ジャニーズ問題で発言 松尾潔さん、達郎さん所属の事務所と契約解除

滝沢文那 平岡春人
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 音楽プロデューサーでEXILEらの楽曲を手がけたことで知られる作詞・作曲家の松尾潔さんが、6日発売の夕刊紙「日刊ゲンダイ」のコラムで、性加害問題で揺れるジャニーズ事務所への苦言をラジオで呈したことなどを理由に、業務提携先からマネジメントの年間契約の中途での解除を申し入れられたことを明らかにした。

 業務提携先は、ミュージシャンの山下達郎さんらが所属する音楽プロダクション、スマイルカンパニー(SC)。松尾さんは、契約解除には山下さんと、山下さんの妻でSC所属の竹内まりやさんも賛成していることを代理人弁護士を通じて確認。その上で「契約終了の最終合意に応じた」とつづっている。

 スマイルカンパニーも5日に公式サイトを更新し、小杉周水社長名でコメントを掲載。6月30日付で契約が終了したことを公表した。「松尾氏によるこれまでの社内外での言動等に鑑み、弊社代表である私自身の判断により、松尾氏との協議の上、合意により終了することとなったもの」としている。山下さんは9日に自身がパーソナリティーを務めるラジオの番組でこの問題への見解を述べるとみられる。

 松尾さんは日刊ゲンダイのコラム「松尾潔のメロウな木曜日」の特別版で、ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長が性加害問題を巡り動画と文書で見解を発表したことを踏まえ、福岡RKBラジオの生番組で、藤島社長の記者会見を求めるなどの発言をしたところ、「(小杉社長が)J(ジャニーズ)やジュリー社長の名前をメディアで出すこと自体を問題視し、マネージメントの中途解約を切り出した」といったいきさつがあったことを明らかにした。

 さらに、小杉社長から「RKBラジオ等での発言はいかにも松尾らしく正論でもあるが、これまでの山下家・小杉家・藤島家のつきあいの歴史を考えると、SCに松尾が在籍し続けるのを認めるのは難しい。なぜなら、三家のつきあいはビジネスではなく『義理人情』なのだから」との説明を受けた、ともつづった。

 こうした点についてスマイルカンパニーは朝日新聞の取材に「現時点では答えられない。公式サイトに掲載したコメント以上のことは何も言えない」と回答した。

 スマイルカンパニーの元社長はジャニーズ事務所の顧問を務めた小杉理宇造氏で、現社長で作曲家の周水氏は理宇造氏の長男。山下さんは大ヒットしたKinKi Kids「硝子(ガラス)の少年」の作曲をはじめ、近藤真彦少年隊木村拓哉、嵐などジャニーズ事務所所属のタレント、元タレントに数多くの楽曲を提供している。

 松尾さんは、第50回レコード大賞を受賞したEXILE「Ti Amo」などを手がけ、SMAPなどジャニーズ事務所のタレントにも楽曲を提供している。福岡RKBラジオや日刊ゲンダイのコラムなどで、一連の疑惑を巡ってジャニーズ事務所やメディアの問題点を指摘していた。また、コラムに先立つ7月1日にはツイッターで、事務所との契約終了を公表。「私がメディアでジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及したのが理由」と説明し、山下さんも会社の方針に「賛成とのこと」と投稿していた。ツイートは6日夕方時点で、2万5千リツイート、8万1千の「いいね」がついている。

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この記事を書いた人
滝沢文那
文化部|放送担当キャップ
専門・関心分野
放送・芸能、批評、思想、文学、演劇
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