仕事も勉強も一段落する年末年始。時間が確保できる時に、アニメや映画をがっつり見たいと考えている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は年末年始の一気見にピッタリな「Amazonプライムのおすすめアニメ」を紹介します。
2024年1月から第2期が放送される『僕の心のヤバイやつ』をはじめ、ラブコメや青春劇、ミステリー、歴史ものなど一度見始めたら止まらない傑作アニメをピックアップしました。気になる作品があれば、ぜひチェックしてみてください。
フリーライターとして、家電、家具、アニメ等の記事を担当。大学時代から小説や脚本などの創作活動にはまり、脚本では『第33回シナリオS1グランプリ』にて奨励賞を受賞、小説では『自殺が存在しない国』(幻冬舎)を出版。なんでも書ける物書きの万事屋みたいなものを目指して活動中。最近はボクシングをやりはじめ、体重が8kg近く落ちて少し動きやすくなってきました。好きなのものは、アニメ、映画、小説、ボクシング、人間観察。好きな数字は「0」。Twitter:@kirimachannel
和歌山の離島を舞台に、タイムリープを繰り返しながら、命がけの戦いを繰り広げるSFサスペンス作品『サマータイムレンダ』。オカルトチックの不気味な雰囲気や伏線を張り巡らせて中盤から後半にかけて一気に回収していく緻密なストーリーテリングなどにより、放送当時からアニメファンの間で大きな話題を呼んだ1作です。
Amazonプライムでのレビューは1200を超えており、そのうち82%が星5の評価を付け平均でも星4.7という高評価を獲得。多くのアニソンを手掛けるシンガーソングライター・オーイシマサヨシ氏や、メタルギアソリッドの生みの親・ゲームデザイナーの小島秀夫監督をはじめ、各所で高い評価を集めているアニメでもあります。
主人公の青年・網代慎平(あじろしんぺい)は、幼馴染の小舟潮(こふねうしお)の葬儀のため2年ぶりに故郷の日都ヶ島を訪れます。当初、潮の死は事故死と考えられていたものの、親友から他殺の可能性があるとの話を聞き動揺する慎平。そして潮の死には、自分と同じ姿の”影”を見た者は死ぬという島の伝承が関わっているようで……。
謎が謎を呼ぶ極上のミステリー作品としての魅力はさることながら、原作が少年ジャンプ+で連載されていたこともあり、ここぞという場面での熱いバトルや友情、恋愛なども楽しめるぜいたくな1作です。
魔法が日常に少し残る長崎を舞台に描かれる青春劇『色づく世界の明日から』。隠れた名作として根強く支持されている作品で、Amazonプライムでも星4.7の高い評価を獲得。傷ついた心に寄り添う、優しい物語となっています。
ヒロイン・月白瞳美は魔法使い一族の末裔であるものの、魔法が使えない17歳の少女。幼い頃に色が見えなくなってしまい、それからはすべての風景がモノクロに……。心を閉ざして人とうまく関われなくなった瞳美を心配した、大魔法使いの祖母・月白琥珀(つきしろこはく)は魔法で瞳美を2018年の過去へ送り出します。
過去の世界でさまよっていた瞳美は、南ヶ丘高校に通う高校生・葵唯翔(あおいゆいと)の描く絵に出会い魅了されます。絵を見た瞬間、瞳美の目に鮮やかな色彩が飛び込み、モノクロの世界がカラフルな色合いを取り戻していきます。
瞳美は自分に対して「わたしは幸せになってはいけない」という強迫観念を抱いており、劇中では彼女の閉ざされた心と目の前のモノクロの景色が重なるように表現されています。瞳美のように自己肯定感を失い、幸せを諦めてしまったことがある人は少なくないはず。そういった苦しみを経験した人には、間違いなく刺さる1作です。
また劇中では長崎の眼鏡橋やグラバー園、グラバースカイロード、大浦展望公園など実在するスポットが多数登場しており、観光気分が味わえるのも魅力の1つ。思い出の景色のような美しい世界を舞台に、女子高生時代の祖母・琥珀や写真美術部のメンバーとの交流を通して瞳美の世界が少しずつ彩を取り戻していく優しい物語です。
11世紀頃、北欧で大暴れしていた”ヴァイキング”たちの姿を描いた『ヴィンランド・サガ』。幸村誠氏の漫画が原作のアニメで、そのクオリティーの高さから日本のみならず海外でも高い評価を集めている作品です。
辺境の地アイスランドで暮らす少年トルフィンが、過酷な運命に巻き込まれながら、冒険家のレイフから聞かされた理想卿”ヴィンランド”を追い求める物語。11世紀当時のヨーロッパの情勢から文化、衣装、ヴァイキングが持つ「戦いに命を捧げることで死後”ヴァルハラ”に招かれる」という思想の面まで緻密に描かれています。
丹念に作り込まれた説得力のある世界観が今作の大きな魅力です。ディテールにこだわっているからこそ、そこで描かれるヴァイキングたちの姿には確かな息遣いが感じられます。これまで味わったことのない物語を求めているなら、ピッタリの作品と言えるでしょう。
戦士に憧れる純朴な少年だったトルフィンが、とある出来事からヴァイキングと共に行動することに。戦場に身を投じたトルフィンは、多くの人を殺し修羅の世界へおちていきます。しかしそんな彼にも忘れられない父の言葉がありました。
「お前に敵などいない。誰にも敵などいないんだ」という少年期には分からなかった父の言葉が青年となり、あらゆる苦難を経験する中で、あらゆる過ちを犯す中で、トルフィンは少しずつ理解できるようになっていきます。
目を覆いたくなるような残酷過ぎる世界を歩みながら、トルフィンが真理にたどり着き”本当の戦士”になっていく、その姿を目撃することになるでしょう。そして最後まで見終わった時には、観客である皆さんの人生観も変わってしまうはず。死ぬまでに1度は見ておきたい名作中の名作です。
2024年1月から第2期の放送を予定している今注目のラブコメ作品『僕の心のヤバイやつ』。猟奇本が愛読書の中二病男子・市川京太郎と、中学生ながら雑誌のモデルとして活躍する少し天然な美少女・山田杏奈の2人による甘酸っぱさ全開の恋模様を描いた物語です。
主人公の市川は山田の美しい死体姿を想像しては、自己嫌悪に浸る日々を過ごす割とヤバイやつ。そんな妄想を繰り返していたある日のこと、市川の聖域である図書室へ山田が現れ、おにぎりを食べるやらお菓子を食べるやらと、モデルらしからぬ意外な行動をとり始め、驚く市川。
最初は本棚の隙間から山田の様子を実況するだけだった市川ですが、ひょんなことから接点が増え、少しずつ心の距離も近づいていきます。そして市川の一方的な憧れだったはずの関係が、とある行動から変化し始め、山田も市川を意識し始めることに……。
恋が何かをまだ知らない、不器用な2人の姿が丁寧に描かれている作品です。人を好きになる瞬間や、悲しみの共有から恋心に気づくなど、揺れ動く思春期の少年少女の心が繊細に表現されており、見ていると思わず2人の恋を応援したくなります。とはいえラブコメとしてのお約束のシーンも多く、誰でも楽しめるアニメに仕上がっています。
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