「経費精算不正」見つけたことある7割 「接待交際費」に危機感
経費精算クラウドサービスを提供するコンカーは日本CFO協会と共同で、日本企業の財務幹部を対象とした「経費精算における不正リスクの実態調査」を実施した。不正リスクがあると考える人は7割を超え、特に「接待交際費」(37%)、「出張費」(26%)にリスクが高いと感じる人が多い。
経費精算クラウドサービスを提供するコンカーは日本CFO協会と共同で、日本企業の財務幹部を対象とした「経費精算における不正リスクの実態調査」を実施した。不正リスクがあると考える人は7割を超え、特に「接待交際費」(37%)、「出張費」(26%)にリスクが高いと感じる人が多く、金額が大きくなる傾向のある品目について危機感を抱く人が多いことが分かった。
7割が「経費精算不正を見つけたことがある」
「経費精算の不正を見つけたことがあるか」の質問では、「ある」と答えた人が67%と過半数に達した。不正を見つけた品目は「出張費」が33%と最多で、次いで「接待交際費」が24%となった。また、金額については「1000円未満」が24%と少額の不正も多くみられるものの、1万円〜5万円以上の高額の不正も59%に上り、1万円以上の高額不正が半数以上を占める結果となった。
経費精算をチェックするにあたり、どれくらい負担に感じているかの質問では「負担になっている」と79%が回答し、チェックする側に大きな負担となっている。特に負担を感じているものは「日付や内容などの整合性」(42%)、「接待交際費や物品購入費などの妥当性」(32%)など、金額だけでなく支出内容を細かく確認する必要のあるものに対しての負担が大きい。
特に見落としやすい不正、実際に見つけたことのある不正では「接待交際費」と「出張費」がどちらも上位に挙がった。
「人による目視チェックだけで不正を見つけるのは難しいか」の設問では、89%が「そう思う」と回答。また、86%が「AIでチェックを実施した場合業務が楽になると思う」と回答し、AI活用での不正検知への期待感がうかがえた。
不正について、「経理部門が発見すべきと思われているか」の質問に対し「そう思う」と7割が回答する一方で、「不正を発見すべきはまず各担当部門だと思う」と答えたのが93%に上った。不正を発見すべきは経理部門であると自覚しつつも、まずは各担当部門でチェックをしっかり実施してほしいと考えている担当者が多い。
調査は日本CFO協会会員を主体とした日本企業の財務幹部を対象に、インターネット上で実施した。調査期間は2月26日〜3月12日。
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