ロジスティクス全日本トラック協会(坂本克己会長)は10月31日、全国の都道府県トラック協会長宛てに声明を発表し、日本経済新聞が同日朝刊1面で報じた「トラック輸送力落ちず『2024年問題』対応、大型車が寄与」とする記事に対して反論の姿勢を示した。
同協会は、日経新聞の記事が「トラック輸送力の維持に向け、大型車両へのシフトや共同輸送、中継輸送が一定の効果をもたらしている」と報じたことに対し、「2024年問題は、大型車両へのシフト等の対応だけで解決できるような簡単な話ではない」と明確に否定した。
「2024年問題」は、トラックドライバーの長時間労働の是正や労働環境の改善を目的とする法改正により、運送業界全体が直面している構造的な課題だ。これに対し、政府は昨年「物流革新緊急パッケージ」を策定し、ことし5月には流通業務総合効率化法と貨物自動車運送事業法を改正、荷主と物流事業者に対する規制措置を導入している。
全ト協は「トラック事業者、荷主、政府が一丸となり、危機感をもって2024年問題に取り組んでいる最中において、記事が一部の取り組みのみを取り上げ、問題が解消されているかのような印象を与えたことは誠に遺憾」と表明。国土交通省も同様の見解を示していることを確認したという。
同協会は、今後も2024年問題の解決に向け、業界全体としての対応を進めていくとし、会員事業者にも引き続き協力を求めている。