6月1日にソニーから「VAIO type P」のWindows Vista搭載モデルをWindows XPにダウングレードして使うためのWindows XP用ソフトウェアが公開された。XP用のドライバとユーティリティ各種が用意され、別途XP Professional/Home Edition(SP2/SP3)のディスクがあれば、OSをXPに載せ替えてVAIO独自のユーティリティも利用できるようになる。
Windows 7が10月にリリースされるという今のタイミングになって、今さらXP用ソフトウェアの提供開始が話題になるのは、XPの導入によってVAIO type P最大の弱点といわれる各種動作の遅さを大幅に改善できる可能性があるからだ。
VAIO type PはもともとMID(Mobile Internet Device)/UMPC向けに性能より省電力優先で開発されたAtom Z500番台のCPUとIntel System Controller Hub(SCH) US15Wチップセットを採用しているため、Vistaを快適に動かすには少々荷が重い。特にVista搭載の店頭モデルはスペックが控えめで、OSのレスポンスが遅れがちなことから、ハードウェアへの負荷が少ないXP化は有効な手段といえる。
とはいえ、XP化には不便もつきまとう。Vista環境のバックアップやOS移行の手間がかかるのはもちろん、XP化によって発生する不具合に関してはメーカーからのサポートが受けられず、Vista環境にプリインストールされていたソフトウェアはほとんどが使えなくなってしまう。そのため、XP化するかどうかは慎重に判断したいところだ。
VistaモデルをXP化する手順や注意点については、前回の記事(ソニーが“P専用XPドライバ”を配布開始:「VAIO type P」Vistaモデルを速攻でWindows XP化した)を参照してほしい。今回は、メーカーサポートや付加機能を犠牲にしてでもXP化する価値はあるのか、仕様が異なるVista搭載モデル2台を用意し、Vista環境とXP環境でパフォーマンスを比較した。
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テストに際しては、OSの違いに加えて基本スペックの違いによる性能差もチェックするため、ソニースタイル直販の高スペックなVAIOオーナーメードモデル「VGN-P90HS」と、スペックが控えめな店頭モデル「VGN-P70H/R」を用意した。
VGN-P90HSはCPUがAtom Z540(1.86GHz)でストレージが128GバイトSSD、VGN-P70H/RはCPUがAtom Z520(1.33GHz)でストレージが60GバイトHDD(4200rpm)となっている。いずれもメインメモリは2Gバイト(DDR2-533)だ。OSはプリインストールのVista Home Basic(SP1)を使った場合と、XP Home Edition(SP3)にダウングレードした場合の2通りでテストした。
なお、2009年夏モデルではVAIOオーナーメードモデルで選択できる最上位グレードのCPUがAtom Z540(1.86GHz)からZ550(2.0GHz)に変更されており、Z540を搭載することはできない(VGN-P90HSという名のモデルは販売終了している)。
今回テストした2台の「VAIO type P」 | ||
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製品名 | VGN-P90HS | VGN-P70H/R |
OS | Windows Vista Home Basic(SP1)/XP Home Edition(SP3)ダウングレード | |
ボディカラー | オニキスブラック | ガーネットレッド |
キーボードカラー | シルバー | |
CPU | Atom Z540(1.86GHz) | Atom Z520(1.33GHz) |
メインメモリ | 2Gバイトオンボード(DDR2-533 SDRAM) | |
チップセット | Intel System Controller Hub(SCH) US15W | |
グラフィックス | チップセット内蔵(Intel GMA 500) | |
液晶ディスプレイ | 8型ワイド(1600×768ドット)、LEDバックライト・ARコート | |
データストレージ | 128GバイトSSD(Serial ATA ※Ultra ATA変換で接続) | 60GバイトHDD(Ultra ATA、4200rpm) |
ワンセグ | 搭載 | |
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