中国~キルギス~ウズベク結ぶ新鉄道、着工
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【12月28日 AFP】中央アジア・キルギスのサディル・ジャパロフ大統領は27日、中国とキルギス、ウズベキスタンの3か国を結ぶ新鉄道の起工式に出席した。同鉄道は、中央アジアを欧州への補給路として開拓することを目的としている。
中国は巨額を投じ、ロシアが長らく勢力圏と見なしてきた中央アジアを横断する鉄道や道路を建設している。
起工式はキルギスの国営テレビで生中継された。ジャパロフ氏が伝統的なフェルト帽をかぶって演説した他、南部ジャララバード州の雪に覆われた山々で3か国の国旗色の照明弾が打ち上げられた。
新鉄道は、中国北西部・新疆ウイグル自治区カシュガル~キルギスのジャララバード~ウズベクのアンディジャンを結ぶ。総延長約523キロで、内訳は中国区間約155キロ、キルギス区間が最も長い約305キロ、ウズベク区間が約63キロ。
ジャパロフ氏は起工式で、新鉄道により、中国からキルギス、そして中央アジアとトルコなどの近隣諸国、欧州連合(EU)への物資の供給が確保されると説明。「このプロジェクトの実行を支援してくれたパートナーである中国やウズベキスタン」に謝意を表した。
このプロジェクトには山岳地帯や永久凍土地帯での鉄道敷設も含まれており、キルギス当局は総工費を最大80億ドル(約1兆2600億円)と見積もっている。
テレビ中継されたプレゼンテーションによると、キルギス国内にはトンネル26本、橋46本が建設される。
気候が厳しく、地震活動も活発な山岳地帯での工事は「非常に複雑」なものになる見通しだという。
このプロジェクトは20年にわたり協議されていたが、今年6月、中国とキルギス、ウズベクの首脳が政府間協定に調印したことで実現した。
キルギス鉄道は工期について、約6年かかる見通しを示している。
中国が結び付きを強化している中央アジアは、炭化水素資源が豊富で、同国の巨大経済圏構想「一帯一路」においても要所となっている。(c)AFP