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サステナビリティマネジメント

LINEヤフーグループはステークホルダーの皆さまとの対話を続けながら、自身の社会的責任を果たし、社会・環境の持続的な発展を目指していきます。

サステナビリティ基本方針

LINEヤフーグループは、“「WOW」なライフプラットフォームを創り、日常に「!」を届ける。”をミッションとしています。私たちは事業を通じて社会にポジティブなインパクトをもたらすと共に、地球環境や人権などを含めた社会課題に向き合い、未来世代に責任を持ったサステナビリティ経営を推進していきます。

推進にあたって、以下のサステナビリティ基本方針と6つのマテリアリティ(重要課題)を定めています。

 1.サステナビリティを社会、事業の両軸で捉え推進する

 2.グループ各社の特性を活かしながら、一丸となってサステナビリティに取り組む

 3.前例に捉われずにチャレンジし、イノベーションを継続的に生む努力をする

サステナビリティ推進体制

LINEヤフーは、グループ会社横断でサステナビリティを巡る諸課題への取り組みを推進するべく、最高意思決定機関である取締役会の監督のもと、執行機関としてサステナビリティ委員会を設置し、原則年4回開催しています。
サステナビリティ委員会は、代表取締役社長が委員長を務めるほか、CFOや社外取締役等の委員によって構成され、LINEヤフーグループの重点課題(マテリアリティ)やサステナビリティ領域の方針・各種施策に関する審議・意思決定、推進状況のモニタリングを行います。2023年度のサステナビリティ委員会では、気候変動や自然資本等における対応方針や、人的資本等のESGにかかる戦略について討議を行いました。サステナビリティ委員会に連なる組織として、「環境分科会」および「人権分科会」を設置しています。これらの分科会では、グループ各社の環境・人権責任者が委員に就任し、LINEヤフーグループとしての方針・施策検討や、グループ各社における施策の推進等を進めています。
監督体制においては、サステナビリティ委員会は取締役会に重要事項の付議・報告を行い、また独立社外取締役で構成されたガバナンス委員会に対しても適宜報告を行います。取締役会は付議された重要事項の審議・決議を行うことを通じて、サステナビリティ推進状況を監督しています。
また、取締役※のサステナビリティ推進へのコミットメントを図るべく、役員報酬のうち、現金賞与額決定の指標として±5%の範囲でサステナビリティ評価を組み込んでいます。サステナビリティ評価は、ミッションおよび中長期的な企業価値向上の実現に向けてカーボンニュートラルの進捗度、多様性に関する指標、データガバナンスをはじめとした各マテリアリティ指標における前年度の実績に加えてESG評価機関の外部評価によって構成されています。なお、サステナビリティ評価の指標(±5%)は独立社外取締役が過半数を占める指名報酬委員会にて決議されています。

なお、報酬ポリシーはコーポレートガバナンスをご覧ください。

※監査等委員である取締役を除く。

サステナビリティ委員会の体制図です。

関連リンク

LINEヤフーグループの重点課題(マテリアリティ)の特定

策定プロセス

LINEヤフーグループは、持続可能な社会およびミッション“「WOW」なライフプラットフォームを創り、日常に「!」を届ける。”を実現するべく、重点課題(マテリアリティ)を策定しています。

LINEヤフーグループは、経営統合と社会からの要請変化を考慮し、56課題を抽出し、ステークホルダーとの重要度に基づいて評価を行いました。有識者との意見交換を通じて、社会からの期待と長期目標を明確にし、評価マップを策定しました。さらに、「6つのマテリアリティ」と呼ばれる重点課題を定め、経営陣の議論を経て取締役会の決議により公表されました。

評価マップ

ステークホルダーの期待と、当社内での分析を踏まえ、GRIスタンダード、主要なESG評価項目などを参考に、社会からの要請に照らして自社の活動を整理し、ステークホルダーと当社の双方にとって重要性の高い項目を抽出しました。

たとえば、データ利活用によるサービスの向上、ネット社会の健全かつ安全な発展に貢献、社会インフラとしてのセキュリティ確保等がLINEヤフーグループおよびステークホルダーにとって重要な項目に該当します。

特定マテリアリティ

評価マップを踏まえ、LINEヤフーグループのミッションを実現する「6つのマテリアリティ」を特定しました。

LINEヤフーグループは、データ/Alを活用した新たな体験の提供、安心・安全なデジタルプラットフォームの運営、しなやかで強靭な社会基盤の構築、人財の強化、未来世代に向けた地球環境への責任、グループガバナンスの強化をマテリアリティとして掲げています。

マテリアリティとミッション

LINEヤフーグループは、ミッションである“「WOW」なライフプラットフォームを創り、日常に「!」を届ける。”の実現に向けて、6つのマテリアリティを定めました。私たちはこれらの課題に取り組み、誰もが安心してインターネットのチカラを利活用できる未来をステークホルダーと共に創ってまいります。

6つのマテリアリティ「データ / AIを活用した新たな体験(WOW!)の提供」「安心・安全なデジタルプラットフォームの運営」「しなやかで強靭な社会基盤の構築」「人材の強化」「未来世代に向けた地球環境への責任」「グループガバナンスの強化」を定めステークホルダー「お客様」「お取引先」「政府・自治体」「従業員」「地域社会」「株主・投資家」と共に「WOW」なライフプラットフォームを創り、日常に「!」を届ける。

重点課題(マテリアリティ)への取組み ※1

LINEヤフーグループは、特定したマテリアリティ毎に「実現に向けた取り組み」および「評価指標」※2を設定し、取り組みの進捗を継続的にモニタリングしています。加えて、LINEヤフーグループの事業環境や社会情勢に鑑みて中長期で優先して取り組むべき課題を順次見直し、サステナビリティ委員会決議の上、特に優先すべき課題として指標および目標を設定し、目標の達成に向けて取り組みを進めています。

※1 LINEヤフーは、2023年11月に公表した不正アクセスによる情報漏えいを最優先で対処すべき経営課題として認識し、安全管理措置及び委託先管理の抜本的な見直し及び対策の強化、親会社等を含むグループ全体でのセキュリティガバナンスの本質的な見直し及び強化、適切な情報提供など利用者対応の徹底を推進しています。具体的な再発防止策およびその進捗状況は特設ページよりご覧ください。

※2 「評価指標」は取り組みの進捗をグループ内で把握し、更なる施策を検討する目的で設定しているため非開示情報を含みます。

データ/AIを活用した新たな体験(WOW/!)の提供

便利で感動的なユーザー体験は、新たな機能や優れたUI/UXの提供に加え、データ/AIを駆使したアプローチから生まれます。
LINEヤフーの存在意義は、多様なサービスのクロスユースを促進し、データ連携によりデータの質を高めた上でAI解析を行うという手順を効果的に繰り返し、新たな体験を生み出すことにあります。そのために体制構築・技術投資・教育などを推進してまいります。

実現に向けた取り組み 評価指標と主な開示実績
データ連携の推進とクロスユースの促進

評価指標

  • グループ延べ利用者数
  • Yahoo! JAPANログインユーザーID数
  • LINE月間アクティブユーザー数
  • PayPay登録ユーザー数(単体)
  • PayPayとヤフーショッピングのクロス利用者数

主な開示実績(2023年度)

  • グループ延べ利用者数:3.2億超
  • Yahoo! JAPAN月間ログインユーザーID数:55.58百万ID
  • LINE月間アクティブユーザー数(日本):97百万人
  • PayPay登録ユーザー数(単体):63.04百万人
データAI活用方針と体制の構築(UPDATE)

評価指標

主な開示実績

AIのサービス開発促進に向けた技術投資・教育の推進

評価指標

  • パテントスコア(特許の注目度を指標化)
  • AI領域の特許登録件数(累積)
  • 技術投資内容(金額・概要)
  • AIモデルリリース数
  • トップカンファレンス論文採択数
  • データガバナンスEラーニング受講率

主な開示実績(2023年度)

  • AI領域の特許登録件数:392件(累積)
関連リンク

安心・安全なデジタルプラットフォームの運営

安心・安全なITサービスの提供は、社会のニーズであり、信頼、評価につながります。
そのためには、事故ゼロを目指したグループ横断的な教育の実施が不可欠であると考えます。
また、デジタルプラットフォーマーとしての責任として健全な運用の仕組みを構築し、その取り組み内容を透明性を持って開示してまいります。

実現に向けた取り組み 評価指標と主な開示実績
行政指導を踏まえた再発防止策の実行・徹底 評価指標

不正アクセスによる情報漏えいへの再発防止策および進捗状況を参照

プライバシー&セキュリティのガバナンス体制の構築と健全な運用 評価指標
  • 各基本方針(データプロテクション・サイバーセキュリティ)の遵守
  • 経営を含めた部門横断での推進体制(セキュリティガバナンス委員会、プライバシーコミッティ、グループCISO Board)
  • プライバシー&セキュリティの強化
     プライバシー:
      ・PIAの実施
      ・全従業員に向けたプライバシー教育の定期的な実施
     セキュリティ:
      ・リスクの定期的なレビュー・評価の実施
      ・定期的な脆弱性診断、ペネトレーションテストの実施
      ・全従業員に向けたセキュリティ教育の定期的な実施
  • 開発ガバナンスの強化
      ・開発に関する規則の定義と遵守
      ・重要システムの定義と要件の遵守
  • 第三者認証取得の推進
     内部監査、外部監査の実施
       ※第三者認証の例:ISMS、 PCI DSS
  • 透明性をもった開示
      ・透明性レポートの開示
      ・プライバシーセンター
主な開示実績(2023年度)
関連リンク

しなやかで強靭な社会基盤の構築

不確実が増す世界は、社会のレジリエンスを高める必要に迫られています。デジタライゼーションにより新たな顧客体験の提供や新たな事業価値を創造してきたLINEヤフーグループは、より長期的、より広い視野に立ち、社会基盤の構築に貢献していきたいと考えます。
そのために、「防災・減災と復興支援」「3R推進」「DX推進」「情報格差の是正」を重点領域とし、社会と連携して取り組んでまいります。

実現に向けた取り組み 評価指標と主な開示実績
情報技術を活用した防災・減災の推進と復興時までの社会支援 評価指標
  • 自治体との支援協定数による人口カバー率
  • 寄付額・寄付件数、助成額・助成件数
  • 防災関連の情報提供サービス数
主な開示実績
  • 自治体との支援協定数による人口カバー率:98.3%(2022年度)
リデュース・リユース・リサイクル(3R)の推進 評価指標
  • リユース事業取扱高
  • 環境省など実証事業への採択
  • 紙リサイクル
主な開示実績(2023年度)
  • リユース事業取扱高:1,001億円
  • 紙リサイクル:424本相当の森林伐採抑制
DX推進 評価指標
  • LINE公式アカウント数
  • PayPay登録ユーザー数(単体)
  • 自治体連携数
  • 産学連携数
  • オンライン行政手続き導入自治体数
主な開示実績(2023年度)
  • PayPay登録ユーザー数(単体): 63.04百万人
サービスの継続提供と情報格差是正に向けた社会的アプローチを推進 評価指標
  • BCP関連指標(BPO、RTO、RLOなど)によるマネジメント
  • 情報モラル教育(児童・生徒、保護者、教員、自治体)の学校カバー率/導入自治体数
  • デジタルデバイド対策(高齢者)の自治体リーチ数(自治体の教材DL数)
主な開示実績
関連リンク

人材の強化

インターネット事業における競争力の本質は、革新的なサービスやプロダクトの創出力にあり、これは社員の力によって支えられています。社員が活力をもって働き、卓越したサービス・プロダクトを生み出すサイクルを確立することが、LINEヤフーにとっての最優先事項の一つです。

そこでLINEヤフーは、社員がパフォーマンスを最大限に発揮し、組織全体の成長力向上に寄与するために、「人と事業をつなぎ、人材と組織のパフォーマンスを最大化する」を人材戦略の根幹に掲げました。具体的には、「人材強化」と「カルチャー醸成」を二つの主軸としており、特に、「人材強化」については、重点課題(マテリアリティ)の1つに位置付けています。また、グループ内再編以前においては、各社の風土、制度、環境などの違いが強みである一方、グループとしての一体感醸成につながらなかった背景もあり、「カルチャー醸成」を掲げることで、LINEヤフーとしての独自のカルチャー創出につなげ、ミッションの実現に寄与することを目指しています。人材戦略の二つの主軸である「人材強化」と「カルチャー醸成」について、全従業員を対象に毎月実施しているエンゲージメント調査項目や、定期的な実施を予定しているDE&I調査項目などを通じて、その進捗を測ることとし、グループ内再編時点よりも維持・向上を図っていくことを目指してまいります。
人材戦略における指標目標の詳細は人材戦略(人材強化とカルチャー醸成)をご覧ください

実現に向けた取り組み 評価指標と主な開示実績
成長支援 評価指標
  • エンゲージメント調査「成長支援」関連項目(前年度比で改善・向上する)
環境づくり 評価指標
  • エンゲージメント調査「環境」関連項目(前年度比で改善・向上する)
  • 女性管理職比率(2030年までに従業員男女比率と同等を目指す)
主な開示実績(2023年度)
  • 女性管理職比率 18.5%( LINEヤフー単体)
カルチャー醸成 評価指標
  • エンゲージメント調査「理念戦略」関連項目(前年度比で改善・向上する)
関連リンク

未来世代に向けた地球環境への責任

LINEヤフーグループは、主要な事業の一つであるインターネットメディア/サービスの性質上、データセンター稼働等に必要となる電力やサーバー冷却等に不可欠な水資源に大きく依存しています。また、自社のみならず連携する企業も多岐にわたることから、サプライチェーン全体での影響は甚大です。これらの活動で排出する「温室効果ガス」や「水資源」への依存を減らしていくことは、「未来世代に向けた地球環境への責任」であるとともに、自社の「原材料調達力」を高め事業リスクを低減させることに繋がると考えています。

【特に優先すべき課題】

・カーボンニュートラル

指標:

温室効果ガス排出量

目標:

LINEヤフーグループとして2030年度までに温室効果ガス排出量を実質ゼロ(スコープ1&2)
LINEヤフーとして2025年度までに温室効果ガス排出量を実質ゼロ(スコープ1&2)

実績:

94,067 t-CO2(LINEヤフーグループ、2023年度)
79,698 t-CO2 (LINEヤフー、2023年度)

・ネットゼロ

指標:

温室効果ガス排出量

目標:

LINEヤフーグループとして2050年度までに温室効果ガス排出量を実質ゼロ(スコープ3)

実績:

3,289,809 t-CO2(2023年度)

・水資源の保全

指標:

水使用量(売上収益 100万円あたり)

目標:

LINEヤフーグループとして2030年度までに10%削減(2022年度比)

実績:

0.367 ㎥(2023年度)※

実現に向けた取り組み 評価指標と主な開示実績
気候変動への取り組み(脱炭素)

評価指標
  • スコープ1&2の温室効果ガス排出量
  • スコープ3の温室効果ガス排出量
主な開示実績(2023年度)
自然資本の持続的な活用への取り組み 評価指標
  • リサイクル率
  • 売上収益あたり廃棄物量
  • 売上収益あたりの水使用量
主な開示実績(2023年度)
環境領域への継続的な投資 評価指標
  • 環境投資額
  • 再エネ投資額(再エネプラン、非化石証書、グリーン電力証書費)
主な開示実績(2023年度)
関連リンク

※2022年度水使用量および排水量について一部再集計のうえ修正しました。(2024年5月)

グループガバナンスの強化

業界・事業のスピード・成長に合わせた当社らしいグループガバナンスの体制を構築・向上させていくことを特に優先すべき課題として掲げています。人権をはじめとした中長期にわたる継続的な取り組みが必要な領域は、サステナビリティ委員会を中心に取り組みを推進していきます。また、コーポレート・ガバナンスの強化を目的として取締役会の実効性をさらに高め、LINEヤフーグループの企業価値向上を図ることを目指します。

【特に優先すべき課題】

・当社らしさのあるコーポレート・ガバナンス体制の構築・向上

指標:

取締役会の独立性・多様性

目標:

①取締役会における独立社外取締役過半の実現
②取締役会における多様性方針/考え方の開示

実績:

株主総会「決議通知」における掲載
コーポレートガバナンス報告書への掲載

実現に向けた取り組み 評価指標と主な開示実績
「当社らしさ」のあるコーポレート・ガバナンス体制の構築・向上 評価指標
  • 取締役会実効性評価の内容(コーポレートガバナンス報告書等での報告)
  • 情報開示(質・量)の継続的改善
  • 企業価値向上(市場・機関投資家、ESG評価機関等からの評価含む)
  • 外国人/女性取締役比率の向上
主な開示実績(2023年度)
責任ある事業運営 評価指標
  • コンプライアンス意識の向上 –コンプライアンスe-ラーニングの受検率90%以上
  • コンプライアンスリスクの低減(極小化)
  • トップリスクの特定
主な開示実績(2023年度)
人権に関する基本方針(人権ポリシー)の遵守と推進 評価指標
  • サプライチェーンを含む人権デューデリジェンスの実施
主な開示実績(2023年度)
関連リンク

社会に創出されたインパクト(社会的価値)の測定・評価

特定したマテリアリティの実現に向けた取り組みの一つとして、社会に創出されたインパクト(社会的価値)の測定・評価を行っています。

施策

測定結果

主なアウトカム・指標

関連するマテリアリティ

自治体によるLINEを活用した相談事業のインパクト評価(SROI※)
SROI:1.89

(内訳)
総便益
11億2,638万8,221円

総費用
5億9,704万2,000円
◯主なアウトカム

(子ども)
  • 友人関係の改善
  • 学校・教師との関係改善
  • いじめ被害の悩みの改善
  • 不登校傾向の改善

(保護者)
  • 子育てに関する悩み・不安の解消

◯主な指標(金銭代理指標)
  • 心理カウンセリング1回当たりの費用
  • 事業利用者(受益者)1人当たりの行政コスト
  • LINE利用支払意思額
しなやかで強靭な社会基盤の構築
  • DX推進

※ SROI( Social Return on Investment:社会的投資収益率)とは、創出された社会的価値を貨幣価値に換算し、その総和(総額)である総便益を総費用で除して、社会的投資収益率を算出する測定手法。 SROIが「1.0」を超えれば、その社会的プログラムは有効であり、効率的とみなしうる。

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