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ビジネスモデルが似てるリクルートと楽天の決定的な違いを語るよ

2014年4月27日

木曜日の夜に販売開始されたメルマガまとめ本ですが、デイリーセール本のアントキノイノチを抜けずに2位で止まり、深夜に1位になったらしいが寝ていて見ておらず、いまは10位あたりを下がったり降りたり(つまり下がってる)しています。これが楽天なら一瞬でも1位になったらKindle総合ランキングで1位獲得!!」って5年くらい言えるのに残念だ。www

楽天に「ランキング1位」の商品が山積みの仕組み

Kindleで「一瞬だけ」1位を獲得したらしい(未確認)くらいにとどめます。www

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※新しいリクルートのCIはなじまないのであえて古いほうで!

自分はプロフィールにも書いているが、リクルートOBである。ぶっちゃけ組織にはなじまなかったのでかなりの問題児で、実績は挙げたと思うけど業務態度は最低レベル(笑)。リクルート出身者に多い「リクルート大好き」タイプではない。だから逆に客観的に見てる。江副さんが亡くなったときにOBがFacebookで心温まる思い出を書いてるスレに冷水ぶっかけ投稿して、村八分になりかけたくらいだ。

自分が入社した当時のリクルートはバリバリのいまでいうベンチャーで、就職が決まったときに研究室の教授に報告に行ったら「なんだそれ、運送屋か」と言われたくらい無名だった。「陸ルート→運送屋」というわかりづらいネタ。

それが今では連結売上高で1兆円を超える大企業だ。同じくらいの売上高の上場企業は京セラとか中国電力だから、かなりの大企業といっていい。リクルート事件のあと、ダイエーに創業者の江副さんが売却した株を買い戻して、不動産とかで1兆円以上あった負債をバリバリ返して蘇ってきた。

リクルートと楽天のビジモスモデルは実は似ている。このあたり↑のメルマガまとめ本に詳しく書いているのだが、要するに「鵜飼いモデル」である。まずはサービスを利用させて徹底的に顧客を囲い込み、競合を潰してそのサービス無しでは身動きできないようにしておいてからのち、徐々に値上げしていく。リクルートの場合はそれがやんわりなのだが、楽天はそれがえげつない。だからこんなことになります。

楽天アフィリエイト問題、全旅連が楽天トラベルに撤回要望

で、楽天は本当にニュース沙汰が多い。これはごく最近のやつ

楽天社員が二重価格提案 10年以降、18人が28店に

似てるけど似てないのは社員のモラル意識かも

リクルート出身の経営者はIT系のそこらかしこにいるし、いた。マクロミルにIMJ、nanapiのけんすう、数えたらキリが無い。トランスコスモスの会長の船津さんは元上司である。Facebook友人にもかなりいるし、いまだに同窓会とか同期会とか飲み会があって付き合ってる人も多い。戦友意識がかなりある。

自分が考えるに、リクルートと楽天の最大の違いは、読者とか利用者に対しての根本的な姿勢である。楽天もリクルートも企業から搾り取る(笑)という姿勢には変わりが無いのだが、企業の広告の先には消費者であったり応募者がいる。そこに対しての姿勢が全く違った。

こういうツイートをしたところ、
元リクルートだったと思われるフォロワーさんたちが次々と反応してきた。

だいたい同じ感じだったので他の方は省略、すまん。

広告に規定違反や嘘がないか、または掲載企業に問題が無いかを確認する専門セクションがあり、掲載前にチェックして疑わしいものは掲載しない。また頻繁に掲載誌をチェックしており、仮にチェックをすり抜けたものが発見されると、担当者全員は厳しくチーフから叱られた。別に社長とか部長がそうしろと言ったわけでは無い。いや逆に営業部長とかは「もっと適当でいいじゃん。売り上げ下がるだろ」的な言動なのだが、担当者レベルが承知しない。そこにあるのは・・

自分たちの仕事に対する「愛」だったと思う

社内では頻繁に景品法とか不当表示とか悪質な商法の勉強会が開かれたし、官公庁の消費者相談室などとも密接に連携していた。別に上からやれと言われたわけじゃない。現場が自分たちでやるのである。だって自分たちのメディアじゃん、それが利用者を不幸にしてどうすんの、それじゃ伸びないよという意識がアルバイトまで徹底していた。営業マンだって人間だから、目標達成のために顧客のいいなりになってしまうのがたまにいたが、絶対に許されなかった。大企業だって掲載基準に従わないから掲載不可にしていたところがある。
こういう土壌で育った人間から見ると、店舗に「嘘付いて儲けりゃいいんですよ」という人間が大量に社内にいるという風土が信じられない。

楽天はどうするべきなのか


リクルートだってすべてが◎だったわけじゃない。基本的に営業会社だからノルマはきついし、残業もめちゃくちゃあったし、突然週休2日が「会社が大変なので」という理由で一日になったりした。いまでいうならブラック企業の走りです。某上場企業の社長になった元上司なんてヒドイ嘘つきで、前に道で会って「おう」とか言われたが無視したくらいだ。しかし、リクルート事件は経営者の問題で社員は関係無い。社内には順法精神がきちんとあったと思う。仮にユーザーからクレームが来たら、いったん掲載停止にして営業責任者が訪問して確認を取るのが普通だった。

かたや楽天。個人的に商売の仕方が好きではないのでいつもつついているが、いまだに偽ブランドとかも出ているし、ヤラセの評価は満載だし、景表法や薬事法でかなりヤバイ表現満載だし、誇大広告もたくさんある。リクルートなら審査担当が巡回確認して即座にIDを停止するレベルである。

一番違うのが、リクルートは「トップダウンではなかった」という点です。上に対しては自由に物が言えたし、新規事業の大半は平社員が考えた。

辞めた社員が言うことだからかなりバイアスがかかっていると思うけど、これ↓とか見るとおいおいって思いますよ。
私たち3年で楽天を辞めました! 元楽天女子×3人座談会
後半すげー・・・・楽天は絶対権力者のミッキーが支配する帝国かい・・・・

楽天がマジでAmazonに対抗する気なら、まずは掲載内容をチェックする専門家を数十人規模育成し、社内での表示や著作権についての勉強会、掲載基準の見直しなどをやらないといかんと思う次第です。リクルート出身者だって社内に何人もいるでしょ。自分の仕事に誇りを持っている人間は、顧客に「人を騙して儲けましょうよ」なんて絶対に言わないですよ。「お金も大事だけど、お金よりも信用が大事だ」ということがわかってないんだと思います。
一時的に売り上げ落ちても「どこよりも安心して買える」というブランディングが大事だってことがわかってないのが一番の問題です。

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