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寝不足でも、仕事効率を落とさない方法悩むビジネスパーソンへの“処方せん”(1/3 ページ)

» 2011年10月28日 17時05分 公開
[関厳,Business Media 誠]

関厳(せき・いわお)のプロフィール

 1979年愛知県出身。東京大学卒業後、2002年にインタープライズ・コンサルティング(旧日本エル・シー・エー)入社。現在は同社専務取締役。国内唯一のコンサルタント認定資格J-CMC(国際基準)保有。入社以来、住宅・建設・不動産業界を中心に自動車、エステ、卸売など幅広い業界のコンサルティング支援に関わる。主に「マーケティング戦略」「営業戦略」を組み合わせた売上増加支援を多く手がけ、支援先企業の多くは不況下においても増収増益を記録している。これまで手掛けたクライアント企業は150社以上。2008年は年間で約150回のコンサル講義、セミナー講演を実施。受講対象者は延べ人数で約5200名に達する。Twitterアカウント:@Iwao14


 仕事上のストレスや長時間労働の影響で、睡眠に問題を持つビジネスパーソンは増えている。厚生労働省の調べによると、日本人の5人に1人が「睡眠不足」と感じており、睡眠障害による日本の経済的損失は約3兆5000億円という試算データもあるほどだ。

 いわゆる“睡眠問題”に関して、世間には多くの情報が溢れている。これらの情報を分類すると、仕事効率を高めるための睡眠のポイントは「睡眠の時間」「睡眠の質」のどちらかで語られているものがほとんどだ。例えば、睡眠時間を90分周期にすると目覚めが良い、良い睡眠環境を確保したほうが良いといったものである。本コラムでは、仕事効率を高めるための睡眠のポイントとして、「睡眠時間満足度」という考え方を紹介したい。

睡眠時間満足度と仕事効率の関係

 「睡眠時間満足度」とは、例えばある人が3時間睡眠をした場合に「3時間も寝ることができた」と考える時は「睡眠時間満足度が高い」。一方で「3時間しか寝れなかった」と考える時は「睡眠時間満足度が低い」と捉えることができる。

 この「睡眠時間満足度」と仕事効率の関係についての面白い実験結果がある。

 (1)被験者に「3時間の睡眠時間」を取らせ、起床後に「3時間眠りましたよ」と「本当の睡眠時間」を伝え、いくつかの業務をしてもらう

 (2)同じ被験者に「3時間の睡眠時間」を取らせ、起床後に「6時間眠りましたよ」と「嘘の睡眠時間(バレないように)」を伝え、いくつかの業務をしてもらう

 上記の実験を行った際に、「(2)のほうが計算処理や記入処理といった業務において仕事効率が高くなる」という実験結果が出ている。被験者の睡眠時間は(1)も(2)も同じ3時間なので、仕事効率は変化しないと考えるのが一般的であろう。しかし、実際には「同じ人」が「同じ睡眠時間」という生理学的には同じ条件であっても、睡眠時間満足度という気持ちの面が異なれば仕事効率は変化するのである。

 ちなみに睡眠時間満足度によって仕事効率が変化するのは、計算処理や記入処理といった日常的にやり慣れている業務。新しい企画書の作成や交渉など、その場での頭の回転が求められるものは「実際の睡眠時間」が十分に確保できていないと仕事効率は上がらない(「クルマの運転」など、安全面のリスクがあることは睡眠不足で実施しないようにしてください)。

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