ設置してあるという都道府県もございます。そのような状況も含めて、また検討をさせていただきたいと考えています。
また、学校帰りに献血協力いただくような時間ということについても、血液センター単位では、そういった周辺状況を勘案しながら融通を利かせて受付時間を設定するということもありますので、そういう周辺環境も含めて、受付時間を設定するように、今一度血液センターに情報共有を図っていきたいと考えていますので、よろしくお願いします。
○佐々木座長 宮川委員、お願いします。
○宮川委員 日本医師会の宮川です。私も渡部委員と同じような感想を持ちました。ここで10ページのところで、減少していると実数で挙げられたのですが、例えば15歳未満は大体1,500万人ぐらいいて、毎年約33万人の実数の減少があるという形になれば、全人口に占める15歳未満の割合が11.4%ぐらいに減っている。では、それが実数としてどうなのか。人口減の自然減と比べて何%なのかとか、そういう形で表現していただかないと、こういう場合には渡部委員と同じような感想になってしまうというところを、是非、工夫していただきたいと思います。
それから今お話のあったような、移動採血献血者数の減少に対する取組を行うという場合に、時間の延長という方法ではなくて、時間のシフトが必要ですよね。時間延長というと、やはりそれに関わる方々の労働ということに関しても、過剰になってしまいます。大変御面倒でしょうが、先ほど実態に合わせてという話になったので、これは時間をシフトしていただくということを考えていただいて、午前中が本当にいいのかという形になると、そうでもなくて、昼から夕方少し遅くなるまで、先ほど渡部委員がおっしゃったように、学生さんの下校時刻に合わせるような形で、時間のシフトをしていただくというような形で、それは検討というより実行しなければ、これは実施率が上がりませんので、是非、そういう工夫を実行していただきたいと思います。
それからもう1つは、先ほどテレワークの話がありましたが、テレワークを行っている企業と行っていない企業と明確にあろうかと思います。製造業では当たり前ですが、工場勤務者はテレワークはできませんので、第一次・二次産業のそういうような生産の所はほとんど変わっていないわけです。NTTドコモモバイル社会研究所によるデータでは、2023年で大体14.6%のテレワーク実施率と出ており、別の調査を見てみると、業種別で情報通信、金融、不動産、学術研究というような業種でしか、これがなかなかできていないというところなのです。今まで企業献血を行っているというところは、そういうところも行っているので、テレワークで企業の献血の状態として少なくなったというのは、印象でしかないのです。そうではないところに本当は原因があるのではないかと推察もできるので、このような大まかな、20ページのような企業献血の実態についてと言ったところで、「コロナ禍以降、企業におけるテレワーク等の定着により」というのは、本当にテレワークが定着したことが原因なのかということを、このような公表される資料に書いていいのかどうかというのが私は疑問なので、原因がそこにあるのかということも含めて、しっかりと検討していただきたいと思います。以上です。
○日本赤十字社血液事業本部早坂次長 日本赤十字社の早坂です。先生、ありがとうございました。私どももコロナ禍を経まして、先生からおっしゃられた様々なデータというものを、本当に我々身を持って感じているところですので、これから様々な施策を検討する中で、データというものを作成していきたいと思います。
それから、時間のシフトということは、当然、やはり地域によっては必要なこともありますので、社内の会議等で共有しながら、そのような地域においては時間を変更して行うという、効率的なやり方というのも求めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。
○佐々木座長 続いて、石田委員、お願いします。
○石田委員 埼玉医科大学国際医療センターの石田です。ラブラッド会員が増えているということで、これはリピーターがかなり増えていて、恐らく50代だと思いますが、それで献血者数を維持できているという半面、初回献血者がかなり減っている状況から、引き続き、若年者の献血に関する問題が重要課題なのではと感じました。また達成率を見てみると、地域によってかなり差があるのではないかと感じました。データを評価していくときは、資料をどのぐらい配布したとか、都道府県別にどのぐらい達成率であるかといった総論的な数字だけではなくて、各論的に様々なデータを評価していくことが重要ではないかと感じました。
例えば地域により10%ぐらいの差があるので、地域によってなぜこのようにかなりの差が出ているのかを評価することが必要だと思います。これだけの数の「けんけつ HOP STEP JUⅯP」を配布していますが、大学の授業の際に、医療学部や医学部の学生に、高校時代に献血について話を聞いたことがあるかと聞いてみると、ほとんどの学生が聞いたことはない、ポスターは見たことがない、という回答でした。ですから、これらが実際に若い人に影響をもたらしているかということを、きちんと評価することが重要ではないかと感じました。例えばポスターの閲覧率を見てみるということから始めて、献血に来られた方に、高校時代にそういった様々な献血に関する情報をどのくらい得ることができたのかや、更にもう少し詳しいところまで追求した上で、PDCAサイクルを回して検討していくということがないと、資料を配布したというだけでは、その割にはアウトカムが出てこないというような実情があるのではないかと感じました。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。
○金子血液対策課長補佐 ありがとうございます。配布した先の学校の数とか、配布数を見ますと、調べた限りではかなりの割合、8割から9割以上の学校には配布しているような数字にはなっておりますが、実際に学校現場でどのように使われているかというのは、我々もきちんと把握できていないところがあります。学校の件は色々と文部科学省に御協力をいただきながら進めていますので、実際に現場でどのように活用されているのかということも、調べていきたいと考えています。ありがとうございます。
○石田委員 あと地域によってかなり差がありますが、その辺りの実情について、状況を把握しておられるのでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部中村献血推進課長 日本赤十字社の中村です。全ての都道府県において、どういった献血推進をした結果、前年度との比較でどうなっているかといったところをつぶさには確認できていないところではございますが、前々年度がどのような状況だったのか等との兼ね合いも出てくるので、その辺りをもう少し細かく見ていかなければいけないとは感じています。申し訳ありません。お答えになっていますでしょうか。
○佐々木座長 ありがとうございます。続きまして田中委員、お願いします。
○田中委員 御説明、大変ありがとうございました。日本赤十字社さんに1つ質問と、厚生労働省さんにはコメントということで、お話させていただきます。
まず、日本赤十字社の資料の中に、「SPY×FAMILY」という人気アニメを使った企画がありまして、この内容は私もずいぶん見ましたし、献血に行ってみたという若い方のTikTokの動画もいろいろな所で見る機会があって、有効に機能したのではないかと思っています。この人気のアニメのツールについては、先着3万人でと書いてあって、人気ですぐなくなったのではと想像しつつも、ここで新規会員の獲得増加にも貢献したかどうかを、確認させていただければと思います。質問です。
もう1件、厚生労働省の資料で、令和7年度の推進計画の方向性において、20代30代の一度献血してくれた方が、少し忙しくなって、でもまた継続して繰り返し協力いただくための取組を検討するというところは、正に大事なポイントだと思います。ここで1つ、うちの大学院にも、身近な30代で熱心に献血に行っている人たちがいて、聞くと、やはり自分自身の生活のリズムの中に献血を組み込んでいるという事例が伺えます。「マイタイムライン」のようなものが、災害対応のときにも活用されていますが、自分のどの節目で、例えば春の新しい配属が決まった後時等、その人なりのルーティンや参加の意味合いを提案していく等が有効になるのではないかと思います。さまざまな方の経験談をいろいろ共有していくのは効果的だと感じます。
もう1点、ほかの先生が先ほど会場でお話されていましたが、私自身も民間の大学院、私学に所属していますので、多くの企業人と接しますが、テレワークというのが一旦加速しましたが、今また以前に戻りつつあり、会社も一旦オフィスを小さくしたものの、またオフィス環境を改善改革し始めている流れも伺えます。まだもう少し時間をかけて、様子を見る必要はありそうですが、ここで結論を出してテレワーク定着というのではなくて、戻りつつあってコロナ前になるかもしれないし、また別な形になるかもしれません。ここの辺りは少し様子を見ながら向き合っていくということが必要だと思います。
同時に、環境やSDGsへの関心は、多くの企業で、大手企業だけではなくて中堅・中小企業も熱心に取り組み始めているところなので、ここに更にWell Beingという観点がかなり入ってきて、企業価値向上とセットで対策が図られたり、選ばれる会社になるためにアピールが結構あるというところです。会社の意識も社員の意識も変わる中で、このWell Beingと献血という視点で、厚生労働省も方向性を出している最後のパートなどでは、そこが有効に利いてくると思いますので、お考えいただければと思います。以上、よろしくお願いします。
○佐々木座長 では、日本赤十字社さんからお願いします。
○日本赤十字社血液事業本部中村献血推進課長 日本赤十字社の中村です。先生、ありがとうございます。まず、「SPY×FAMILY」のキャンペーンですが、おっしゃるとおり先着3万名ということでしたが、施設によってはすぐになくなったというところで、人気があるということは感じました。その期間の初回献血者の方も、やはり増加していて、10代20代だけではなくて、30代40代の方にも人気であったというのは感じたところです。
一方、ラブラッドの会員については、先ほどお示ししたとおり、延べ献血者の80%ぐらいが会員ということで、実は献血者のほとんどの方に会員になっていただいており、会員は増加傾向ではあることから、このキャンペーン期間中に大きく増えたという傾向は、大きくは見られなかった状況となります。よろしくお願いします。
○田中委員 分かりました、ありがとうございます。後半はコメントでしたので、また御検討いただければと思います。よろしいでしょうか。
○佐々木座長 では、喜多村委員、お願いいたします。
○喜多村委員 大阪市こころの健康センターの喜多村です。私からは、全体的に実績等を見させていただき、広報活動、いろいろな小中学生、高校生、大学生、そして、企業・団体向けとしておられますが、それぞれの中身がどのような中身なのか、どのような目的なのかという、その目的に沿った広報内容になっているのかというところまでは見れていないので何ともいえませんが、先ほど何人かの委員の方からのご意見にありましたように、やはり広報活動の中身それぞれについて評価を詳細に具体的に行っていくことが必要になってきているのではという気がします。
といいますのは、今、人口の大体6、7%の献血実施率で賄えているような事業にはなっていると資料で理解していますが、ただ、今後、人口減少が日本にはやって来ますので、それに対応するためには、需給バランスでいくと、人口が減れば必要量も減ってくるかもしれませんので、その辺りはまたシミュレーションの結果も要るのですが、6、7%を維持し続けるためには、どの年齢層で維持していくかと考えると若年層ではと思いますし、小中学生は実際に献血をするわけではありませんので、その頃から献血に親しんでもらい、実際に献血可能な高校生、大学生以上、そして企業で働きながら献血していただけることを推進していくためには、それぞれの推進活動がどれぐらい効果のあるものかという評価は、絶対必要という気がします。
それで、高校生向けの活動でどのようなことが有効なのかと私もこれまで考えていたのですが、やはり主体的な広報活動をさせることを授業の中で取り組むのが有効ではないかという御意見に非常に私も感銘を受けました。自分たちで考えて本当に必要な献血だという認識を持って主体的に行動を起こす、そのようなことを支援していくような推進活動を、今後、もっと考えていったほうがいいのではと思いました。あと、リモートワークの件も出ていますが、固定施設での献血が依然多い中であれば、そのライフスタイルの多様化を考慮し、献血ルームの設置場所等、そういったことをもっと柔軟に考えていかれるような体制が必要になってきているという気がいたしました。コメントに終始してすみませんが、印象を述べさせていただきました。
○佐々木座長 ありがとうございます。日本赤十字社のほうから何かありますか。よろしいですか。
○宮川委員 日本医師会の宮川です。TikTokのところは、田中先生のほうが御専門だと思いますが、そういう意味では、ひらまつさん、ひまひまさんなどはTikTokで発信されていて、ここに実際に寄せられたコメントが一部抜粋されて出ているのですが、行動変容ということを考えると、「本当に献血に行ったのか」ということが重要ですよね。つまり、怖くない?、私も献血行こうかな!、という行動変容の方向性はできたわけです。しかし、本当に行動変容ができたかということは分かっていないわけです。ですから、日本赤十字社としては行動変容して実行されたということを確かめなければいけないわけで、このときに、ひらまつさん、ひまひまさんたちがこうやって「行ってみた」と言ったところで、その最後の言葉で「行ってどうだった?」というような、TikTokの中で問い掛けがあったら、その中でアンサー、コメントとして、いろいろな書き込みがあり、「私も行った」、「私も行って、痛くなかった」という結論が出るのです。このTikTokを見ると、結局、「私は行った」、「怖くなかった」、「大切なんだよ」、「みんながやるといいね」というコメントがコメントとして発せられるのですが、「行ってどうだった?」という最後の問い掛けがこの方々からあれば、行ったことに対してのコメントが入って来るわけです。「私も行った」、「同じように痛くなかった」、「ちょっと痛かったけど我慢できた」、「こんなツールも教えてもらった」、「献血ルームに行ったらこのようなことも教えてくれた」、「ここの人たちみんな優しかった」、というようないろいろなことがここで反響として返ってくるのです。
その反響がここに出て来ないということは、そこにまだ迫りきっていないということなので、やはり、このTikTok等でいろいろなインフルエンサーの方々にこれからお願いするのであれば、特に、高校生、大学生の方々、いろいろな発信源のある方に、是非、お願いしていって、最後に「行ったらどうだった?」という言葉を必ず投げ掛けていただき、それを日本赤十字社がきちんと拾って、それで、それがどのように行動に結び付いたのかということをきちんと解析していただきたいと思います。以上です。
○日本赤十字社血液事業本部中村血液推進課長 ありがとうございます。参考にさせていただければと思います。
○松本委員 松本です。先ほどから議論に出ていると思うのですが、企業・団体に向けた取組のところで、この日本赤十字社の提出資料の20、21ページにあるのですが、やはり、これを見ると、従業員の方、会社関係の方というのが、先ほどお話も出ていましたが、移動採血から固定施設へのシフトが起こっているように見えますし、それも減った分より増えた部分のほうがかなり実数も多くなっていることがありますので、やはり、テレワークの定着というのは、それだけではないとは思います。恐らく、ラブラッド等で予約をしやすくなり、これまでは予約も気軽にはできなかったところもあったと思いますが、今はこのようなラブラッドで予約を取って行けば、確実にそこでその時間に採血していただけるということなので、やはり、固定施設へのアクセスがしやすくなったというのは大きい要因ではないかと思います。そこで、お尋ねしたいのが、企業向けのバスの派遣です。バスを出している数が減っているのか、それとも、企業の派遣1回当たりの採血が減っているのか。これはどちらなのでしょうか。その辺が読み取れなかったので、お尋ねしたいと思います。
○日本赤十字社血液事業本部中村血液推進課長 ありがとうございます。日本赤十字社の中村です。おっしゃるとおり、そのバスの部分というのは資料としてはお出ししていなかったので、内部資料にはなるのですが、実態としては、献血のバスの配車台数というのは、コロナ禍になって大きく減りました。
例えば、これは内部の数字で、定義が不確実な部分もあるので、この場に資料としてはお出ししていないのですが、企業、官公庁における献血バスの稼働数は、令和元年度が全国で2万1,809台に対して、令和2年度は1万9,404台となりました。その後、令和5年度においても1万9,971台というところで、令和元年度に比べて2,000台ほど減っているというところです。特に、都心部では傾向が如実で、やはり、東京等ですと本社機能が非常に多いところで、会議室などにベッドを持ち込んで献血を実施するような会場もあるのですが、そのような会場は、テレワークの定着によりオフィスが縮小されるなどの影響で実施できなくなるということも実際に発生しております。
○大久保委員 ライオンズクラブの大久保です。今、大学で献血を実施しておりますので、その辺りの状況を御説明いたします。学校で実施しますと、特に、毎年新入生が入りますので、新しい方が協力してくださるということで非常にいいのではないかと思います。また、学生はボランティア意識が非常に高いのです。それは献血にしても、ほかのボランティアにしてもそうですが、我々と一緒に活動している学生奉仕団も、一緒にリクルートして、昨年までは3名ぐらいしかいなかったのですが、今、70名に膨れ上がったと、近隣の大学にもそういった活動を広げているということで、特に今は若い方のボランティア意識が非常に高くなっていますので、そこに訴えるような資材であるとか。あとは印象ですが、私が活動している中央大学は、男性はやはり痛いとか怖いという意識が非常に高く、女性のほうが協力してくださる方が非常に多いような気がします。ですから、そういった男性の協力を頂けるような資材等も考えていただければいいのではないかと思います。また、本日は全国学生献血推進実行委員長の近藤委員も来られていますので、何かその辺りの学生さんの取組とかを御紹介いただけると有り難いです。よろしくお願いします。
○近藤委員 ありがとうございます。全国学生献血推進実行委員会の近藤と申します。はい、学生のボランティア意識の高まりというところは私も非常に感じております。私たちの活動としては、例年、行っておりますクリスマスキャンペーンです。献血バスで学生が活動し、若年層に向けての献血推進活動も行っております。また、昨年度から全国的にInstagramのアカウントを各学生で開設し、SNSでの広報にも注力をしているところです。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。何か御意見、コメントはございますか。
○柑本委員 東海大学の柑本です。私も、先生方が今まで御質問されたことにも、もちろん関心はあります。ただ、それ以外のところで日本赤十字社さんにお尋ねしたいことがございます。年代別の献血の計画数とその達成率の表を10代、20代、30代とお示しいただいたのですが、10ページにあります10代の献血者について、達成率が著しく低い所、例えば、佐賀の55.8%、大分の46.2%というように、この数値になってしまったのは、どのような理由なのかということを説明いただけるようでしたら教えていただきたいというのが1点目です。
それから、これも日本赤十字社さんに対してですが、日本赤十字社全体として、いろいろ広報活動をされているという説明がありました。例えば、東海大学は神奈川がメインキャンパスなので、神奈川県の赤十字血液センターの宣伝ポスターがうちの大学にも貼られていたりします。そこで、事前予約特典として、事前予約するとマルタイの棒ラーメンをくださるとか、あと、神奈川県では、現在、献血初めての方キャンペーンということで、モバイルバッテリーのプレゼントをなさっているようなのですが、日本赤十字社さん全体と、それから個別の各赤十字血液センターの広報活動の割り振りを、もし、その辺りを説明いただけるようなことがあれば教えていただきたいです。
あともう1点、献血の初回者専用ダイヤルというのもラブラッド会員の登録以外にもなさっていると思いますが、その専用ダイヤルで献血に来た人の人数等が、お分かりになるようでしたら教えていただきたいと思っています。以上3点、よろしくお願いいたします。
○佐々木座長 日本赤十字社のほうから、よろしいですか。
○日本赤十字社血液事業本部中村血液推進課長 日本赤十字社の中村です。まず、計画ですが、実は、もともとこの計画を立てるに当たり、かなり過去に遡るのですが、中期計画「献血推進2025」の献血率等々があるのですが、そこをまず達成するという前提で、そのパーセンテージに応じたような目標をまず立てました。実は、その献血率から解離しているブロックやセンターについては、かなり引き上げるような目標を立てております。その後、毎年、毎年、その目標を下回らないような形で次年度の目標を作っているという経緯があり、年々、献血者は減っているのですが、目標は据置き、ないし増加というような傾向が続いていることから、計画と達成率の乖離にはこのようなことが要因となります。一方で、献血推進2025における献血率という目標がある中で、目標値を下げるわけにもいかないところもあり、このような計画になっております。
次に、記念品についてですが、日本赤十字社の中でも基本的に献血の確保という部分においての予算は、各血液センターに割り振りをさせていただいております。日本赤十字社本社としては、基本的にはCMなどの全体的な献血への理解といった空気感を醸成する広報展開を行っております。。
そのため、先ほどあったような記念品の配布というのは、各センターが行っている部分と少し重複してくる部分もあるので、その辺りは内部のほうでも見直しを図っているような状況です。3つ目の質問については、大変恐縮ですが、もう一度お願いいたします。
○柑本委員 ありがとうございます。献血初回者専用ダイヤルでの予約というのも、ラブラッドの予約以外にもあり、実際、ポスター等にもそのことが明記されていると思うのですが、そのダイヤルから初回献血の予約をされる方がどれぐらいいらっしゃるのか、もし、分かれば教えていただきたいと思います。
○日本赤十字社血液事業本部中村血液推進課長 申し訳ございません。そちらは神奈川の血液センターでよろしいでしょうか。
○柑本委員 そうです。うちの大学に貼られていた神奈川県の赤十字血液センターのポスターに書かれていました。ほかの所にはないのですか。ホームページ等々を見ると、その番号が出て来たりもするのですが、どうでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部中村血液推進課長 非会員に向けたような予約ダイヤルということなのでしょうか。ラブラッドに入っている方はWebを通して予約ができますが、ラブラッドに入っていない方はラブラッドでの予約ができないので、そちらで予約をしていただくというような、そうした電話番号ということなのでしょうか。詳細を把握しておらず申し訳ございません。
○柑本委員 私もよく分からないです。会員と会員以外の人と、会員以外の人にはQRコードが出ているので、それをかざしていただくと事前予約ができますといったことが書いてあって、それ以外の方法として、その専用ダイヤルも設けているということで、時間と番号が書いてあるのですが、そういった形は神奈川特有なのですか。それとも、ほかの地域でも同じようにこういった形でダイヤルも設けていてということなのでしょうか。まず、そこをお尋ねしたいのと、それによって、どのぐらいの人たちが献血を申し込んでいるのかということが分かれば教えていただきたいというのが次の質問です。
○日本赤十字社血液事業本部中村血液推進課長 ありがとうございます。まず、初回者専用予約ダイヤルというものを設けて、それを周知しているセンターがあるかということについては、我々としてはあまり認識しておりません。
ただ、おっしゃるとおり、ラブラッドに入っていなくても、実際には予約できるルートはありますので、企業献血等でその方法を周知するということは実施しているところです。
○佐々木座長 よろしいでしょうか。
○柑本委員 分かりました。どうもありがとうございます。
○佐々木座長 では、他に特にございませんか。よろしければ次の議題に進みたいと思います。人見先生、どうぞお願いします。
○人見委員 地方自治体の立場から。まずは、この血液の確保目標がしっかり達成され、供給されていることにお礼を申し上げたいと思います。それで1点、今、北海道の10代は106%と誇らしい数字ではありますが、ただ、これから高齢化の中でどうやって確保するかは、やはり大きな問題だと思います。そのときに、人口の減っていく10代も大事ですが、今いらっしゃる40代、30代の方たち、こういった方たちをどうやって初回献血に結び付けるかを考えなければならないと思っています。それで、9ページを拝見すると、そこには初回献血者の方が結構いらっしゃいます。そのような方たちがどういった契機で献血をされているか、それをどのように広報していったらいいかということを考えなければいけないかなと北海道は思いますので、そういった情報がありましたら将来的に御提供いただければ有り難いと思います。よろしくお願いいたします。
○日本赤十字社血液事業本部早坂次長 ありがとうございます。日本赤十字社の早坂です。今、お話いただいたとおり、確かに、ある程度の年齢の高い初回献血者もいらっしゃいます。これは、実は昨年度から明治安田生命とJリーグと我々日本赤十字社とが連携し、「シャレン!で献血」というのを行っております。今年度も実施しておりますが、これは各都道府県のサッカーチームの試合の際に献血バスを配車して献血協力いただく、あるいは、献血ルームで「シャレン」としての献血協力をいただくスタイルです。私どもも驚いたことといたしましては、昨年度の実績の中で、30代、40代、50代の初回献血者がスタジアムで献血した際に御協力いただいた数が非常に多かったということがあります。やはり、仲間何人かでスタジアムにお越しいただいて、そこで「じゃ、私も協力してみようか」という声が非常に多かったと聞いておりますので、このような内容を共有し、サッカー以外でもいろいろなイベント等で献血に御協力を頂く機会は多々ありますので、そのような場でも若年層以外の初回献血者の確保を、今後、高めてまいりたいと思います。以上です。
○人見委員 ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
○佐々木座長 ほかはよろしいでしょうか。ありがとうございます。では、次に議題2「中期目標『献血推進2025』の延長について」です。昨年度の第2回献血推進調査会において、血液法の基本方針「血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針」と期間を合わせて、「献血推進2025」の目標年度を令和10年度、2028年度まで延長し、法律、基本方針、目標や計画が一連のものとなるよう整理したいと事務局から提案がございました。
併せて、当初の目標値の妥当性や2028年度まで延長した場合の目標値については、厚生労働科学研究で検証に当たっていただき、今回の調査会において御審議いただくことを御案内しておりましたので、検証の報告と事務局からの説明をお願いします。まず、資料2-1については参考人の田中先生から、資料2-2については事務局から、続けて説明をお願いいたします。では、田中先生、お願いします。
○田中参考人 ありがとうございます。広島大学の田中純子です。医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業の研究代表を務めておりまして、需要予測等に関する研究を行っております。今、座長から説明がありましたように、「献血推進2025」の設定と、それから2028の目標値案を今回、御提案したいと思いますので、御説明させていただきます。
では、スライドの1ページ目、それから2ページ目が、今、座長と私が簡単にお示しした内容です。3ページ目も飛ばして、4ページ目の参考資料を御覧ください。これまでの需要推計について簡単にお話します。「献血推進2025」に提出しました血液製剤の需要に必要な献血者数を、私どもの研究班の推計で477~505万人、日本赤十字社からの報告で、485~509万人と献血者数を算出しております。次ページで、それに基づきまして、田中班では、年代別、不足する献血者数を若年層で補った場合の献血率、日本赤十字社についても同様に献血率を算出しまして、2025の献血推進の目標値は日本赤十字社のポジティブ予測の値が採用され、計画等が立てられているところです。
6ページ、解析方法の概要です。今回お示しする「献血推進2025」の数値の妥当性の検証と、2028の目標値案の算出方法を大まかに御説明します。需要ですが、1)、2)、3)とあります。輸血用血液製剤の需要予測については、これまで日本赤十字社で推計された同様の方法、すなわち、東京都の輸血状況調査の調査結果のデータを用いてシミュレーションを行うものです。原料血漿については、国内製の免疫グロブリン製剤を作っていただくために、日本赤十字社から原料血漿をお渡ししないといけないということです。国内製の免疫グロブリン製剤の需要については、NDB、匿名化情報、つまりレセプト情報について国に利用申請し解析を行い、それを基に、必要な原料血漿量を算出します。1)と2)で求めた需要予測量を献血者数に換算しまして、全体でどれぐらい献血者が必要かという献血者需要を出すのが大きい1つ目の項目です。
6ページ、2つ目、供給です。こちらでは、献血者数の予測を、コロナ禍を含む2020年までのデータを基に行います。年齢・時代・コホート(APC)モデルが、献血者数の予測に当てはまりがいいということがこれまでの研究で分かっておりますので、それを基に予測します。項目1で出しました需要と、献血者がどれぐらい来るかという供給の差を献血者数に換算しまして、その不足献血者数分を補うための献血率の目標値を提示するものです。
7ページ、では、具体的に、まず輸血用血液製剤の需要予測です。こちらが東京都の輸血状況調査を基にこのように単位分けをしまして、最終的には右の下のマル3推定血液製剤需要単位数ということで、2012年~2020年までの実測値に基づいて予測したものが、点線から右側のグラフです。2025年度に血漿製剤としては205万単位、血小板製剤は870万単位、赤血球製剤と全血製剤を合わせて620万単位ぐらいが必要になるのではないかということです。今回計算したものはこれですが、前回、令和2年度に推定したものと比べてやや需要推計値が低くなりましたが、これはやはりコロナの影響がありまして、2020年のデータを含めて算出してありますので、2019年と2020年で、患者数及び使用延べ数が減ったことが反映されておりますが、大きな減少は見られてはおりません。
8ページ、原料血漿量の需要予測についてです。こちらは、NDB(National Database)の利用申請を国に行い、血液製剤に関する医薬品コード(457件)を一度でも有したことがあるレセプトを全部抽出して提供頂き、解析を行うものです。総データ件数としては534.6億レセプト、121万人の免疫グロブリン製剤の処方がある人のデータを使ったものです。
9ページ、このデータを基に、(グリーン色の)実測値、NDBから集計、算出するのを、国勢調査人口・推計人口を基に使いますが、免疫グロブリン製剤の製剤別の延べ処方本数、あるいは処方患者数、あるいは製剤全体の処方患者数等を算出して、それを線形回帰に当てはめまして、予測(オレンジ色の所)を行うものです。今回は原料血漿分で、国内の免疫グロブリン製剤の原料血漿がどれぐらい必要かについて、国内の製剤が実際にどれぐらい使用されたかを算出しております。
10ページ、こちらが、統計解析を行い算出したものの結果です。国内製の免疫グロブリン製剤の、上の段が処方患者数、下が延べ処方本数です。患者数実測値を見ていただきましても、2012年度から処方患者数はちょっと減っておりますが、延べ処方本数は上がっております。つまり、一人当たりの患者に使われる本数は上昇傾向にあることが分かっております。それを基に予測したものが点線より右側にあります。こちらも、2019年度、2020年度、2021年度のデータを基に予測しており、御存知のように、コロナ禍でやや患者数が減り、使用本数が減っておりますので、これらを反映して、予測値も患者数が減っている、延べ処方本数はほぼ維持しているという状況です。
11ページです。こうしてNDBで算出した使用本数が、実際、日本赤十字社が供給している免疫グロブリンの分量とどれぐらい齟齬があるかを検証したものです。上のグラフが、血液事業報告に記載のあるグロブリン製剤を製薬会社に供給した量と国内自給率の折れ線グラフです。ここのブルーの所のR3年度の免疫グロブリンの供給量kgを本数に換算しますと、下の表の一番右の2021年度は2,246,000本となります。NDBで算出しますと1,926,366本になりますので、大体、NDBで換算したものの1.1倍~1.2倍ぐらいが、実際、血液事業報告、あるいは企業から報告された量になります。NDBもやはり請求レセプトに基づく値ですので、病院でのストック分とかは多少換算することとすれば、1.1~1.2倍ぐらいを最低ラインと考えたものです。
12ページです。それを基にして算出したものですが、上のグラフの小さいグリーンの点の所が、NDBで試算したものを基に予測した2022年度からの点数です。実際は、これの1.1~1.2倍(1.17倍)を掛けたほうが実態に即しているので、四角のグリーンのラインがlow予測、それから三角の所がhigh予測と考えています。これは何かと言いますと、実は、人免疫グロブリン製剤は国内自給率が近年減ってきております。海外製品では、静注ではなくて皮下注という、非常に使いやすくかつ濃度が高いものが市場に出されたことで、海外製品を使われる割合が急速に高くなってきました。そういうことで、国内の免疫グロブリン製剤の供給率が減っているデータで推計したものです。しかしながら、国内の自給率が低くなってそれでいいのかというと、有事に国内で賄わなければならない事態になったときには、それは準備しておく必要があるという考えがあります。国内自給率の平均値95%ぐらいを確保するためには、国内でのグロブリン製剤用の原料血漿をどれぐらい用意すべきかということを算出したのが、三角のグリーンのラインです。そうしますと、2025年度・2028年度の予測値は、下の表にありますように、自給率補正予測の所を見ていただきますと、123.9L、あるいは2028年度はMAXで115.1Lぐらいになるのではないかと考えております。
13ページです。そちらを献血者数に換算した表がこちらです。全血献血者、それから真ん中の成分献血のうちの血小板献血、血漿製剤製品用というのは、当初、東京都のデータを基に推計した値、それから原料血漿用としては、先ほどNDBから推計したリットルを献血者数に換算して、合わせて、2025年で5,017,098~5,137,514人ぐらいが必要になるのではないか、2028年度については、4,730,000~4,840,000人の献血者が必要になるのではないかというのが必要献血者数です。
14ページを御覧ください。では、献血者数の動向はどのような推移になるかです。左側にありますように、APCモデル、すなわち、年齢とその人が生まれたコホート、人によって、生まれた年代によって小学校とか高校での教育内容が異なりますので、やはりその時代の献血行動も異なるということがあります。時代と年齢と出生年というモデルを立てたものが、当てはめが99%と非常にいいということが分かっておりまして、こちらで予測したものが右の図です。
15ページ、それらをサマリーしたものです。上の表のオレンジより左側のブルーの表までが先ほどお見せした表です。APCモデルによる供給数、こちらが献血者がどれぐらい来るか、左側の合計の(人)と書いてあるのが、どれぐらい必要かというものですので、必要な人数の合計数から、APCモデルによる献血者数予測値を引きますと、献血者の不足分は、2025年で52万人~64万人、2028年で59万人~70万人ぐらい不足するのではないかということです。それを、例えば、10代、20代、30代だけで賄うとしたところ、献血率はどれぐらいになるかということを示したのが下の表です。不足分を若年層に案分した場合には、献血率が、2025年のグリーンの所の10代で6.7%、20代で7.3%、30代で7.0%ぐらいになるのではないかとしたものです。
16ページを御覧ください。こちらを全部まとめたものです。前回、令和2年度の2025の予測値が真ん中の縦にあるもので、今回、改めてコロナ禍のデータを基に推計をもう一度行ったものが、一番右側の数字群です。必要となる予測としては、2025年で502~514万人、2028年で474~484万人。献血者がどれぐらい来るかということを考えますと、下から2番目の段の449万人と414万人、献血者不足がこちらに書いてある数字になります。
17ページ、これらを基に、2025の目標値を見直し、2028年の目標値を立てたものです。
18ページです。まとめますと、最後のスライドです。今の17ページのスライドを基に考えますと、2025で出した目標値6.7%と、今回再計算しました数字はほぼ同じですので、2025の目標値の変更はなしでいいのではないか。それから、2028年の献血率の目標値については、6.5~6.9%となりましたので、2025のときに目標値として出した6.7%ぐらいを目標にすればいいのではないかと考えております。
しかしながら、今回の解析を通じて、国内自給率が落ちている点と、それからコロナ禍の影響、それからコロナの中で、日本赤十字社さんがやはり50代以上の献血者のリクルートを非常に頑張られてそのノウハウを習得されたことと、それから、コロナ禍で、やはり適正使用もいろいろ進んだということと、あと、免疫グロブリン製剤の新たな適用、あるいは国内の需給、国内の製造能力が上がった場合などいろいろな影響がありますので、ポストコロナの年代を入れた再解析を行って、もう一度、2028の検証をしていきたいと思っておりますが、現時点、得られるデータでは、このような結果になったということで、今日は御報告させていただきたいと思います。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。
○金子血液対策課長補佐 続いて、資料2-2について御説明します。1.概要です。令和3年度(2021年度)から令和7年度(2025年度)までの5年間の中期目標「献血推進2025」を設定しまして、献血の推進を図ってきました。中期目標を策定した2020年当時は、新型コロナのちょうど感染拡大期でしたので、その影響を見通せなかったことがありまして、そのときに、「中間年である令和5年度を目途に実績値を確認し、必要に応じ見直す」こととしておりました。以上より、今般、これまでの実績を確認しまして、中期目標の中間評価を行うものです。
2.令和5年度までの実績になります。まず一番上の、若年層の人口に対する献血者数の割合ですが、令和4年度、令和5年度ともに、対前年度比で0.1%低下しております。その下の参考値の10代~30代の割合も少し低下した状況となっております。将来に渡り、安定的に血液を確保するためには、引き続き、若年層への働きかけを行っていく必要があると考えております。その下の、献血推進活動に協力いただける企業・団体の数、複数回献血者数、「ラブラッド」の登録者数については、それぞれ数字は伸びておりますが、目標値には到達していない状況となっております。次のページ、(1)~(4)が今説明した内容になっております。
3.現状の把握と今後の方向性です。(1)現状ですが、御説明しましたように、各目標値については、横ばい又は少し低下傾向にある項目や順調に数字を伸ばしている項目はありますが、いずれも目標値には達しておりません。一方で、新型コロナの感染拡大の状況下においても、感染防止対策を講じながら献血啓発活動を強化することにより、全体としては必要な献血者数を確保して、輸血用血液製剤や原料血漿を滞りなく供給することができております。
(2)今後の方向性です。マル1中期目標の期間延長についてです。昨年も御提案しました通り、血液法の基本方針の対象期間が2024年度から2028年度の5年間になっておりますので、そちらと献血の中期目標期間を合わせることによりまして、基本方針に基づき、国、採血事業者、都道府県、市町村等が一体となって献血推進ができるように、「献血推進2025」の目標期間を2028年度まで延長したいと考えております。
次ページの<参考>の所に、これまでの基本方針と献血の中期目標期間を比較したものを記載しております。
次に、マル2達成目標についてです。2028年度まで延長した場合には、達成目標をどうするかについてということになります。まず、先ほどの田中先生の研究結果では、「献血推進2025」の目標値の修正は不要と考えられました。また、2021年度から2023年度にかけては、新型コロナの感染拡大という通常とは異なる状況がありましたので、今の時点では、過去3年間の実績を踏まえて達成目標を見直すことは難しいのではないかと考えております。
以上より、当面は、各目標について、ポストコロナの経過を見ながら、引き続き、それぞれの達成状況を確認して、献血推進の取組を行っていくこととしたいと考えております。また、田中先生の研究では、2028年度の献血率の目標値については、今回の研究が2021年度までのデータを使っておりまして、コロナ禍の影響が示唆されますので、2022年度以降のデータを基に、再度、目標値を算出することが必要と考えられています。今後、免疫グロブリン製剤の需要動向の変化など、目標献血率に大きな影響を及ぼすような変化が起こり得る可能性もあります。そのため、引き続き、田中先生や日本赤十字社とも御相談をしながら、血液製剤の需要予測を継続して行いまして、必要に応じて中期目標を見直していくことについても併せて考えていきたいと思います。御説明は以上になります。
○佐々木座長 ただいまの説明について、御意見、御質問があれば、お願いいたします。この2028年度まで目標期間を延長することが良いかというところの観点も含めまして、御議論いただければと思います。
○松本委員 田中先生、非常に詳細なデータでの分析、ありがとうございます。将来的には人口減少というのもあって、グロブリンの需要予測は、やはり減ってくるということで、計算して製造能力はどうなるのかというところも思ったのですが、やはり今頃がピークで、そこからは需要自体は減ってくる、ただ献血者も減ってくるので、原料が不足してくるのではないかということで理解させていただきました。
ただ、日本赤十字社のほうでは、今後、血小板製剤を置換血小板に変更するというようなことも耳にしておりますが、これに代わると、かなり原料血漿の供給というものが変わってくるのではないかと考えるのですが、この辺りはどのように将来なっていくのかというのを、先生のほうか、日本赤十字社のほうから御説明いただければと思います。
○田中参考人 ありがとうございます。私どものほうは、現状を基に出していますので、今後の製剤の動向や代替品の動向等、またガイドラインの変更等を含めますと、やはり日本赤十字社あるいは厚生労働省のほうと相談をしながら進めていくしかないのではと、私のほうでは思っています。日本赤十字社さんは、どうですか。
○日本赤十字社血液事業本部早坂次長 ありがとうございます。置換血小板の実現はまだ先であり、当面は細菌スクリーニングの導入を優先して動いております。ただ、細菌スクリーニングの導入におきましても、若干、今の血漿の採取量が異なってまいりますので、そこは献血人数や必要数を策定して、需要に応じられるような採血をしてまいります。
○佐々木座長 喜多村委員、お願いいたします。
○喜多村委員 ありがとうございます。田中先生に質問させていただきたいのですが、スライドの11ページにあります2021年度のNDB算出値、これは捕捉率が括弧書きで85.8%、これで1.17倍という数字を出されているかと思うのですが、ずっと推移を見てますと、2019年が92.4、その後、91.2、85.8と下がってきていますが、今後はこれが維持されるのか、下がるのか、どういう傾向にあるのかということを補足的な情報として頂きたいと思います。
それから、推進計画を2028年までに延長することについては、私は特に異論はありません。以上です。
○田中参考人 ありがとうございます。田中です。御指摘のように、1.17は2021年の値を使いました。2012年から平均しますと、増加の傾向あるいは減少の傾向といった一定の傾向はなくて、平均しますと1.14ぐらいの値ですので、直近の値を使ったというのが本当のところです。
こちらはNDBで算出した、保険診料あるいは公費全額も含めたレセプトからどれくらい使われたかという日本国民の医療の現状なわけですが、それと血液事業報告で、企業のほうからどれくらい供給したかという数字の齟齬部分で、その部分はストックであったり廃棄であったり、次の年度に使ったというような、様々なこともありますので、大体の目安として、1.1~1.2ぐらいを掛けるという考えでおります。答えになっていますでしょうか。
○喜多村委員 明確にお答えいただいて、分かりやすかったです。ありがとうございます。
○佐々木座長 ほか、いかがでしょうか。人見委員、お願いいたします。
○人見委員 田中先生、詳細な情報をありがとうございました。非常に緻密にされていることがよく分かりました。2028年までの延長ということに関しては、恐らく問題ないのだろうと思いますので、私も賛成いたします。
その上で、これを見ていると、%で若い人を増やさなければいけないというように読めますので、そうすると100人に1人ということになります。かなりこれは何か力を入れなければいけないなと思っておりますし、30代までと言わずに40代やその上も含めて、やはり広く呼び掛けていかないと、高齢化の進んだ北海道では、少しきついかなと思って聞いておりました。感想も含めてですが以上となります。
○田中参考人 ありがとうございます。私個人の意見を述べさせていただきますと、この不足分を、先生がおっしゃるように30代以下だけで献血率を上げるというのは、なかなか難しいのではとも思っております。ただ、若いところで補う献血率目標を掲げるということは、やはりそれを契機に、その後の献血をしてもらうということも含めて、若いところで献血率を上げようという前向きな強い姿勢があると思います。ただ、現実的には、今回、コロナ禍でも50代や40代の方がすごく頑張られたように、日本赤十字社さんも、そこのリクルートは、とてもすばらしかったと思いますが、献血者を集めるノウハウを確立されたので、そちらも含めた全体での献血者の確保というのも考えていかなければならないのではないかと私個人としては思っております。ありがとうございます。
○人見委員 ありがとうございます。
○佐々木座長 ほか、よろしいでしょうか。そうしますと、献血推進に係る、中期目標「献血推進2025」の延長について議論していただきましたが、これは事務局の提案どおりでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
特に御異論はないようですので、それでは、事務局から提案された、献血推進に係る中期目標「献血推進2025」の目標期間を2028年度(令和10年度)まで延長することに決定させていただきます。事務局におかれましては、引き続き、血液製剤の需要予測を踏まえながら、必要に応じて中期目標を見直すことについても検討をお願いします。
続きまして、次の議題に移りたいと思います。議題3「47都道府県協議会調査報告」です。資料3について、事務局から説明をお願いします。
○源血液対策課長補佐 よろしくお願いいたします。こちらのほうでは、47都道府県の献血推進調査会の皆様から御協力いただきました調査報告の内容を示させていただきます。
今般、若年層の献血者数の減少、40代、50代の献血ピーク世代の減少を踏まえ、若年層の献血者数の増加に向けて、教育主幹部局、ボランティア団体、企業等との連携がますます重要となります。そのため、各都道府県の血液事業の中での好事例を把握し、それを関係各所と共有することを目的に調査を実施いたしました。たくさんのアンケートに御協力を頂いており、それを一つ一つ報告申し上げるのが難しいので、詳細については参考資料7のほうにまとめて調査結果を記載させていただいております。
それでは、今回のアンケートの問いと回答、好事例を述べさせていただきます。資料3の2枚目のスライドです。問いは8個設けています。
問1:献血推進協議会を設置していますか。設置あり:46都道府県、設置なし:鳥取県でした。ただし、鳥取県は各保健所圏域で連携会議を実施されております。
問2:献血推進協議会の直近の開催時期、協議会の年間の開催頻度、協議内容についてです。開催時期は1月、2月、3月、5月、7月でした。傾向としては、年度末に開催されているようです。開催頻度は新潟県、山梨県、京都府が年2回、京都府は2回のうち1回を書面で開催されています。それ以外の都道府県は年1回の開催でした。協議内容はおおむね「献血推進計画書(案)の作成、その他には地域内の献血状況の確認」でした。
問3:貴都道府県では、学生ボランティアや献血サポーターと連携していますか。連携している:36道府県、連携していない:11都県でした。
次のスライドです。問4:貴都道府県では、学校や企業における献血やセミナーの推進に向けた工夫を実施していますか。実施している:36都道府県、実施していない:11府県でした。実施しているものの中には、薬物乱用防止に併せて、ポスターの募集、献血をテーマにしたコンテスト等の計画がありました。
1つ補足なのですが、たくさんのアンケートにご協力いただき、それを1つ1つ申し上げるのが難しく参考資料7に47都道府県分のアンケート調査をまとめて記載させていただいています。
問5:貴都道府県では企業の従業員向けの献血推進の取組を実施していますか。実施している:27都道府県、実施していない:20府県でした。
問6:若年層への献血推進に関して、都道府県独自に情報提供や普及啓発を行っていますか。行っている:44都道府県、行っていない:3県でした。どの都道府県も意識的に取り組んでいただいておりました。また、都市部では、その他の地域に比べてメディアを利用している傾向がありました。
次のスライドです。問7:貴都道府県の献血に関する表彰において、企業や学校における献血推進を対象としていますか。対象としている:44都道府県、対象としていない:3県でした。個人・団体・企業の表彰の対象の基準は都道府県によって様々で、その1つとして知事感謝状贈呈基準要領がありました。
問8:若年層や企業への啓発に関して、課題になっていることや、国に求めることがあれば御回答ください。『課題となっていること』として、(1)学校側からですが、高校側の献血への抵抗感がある、その理由として、(ⅰ)コロナ禍で学校内の担当者が変更になって、引継ぎができなかった様子、(ⅱ)教育指導者側で献血経験がない方が多く、若年層への啓発が難しい、(ⅲ)学校のカリキュラムの関係で受入れに難色を示される。(2)企業については、先ほどもありましたが、働き方の見直しによる影響(リモートワーク推進による出勤回数の減少)でした。
次のスライドです。「国に求めること」です。(1)学校側に対しては、採血事業者と学校が円滑に献血を実施できるような体制を整備してほしい、教育現場でもICTが普及しているため動画資材を作成してほしい、啓発資材作成に係る予算措置、小中高での学校保健計画等へ位置付けてほしい、生徒だけでなく、教師への啓発が重要、文部科学省との連携。(2)企業に対しては、企業向けに特化したパンフレットの作成(企業向け広報の強化)でした。(3)その他です。国・日本赤十字社がバラバラに啓発するのではなく、統一感を持って実行してほしい。全国規模での大々的なテレビ・SNS・アニメ・著名人・キャンペーンの広報展開を望む。献血取組事例を自治体担当者間で共有したい。合同輸血療法委員会の担当者間で会議を希望する。そのほかにも、先ほども話が挙がりましたが、学生に「自ら考える」をテーマとしたセミナーを文部科学省と連携してほしいといったアプローチ手法の提案を頂きました。
次のスライドです。「まとめ」です。ほぼ全ての都道府県で献血推進協議会を組織し、年1回程度の頻度で、血液センター、都道府県の自治体担当、日本赤十字社担当を中心として開催いただいております。その中で献血状況を共有していただき、献血推進計画書案の作成、学校・企業にも献血推進の働きかけをいただいております。今回の調査の目的であった、これからの献血者数減少への問題意識を共有し、各々の意見を出していただくことができました。
「今後」です。日本の血液事業の理念である「血液製剤の安全性の向上や安定供給の確保及び適正な措置を講ずるとともに、人の血液の利用の適正及び献血者等の保護を図るために必要な規制を行うことにより国民の保健衛生の向上に資することを目的とする」を目標とし、今回の調査内容を活用させていただきます。
厚生労働省としても、経済財政運営と改革の基本方針2024(骨太)の中で「小中学校段階での献血推進活動など献血への理解を深めるとともに、輸血用血液製剤及びグロブリン製剤、フィブリノゲン製剤等血しょう分画製剤の国内自給、安定的な確保及び適正な使用の推進を図る」と記載されたことからその重要性を認識しており、若年層に対する献血推進活動の取組に対して注力する所存です。以上です。
○佐々木座長 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問があればお願いいたします。
○渡部委員 大田原高校の渡部です。先ほど私がお願いしたようなことがこの調査報告の中にあるということで、すみません、資料を先に見ておけばよかったのですが、ありがとうございます。ただ、やはり、この内容がすごく良く分かりまして、高校のほうも授業等がいろいろ大学入試に向けての授業やテストの内容などがとても増えておりまして、一度献血をしないということになってしまうと、その後、また校内での献血を導入するというのが難しいというのは重々承知しております。
私の学校も進学校ではありますが、なるべく授業に影響しない夏休みの直前、今年は7月16日に実施予定なのですが、それと、3年生が卒業した後の3月に実施したり、なるべく授業に影響がないように考えております。生徒たちは授業をさぼりたいという気持ちもありますし、先生方は授業を進めたいという気持ちもあって、そこは教員同士で情報交換をしながら実施しているところです。時々、献血が終わった後に待機をしている所にテスト問題を持ってこられて、休憩しながらテスト問題を問いているなどということもありまして、笑い話になっているところではあります。
ただ、栃木県内でも一生懸命献血に向けて推進している養護教諭や学校もありますので、是非、このような内容を学校のほうに情報として頂きまして、各々の教員がまた協力しながら献血について推進していければと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
○源血液対策課長補佐 ありがとうございます。今回の資料に関しまして、ホームページでも参照いただけますし、今回のアンケート調査に関しては、各献血推進協議会のほうにフィードバックできる形で準備をさせていただこうと思います。ありがとうございます。
○佐々木座長 柑本委員、お願いいたします。
○柑本委員 ありがとうございます。すみません、私、16時で退室しなければいけないので、簡単にお願いをさせていただきたいと思います。高校での取組が非常に大事だということは、今の調査結果からも分かりました。では、実際に高校で、例えば授業の中で、どのように「献血」が扱われているのか、教科書、あるいは教科書と一緒に配布されている資料の中でどのように扱われているのかが、私たちには余りよく分かっていないところがありますので、もし、できましたら、次回で結構ですので、そういった資料を提供していただけると大変有難いです。どうぞ、よろしくお願いいたします。
○源血液対策課長補佐 ありがとうございます。次回、10月の会議のときにお示しできるように準備させていただこうと思います。
○金子血液対策課長補佐 補足させていただきます。教科書自体は文部科学省さんとも相談をしなければいけないのですが、どういった内容が記載されているか、どういった授業を行われているか、そういうところは調べさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○柑本委員 どうぞ、よろしくお願いいたします。
○佐々木座長 ほかはいかがでしょうか。
○近藤委員 全国学生献血推進実行委員会の近藤です。私も勉強不足でして、問3の「貴都道府県では、学生ボランティアや献血サポーターと連携していますか」というところで、どこの都道府県が献血推進協議会と学生の連携ができているのか把握していないところではあるのですが、連携している所があるのであれば、そちらにどのような連携をしているかを伺って、全国的に残りの11府県も連携することができるように活動していきたいと思いました。
あとは、一学生として、やはり教師への啓発も重要であるという所に非常に共感いたしました。議題1で挙げられた啓発資材を渡されるときも、余り先生自体が呼び掛けることはなく、配布するだけというような形なので、その辺も強化していけたらもっと若年層への推進につながるのかなと思いました。以上です。
○源血液対策課長補佐 ありがとうございます。まず、2点確認です。1つ目が学生団体、ボランティアの団体があれば、そういった所と連携を取っていきたいという解釈でよろしいでしょうか。各都道府県にも、そういうボランティアの「かけはし」であるとか、名前の付いた学生のボランティア団体があります。そちらのほうを共有できるように、また何かお示しさせていただければと思います。本日に関しては、細かい団体の名前等に関しては参考資料で御確認をまずお願いいただければと思います。
2点目の啓発方法に関しては、先ほど最後のほうでもお示しさせていただいた骨太の方針、国の方針がありますので、そちらのほうでは、教育関係とも連携を取り、柑本先生にも言っていただいたような部分と併せて、次回のときにお示しできればと思います。よろしいでしょうか。
○佐々木座長 田中委員と喜多村委員が手を挙げていただいています。では、まず田中委員からお願いできますか。
○田中委員 田中です。御説明ありがとうございました。47都道府県、いろいろな工夫もしていただいているところを承知しました。ここをダイレクトではないのですが、今回のお話の中でも、献血をしない理由というのは、割と感情的な具体的なことがよく共有されていますが、献血をした人の理由が、例えば、役立ててほしい、健康管理にもつながる、職場で推薦されたからという感じで、割と理性的なコメントが多くて、実際に、先ほどもTikTokを見て、あなたはどう感じたのですかとか、それで影響を受けて行きますかといった追い掛けができていないというところも実際だと思いますので、今、様々なボランティア団体との連携など、せっかく人と人が距離間を短く話もしてもらうという機会もありますので、そういうときに、献血を積極的にされる方のマインドや気持ち、きっかけなど、こういうエピソードが大いに共有されると良い流れができるのではないかということも感じますので、ここを積極的に取っていくような動きが取れればと今回思いました。よろしくお願いいたします。
○源血液対策課長補佐 ありがとうございます。本当に、先生におっしゃっていただいたように、今回のアンケートを通して、ポジティブな要素を拾い上げて、それを現場にお返しできるような形をこちらも検討していきたいと思います。大変、貴重な御意見ありがとうございます。よろしいでしょうか。
○田中参考人 よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○佐々木座長 喜多村委員、お願いいたします。
○喜多村委員 大阪市こころの健康センターの喜多村です。私もこの調査結果をもっときちんと生かすということに賛成です。そのためには、内容をもう少し精査したほうがいいので、回答はこれで全てではないとも伺っているので、次回また御提示いただき、その広報のやり方や広報の内容について、もう少し、この委員会でも議論になったらよいのではと思います。
それに関連して、都道府県別の達成率や、都道府県ごとの協力の実態を明らかにすることによって、今度は都道府県の格差が段々見えてくるわけで、それは推進活動にとっては非常に良いことであると思いますが、他方、献血をしなかった方の理由というのは、怖い、痛そうだからとか、それだけではなくて、献血ができない方も中にはいらっしゃると思います。教科書の話が出たのですが、文科省の学習指導要領に書き込むなどということになってきますと、やはり献血をどうしてもできないお子さんとかもいらっしゃるので、その辺も考えた上で、積極的な広報活動が必要だと思います。バランスですね。先ほどから言っていますけれど、小中学生向けの内容と、高校生向け、大学生向け、企業向け、それぞれ内容を変えたほうがいいと思いますし、実際に変えていらっしゃいますが、高校生は主体的な広報活動が非常に有効だというお話なので、それはすごく賛成ですが、小中学生に向けての内容は、血液自体をまだ知らない子供たちですので、余り献血がいいことだというのも理解しづらいと思うので、広報の内容はこの調査会でもう少し精査、検討してもいいのではという印象を持ちました。
そのきっかけとなったのが、SNSのインフルエンサーを使った広報です。インフルエンサーというのは、どういう基準で選ばれたのかということも不明ですし、全てのインフルエンサーが良い影響を与えるかどうかというのも疑問に思っているものですから、ライトな感覚で捉えていただきたいという目的にはかなっていますし、放課後気軽に立ち寄れる献血というキャッチフレーズは良いのですが、それだけでは片手落ちな気がするので、きちんと高校生向けの啓発内容のポスターや冊子体があるので、それをどのように教育現場で使っていくのかということを含めて、もう少し検討したほうがいいのではと思います。それを考えて今後の活動に生かしていただきたいと思います。
○金子血液対策課長補佐 ありがとうございます。今回、アンケート調査の結果については時間の関係で余り細かい所は説明させていただかなかったのですが、参考資料7に各県の詳細なアンケート結果がございますので、時間がありましたら、後で御覧いただければと思います。これからの啓発についてヒントになるようなことがたくさん書いてありますので、我々の今後の啓発推進にも生かしていきたいと考えています。
それから、文部科学省の学習指導要領の関係なのですが、御存知かもしれませんが、高校生の学習指導要領保健体育編の解説の所には、以前から献血について掲載はしていただいているところで、先ほどもお話がありましたが、実際、授業でどのように教えられているのか、現場でどのように献血の意義が伝わっているのかについては、きちんと調べていかなければと考えております。
小中高大学それぞれで啓発資材の内容を変えたほうがいいとのご意見については、正におっしゃるとおりだと考えておりまして、中学生向けの啓発資材をこれから作ろうと準備しておりますので、中学生に合った内容を盛り込んでいきたいと考えております。
○喜多村委員 ありがとうございます。すみません、参考資料7は事前には頂いていないので。
○金子血液対策課長補佐 すみませんでした。間に合わなくて当日の配布になってしまいまして。
○喜多村委員 閲覧できておりません。すみません。またお送りください。お願いします。
○金子血液対策課長補佐 承知いたしました。
○佐々木座長 ほかはいかがでしょうか。
○喜多村委員 インフルエンサーは、どのような基準で選ばれたのでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部中村献血推進課長 日本赤十字社の中村です。先ほどTikTokの部分で御紹介させていただいたインフルエンサーについてですが、今回御紹介させていただいたCM、「SPY×FAMILY」の記念品、TikTokの施策は、一連で広告代理店に業務委託を行い、施策を提案していただいております。当該インフルエンサーも委託業者から御提案いただいた方であり、選定の条件としては、セキュリティー面も考慮し、事務所に所属をしている方を前提として、テレビ番組に出演されている方、それから出演状況やフォロワー数、年代別、男女別などを精査の上、日本赤十字社で選定させていただき、あのような動画を配信していただいたということです。
五百数十万回の再生回数とありましたが、そのうちの大半が広告という形で回してもらっておりますので、あのような再生回数になっています。従いまして、当該インフルエンサーは、もともと日本赤十字社と協力関係にあって、その方に依頼をして発信していただいたというよりは、広告宣伝の一環として発信していただいたというようなところでございます。そのため、先ほど、御指摘いただいたようなフィードバックの部分も本来的には取れれば一番良いのですが、施策の契約の中での展開となりますので難しく、今後は、逆に本当に献血を身近に考えていらっしゃる方が自ら発信してくれるようなことにつなげていけるような協力関係というか、そういった施策なども展開できるようなことがあれば検討していきたいと考えているところです。
○喜多村委員 分かりました。どうもありがとうございました。
○佐々木座長 ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
では、国におきましては、ただいまの議論を踏まえ、都道府県、日本赤十字社と連携して、献血の普及啓発を更に推進していただければと思います。
続きまして、議題4「その他」ですが、「令和5年度下半期モニタリング結果について」、事務局から説明をお願いいたします。
○金子血液対策課長補佐 事務局です。資料4について御説明いたします。こちらは令和5年度下半期のモニタリング結果です。本件は、献血推進2025の目標値をモニタリングする内容の御報告になっております。1ページ目、1.原量血漿の確保状況、2.採血状況になりますが、こちらは下半期のモニタリングということで、寒い時期に向かっての献血の状況となっております。前年度と比較しますと、200mL、400mL全血での採血が増えておりまして、一方で成分献血での採血が少し減っております。
2ページ目、3.供給状況ですが、こちらも例年と変わることなく医療需要に応じて供給ができている状況ですが、昨年度と比較しますと、赤血球、血小板製剤ともに供給量が増えております。
3ページ目、4.令和5年度下半期延べ献血者におけるラブラッド会員の割合です。下半期の累計ではラブラッド会員による献血が増えてきています。月別のデータが下の表になっています。簡単ですが、以上になります。
○佐々木座長 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等がありましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。ありがとうございます。報告のあったモニタリング項目については、献血推進の観点から引き続き調査会に報告をお願いいたします。
その他、事務局から何かありますか。
○金子血液対策課長補佐 次回の第2回献血推進調査会は、10月4日(金)を予定しております。令和7年度の献血推進計画(案)などの議題を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
○佐々木座長 委員の皆様から全体を通して何か御発言等ありますか。どうもありがとうございました。少し長引いてしまいまして申し訳ありませんでした。本日の議題は以上ですので、これで終了したいと思います。どうもありがとうございました。