「私も愛用者」二槽式洗濯機、根強い人気 全自動にはない柔軟性

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大村美香
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 二槽式洗濯機を愛用しているという10月3日のひととき欄に、「私も!」という同感の声が次々と寄せられました。根強いニーズに応え、製造を続けている家電メーカーも複数あります。

 「今までちょっと周りには言えない隠れ二槽式ファンでしたが、仲間ができたようで、急に元気が出てきました」

 茨城県石岡市の会社員、古谷幸子さん(67)は30年以上、二槽式を使い続けてきた。昨年12月にそれがついに壊れてしまい、買い替えた。

 家電量販店を見回ったら小型の全自動よりも値段が高かった。結局、知り合いの電器店に頼み、メーカーから取り寄せて購入した。「洗濯しながら脱水も同時にできるのが、全自動にはない一番の魅力。操作が超簡単で、しかもシンプルな構造だからほとんど故障もなく長持ち。なくてはならない相棒です」

 横浜市の主婦、吉田百合子さん(91)は「洗濯にこだわるわけではないけれど、ほんの少し人の手、目を使うと、多種多様な衣類はもっとよく洗い上げられるのではないかと思うのです」と二槽式の良さを表現する。

 新潟県妙高市の無職、一條悦子さん(69)が使っている二槽式は4代目。初代が家にやってきたのは今から60年以上前だった。母は、洗濯物の厚さや汚れ具合によって、分けて洗えるから便利と言い、全自動に買い替えることもなく、ずっと使い続け、一條さんも引き継いだ。

 現在の4代目は2010年製造。14年目でまだ壊れず働いてくれているが、回転音が大きくなり、そろそろ替え時が近いかな、と思っている。「昨年モデルでもいいので、二槽式がありますように!」

 東京都千代田区の家電量販店・ビックカメラ有楽町店では、1カ月に10台以内だが、二槽式洗濯機が売れ続けている。

 担当の梅本恵里さんは「購入…

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この記事を書いた人
大村美香
くらし報道部|食と農、消費者庁
専門・関心分野
食と農
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    富永京子
    (立命館大学准教授=社会運動論)
    2024年11月10日20時23分 投稿
    【視点】

    衣服の作成や建造物の修繕などの営為を自力でやる社会運動があり、Lifestyle movementとかDIY Activismと言われたりします。こうした運動が掲げる問題意識の一つに、全自動や労働の外注といったプロセスが人を簡単に「消費者」

    …続きを読む