Waymo
- グーグルからスピンアウトした自動運転技術開発のウェイモは、サンフランシスコで一般市民を対象に「ロボタクシー」の配車サービスを開始した。
- ウェイモはジャガーの電気自動車を用いた配車サービスのテスト「Trusted Tester program」を行っている。
- すべての車両には、緊急時に対応するための補助ドライバーが同乗する。
サンフランシスコ市民は、自動運転タクシーを利用できるようになった。
ウェイモ(Waymo)は2021年8月24日、「ロボタクシー」のテスト運行「Trusted Tester program」を開始した。使用される車両はジャガー(Jaguar)の電動SUV「I-PACE」で、サンフランシスコ市民はこれに乗って目的地まで行けるようになる。このSUVには、ウェイモの第5世代の自動運転システム「ウェイモ・ドライバー」が搭載されている。
「このテスト運行を通じて、サンフランシスコの充実した公共交通インフラを補完し、市民の交通手段の選択肢を広げていきたい」と同社はプレスリリースで述べている。
「より多くの市民がウェイモ・ドライバーを体験し、声を寄せてくれることを楽しみにしている」
グーグル(Google)の自動運転プロジェクトとしてスタートしたウェイモは、10年以上前からサンフランシスコで自動運転のテストを行っているが、一般市民を対象とするのは今回が初めてだ。乗車の予約は同社のアプリ「Waymo One」から行う。
テストに参加する市民は「日常的なニーズに応じて、サービスエリア内で行きたい場所があれば、タクシーを呼ぶことができる」とウェイモはリリースで述べている。すべての車両には、緊急時に対応するために訓練を受けた補助ドライバーが同乗する。
テスト運行は、8月中旬から一部の市民を対象に始まった。最終的には利用を希望するすべてのサンフランシスコ市民にまで対象が拡大される予定で、まずは数週間後に、より多くの市民が利用できるようになるという。参加者は無料で乗車できる代わりに、アプリや送迎、乗車中の様子などについてフィードバックすることが求められる。ウェイモは、車いす対応の車両も用意していると述べている。
ウェイモがロボタクシーの乗車体験を一般市民に提供するのは、今回が初めてではない。同社は2017年にアリゾナ州フェニックスで自動運転配車サービスを開始した。このサービスは2020年に一部区域内で補助ドライバーを同乗させることをやめ、完全無人の運行になった。2021年の初めには、この車両の1つで操作がうまくいかず、交通を遮断するというトラブルが発生した。
同社は「当社のチームはすでにこの件について調査し、運行のプロセスを改善した」と述べている。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)