ガラクタの山どころか、ピカピカじゃないですかっ!
この髑髏の星条旗の上に鎮座ましますのは、先日イラン軍が「撃墜した」と発表した米軍最新鋭のステルスキラー「RQ-170センティナル」です。イランの報道機関が本日公開した捕獲後の初映像。米軍の自爆工作も虚しく無傷で手渡してしまうとは...アメリカにとっては最悪、中国にとっては最高のニュースになりますね。
イラン軍は「戦闘機・地上からの攻撃ではなく、電子的に侵入して奪った。損傷はほとんどない」と発表し、日曜情報筋が明らかにしたところでは
「東のアフガニスタン国境を越えイラン領空に侵犯してきたところで、イラン軍電子戦闘部隊が狙い成功した」
ということでした。イラン側は「米軍のドローンはイラン人を何度も殺している」とアメリカを非難しています。殺戮に使われた証拠はないのですが、センティナルが殺人目的で使われるという情報が出たのは今回初めて。本当なら聞き捨てならない話ですね。
それにしてもRQ-170はステルス性のある機体なので、理論上、イランからは探知不能なはず。撃墜なんて「実物を見せてもらうまで信じられない」とアメリカではみんな言っていたのですが...トホホ。
動画ではイラン軍の人がドローン(無人機)を囲んで、あちこち詳しく調べてます。軍事評論家のデビッド・チェンチョッティ(David Cenciotti)氏が書いてるように、航空ショーのRQ-170はダークグレーだったけど、こちらは白い砂漠の色にカモフラージュしてますね。こんなにアッサリ上空から持ってゆかれて、それを自爆・奪回する術もないのでは、いくらカモフラージュしてもしょうがないのだけれど。
アメリカの面目は丸つぶれです。
中国・ロシアは既に「偵察機の調査は我々も喜んで手伝う!」とイランに協力を申し入れています。さっそく今ごろ北京から札束詰まったアタッシュケースがテヘランに付け届けてるんじゃないでしょうか。中国はドローン開発プロジェクトでアメリカに大きく水を開けられているので、センティナルの超最先端の電子の体内なら解剖したくてウズウズしてるはずですからね。
映像がフェイクの可能性もあるけど、ドローンが1機行方不明になっているのはNATOも事実と認めてますからね。
米軍の上の人はCNNで「イラン側はガラクタの山を前に、そこにあるものが何で、どう扱ったらいいのか頭を悩ませているところさ」と言ってましたけど、映像を見る限りガラクタの山には見えません。「電子的手段で奪った」というイラン側の主張とも矛盾しますし。イランをオンレコで罵るのは、やっぱり国家セキュリティが脅かされていることへの危惧・狼狽の裏返しなんでしょうね。
UPDATE: チェンチョッティ氏が入手した高画素写真。腹に擦り傷か焦げ跡のようなものが残っており、ランディングギア抜きの荒っぽい着地だったことが分かります。