シキボウ、凸版印刷、山本香料、東邦車輛の4社はこのほど、便を回収する衛生車(バキュームカー)から出る糞便臭を甘い香りに変えるという潤滑油「デオマジックVC1オイル」を10月1日から販売すると発表した。「完全に消臭することは非常に困難」という糞便臭を別の香りにしてしまうことで解決するという発想だ。
シキボウと山本香料が2011年に開発した、便などの不快な臭いを甘い香りに変化させる消臭技術「デオマジック」を応用し、バキュームカー向けに開発した。
その仕組みはこうだ。香水などの芳香品は、何十種類もの香料の成分をブレンドすることでできている。こうした芳香品の多くには、一般的に不快と感じる臭いの成分が少量含まれていることが多いという。
シキボウと山本香料はここに着目し、良い香りの香料から、あらかじめ糞便臭の成分を除いた香料を調合。これに糞便臭が加わると、良い香りに変わるようにした。この技術を「デオマジック」と名付け、畜産業界向けに実用化していた。
新製品は、バキュームカーの作業時に使用する真空ポンプ用の潤滑油にデオマジックの成分を調合。従来の潤滑油を同製品に変えるだけで、デオマジックが真空ポンプと配管を通じてバキュームカー内を循環し、不快な臭いを甘い香りに変化させるという。
環境整備事業者20社でモニター試験を行った結果、ほぼ全ての事業者から「排気からの糞便臭を感じなくなった」という回答が得られたという。
20リットル入りで3万5000円で販売する予定。全国の環境整備事業者に向けに拡販し、初年度約3億円の売り上げを目指すとしている。
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