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MMWR抄訳

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2024/04/04Vol. 73 / No. 13

MMWR73(13):278-285
Surveillance To Track Progress Toward Polio Eradication — Worldwide, 2022–2023

ポリオ根絶に向けた進捗を追跡するサーベイランス ― 全世界、2022年~2023年

1988年にGlobal Polio Eradication Initiativeが制定されて以来、野生株ポリオウイルス(WPV)症例数は99.9%超減少し、WPV血清型2型および3型は根絶が宣言された。2023年の年末まででWPV血清型1型(WPV1)が流行しているのはアフガニスタンとパキスタンの2カ国のみであるが、2021年~2022年にマウイおよびモザンビークにてパキスタンの症例と遺伝的に類似するウイルスに起因するWPV1症例が9例報告された。今回、2022年~2023年における急性弛緩性麻痺(AFP)サーベイランス、ポリオウイルスの環境サーベイランス、Global Polio Laboratory Network(GPLN)パフォーマンスデータの指標を評価した。2024年3月11日時点のWHOのPolio Information Systemと2024年1月31日時点のGPLNデータを入手し、分析した。AFPサーベイランスは28の重点国(WHOのアフリカ地域、東地中海地域、南東アジア地域、西太平洋地域)および511地域(州または県など)にて、2つの指標[15歳未満の人口10万人あたりの非ポリオAFP(NPAFP)症例が2例以上、AFP症例から採取された便検体の80%以上に適切な検査を行う]を評価した。アフリカ地域では21カ国中、2022年に17カ国(81%)、2023年に18カ国(85.7%)が両方のサーベイランス指標目標を達成し、2023年にはすべての国がNPAFP症例の指標目標に達した。また、2022年には356地域の70.8%、2023年は355地域の75.8%が両方の目標に達し、80%以上の地域が両方の目標に達した国は2022年が9カ国、2023年が11カ国であった。WPV1症例は2022年に8例報告され、2023年は報告されなかった。ワクチン由来ポリオウイルス(VDPV)症例は、2022年の690例[伝播型VDPV1型(cVDPV1)192例、伝播型VDPV2型(cVDPV2)498例]から2023年には471例(cVDPV1が133例、cVDPV2が338例)に減少した。東地中海地域では5カ国中、2022年にはすべての国が両方の目標を達成し、2023年は4カ国が達成した。地域別では2022年には87.4%、2023年には80.4%が両方の目標に達した。また、ポリオ症例は、2022年はそれぞれWPV1が22例、cVDPV2が166例報告されたが、2023年ではそれぞれ11例、15例が報告されている。南東アジア地域(インドネシア)ではNPAFP症例率は10万人あたり3.5例から5.8例に増加し、便検体の検査率は2022年、2023年ともに目標に達せず、cVDPV2症例が2022年に1例、2023年に6例報告された。西太平洋地域(パプアニューギニア)ではどちらの指標も目標に達せず、2022年、2023年ともにポリオウイルスは検出されなかった。環境サーベイランスでは2023年、28カ国中27カ国(96.4%)がサーベイランスサイトを報告し、アフリカ地域でのサーベイランスサイト数は2022年の386カ所から2023年には378カ所へ減少したが、エンテロウイルス感受性指標を満たすサイトの割合は41.7%から58.8%へ増加し、エンテロウイルス分離率80%以上を2022年は18カ国、2023年は19カ国が達成した。東地中海地域のサイト数は2022年の244カ所から2023年には571カ所へ134%増加した。これは2023年、パキスタンが新たに308サイトを追加したためであるが、パキスタンの全サイトのうち2023年に5回以上の回収を報告したサイトは133カ所のみ(26.7%)であった。ソマリアとスーダンでは感受性指標を満たすサイトの割合はそれぞれ100%から35.3%、85.7%から60%に低下した。インドネシアではサイト数が2022年の16カ所から2023年には12カ所に減少したが、感受性指標を満たすサイトは25%から45.5%に増加した。GPLNは2023年、AFP患者から採取した233,437の便検体を検査し、アメリカ地域を除くすべての地域にてウイルス分離の適時性目標(受領から14日以内に結果を報告する検体が80%以上)を満たした。遺伝子配列分析では、28カ国にていずれのアウトブレイクにも関連しない37のcVDPV出現群(cVDPV1が7群、cVDPV2が30群)がAFP患者1,320例、環境サーベイランス607検体からウイルスが検出された。世界中のポリオ根絶の目標達成には質の高いサーベイランスの維持が極めて重要であり、ギャップを特定し、特にポリオウイルス流行のリスクが高い国におけるサーベイランス強化を指南するためにサーベイランス指標のモニタリングは重要である。

References

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