大阪で「F1誘致計画」再燃、吉村知事も意欲 実現性には疑問の声
世界最高峰のモーターレース「F1」の日本グランプリを大阪に誘致する計画が再び持ち上がっている。大阪では以前も誘致を目指す動きがあったが、経費負担の大きさなどを考慮して断念した経緯がある。今回は民間主体による誘致・開催を想定するが、実現を疑問視する声は多い。
「大阪の国際観光都市化を進める上で、非常に重要なキラーコンテンツになる。民設民営で誘致するとなれば全面的に応援したい」。大阪府の吉村洋文知事は13日、F1誘致をめぐり、報道陣にこう期待を寄せた。
誘致計画が突如として再燃したのは1月15日。府・大阪市や大阪経済界の幹部が集う会議で、府市などが出資する「大阪観光局」の溝畑宏理事長が打ち出した。
観光局によると、サーキット場を新設するか、既存の公道を使うかといった開催形式は未定。2026年以降の開催を目指し、誘致に向けて専門家らを交えた協議体を年内に立ち上げて25年に計画の概要を示す方針だ。
誘致や開催費用の負担はあくまで民間主体の「民設民営」だとし、赤字が生じた場合の穴埋めを府・大阪市に求めることはないとしている。溝畑氏は「国内外の5~10企業が関心を示している」と説明。これまで誘致の可能性を約2年をかけて調査し「やれるという確信がある」と自信をのぞかせる。
観光局が誘致の先に目指すのは、さらなる観光振興だ。大阪はユニバーサル・スタジオ・ジャパン、大阪城など観光拠点が集まり、特にアジアからの訪日客に人気が高い。F1誘致により、欧米の富裕層といったより幅広い客層を引きつけたい狙いがある。
だが、開催に向けては課題が…