あなたにとって2014年はどんな年でしたか? 世界は不安定でクレイジーだと感じられた年だったのではないでしょうか。ウクライナや中東の不穏な情勢から、エボラ出血熱、調査のために彗星に着陸した科学者にいたるまで、どのニュースにもこの世に予測できることは何もないと思わされました。
これは世界のことだけでなく、人々のキャリアでも同じことです。世界の力関係が均衡しているように、仕事のリソース不足やテクノロジーの驚くべき進化によって、この先何十年も安定していると思っていた仕事も、実はそうではないということに気付かされます。
そんなニュースは自分には関係ないと思う人もいるかもしれません。しかし、何かが起こった時にあなたは準備ができていますか?
この質問はかなり重要です。最近いくつかの知的なブログに、この質問と同じようなことが書いてありました。人によって、仕事によって、それぞれの対策はもちろん違うでしょう。しかし、どのブログの著者も、どんな仕事でも業界でも関係なく、取り残されないようにするために、同じような考え方や原則を発見していました。今回はその3つの大事な考え方をご紹介しましょう。
1. モノは人によって作られていることを忘れない
これは、「New York Tech Meetup」のディレクターのJessica Lawrenceさんが、最近「Medium」に書いていたことです。テック系の仕事にインターン的に短期で働いた少女が、見過ごされそうなほど簡単なことながら、驚くほど核心を突いている真実に気付いていました。誰かがこの世界をこのように作り上げたのなら、他の人が違うように作り上げることもできるということです。
その少女に設計における欠陥リストを作るように頼みました。そのリストには、自分が身の回りの世界でこれは欠陥だと思うことを上げていきます。ドアの取手の位置が高過ぎるとか、スニーカーのゴムの部分が変な位置で足に当たるというようなものです。リストを作っている時、その少女は、先輩の工学部の女子学生にこう聞きました。「私のお母さんが、ミニバンを運転している時にハンドバッグを置く場所が無いと言っていたのですが、これも設計上の欠陥に入れていいですか?」先輩は入れていいと答えました。実際に、それは車を作る上でのデザインや設計上の欠陥でした。男性のエンジニアがデザインすることがほとんどだったので、これまで見過ごされてきたのでしょう。
単純なことのようですが、少女は俄然やる気が出ました。この少女の発想が子供っぽいと思うかもしれませんが、ほとんどの大人は、今決まっているものは変えられないと思い込んでいることが多いです。デザイン思考の基本は、すべての可能性を見つけ出し、決めてかかるものを少なくするものです。Lawrenceさんはこのように主張しています。
私たちが使っている製品の大半は、今でも重大な欠陥を抱えており、大きな課題を解決していないものもあります。デザインや工学には、もっと若いうちから接するようにするべきでしょう。また、第三者の経験に基づく本当のニーズを知り、理解する必要性があるということを学ばなければなりません。
2. あらゆる「イエス」は「ノー」と表裏一体だと認める
仕事中毒の人には認めがたいことかもしれませんが、どんなに一生懸命頑張っても、どんなに生産的に活動しても、この世の時間には限りがあります。つまり、何かをやることに「イエス」と言ったら、その時間は他のことをするのに「ノー」と言っているということになります。
そんなことは当然でニュースにもならないと思うかもしれませんが、いつもきちんと心得ていないことが多いです。最近ブログ「Dumb Little Man」で、SimpleREVのオーガナイザーのJoel Zaslofskyさんが、このトレードオフについてもっと意識的になり、どこに新しいものに取り組む時間を作るのかもっと熟慮し、もっと重要なものを追求するようにした方がいいと勧めていました。
あるもののために何とかして時間を作ると、別のものをあきらめなければならないことはよくあります。私は、もっと好きな新しいことをするために、テレビや映画やテレビゲームをあきらめなければなりませんでした。別のことを長期間やらなかった時にしか、自分の脳を活性化するためのスキルを身につける時間を持てませんでした。
そして最後は、新しいスキルを身につけるために、今やっていることを意図的に定期的に休んだ方がいいのではないか、と結んでいます。
3. 自分の人生をコントロールするのは自分だけ
昔は今よりもかなり情のある世の中でした。会社は、社員が退職する時はうやうやしく送り出してくれ、経済的に厳しい状況からも守ってくれました。このような先人たちの働き方は、子どもたちに堅実で安定して仕事に就いた方がいいと教えていました。しかし、今やもうそんな時代ではありません。この時代を生き抜くためには、自己管理がきっちりとできていなければならないと、Lawrenceさんは指摘しています。
同じ会社に20年も30年も働き続けられる時代ではないので、自己管理をすることで、自己認識から自分の経済的状況を安定させる方法まですべてをカバーすることができます。
Lawrenceさんは、メールをチェックする回数のような些細なことから、自分の能力を最大限に活かす方法をよく知ることといった大きなことまで、身の回りのあらゆることについて言及しています。
これからの不安定な時代に自己管理能力は必要不可欠です。Lawrenceさんはこのように結論付けています。
フリーランスから正社員まで、あらゆるタイプの雇用スタイルに対応するために、このような補完的なスキルを身に付けておくと、表面的にでも安定した経済状況を維持しながら、自分を回復させることができます。
時代に対応し、打たれても回復する力をつけるにはどうすればいいと思いますか? LawrenceさんとZaslofskyさんが、磨くべきスキルについて語っている内容をすべて読みたい人は、それぞれのリンク先でチェックしてみてください。
3 Principles to Future-Proof Your Career|Inc.
Jessica Stillman(訳:的野裕子)
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