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運用型広告

どう決める?運用型広告の予算 4ステップの考え方をケーススタディ付きで解説

キーワードマーケティングのインハウス支援室長の石川です。過去10年以上にわたり、400社以上の企業の成長を支援してきました。

広告運用で成果を上げるためには、企業全体の目標も視野に入れた計画的な予算設定が不可欠です。さらに、広告配信後の結果を確認しながら、適切に予算を調整することで、リソースを効果的に活用できます。

とはいえ、インハウスの運用担当者の中には、その額を決める際に以下のような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

  • 運用型広告の予算って、年間どれくらい割り当てればいいんだろう?
  • 媒体別の予算に、月間の予算・・・どこから決めたらいいの?
  • 限られた予算を効果的に使う方法が分からない・・・
  • そこで、この記事では広告予算の決め方や配分方法と、効果的な調整のポイントについて解説します。

    4ステップで解説!運用型広告の予算の決め方

    企業のビジネス目標の達成を Web 広告の領域から支えるために必要なのが、運用型広告の予算です。だからこそ、年間および月間の予算を適切に見積もって、限られた予算を最も効果的に活用することが求められます。

    今回は予算をスムーズに決められるよう、運用型広告の予算の決め方を以下の4つのステップに分けて紹介します。

    1. 年間予算を決める
    2. 年間予算を月間に分割する
    3. 媒体ごとの予算を決める
    4. キャンペーンや広告グループごとの予算を決める

    ステップ1. 年間予算を決める

    まずは企業全体の年間売上目標やマーケティング目標を明確にし、それを基に広告活動に必要な予算を見積もります。

    広告運用で成果を上げるためには、売上目標や市場シェア拡大といった「企業全体の目標」と、広告施策を連携させることが重要です。企業全体の戦略と広告施策をしっかりと連携させることで、リソースの活用方針が明確になり、目標達成に向けた具体的な道筋を描くことができます。

    たとえば、広告予算の目安として年間売上目標の一部(5%から10%)を割り当てる方法がありますが、これはあくまで一つの目安であり、すべての企業に当てはまるわけではありません。

    実際には、企業の業種や成長段階、広告運用の目的などによって適した予算の割合は大きく異なります。一概に「売上の〇%」と決めつけるのではなく、自社の戦略やリソースを考慮したうえで、適した割合を見つけることが重要です。

    また、広告予算を決定する際には、業界内の競争状況も重要な要素です。競争が激しい業界では、競合他社に対抗し、ターゲット層に確実にリーチするために、十分な予算を確保する必要が生じる場合もあります。

    過去の広告運用の成果や市場のトレンド、業界内の競争状況など、さまざまな要素に配慮しながら年間予算を設定しましょう。

    ステップ2. 年間予算を月間に分割する

    年間予算が決まったら、次はそれを月ごとに分割します。ここでのポイントは単純に12分割するのではなく、以下のような前年度のデータや季節変動などを考えて割り振ることです。

    • 季節の変動(暑い時期に売れるのか、寒い時期に売れるのか)
    • 季節的なセール、イベント(年末年始セールや記念日商戦など)
    • 新製品の発売時期

    今回は例として、以下のような条件のアパレルブランドの月間予算の割り振りを考えてみましょう。

    年間予算 200万円
    季節的なセールや
    イベントの有無
    あり
    ・夏と冬の季節セールに売上のピークを迎える
    ・反対に、セールのない時期(春や秋)は閑散期になる傾向

    表にある通り、このブランドでは夏と冬の季節セールが売上のピークを迎えるため、それに合わせて集客を図りたいですよね。そこで、これらの期間には予算を多めに配分します。

    具体的には、夏のセール(6月から7月)と冬のセール(12月から1月)にそれぞれ全体予算の25%ずつ、合計50%を割り当てます。

    12月から1月 2月から5月 6月から7月 8月から11月 予備費
    25%
    (50万円)
    25%
    (50万円)

    一方で、閑散期となる冬のセール後(2月から5月)と夏のセール後(8月から10月)には予算を抑え、それぞれ15%ずつに設定します。

    12月から1月 2月から5月 6月から7月 8月から11月 予備費
    25%
    (50万円)
    15%
    (30万円)
    25%
    (50万円)
    15%
    (30万円)

    最後に、余った残りの20%を新商品の発売時期や記念日のキャンペーン(例:10周年記念セールなど)に充てます。

    12月から1月 2月から5月 6月から7月 8月から11月 予備費
    25%
    (50万円)
    15%
    (30万円)
    25%
    (50万円)
    15%
    (30万円)
    20%
    (40万円)

    このように、売上が増加する時期や特定のイベント期間には予算を多めに配分し、閑散期には予算を抑えるよう調整することで、無駄な支出を避けて最大限の効果を引き出せます。

    年間の予算配分についてはこちらの記事でも詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。

    Web広告の適切な年間予算配分は?広告運用のプロが考え方を丁寧に解説|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング

    広告の予算配分でお悩みの方へ向けて、Web広告の年間予算配分の考え方をお伝えします。3つのケースに分類して解説するので、自社の商材がどのケースに当てはまるかを見て判断してみましょう。

    季節ごとの変動の予測が難しいときはツールを使うのも手

    「今年起業したばかりで前年のデータがない」など、先ほど紹介したデータの取得が難しい場合は、Google トレンドを使うこともおすすめします。

    これは Google で検索されるキーワードの検索回数の推移がわかる無料ツールで、過去30日間、過去12ヶ月などと期間を指定してのチェックも可能です。

    自社の商材に関するキーワードの検索推移を知ることで、どの時期に広告予算を多めに割り当てるか、逆にどの時期は少なく割り振るかを考えるヒントになります。月間での割り振りに困った際は参考にしてみてください。

    ▼Google トレンドに関する詳しい解説はこちらから

    10年使えるGoogleトレンドの5タイプ分析。検索需要の波から適切なマーケティングへ繋げる方法|キーマケのブログ|株式会社キーワードマーケティング

    Googleトレンドとは、Google で検索されるキーワードの検索回数の推移がわかる、登録不要、無料で使えるツールです。特徴は、情報の更新が早いことと、期間を過去1時間をはじめに、過去30日間、過去12ヶ月、過去5年間、2004年から現在といった区切り調べることができる点です。Googleトレンドの動き方は主に5つに分類でき、そのタイプによってユーザーの将来的な動きがある程度予測できます。この記事ではタイプの説明と活用方法を詳しく説明します。

    ステップ3. 媒体ごとの予算を決める

    年間予算を月間に分割したら、Google 広告や Yahoo! 広告といった広告媒体ごとに予算を割り振ります。

    ここでのポイントはターゲット層や、広告を出した際に期待できる成果(クリック数やコンバージョン数など)を考えることです。自社の状況と照らし合わせながら、適した媒体を選び予算を配分しましょう。

    例えば、ブランドの認知度を高めることが主な目的である場合、視覚的にアピールしやすいディスプレイ広告や SNS 広告が検討できます。

    対して、コンバージョン獲得を目的とする場合には、購入や問い合わせといった具体的な成果を狙うことが重視されます。そのため、ユーザーの検索意図に応じた配信が可能な検索広告に予算を優先的に割り当てるのが効果的です。

    また、一度サイトを訪問したユーザーに再アプローチするリマーケティング広告に予算を割り当てることで、より高い成果を狙うことも有効です。

    ステップ4. キャンペーンや広告グループごとの予算を決める

    媒体ごとの予算が決まったら、最後に各媒体のキャンペーンや広告グループごとの予算を設定します。

    設定の対象は媒体によりますが、キャンペーンや広告グループ(広告セット)ごとに設定するのが一般的です。また、予算は日単位で設定することが多く、予算額は月間の予算を30.4(1か月の平均日数)で割ったものが設定されます。

    キャンペーンや広告グループへの予算配分のコツは、目標に合わせて、キャンペーンや広告グループごとに優先順位をつけて割り振ることです。

    例えば、新規客の獲得を目的とした場合と既存顧客へのリピート購入の促進を目的とした場合は、それぞれの目標を考慮して、以下のキャンペーンに優先して予算を割り当てます。

    目的 予算を多く割り当てる
    キャンペーン
    広告配信の方針
    新規客の獲得 検索キャンペーン コンバージョンが見込めるキーワードを中心に配信する
    既存顧客への
    リピート購入促進
    ディスプレイキャンペーン
    (リマーケティング)
    既存顧客に向けた広告を多く配信できるよう調整する

    また、季節限定商品のプロモーションをおこなう場合は、商品の需要が高まる時期に予算を集中させることで、ターゲット層に効果的にアプローチできます。

    このように、キャンペーンや広告グループの目的、ターゲット層などを考慮して予算を配分することで、リソースを最大限に活用し、より高い成果を得られます。

    企業が重視するものによって予算の決め方も変わる

    ここまで紹介した4ステップの決め方はオーソドックスなものですが、企業によっては別の手法を取るのがよい場合もあります。

    例えば、目標管理に重きを置く企業なら、目標から逆算した予算設定がおすすめです。この場合、以下のように達成したい目標から逆算して広告予算を決めていくことになります。

    目標CPA(CV 1回あたりの目標単価)× 月間の目標 CV 数=月の広告予算

    たとえば、月に100回のコンバージョンを目指す場合、1回のコンバージョン獲得にかかる目標単価を3,000円とすると、以下のような計算式から、月の広告予算は30万円になります。

    3,000円(目標 CPA)×100回(月の目標 CV 数)=30万円(月の広告予算)

    このように具体的な目標から予算を設定する方法には、費用対効果を考慮した計画が立てやすくなるメリットがあります

    ほかにも、過去の利益や前期の広告実績を参考にして予算を決める方法などもあります。自社が何を重視しているかによって、予算の決め方も柔軟に選ぶようにしましょう。

    広告配信後、予算を調整するときの2つのコツ

    媒体やキャンペーンに設定した予算は仮説に基づいて決められたものであり、必ずしも正しいとは限りません。広告を配信した後の結果や状況を分析し、媒体ごとの予算やキャンペーン間での予算を調整することで、広告費を効果的に配分し、活用できるようになります。

    そこで、最後に広告予算の調整のコツとして、以下の2つを紹介します。

    1. 成果が出ているキャンペーンにリソースを集中する
    2. 予算が少ない場合は媒体やキャンペーンを絞る

    上記のコツを駆使し、定期的に予算を見直して、広告運用のパフォーマンスを最大限に引き出しましょう。

    1. 成果が出ているキャンペーンにリソースを集中する

    すべての広告が同じように成果を上げるわけではありません。パフォーマンスが優れているキャンペーンに予算を多く割り当て直すことで、全体の広告効果を高められます。

    成果を上げているキャンペーンは予算を増やし、成長のチャンスを逃さないようにしましょう。柔軟で計画的な予算の配分と調整をおこなうことで、限られた予算を最大限に活用し、広告運用の効果を最大化できます。

    反対に、効果が低いキャンペーンは迅速に予算を減らし、リスクを最小限に抑えるとともに、より成果が期待できる領域に予算を集中的に使うことが重要です。

    2. 予算が少ない場合は媒体やキャンペーンを絞る

    予算が月10万円以下のように限られている場合は、複数の媒体や多くのキャンペーンに分散するのではなく、特定の媒体やキャンペーンに予算を集中させることが重要です。

    たとえば1日に使える予算が3,000円程度だと、クリック単価が高い場合には数回のクリックで予算が尽きてしまい、十分なデータが得られません。 その結果、広告の効果を正しく評価することが難しくなります。

    見込みの高い媒体やキャンペーンを絞り込み、そこに集中して予算を配分するのが効果的です。成果が得られたら、その実績をもとに新たな媒体やキャンペーンへの予算拡大を検討しましょう。

    広告予算を計画的に管理して持続的な成果を引き出そう

    運用型広告の目標達成に向けて、必要な資金や人材をもっとも効果的に配分するには欠かせない広告予算。そんな広告予算を計画的に設定し、柔軟に配分や調整することは、広告運用で無駄な支出を抑え、持続的な成果を上げるために欠かせません。

    この記事で紹介した広告予算の決め方や調整のしかたを実践することで、与えられた予算を最大限に活用し、広告効果を引き出しながら成果を継続的に向上させることができます。

    限られた予算を有効に活用し、目標達成に向けて明確な道筋を描いていきましょう。

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    記事を書いた人

    石川 優二
    石川 優二

    執行役員/インハウス支援室長

    全国400社以上の研究会員の運用型広告・マーケティングコンサルティングを担当。養成講座では500人以上を教育。コンサル・講師・執筆業から、広告運用代行、ホームページ制作、システム開発まで担当。自社ビジネス成長のための製品開発、販売をする実践家でもある。自他ともに認める変わり者。徳島県出身。

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