2001年11月にWindows XP(リテール版)が発売されてから約11年半。いよいよサポート終了が近づいてきた。日本マイクロソフトはWindows XPの延長サポートを2014年4月9日(日本時間)に打ち切ることを正式に表明しており、2014年4月10日以降はWindows XP/Office 2003/Internet Explorer 6のセキュリティ更新プログラムがリリースされなくなる。
サポート終了までちょうど1年となった4月9日、日本マイクロソフトはWindows XPおよびOffice 2003のサポート終了についての説明会を開催した。
説明会には同社代表取締役社長の樋口泰行氏が登壇。「Windows XPは長い間多くの人に愛されてきた。しかしITの世界は日々進化している。悪意のあるソフトウェアも増え、脆弱(ぜいじゃく)性に対して対処しきれなくなってきた」とサポート終了の経緯を説明した。
マイクロソフトは同社製ソフトのサポート期間を基本的に最短10年と定めている。機能の向上およびセキュリティ対策を行う「メインストリームサポート期間」が発売日から5年間(もしくは「次期製品の発売日から2年間」のどちらか長いほう)、セキュリティ更新プログラムの配布のみを行う「エクステンデット(延長)サポート期間」がメインストリームサポートの終了から5年間(もしくは「次々期製品の発売日から2年間」のどちらか長いほう)だ。
もともと延長サポートはビジネス向け製品のみの対応だったが、Windows XPはユーザー数が非常に多いため、個人向けのHome Editionも含めて、延長サポート期間を12年半(2014年4月9日)まで延ばしていた。
樋口氏は「企業導入の場合は社内で使用するソフトの動作検証に時間がかかるため、6年前(2007年)からアナウンスしていたが、法人向けのPCは今でも40%以上がWindows XPを使い続けている。サポート期間が終わる前に新しいOSに切り替えてもらいたい」とアピールした。IDC Japanが2012年秋に発表した調査によると、Windows XPをインストールしているPCは法人向けで約1419万台(全OSの40.3%)、コンシューマーで1170万台(同27.7%)に上るという。
サポートの終了で大きな問題となるのはセキュリティだ。セキュリティの対策が行われないOSを使うのは危険であることはもちろん、新しいOSに切り替えたほうがマルウェアなどに感染するリスクが低くなると樋口氏は話す。「Windows XPの時代はマルウェアに対して対処ができていたが、今は多様な標的型攻撃からデータを守る方法が複雑になっている。Windows 7はWindows XPに比べてマルウェアに感染する確率が10分の1になるという調査結果もある」(樋口氏)
一般社団法人JPCERTの情報セキュリティアナリストである満永拓邦氏、およびIPA(情報処理推進機構)技術本部 セキュリティセンター調査役の加賀谷伸一郎氏がそれぞれOSを含めたソフトウェアのアップデートを行えばマルウェアに感染しないこと、そしてWindows XPは今でも1カ月あたり約10件の脆弱性が発見されていることを説明した。「古いOSは構造的にセキュリティ対策が甘くなることから、脆弱性を研究されてしまう。それはOSのサポートが終わってからも続く」(加賀谷氏)という。
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