Facebook日本攻略へ 実名主義で「地に足付けてやっていく」
日本向けの機能強化を進めるなど、Facebookが日本市場の攻略に本腰を入れ始めた。代表を務める元ヤフーの児玉氏は「日本でも実名主義を貫き、地に足を付けてやっていく」と話す。
「地に足を付けてやっていく」――世界最大のSNS「Facebook」が日本での展開に本腰を入れ始めた。今年2月に日本法人を設立。9月には新サービスを投入するなど、機能強化も進めている。9月28日には日本法人初の記者説明会を開き、代表を務める元ヤフーの児玉太郎さんが現状や今後の戦略について語った。
Facabookは2004年に米国でスタートし、月間のアクティブユーザーが5億人という世界最大のSNS。ユーザーは18〜24歳が30%、25〜34歳が28%、35歳以上が28%となっており、現在は35歳以上のユーザーが伸びているという。
実名での利用を推奨しており、リアルの友人同士の交流の場と位置付けている。日記や写真など毎月300億件以上のコンテンツがユーザー間で共有されているという。APIを公開し、外部開発者が自由にアプリを開発・提供できる仕組みも特徴の1つ。現在は55万以上のアプリが公開されている。
70カ国語で展開しており、日本語版は08年にスタートした。日本法人は東京・原宿にオフィスを構え、児玉さんが代表に就任。「日本で地に足を付けてやっていく」と話す。
9月には、Facebookで位置情報を共有できるサービスを、米国に次いで2カ国目に日本で利用できるようにするなど、機能面でも日本語版を強化。近日中に、新たな機能追加を行う予定だ。開発者は米国オフィスから派遣されているという。
オープン化戦略を本格化したmixiなど、国内SNSはFacebookと同じ方向に大きく舵を切っているが、「ほかのサービスを追い抜くことに注力していくのではなく、利用者に求めてられている、日本ユーザーに適したサービスを展開していきたい」と、ライバルの動向は気にしない考えだ。
日本でも実名での交流を推奨していく。「日本は特殊な状況だと分かっているが、そこ(実名推奨)は変わらない」。日本でのユーザー拡大に向けては、Facebookを使っているユーザーから友人へと口コミで広めていく方法が「鉄板」だが、「必要に応じてプロモーションもやっていくかもしれない」という。
Facebookの使い方も、徐々に浸透させていく。「Facebookは、単純に近況をアップするだけでなく、グループを設定して共有したりと、さまざまな使い方があることが日本でまだ浸透していないので、まずはそれを知ってもらいたい」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「Facebookと違う“極”を作りたい」 mixiの戦略、笠原社長に聞く
Facebookと同様なオープン化戦略にまい進し、国際的なアライアンスにも踏み出したmixi。笠原社長は「Facebookとは違う“極”を作りたい」と意気込む。 - Facebook、位置情報サービスを日本でも開始
Facebookで位置情報を共有できるサービスが、日本でも使えるようになった。スマートフォンのみ対応。 - Facebookが日本法人設立へ 実名SNSでmixi追撃
世界最大のSNS「Facebook」が日本に本格参入。来年1月にも日本法人を設立し、日本版を改良する。Facebookが米国外に開発拠点を置くのは初。 - 「Facebook」日本語版公開 “実名交流”でmixi追撃
MySpaceに次ぐ世界第2位のSNS「Facebook」の日本語版が公開された。翻訳にはユーザーも参加。実名によるコミュニケーションとユーザーが開発した豊富なアプリを強みに、ユーザー数を拡大する。