Googleさんがほぼ例年通りのスケジュールで、次期Androidの正式名称を発表しました。例年通りじゃなかったのは、続いてきた“お菓子ネーム”が、ついになくなったことです。正式名称は「Android 10」になりました。
これまでAndroid Qと呼ばれていた次期OSは、ただの「Android 10」になります。
Googleの正式な説明では、これまで、LollipopのようにLとRの区別がつきにくい人(日本人のことかな)がいたり、Marshmallowがポピュラーじゃなかったり、Pieってお菓子じゃないでしょと思う国があったりして、グローバルなOSにふさわしくないから、やめることにしたんだそうです。Qで始まるお菓子で、グローバルなものがなかったというのも大きいはずだと、ちまたでは言われています。キッシュ(Quiche)とかキノア(Quinoa)とかはお菓子じゃないし、Queen of Puddingsは英国だけでポピュラーだし。
一応ここに、これまでのお菓子ネームを並べておきます。
リリース年月 | お菓子ネーム(バージョン) |
---|---|
2009年 4月 | Cupcake(1.5) |
2009年 9月 | Donut(1.6) |
2009年10月 | Eclair(2.0〜) |
2010年 5月 | Froyo(2.2) |
2010年 6月 | Gingerbread(2.3) |
2011年 2月 | Honeycomb(3.0) |
2011年10月 | Ice Cream Sandwich(4.0) |
2012年 7月 | Jelly Bean(4.1〜) |
2013年10月 | KitKat(4.4〜) |
2014年11月 | Lollipop(5.0) |
2015年10月 | Marshmallow(6.0) |
2016年 8月 | Nougat(7.0) |
2017年 8月 | Oreo(8.0) |
2018年 8月 | Pie(9.0) |
こうしてみると、確かに日本ではFroyoとかHoneycombとかはピンと来ませんね。
それに、このままがんばってZまでお菓子を続けたとして、その後はどうする、と考えると、バージョン10というきりのいいところでやめるのは妥当です。
ところで、そうなると恒例のGoogle Plex(Googleの本社キャンパス)に設置してきたお菓子にちなんだドロイド君(正式名称はない、というのが一般的な見解ですが、Googleはかつては「Bugdroid」と読んでいて、いつのころからか公式ブログで「Android Robot」と呼ぶようになっています)の彫像はどうなるのでしょう?
マシュマロのころは、こんな楽しそうな動画で彫像を紹介していました。
お菓子じゃなくなっても、彫像セレモニーは続けるそうです。Googleが数週間前に開いた一部のメディア向け発表会に参加したThe Vergeによると、今後は「10」とか「11」とかの彫像を設置するんだとか。どんなデザインになるのかな。
お菓子ネームがなくなることばかり話題になっている感じですが、Androidのロゴも変わります。オリジナル、2014年のアップデート版、今回の新ロゴの3つを並べてみると、視認性が上がったことが分かります。
ちなみにオリジナルは2010年にGoogle社内のデザイナー(当時)、イリーナ・ブロックさんがデザインしたそうです。
今回のロゴ変更の一番の目的はアクセシビリティ。フォントのデザインをより読みやすいものにして、色も緑から黒に変えました。さらに、これまでは文字だけだったところにドロイド君の頭を追加。
Androidといえば緑色が浮かぶほど、緑がテーマカラーとして定着していましたが、実は緑は色覚障害のある人にとって見分けにくい色なのです。なので黒に変更。
ドロイド君がちょっと青っぽくなったのも同じ理由です。青を混ぜて、色覚障害の人にも見やすくしました。目の位置が少し下になったのは、その方がかわいく見えるからです。
オリジナルの色はPANTONE 360 Cという色で、RGB(赤緑青)は120、194、87。新色はPANTONE 2412 CでRGBは61、220、132です。青が増えた。
青緑だけでなく、Android周辺に使う色を新たに決めたそうです(開発者がこれに従う必要があるという話ではないです)。
新ロゴ決定についてのデザイナーさんたちの説明動画をコラムの最後に転載しておきます。
ところで、ドロイド君が頭だけになったのをじっと見ていたら、なんだか違う感じに見えてしまって、どうしても落書きしたくなっちゃいました。
お菓子ネームをやめるのも、ロゴデザインを変更するのも、Androidがすべての人のためのOSだから、可能な限りインクルーシブ(包括的)でアクセシブルでなければならない、というせっかく高尚な話なのに、ごめんなさい。
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