Y2Kの頃すごく話題になった「SETI(地球外知的生命体探査:Search for Extra-Terrestrial Intelligence)」、覚えてます?
SETI@homeは、一般の人でも無料プログラムをパソコンにダウンロードすれば、宇宙から届く光や電波を解析して宇宙人からの信号を探す壮大な実験に、自分ちの処理力を貢献できるという、UCバークレイの寄せ集めスパコンによる実験プロジェクトです。これはなんとしても貢献せねば...と思ったんでしょう。
SETI@homeユーザーの間では「NEZ」というハンドルネームで知る人ぞ知る存在のブラッド・ニースルチョウスキ(Brad Niesluchowski)さんは、Higley学区技術部門を総括するネットワークシステム管理者の肩書きを活かしてパソコンを買い込み、全部SETI@homeに使ってたのです。24時間フル稼働で。
就職1ヶ月後の2001年2月にSETIプログラムに参加して以来、この9年間でブラッドさんがデータマイニングに貢献した時間はななななんと5億7500万時間!
まさか学校のコンピュータに全部入れて使ってるとは露知らないSETI@homeユーザーたちはそのあまりの貢献っぷりに驚き、2007年当時のチャットにこう書いてます。
「NEZって何? 何者?」、「神か?」
しかし、神やるのも楽じゃないですね。SETIの件だけじゃなく、この秋家宅捜査したら、学区からネコババしたコンピュータ18台と周辺機器も見つかり、ついでにポルノのダウンロードも見つかって、ばっちり就業規則違反とられて解雇処分となってしまったのです...。
SETI@homeはパソコンがアイドリング状態になると起動するので普通に貢献してる分にはあんまり負担にならないはずなんですけど、まあ、規模が規模だけに学区では「機器・電気代など合わせた損害は総額推定120万~160万ドル(1億~1億4000万円)」と話してますよ。
ギャンブルで着服ならいざ知らずボランティア熱が高じて、というところが気の毒な気も...。いくら人類のためでもボランティアは私財の範囲内で、ですねぇ...。
[Arizona Republic via Techdirt]
Jesus Diaz(原文/satomi)