※本記事は、2024年6月8日に公開した記事の再掲です。
ノースダコタ州で発掘された「ティーン・レックス」の化石と記念撮影をする発見者の少年たちとその家族。
Dr. Tyler R. Lyson/Denver Museum of Nature & Science
- 2022年、3人の少年がノースダコタ州でハイキング中に若いティラノサウルス・レックス(Tレックス)の骨格を発見した。
- 「ティーン・レックス」と名づけられたこの化石は、バッドランズのヘルクリーク累層で見つかった。
- Tレックスの幼体の化石はこれまでに数体しか見つかっていないため、この発見は重要だとされている。
ノースダコタ州に住む3人の少年が、家族でハイキングに出かけたとき、冒険好きの子どもなら誰もが夢見る恐竜の骨を見つけた。しかもただの恐竜ではなく、ティラノサウルス・レックス(Tレックス)の幼体だった。
デンバー自然科学博物館が2024年6月3日に発表した声明によると、このTレックスの骨格は2022年、ジェシン(Jessin)とリアム(Liam)のフィッシャー(Fisher)兄弟とその父親、そして従兄弟のカイデン・マドセン(Kaiden Madsen)が、ノースダコタ州マーマース近くのバッドランズでハイキングをしながら化石を探していたときに見つかったという。同博物館は今年の夏にこの骨格を展示する。
発見当時10歳、9歳、7歳だった少年たちは、何年も前から化石を探しに出かけていたと記者会見で語っている。
化石が多く含まれていることで知られるヘルクリーク累層という6550万年前の地層でできた岩場を探検していたところ、彼らは岩から突き出た大きな骨を発見した。
砂岩から突き出たティーン・レックスの3本の歯。
Dr. Tyler R. Lyson/Denver Museum of Nature & Science
ジェシンとリアムの父親であるサム・フィッシャー(Sam Fisher)は骨の写真を撮り、高校の同級生でデンバー自然科学博物館の古生物学学芸員であるタイラー・ライソン(Tyler Lyson)に骨の同定を依頼した。
2023年の夏、発見者である少年たちとライソンは、骨を発掘するために現場に戻った。そこは土地管理局が管理する連邦政府の土地だった。同博物館によると骨格の約30%が保存されていたという。1回目の発掘は11日間に及んだ。この夏、古生物学者たちは発掘し残した骨格を探すために、現場を再訪する。
Tレックスの幼体の骨格はこれまでにほとんど見つかっていないため、重要な発見だと同博物館は述べている。
青い部分が発掘されたティーン・レックスの骨。科学者たちは、他の部分もさらに発掘されることを期待している。
Scott Harman/Denver Museum of Nature & Science
「発見のスリルと喜びを知っている少年たちは、外に飛び出して信じられないほどの恐竜の発見を成し遂げた。それによって科学が進歩し、自然界に対する我々の理解を深めることができる」とライソンは声明で述べた。
「ティーン・レックス」と名付けられたこの若いTレックスは、体高3メートル、体長7.6メートル、体重1.6トンだったと推定されている。成体のTレックスの場合、体長12メートル、体重3.6トンにもなるという。
ティーン・レックスの発見によって、この種の恐竜の成長と発達、そしてどのように成熟していったかを研究する機会になる、とデンバー自然科学博物館は述べている。
この化石とその物語が、6月21日からデンバー自然科学博物館で一時展示される予定だ。