6月5日、AMDから「Richland」こと新世代のAPU「AMD A」シリーズが5モデル登場した。従来の「Trinity」世代と同じSocket FM2に対応しており、内蔵GPUはRadeon HD 7000ファミリーからHD 8000ファミリーに変更されている。価格は9000円弱から1万7500円前後で、モデルごとの詳細は以下の通りだ。いずれもCPUクーラーを同梱するリテール品で、末尾がKのBlack Editionモデルはクロック倍率が可変となっている。
取り扱うショップの声はさまざまだが、性能に関しては高めの評価が目立っている。ドスパラ パーツ館は「CPUのクロックアップとGPUの性能底上げを施したうえでTDPを据え置いているので、かなり優秀なAPUといえると思います。最上位の6800Kはもちろん、5800K同等の性能を持ちながらTDPを65ワットに抑えた6700も世代をけん引するモデルになってくれるかなと期待しています」と語る(関連レビュー:「Richland」はリッチなパフォーマンスを見せてくれるのか)。
同時に、従来からあるSocket FM2マザーで使う際は、BIOSやEFIをアップデートしないと正常に起動しない場合がある点をネックと捉える声も多く聞いた。「MSI以外の主要メーカーはそのまま動いた」「メーカー問わず、Trinityが登場した2012年10月ごろからあるマザーは危険」など、動作に関する情報はショップによってさまざま。
パソコンショップ・アークは「現状、マザーとセットではなく、APUだけ購入する人が多いですね。Trinityからのアップグレードなら、動作しなくて途方に暮れるということもないでしょうし、安心度の高い組み合わせから売れていく感じです」と話していた。
一方で、知名度の難を指摘するコメントも少なくなかった。某ショップは「Haswellの3日後の平日にデビューしたので、気づいていない人が正直多いです。AMD Aシリーズはグラフィックスカードなしの低価格構成で根強い支持があるので、Richlandの潜在能力はかなり高いと思うのですが……。とりあえず、『みんな、こっちも見て!』と叫びたい気持ちでいっぱいです」と漏らしていた。
モデル名 | コア | 標準クロック | GPU | TDP | 価格帯 |
---|---|---|---|---|---|
A10-6800K | 4コア | 4.1GHz | HD 8670D | 100ワット | 1万7500円前後 |
A10-6700 | 4コア | 3.7GHz | HD 8670D | 65ワット | 1万7500円前後 |
A8-6600K | 4コア | 3.9GHz | HD 8570D | 100ワット | 1万3500円前後 |
A8-6500 | 4コア | 3.5GHz | HD 8570D | 65ワット | 1万3500円前後 |
A8-6400K | 2コア | 3.9GHz | HD 8470D | 65ワット | 9000円弱 |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.