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「ソフトバンク版iPhone 5の誤解を解く」と孫社長 「電池はこちらのほうが長持ち」

» 2012年10月31日 19時45分 公開
[ITmedia]
photo 孫社長

 「ソフトバンク版iPhone 5の誤解を解きたい」──ソフトバンクの孫正義社長は10月31日の決算発表会の時間を割き、ソフトバンクモバイルが販売するiPhone 5について指摘されている「2つの誤解」について説明した。

 「誤解」や「都市伝説」として孫社長が挙げたのは(1)バッテリー寿命はKDDI版のほうがソフトバンク版より長持ちする、(2)ソフトバンクのLTE基地局は「オムニセル」方式のためカバー範囲が狭く、同じ基地局数でもつながりにくい上、重なる部分で干渉が起きて速度が落ちる──の2つ。

photo 「2つの誤解」についてプレゼンテーション資料も作って説明

 バッテリー駆動時間については、発売時点では確かにKDDIのほうが長持ちしていたことを認めつつ、LTE待ち受け時のパケット通信の接続状態を改良した結果「きょう現在はソフトバンクのほうが電池は長持ちだ」として、資料も示した。

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 基地局の方式について、「オムニセル」方式では1つの基地局から無指向性アンテナを使って全方向をカバーするのに対し、「セクターセル」方式では指向性のあるアンテナを使い、複数の方向(多くは120度ずつで3方向)に向けて電波を送ることにより、電波の干渉を抑え、通信品質を向上させる。孫社長によると、同社のLTE基地局の97%が3方向にアンテナを向ける「3セクターセル」方式であり、そのすき間に一部オムニセルを使っている状況だという。

 「誤解は解消した」とした上で、「ソフトバンクは攻め込まれている、苦戦していると言われたが、ソフトバンクのiPhoneが圧勝してきているのが実際の数字でも分かる。MNPや一部の機種や一部のお客など、局地戦の話はあるが、最終的にどの数字が大切かというと利益だ」と説明。利益に貢献する純増契約者数とARPU(契約者1人当たりの収入)、営業利益では「ソフトバンクが圧勝」と豪語した。

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 LTEについてもKDDIへの対抗心を隠さない。都内のJR山手線駅については「先ほど残りが開通し、29の全駅をカバーした。山手線もついに追いついた」と報告。またアンケートでソフトバンクのほうが「狭い、遅い」というイメージが多かった、として、急きょ先週末、全国のJR駅のうち乗降客数のトップ1000駅全てに社員を派遣して調べたところ、LTEを利用できたのはKDDIが542駅だったのに対しソフトバンクが807駅だったという。平均速度でも674駅でソフトバンクが上回ったという。

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 米Sprint Nextelの買収を発表したが、「国内の電波改善を後回しにして海外に出て行くのかというおしかりの声をTwitterでもいただいている」という。これに対し、プラチナバンド基地局の展開も計画を前倒しにして進めるなど、電波の改善は継続的に進めていることを強調する。

通期営業利益は7000億円に

 ソフトバンクが10月31日発表した2012年4〜9月期決算は、営業利益が前年同期比7.9%増の4027億円となり、4〜9月期としては7期連続で最高を更新した。通期では営業益7000億円を見込むという。

 売上高は3.3%増の1兆5861億円。携帯電話契約数が順調に増加し、通信料収入が増加した。経常利益も15.4%増の3630億円と過去最高だった。純損益は前年同期に米Yahoo!株式売却益を計上した反動から22.0%減の1694億円だった。

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