大学に約1億2000万円の損害を与えた背任の疑いで、東京女子医科大学の元理事長・岩本絹子容疑者(78)が逮捕された。
容疑者を知る人は「カーっと熱しやすくて、爆発することは度々ありましたね。大学のお金を動かすようになると、ご自分が自由に使えるお金が増えたと勘違いされたんだと思う」と話す。
岩本容疑者とは、一体どのような人物なのか。
1億円超を不正…キックバックで私的に使用か
1月13日午前10時過ぎ、警察車両の後部座席で身をかがめ、警視庁本部へ入る女。背任の疑いで逮捕された、東京女子医科大学の元理事長・岩本絹子容疑者(78)だ。
この記事の画像(17枚)岩本容疑者は大学の新校舎2棟を建築する際、非常勤職員だった建築士に対し、給与とは別に、実態のないアドバイザー業務に対する報酬として1億1700万円を支払い、大学に損害を与えた背任の疑いが持たれている。
捜査関係者によると、給与とは別に、実態のないアドバイザー料が岩本容疑者にキックバックされ、私的に使っていたとみられるという。
東京女子医科大学のトップが関わる不正に捜査のメスが入ったのは、2024年3月のことだ。
捜索の容疑は、勤務実態のない職員に、大学の同窓会組織「至誠会(しせいかい)」から、不正に給与が支払われていたというものだった。
FNNが入手した音声では、職員への説明会で、逮捕前の岩本容疑者が一連の疑惑を否定していた。
岩本容疑者とみられる音声:
理事長の岩本でございます。至誠会の元職員に関しましては、報酬に見合う以上の仕事をこの大学でしていたというふうに認識しておりまして、この件に関して問題はなかったと考えております。
警視庁は、押収した資料の分析を進め、資金の流れの解明を進めてきた。そして捜索から10カ月が過ぎた13日、岩本容疑者を逮捕した。
岩本容疑者“爆発”で逆らえなくなった人も?
同窓会組織の元理事は、岩本容疑者の人柄について、こう証言する。
同窓会組織の元理事:
爆発することは度々ありましたね。その爆発が怖くてとか、爆発されて逆らえなくなった人も多かった。それこそバカヤローとか、物を投げつけるっていうこともあったと思います。ご自分が自由に使えるお金が増えたと勘違いされたんだと思う。
岩本容疑者の逮捕を受け、東京女子医科大学は13日午後、会見を開き謝罪。事件の原因について、こう述べた。
東京女子医科大学 清水治 理事長:
元理事長の専横的な意思決定、プロセスに十分なガバナンスを発動することができなかった。そういう意味で内部統制、ガバナンスの不全が大きな原因であったと考えています。
警視庁は、事件の全容解明を進める方針だ。
(「イット!」1月13日放送より)