営業に特化したコンサルティング会社、Grand Central社の北口拓実CEO。背景は同社の東京オフィス。
撮影:竹下郁子、提供:Grand Central
名古屋発の営業に特化したコンサルティング会社「Grand Central(グランドセントラル)」が、オフィスを東京に構えた。創業から3年で売上高14億円超にまで急成長した背景には、エンジニアも含めた全員が「週5日の完全出社」で「スーツ着用」を貫く、独自の企業文化がある。
1脚20万円超の椅子や32インチのモニターを完備した、「家よりも仕事しやすいオフィス」を取材した。
営業版アクセンチュア目指す
Grand Central社CEOの北口拓実氏(28歳)は、キーエンス出身。キーエンス時代の同僚らと共に2021年9月に創業し、現在の従業員数は約320人(正社員は約130人)。北口CEOによると、売上高は前述の通り3期目で約14億円、4期目は約28億円、5期目は約47億円を見込む。
ビジネスの柱は、営業のコンサルティングと営業代行だ。
「コンサルカオスマップを見ても、営業に特化したコンサルは少ない。つまりブルーオーシャンです。
ここでリーディングカンパニーになりたい。アクセンチュアがIT領域でグローバルに展開していますが、将来的には営業領域でそうなりたいと考えています」(Grand Central・北口拓実CEO)
クライアントは累計350社を超え、トヨタ自動車やNTTドコモなど大手企業も多い。
平均年齢25歳という「ウィークポイント」
急成長の背景には、独自の企業カルチャーがある。週5日の完全出社スタイルで、スーツ着用も必須だ。これはエンジニアも例外ではないというから驚きだ。
同社の「平均年齢は25歳で、マネージャー層の平均年齢も29歳」(北口CEO)と若い。若さは強みでもあり、弱点でもあると語る北口CEO。それを補うために出社してコミュニケーションを取り、スーツで好印象を与えるのだという。
また「コアタイムは顧客との接触を最大化させる」という考え方から、平日朝9時から夕方6時までは基本的に顧客への営業活動しか行わず、会議も最小限にしているそうだ。
20万円超のオフィスチェアで昼寝を
オフィスチェアは20万円超。背もたれにスーツを掛けられるようになっている。
撮影:竹下郁子
新たに設けた東京オフィスの内装には、約2億円を費やしたという。黒を基調としたフロアは、間仕切りがほとんどなくオープンな雰囲気だ。
「フリーアドレスではなく固定席にして、それぞれの席にガジェットを整備することで、自宅よりも仕事がしやすい、効率が上がるオフィスになるよう心がけています。
32インチのモニターをダブルでつけたり、椅子は定価で1脚あたり23〜24万円の物です。背もたれにスーツがかけられるようになっていて、リクライニングもできます。効率化のために昼寝を推奨しているので、よくみんな椅子を倒して寝ていますよ」(北口CEO)
「不夜城」にならないよう、夜9時45分にはアナウンスと“蛍の光”の音楽を流し、10時には消灯するという。東京オフィスの新設は、近年中のIPOをにらんだものだ。将来は韓国、ベトナム、フィリピン、タイなど海外展開も進めたいと話す。