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「VAIO type P」VistaモデルはXP化でどれだけ速くなるのか?XPダウングレード続報(1/3 ページ)

» 2009年06月12日 11時45分 公開
[前橋豪,ITmedia]

VAIO type PをVistaとXPで使い比べる

“ポケットスタイルPC”こと「VAIO type P」

 6月1日にソニーから「VAIO type P」のWindows Vista搭載モデルをWindows XPにダウングレードして使うためのWindows XP用ソフトウェアが公開された。XP用のドライバとユーティリティ各種が用意され、別途XP Professional/Home Edition(SP2/SP3)のディスクがあれば、OSをXPに載せ替えてVAIO独自のユーティリティも利用できるようになる。

 Windows 7が10月にリリースされるという今のタイミングになって、今さらXP用ソフトウェアの提供開始が話題になるのは、XPの導入によってVAIO type P最大の弱点といわれる各種動作の遅さを大幅に改善できる可能性があるからだ。

 VAIO type PはもともとMID(Mobile Internet Device)/UMPC向けに性能より省電力優先で開発されたAtom Z500番台のCPUとIntel System Controller Hub(SCH) US15Wチップセットを採用しているため、Vistaを快適に動かすには少々荷が重い。特にVista搭載の店頭モデルはスペックが控えめで、OSのレスポンスが遅れがちなことから、ハードウェアへの負荷が少ないXP化は有効な手段といえる。

 とはいえ、XP化には不便もつきまとう。Vista環境のバックアップやOS移行の手間がかかるのはもちろん、XP化によって発生する不具合に関してはメーカーからのサポートが受けられず、Vista環境にプリインストールされていたソフトウェアはほとんどが使えなくなってしまう。そのため、XP化するかどうかは慎重に判断したいところだ。

 VistaモデルをXP化する手順や注意点については、前回の記事(ソニーが“P専用XPドライバ”を配布開始:「VAIO type P」Vistaモデルを速攻でWindows XP化した)を参照してほしい。今回は、メーカーサポートや付加機能を犠牲にしてでもXP化する価値はあるのか、仕様が異なるVista搭載モデル2台を用意し、Vista環境とXP環境でパフォーマンスを比較した。

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スペックの異なる2台を用意

 テストに際しては、OSの違いに加えて基本スペックの違いによる性能差もチェックするため、ソニースタイル直販の高スペックなVAIOオーナーメードモデル「VGN-P90HS」と、スペックが控えめな店頭モデル「VGN-P70H/R」を用意した。

 VGN-P90HSはCPUがAtom Z540(1.86GHz)でストレージが128GバイトSSD、VGN-P70H/RはCPUがAtom Z520(1.33GHz)でストレージが60GバイトHDD(4200rpm)となっている。いずれもメインメモリは2Gバイト(DDR2-533)だ。OSはプリインストールのVista Home Basic(SP1)を使った場合と、XP Home Edition(SP3)にダウングレードした場合の2通りでテストした。

 なお、2009年夏モデルではVAIOオーナーメードモデルで選択できる最上位グレードのCPUがAtom Z540(1.86GHz)からZ550(2.0GHz)に変更されており、Z540を搭載することはできない(VGN-P90HSという名のモデルは販売終了している)。

テストに使用した機材。左が高スペックな構成の直販モデル「VGN-P90HS」(オニキスブラック)、右が店頭販売モデル「VGN-P70H/R」(ガーネットレッド)。いずれも2009年1月に発売された製品だ

今回テストした2台の「VAIO type P」
製品名 VGN-P90HS VGN-P70H/R
OS Windows Vista Home Basic(SP1)/XP Home Edition(SP3)ダウングレード
ボディカラー オニキスブラック ガーネットレッド
キーボードカラー シルバー
CPU Atom Z540(1.86GHz) Atom Z520(1.33GHz)
メインメモリ 2Gバイトオンボード(DDR2-533 SDRAM)
チップセット Intel System Controller Hub(SCH) US15W
グラフィックス チップセット内蔵(Intel GMA 500)
液晶ディスプレイ 8型ワイド(1600×768ドット)、LEDバックライト・ARコート
データストレージ 128GバイトSSD(Serial ATA ※Ultra ATA変換で接続) 60GバイトHDD(Ultra ATA、4200rpm)
ワンセグ 搭載

・VGN-P90HSのデバイスマネージャ画面

Vista Home Basic(SP1)の場合。データストレージはSerial ATA/MLCタイプのSSDで、Samsungの「MMCQE28GFMUP-MVA」を搭載していた。ただし、チップセットがSerial ATAをサポートしない関係で、Ultra ATAへの変換アダプタを介してマザーボードに接続されている。VAIO type Pの内部構造については、こちらの記事を参照してほしい

XP用VAIOソフトウェアを利用し、XP Home Edition(SP3)にダウングレードした場合。メーカー提供のドライバだけあって、ワンセグチューナー(Sony CXD9192)のようなソニー独自のデバイスも問題なく認識された

・VGN-P70H/Rのデバイスマネージャ画面

Vista Home Basic(SP1)の場合。CPUやHDDのスペック以外は、VGN-P90HSと共通化されている。データストレージは1.8インチ/5ミリ厚のUltra ATA HDDで、東芝の「MK6028GAL」を搭載していた。回転数4200rpm、バッファサイズ2Mバイトのモデルだ

XP用VAIOソフトウェアを利用し、XP Home Edition(SP3)にダウングレードした場合

 次のページでは、各種パフォーマンステストの結果を比較する。

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