完璧じゃないと言われても買っちゃうみなさまのために、本日リリース「OS X Lion」を最大限楽しむガイドを用意しました!
使いづらいジェスチャはリマッピング(再割り当て)しよう
Lion最大の不満点、そのひとつはジェスチャ再割り当てのオプションが皆無に近いことです。たいした問題じゃないかもだけど、一番広く使われている機能まで超使いづらいジェスチャのものも混じってるんですよね...小指以外の4本指を開くとデスクトップに行くのとか。幸い無料のBetterTouchTool(BTT)みたいなプログラムを使えば、変なジェスチャも自分好みのジェスチャに再割り当てできます(右のスクショは私の割り当て)。BTTはLionに新たに搭載になったMission Controlみたいな機能にはまだネイティブ対応してませんけど、 各機能のキーバインドごとにジェスチャーを割り振ることは可能ですよ。
隣のスペースも覗けるよ
Space間をスワイプで移動できるのは、Lion新機能の目玉なわけですが、比較的きれいなアニメーションになってて、私が好きな能率アップの小技も備えています。いきなりスワイプして次のSpaceに丸々進まなくても、今いるSpaceの右か左の端っこでアプリ(Dashboard as a Spaceから出るならウィジェット)をチラ見できるんですね。僕の場合、Mail受信箱を右端で確認したり(右のスクショ)、左端にブラウザの窓を置いてTurntable.fmのキューを見たりしてますよ。作業空間をいちいち去らなくても他の空間が見れるのでSpaceがさらに広がる感じ。沢山の作業を同時進行するマルチタスカーも作業がはかどりますね。
「進む」、「戻る」の3本指ジェスチャを改善
現状、ページを進んだり戻ったりするのにLionにデフォルトの2本指ジェスチャ使ってる人は「進む」も「戻る」も壊れてて使えないはず。使えるようにするには「Swipe between pages(ページ間スワイプ)」のジェスチャを3本指か2本指/3本指に切り替える必要があります。このオプションはシステム環境設定(System Preferences)のトラックパッドという欄を開くと「More Gestures」っていうのがあって、そこにありますよ(スクショ参照)。
ブラウザや他のアプリがLionの新しいジェスチャに追いつくまでの一時的な問題だと思います(思いたい)けど、当座は自分の使い慣れたスワイプで凌げるってことで。Win-Winですね。
iCal、アドレスブックの酷いスキンを一掃
iCal、アドレスブックの「物理的メタファー」はなかなか悲惨...。まだまだ使える現役アプリのスキンっていうよりは、実家の地下室に掛かってるケバい模造パネルみたいですよ。有難いことに、このギミック臭のする新スキンを一掃し、他のアプリの雰囲気に近いものにかえる無料のオプションがMacNixから出てます。スキンをダウンロードして設定ガイドに従うだけ。途中アプリのバックアップを推奨するステップも出てくるけど、僕はそれは飛ばしちゃったなあ。あのデフォルトのスキンは二度と目に触れて欲しくないので。
必要なアプリはSpacesの右端から開くようにしよう
フルスクリーンアプリはゴージャスな反面、欠点も。まず何といってもフルスクリーンアプリの場合、Spacesのキュー(順番待ちの列)の最後の最後にデフォルトで回されちゃうんですね。つまり他の開いてるSpaceをフリップ、フリップ、フリップしまくる以外フルスクリーンアプリに到達する方法はないのです。これを楽に回避するには、自分のデフォルトのデスクトップを一番右端のSpaceに置いてしまうことですね。こうしておけば、開いたもの全部のページをいちいち通っていかなくても、使用中のSpacesを全部一括してフルスクリーンアプリとの間で切り替えが可能です。この設定を変えてもバーチャルデスクトップの順番は変更できないので「何個か余分にデスクトップ要るかな?」と思う人は、それを左側に残しておくと良いでしょう。
手持ちのアプリがLion互換かどうか早見表でチェック!
まだ現段階では全アプリがLionでサクサク動作する...とは限りませんよね。PowerPCベースのアプリのように10.7(Lion)で使うためには一から書き直さないとダメなアプリもあるし、何個かバグを直すだけでOKなアプリもあります。どのアプリが頭痛の元で、どのアプリが大丈夫か、RoaringAppsが超役立つ早見表にまとめてますので、そちらご参考に。(追:ソフト・周辺機器の対応状況はこちら)うざったい機能はOFF、OFF!
もっとイライラするLionの機能もありますが、中にはOFFにできるものもあるんですよ。例えば「Inverse scrolling(逆向きスクロール)」は慣れが必要な機能ですよね。僕は使って多少コツが掴めてきたけど、Joe Brown編集長みたいに、こんなもの何の使い道があるんだってサッサと捨てる人もいます。自分も編集長の仲間に入りたい...という方はトラックパッドの設定にある「Scroll&Zoom」のオプションで「Inverse scrolling」を無効化しましょうね。「Dashboard as a Space」は概念としてはOKでも、前よりフォーカスするまでの時間が長くかかり、遅く感じます。この機能はシステム環境設定(System Preferences)のMission Controlで無効化できますよ。
スクロールバーが消えるとブラウジングは多少キレイに見えますが、文書を絶えず行ったり来たりする人は途方に暮れちゃいますよね。スクロールバーがないと生きていけない人は一般設定(General Settings)の「Show scroll bars」をAlwaysに変えると常時表示されるように。
簡単に直せない問題、全く直せない問題もある中、OFFに切り替えられるものは極力OFFにしちゃうのが賢明でしょう。
フルスクリーン表示=クレイジー過ぎて結婚相手にはちょっと...な美女
さっきも触れましたけど、フルスクリーン表示は本当に最高、すーばらしーの一言です。だから余計に心が痛むんですよね...ほとんどのところは全く使い物にならないので。フルスクリーン表示の問題点は、画面のグラフィックスが全部それに取られることだけじゃなく、それ自体のために全く新しいバーチャルデスクトップが作られ、それに何から何まで無理やり横取りされちゃうこと。つまり何か他の作業をやりながら、バックグラウンドで映画をフルスクリーンで流すともうダメ、仕事にならない。フルスクリーンMailから1本メールをポップアウト表示して別のワークスペースでマルチタスクしようとしても、同じ。参考資料のテキスト文書をフルスクリーンアプリの影にキープしようとしても、同じ。これを全部回避したかったら、この(全画面表示の)機能を使わないことぐらいしか手立てがないんですね。でもこれだけフルスクリーン・サポート追加したのは実際使ってもらうためだったんじゃ...?
Mission ControlでSpacesは完全に去勢された...
まあ、最初に白状してしまいますが、僕はOS X LeopardとSnow LeopardでSpacesかなり使い込んでる方です。でも、いつも沢山窓開いてしまってExposéもあんまり役に立たない感じだったので、このMission Controlにはすごく期待していました。使ってみると、ゴチャゴチャしたワークスペースからアプリを拾っていく面では確かにMission Controlは最高なんですが、Spacesの仕組みがこれで完璧に無に期してしまった印象ですね。
前のSpacesの優れた点のひとつとして、全体を俯瞰する画面にジャンプして自分のバーチャルデスクトップひとつひとつに合わせてワークスペースを完全に並べ替えられる機能があったんですが、あれも完全になくなってしまいました。つまり自分が今使用中のデスクトップにないアプリは、あるワークスペースから別のワークスペースに移動できないんです。あるモニターで使用中のSpaceから別のモニターにもアプリは移動できません。
Spacesナビゲーションも非常にイマイチ
LionのSpacesナビゲーションで特に重要なのは、デスクトップ間をジェスチャ移動できる機能が加わったこと。すごい! あまりにもすごいので、Spacesの垂直アライメントも...消えてしまいました。Mission Controlの他のジェスチャと水平なレイアウトのために。でもどうして列の後ろから前、前から後ろをループで繋げられないんでしょね? 全部ひとつの長い列に並べるなら2つの端と端を完全に離しておいて何のメリットが...?Power PC専用アプリには死刑言い渡し
前々から知ってたことですが、やっぱり来ちゃいましたね...Appleはこれをもって昔のPowerPCアプリのサポートを打ち切りました。持ってる人はLion入れると動かなくなりますよ。こればかりはSnow Leopard用パーティション追加するぐらいしか打つ手なし。まあ、この変更で影響被るアプリは僕の場合「Diablo II」だけですけど...それでも大きなロスですよ!Kyle Wagner(原文/satomi)