ミレニアル世代、コロナ禍で自動車の便利さ発見-購入への関心高まる
Emily Cadman、Charlie Wells、Shamsiya Hussainpoor-
ロンドン在住の30代医師、感染不安で公共交通機関から自動車通勤に
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日本でも運転免許の新規交付が8年ぶりに増加、20代と30代が中心
自動車を巡り、以前ならほぼ信じられなかったような状況が起きている。
ほんの数年前までは、 自動車に対して死亡宣告が出されようとしていた。当時の議論によれば、ミレニアル世代やZ世代は、公共交通機関が発達しウーバーなどの配車サービスもある都市部に移動する人が増えたため、自動車の所有を敬遠すると考えられていた。その上、環境への悪影響を巡る懸念のため、若者は購入を思いとどまると見込まれていた。
その後、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が発生した。今では世界経済の回復に伴い、中古車価格が高騰しているほか、運転免許試験の待ち時間が長期化している。EYが9カ国の消費者3300人を対象に実施した調査によると、自動車を所有していない人の32%が今後半年以内に購入するつもりだと回答。これら購入希望者の約半分がミレニアル世代だった。
ロンドン在住の32歳の医師、ゲオルギオス・バスダニスさんは、既に自動車を購入した人の1人だ。「パンデミックがなかったら、車を買うことは考えていなかっただろう」と話す。
英国の感染の最盛期に病院へ仕事に行くのに公共交通機関を利用することは、不安が高まる経験だった。自分で運転できる方がずっと安全なように思えた。
バスダニスさんは「残業の時や週末にジムに行く時も、車があると便利だ。あと、旅行もだ。ちょっと車に乗って、日帰りで田舎に出掛けることもできる」と語った。
自動車に対する態度が変わったのは欧米だけではない。日本でも自動車の所有への関心が高まっている。警察庁によると、運転免許証の新規交付は2020年に8年ぶりに増加し、その伸びの大部分を20代と30代が占めた。運転免許試験を受けるまでの待ち時間も2倍余りとなっている。
原題:Millennials Suddenly Discover Convenience of Cars During Covid(抜粋)