広島)広島大が「角筆資料室」を新設
北村浩貴
木や竹の先端をとがらせてつくった筆記具「角筆(かくひつ)」。広島大はこの夏、角筆研究の第一人者、小林芳規・同大名誉教授(国語学)が収集・寄贈した文献を集めた資料室を、東広島キャンパスの中央図書館に新設した。新型コロナウイルスの影響で、当面は学内のみで利用される。
角筆は、墨などをつけずに資料に書き込んで爪痕のようにくぼませ、字や絵などを描く。方言や言語の読み方などを書き込むのに用いられ、当時の発音や解釈などの解明につながるという。
同大によると、小林名誉教授は1961年、漢籍資料から角筆の書き入れを初めて発見。国内でこれまで確認された文献は約3350点にのぼる。中国・敦煌の文書や朝鮮半島の古代「新羅」の経典、さらに中東のコーランなどにも角筆の書き入れがみられ、世界的な広がりが確認されているという。
小林名誉教授が昨年度、文化…
【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら