カスタマーをバカにする浅はかなマーケティング戦略?
アップルが発表した新しいiPhone、iPhone SEですが米GizmodoのKate Knibbs記者は「ただのアップグレードされたiPhone 5sだ」と断言しております。以下、Kate Knibbs記者どうぞ。
アップルは今日“新しい”4インチのiPhone SEを発表し、iPhone 5sを殺しました。これはずる賢いマーケティング戦略であり汚いトリックです。iPhone SEは新しいスマホではありません、iPhone 5sです。
私、トリックに引っ掛けられるの好きじゃないんです。
もう私たちはiPhone 5sを買うことはできません、でもだからって悲しみに溺れてドランブイをグラスに注ぐのは待って下さい。iPhone 5sのお墓に行って泣かないでください。そこにiPhone 5sはいません。iPhone 5sは死んでません。
iPhone SEには大きさ、形、見た目、ハードウェア、ソフトウェアに関して何も新しかったり、特別違っている点はありません。先代と同様、バカげた16ギガバイト・モデルすら買えるんです。
米Gizmodoのレビュー編集者Alex CranzはiPhone SEの見た目を描写してこう言ってます。
このスマホは、外側から見ると、ただのiPhone 5sです。
ディスプレイは同じ、見た目は同じ。ソフトウェアも同じです。
中身はどうなんだって?iPhone SEはiPhone 6sと同じカメラと同じ処理能力を持ってます。けどそれって要するにiPhone SEは中身がちょっとアップグレードしたiPhone 5sだってことですよね。
アップグレードって新製品と同じじゃないですよ。これを新しいスマホだって呼ぶのは、抱きまくらにカツラを被せてサマンサとかって名前を付けるのと同じです。何やったってサマンサは結局抱きまくらですよ。サマンサはアナタを愛することはできないですよ。
プロダクトの名前を変えるのは古くからある広告戦略です。私知ってるんです、「マッドマン」っていうTV番組で学びました。
あるドッグフード会社がドッグフードの材料に馬肉を使っていたんですけど、それが消費者の間で知れ渡ってしまって業績が落ちてるんです。そこで「マッドマン」はドッグフード会社に言うんです。新しい商品名をつけないといけないよって。
ドッグフードのレシピを変える必要はないよ、ただ名前を変えれば皆忘れるから、って。ドッグフード会社の人は気乗りしないんですけど、結局従うんです。
私は別にティム・クックがiPhoneに馬肉を使ってるとかって言ってるわけではありません。私が言いたいのは彼が私達のことを何も分かってない馬鹿扱いしてるってことです。アップルは製品名を変えただけ。まったくもって同じプロダクトです。
もし昨日、アナタが4インチの電話をアップルから買いたかったらiPhone 5sを買っていたでしょう。明日もiPhone 5sを買うことはできます。その次の日も。そのまた次の日も。ただiPhone SEという名前で呼ばれてるだけです。
あとiPhone SEは馬肉でできてるらしいですよ。
Kate Knibbs - Gizmodo US[原文]
(塚本 紺)