「教育虐待」しないために 火事場の外にも世界はある 東畑開人さん

有料記事社会季評

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東畑開人さんの「社会季評」

 もうすぐ年末。仕事のラストスパートに励んでいる読者も多いことだろう。だけど、そんな年末から火事場に突入する子どもたちがいる。中学受験生だ。多くの入試が年明けに行われるから、年末年始も関係ない猛勉強がなされる。親も必死だ。頑張れ、最後の最後まで学力は伸びる、限界突破、火事場の馬鹿力だ。親子一丸となったラストスパートがなされる。

 人生の中で一つの目標に向かって邁進(まいしん)する時期があることは基本的には素晴らしいと思う。勉強に限らず、仕事やスポーツにしても、何かを頑張った経験には、苦しさだけではなく、楽しさもあるし、自信になる。だけど、それがいつも功を奏するわけじゃない。

 私がそうだった。もう30年…

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    島沢優子
    (ジャーナリスト・チームコンサルタント)
    2023年12月21日17時40分 投稿
    【視点】

    「息子がチャレンジしようとしない。頭を使わずプレーするので愚痴を言ってしまう」という主旨の相談をある父親からいただきました。2016年から月2回、親やコーチなど少年サッカーにかかわる人たちが集まるサイトでQ&Aの連載をしています。回答では言

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    岩本菜々
    (NPO法人POSSE理事)
    2023年12月29日15時28分 投稿
    【視点】

    ・社会全体が「火事場」化している中で、どう逃げ場を広げていくか? 私がボランティアをしているNPO法人POSSEにも、たびたび10代の若者たちから「虐待を受けているので、家を出たい」という相談が寄せられます。その中には「習い事をいくつ

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