来日したTwitter幹部に、素朴な疑問をぶつけるインタビュー連載。4日間にわたり、4本の記事を掲載します。
Twitterが6月半ばに大幅なデザイン変更を行い、ユーザーアイコンが四角から丸になった。この変更には賛否両論あり、「四角の方が良かった」という声も根強い。
なぜ丸に変えたのか。デザインリニューアルの意図は。このほど来日した米Twitterのプロダクト担当副社長キース・コールマン氏と、ユーザー調査/デザイン担当副社長のグレース・キム氏に聞いた。
――6月にユーザーインタフェース(UI)がかなり変わり、ユーザーアイコンが四角から丸になった。新しいデザインには賛否両論がある。なぜ、今変えたのか。
キム氏:Twitterは昨年、ブランドアイデンティティを刷新しており、それを製品に反映させる良いタイミングだった。これまでのデザインは使いにくかったと判断し、ユーザーにより使いやすいものにしようと考えた。丸いアイコンはその1つで、丸いアイコンは、タイムライン上で発言者とその発言内容を区別しやすくするものだ。
――四角に最適化したデザインのユーザーアイコンを使っていた人も多く、変更には戸惑いの声があがった。
キム氏:四角から丸に変えると、ユーザーがアイコンデザインを調整しなければならないなど、余計な仕事をさせてしまうことは認識していた。だが、長期的には、丸にすることに価値があると考えた。
丸いアイコンの普及率や、ほかのサービスと共有できるかについても議論し、調べた。日本ではそれほど人気ではないかもしれないが、Instagramは丸アイコンだ。日本で人気のLINEも、丸アイコンを採用している。
ただ、TwitterはLINEよりも匿名性が高いため、日本のユーザーはLINEとTwitterで異なるアイコンを使っているのかもしれない。日本のユーザーについて、これからも勉強していきたい。
――Twitterアイコンが丸になった前日、日本のおもちゃメーカー・タカラトミーが、Twitter用の四角いアイコンを作れる「アイコンメーカー」を出していた。たった1日で新サービスが使えなくなり、タカラトミーは悲しんでいた。
キム氏:その件は知っている。ちょうど1日前に出していたなんてとても悲劇的で、同情する。
――少し前の話になるが、Twitterのタイムラインが時系列ではなくなったことも大きな変更だった。過去のツイートが一番上に上がったり、重要なツイートを見逃したりしてしまうため、困惑しているユーザーもいる。
コールマン氏:時系列だと、大半のユーザーは、最も必要としているツイートを見つけるのが難しくなるため、「重要なツイート」がトップに表示される状態をデフォルトにした。ただ、時系列の方が便利だというユーザーもいるので、時系列に切り替えるオプション(設定画面で「重要な新着ツイートをトップに表示」のチェックを外す)も提供している。
――日本のTwitterのスマートフォンアプリには「ニュースタブ」があったが、リニューアルによって消え、その位置に眼鏡アイコンの「探索」タブが配置された。なぜか。
コールマン氏:探索タブは、「世界で起きているが、あなたがまだ知らない」ことを知るためタブだ。タップすると、検索窓と「モーメント」、Twitterトレンドが表示される。
モーメントは、新聞で読めるようなニュースをただ載せるのではなく、人々がTwitterでリアルタイムに語っていることから、ニュースの背景で何が起きているのかを知らせる機能だ。Twitter発のニュースや、Twitterユーザー発のストーリーをユーザーに見せたいと考えており、モーメントはその第1歩だ。
――UIがここ数年、あまりに変わり続けている。ここで止まるのか、まだ変わるのか? Twitterに一貫したデザイン哲学はあるのか?
キム氏:確固とした戦略に基づいてやっている。デザインチームは、コンポーネントとUIガイドラインの共通化に動いてきた。デザイナーはこれまで、自分がどのような機能を担当しているかに応じてデザインを決めていたが、今は、共通コンポーネントを共有するようにしている。その結果、今後は一貫性が増していくはずだ。
――Twitterはかつて、サードパーティ開発者を締め出した。だが、今は「帰ってきてほしい」と呼びかけている。なぜか。
キム氏:確かに6年ほど前、APIの利用制限などを行った。当時、「Twitterが開発者コミュニティーに対して競争力を失うのでは」という恐れがあったと思う。現在は、開発者コミュニティーがユーザー経験をより良くすると考えている。
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