経団連会長「一刻も早く再稼働を」、北陸電力志賀原発を初めて視察
土井良典
経団連の十倉雅和会長が28日、稼働停止が続く北陸電力志賀原発(石川県志賀町)を視察した。北陸経済連合会の呼びかけに応じた形。北陸電によると、経団連の同原発の視察は初めてだという。
十倉会長は、北陸電の金井豊会長を前に「カーボンニュートラル実現とエネルギー安全保障の確保を両立するため、原子力の積極的活用が不可欠」とあいさつ。北陸電から説明を受けながら、重大事故時に現場の対策拠点となる「緊急時対策棟」や2号機の原子炉建屋内などをまわった。
2026年1月までの再稼働を目指す2号機は、敷地内の断層をめぐり、原子力規制委員会の審査が長期化。審査申請から8年半となる今年3月にようやく「活断層ではない」と認められたが、まだ多くの審査項目が残る。
十倉会長の原子力関連施設の視察は4カ所目だといい、視察後、「核エネルギーは科学の力で得た貴重な財産」「人類の英知」と強調。「やっと敷地内の活断層の問題にけりをつけ、今まさに前に進もうとされている。安全安心と地元住民のご了解が前提ではあるが、一刻も早く再稼働できるよう心から願っている」と述べた。