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最新15インチMacBook Proの“Windowsマシン”としての性能は?Airも検証

» 2009年06月30日 11時54分 公開
[ITmedia]

 WWDC 2009ラインアップを刷新したMacBookファミリーのうち、最も安い13インチモデル(MB990J/A)の詳細レビュー(「史上最安の「MacBook Pro」は本当に“Pro”か? 」「新型「13インチMacBook Pro」の“Pro度”を検証する」)に続き、15インチMacBook ProとMacBook Airを見てきた(「新型15インチMacBook ProとMacBook Airを試した」。今回はもう少し踏み込んで、実際のバッテリー駆動時間や、Windows XP環境下でのシステムパフォーマンスを検証していく。

 なお、各種ベンチマークテストでは、ここで取り上げた15インチMacBook Pro(MB985J/A)とMacBook AirのHDD搭載モデル(MB233J/A)に加え、比較対象として13インチMacBook Pro(MB990J/A)の最安モデルを取り上げている。各モデルに搭載されるGPUの性能差が分かるはずだ。

15.4型ワイド液晶(1440×900ドット)を搭載した15インチMacBook Pro(写真=左)は、左側面にSDメモリーカードスロットを新設し、ExpressCard/34スロットが省かれた(写真=中央)。MacBook Airは外観に変更はなく、液晶ヒンジなど一部の機構を除けば初代モデルのボディをほぼ踏襲している。薄さを強調したデザインだ(写真=右)

Windows XP環境下でベンチマークテストを実行

 まずはじめに、Windows XP環境下でのシステム性能を見ていこう。ここでは評価機にWindows XP Home Edition(SP3)をインストールして定番のベンチマークテストを実施した。Windows用のドライバはパッケージに同梱される「Mac OS X Install DVD」(Boot Campフォルダ)に入っているものを使用している。

15インチMacBook Pro(MB985J/A)にWindows XP(SP3)を導入した後のシステムのプロパティ(画面=左)。CPU-Z 1.50(画面=中央)とGPU-Z 0.3.4(画面=右)の結果

MacBook AirのHDD搭載モデル(MB233J/A)にWindows XP(SP3)を導入した後のシステムのプロパティ(画面=左)。CPU-Z 1.50(画面=中央)とGPU-Z 0.3.4(画面=右)の結果

 新型の15インチMacBook Proは、SDメモリーカードスロットの搭載や本体一体型内蔵バッテリーの採用などが目を引くものの、基本システムだけを見れば従来のアーキテクチャを引き継ぐマイナーバージョンアップだ。ただし、13インチMacBook Proと比較すると、液晶パネルのサイズや解像度だけでなく、上位モデルに外付けGPUの選択肢があるという点で大きな違いがある。これがどの程度システム性能の差に現れるだろうか。

 PCMark05の結果を見ると、全体的に15インチMacBook Proのスコアが高い傾向にあるが、特にGraphicsで13インチMacBook Proの約2倍、MacBook Airの約3倍にあたる6467と大きく引き離した。このグラフィックス性能の差は、3DMark06の結果でより際立っており、13インチモデルの2.7倍と非常に高いスコアをマークしている。ちなみに、GPUが同じ(GeForce 9400Mチップセット内蔵)を13インチMacBook ProとMacBook Airでもスコアに開きがあるが、これはコアクロックの差が出たためだろう(前者が450MHz、後者が300MHz)。

 FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3の結果も、Highで8359、Lowでは1万の大台を超えており、FINAL FANTASY XIのようなライトな3Dゲームタイトルならば、高解像度でも十分楽しめる性能を持っていることが分かる。

PCMark05(画面=左)、3DMark06(画面=中央)、FFベンチ(画面=右)

 なお、ここで比較した15インチMacBook Proと13インチMacBook ProのCPUは、前者のクロックが2.6GHz、後者が2.26GHzだが、グラフィックス性能の差に比べればCPUの性能差はそれほど大きくはない。13インチ/15インチMacBook Proにラインアップされる5モデルからどれを選ぶかは、携帯して利用するかどうか、広いデスクトップ領域が必要かどうか、そしてより高いグラフィックス性能を要求する用途かどうかで絞ることになるだろう(もちろん価格もだが)。排熱設計上の理由だと思われるが、13インチMacBook Proのオプションに外付けGPUがないのはやはり悔やまれるところだ。

バッテリー性能を検証

 新型MacBook Proは、17インチモデルで初めて採用された本体一体型の内蔵バッテリーを搭載する。容量アップにともなう駆動時間の延長に加えて、バッテリー寿命が一般的なノートPCの約3倍(1000回充電可能)になったのが特徴だ。そこで実際に、Mac OS XとWindows XPの両環境下でバッテリー駆動時間を計測してみた。

15インチMacBook Pro(写真=左)と13インチMacBook Pro(写真=右)の底面カバーを外したところ。15インチモデルには冷却ファンが2基搭載されているのが分かる。なお、バッテリー容量は前者が10.95ボルト/73ワットアワー、後者が10.95ボルト/65ワットアワーと、15インチモデルのほうが容量が大きい

 Mac OS Xでは、画面輝度を最高に設定し、キーボードバックライトの明るさを最大、1分間のQuickTimeファイルを全画面で連続再生するという方法と、画面輝度を中間にし、キーボードバックライトをオフにして、同じく1分間のQuickTimeファイルを全画面で連続再生するという方法の2種類を試した。また、15インチMacBook Proでは、前者がパフォーマンス優先(GeForce 9600M GT動作)、後者がバッテリー寿命優先(GeForce 9400M動作)で計測している。

 一方、Windows XPでは、海人氏作の「BBench 1.01」を利用して、画面輝度を最高、キーボードバックライトは最低、電源設定は「ポータブル/ラップトップ」で、10秒おきにキーボードを押下、60秒ごとに無線LAN(IEEE802.11n)によるインターネット巡回(10サイト)を行う設定でテストした。

バッテリー駆動時間の実測値。左がMac OS X、右がWindows XP環境

 実際のバッテリー駆動時間は、15インチMacBook Proで3時間25分(画面輝度最大、パフォーマンス優先)/4時間38分(画面輝度中間、バッテリー寿命優先)、MacBook AirのHDDモデルで2時間36分(画面輝度最大)/3時間18分(画面輝度中間)と、公称駆動時間には及ばなかったものの、いずれも動画再生をループしたテストであることを考えればまずまずの結果だ。

 一方BBenchの結果は、外付けGPUの影響からか、13インチMacBook Proの4時間1分に対して、15インチMacBook Proは2時間43分とかなり短くなった。もっとも、15インチMacBook Proの本体サイズと重量を考えると、常時携帯して利用するというよりも、オフィス内での移動やホームモバイルなどが中心になるため、バッテリー駆動時間が問題になることはほとんどないだろう。また、単純にWebサイトの閲覧やテキスト入力といった用途であれば、細かく輝度などを調整することでもう少し駆動時間を延ばすことができるはずだ。

 最後に、試用中に気になった点を付け加えておこう。アルミユニボディを採用するMacBook ProとMacBook Airだが、動作中はともにボディ左側全体が熱を帯びやすい傾向にある。特にMacBook Airはベンチマークテストプログラムを実行しているあいだ、ボディ全体が熱を発し、キーボードやパームレストでもはっきりと熱を感じた(背面の排気口は危険を感じるくらい熱くなる)。モバイルPCはひざの上で使うことも多いが、長時間使用する場合は注意したほうがよさそうだ。あるいは、これから迎える夏に向けてノートPC冷却台などを用意しておくのもいいかもしれない。

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